【明日方舟】マルベリー(桑葚 Mulberry)の詳細(性能やスキル、資料)

造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、同じく鉱石病の兆候が認められる。以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

【源石融合率】7%
腹部に少量の源石結晶が認められる

【血液中源石密度】0.22u/L
マルベリーは長期にわたって感染リスクの高い危険区域に身を置いている。強い防護意識を持ち、過硬な治療技術を身につけてはいるが、病状が悪化しないように定期的に検査をする必要がある。

ロドスと救援組織「春乾」の交換学習プログラムは立ち上げられたばかりの新しいプロジェクトであり、ロドス側は緊急時の鉱石病防護法や感染初期の的確な治療措置などの科目が主に開設されている。

厳しいなテストと選抜を通じてロドスと「春乾」の間の最初の交流者になることが出来たマルベリーの専門分野での能力は確かに疑いの余地がないものと言える。

ロドスに初めて訪れた時のマルベリーの雰囲気にはしばらくの間心配になるものがあった。彼女は内向的であり無口、恥ずかしがり屋で臆病で、いつも一人で本を抱えて歩いており、言語の方面のテストの成績は悪くないにも関わらず、他のオペレーターとは上手く言葉を交わす事が出来ない。

このような状況には大きな問題があるに違いは無いが、幸いなことにロドスの炎国出身のオペレーターの何人かはすぐにこの新しく来た少女の状況に気付いた。

炎国人は自分の同郷に対してはいつも親切であり、みんなの励ましの下でマルベリーはついに第一歩を踏み出し、勇気を出してロドスにいる何人かの天災トランスポーターと話をしようとした。

コミュニケーションの窓口が開いたのであれば、次の状況を心配する必要は無いだろう。

炎国の姜斉の伝統的な家庭に生まれたマルベリー、大家族の同世代の中で一番小さい少女だ。

マルベリーの学業成績は学校の中でも中の上で本を読んで努力はしているものの、ずっと上位に食い込む事が出来ない状況であり、このような状況はマルベリーを憂鬱とし落ち込ませ、彼女をますます内向的な性格にしていった。

先生からしても、家族からしても、まじめで努力をし、利口で言うことを聞くマルベリーは安心出来る良い子だ。

あまり個性が無く、非常に優秀とは言えないが、大人しくて、面倒を起こさず、変な事もしない、普通ながら良い子だ。

マルベリーの両親は娘の未来の人生に対して既に考えがあり、手配もしていた。

彼らはマルベリーが穏やかに良好な教育を受けることができることを望み、安全で安定した仕事を探して、普通の人から見ても幸せで安定した生活を過ごす事を望んでいた。

しかし、意外な事に子供の頃は大人しく、自分の意見も言うことがあまり無かったマルベリーはいつものように家の用意した道に従う事は無く、学校を卒業した後は家族に内緒で「春乾」に履歴書を送り、家から遠く離れた。

当然のことながら、彼女のこれまでには無かった逆らいは家の中で大きな波紋を呼んだ。

しかし、マルベリーは両親に残した別れの手紙に書いたように幼い頃に天災の惨劇を見た後、彼女はとっくにひそかに自分の志を立てていたのだ。

このことだけは親の手配に従いたくなかった。

少女は一世一代の勇気を振り絞り、自分で自分の人生を決めた。

桑実は确かに内向的で少し臆病な女の子で、夜眠る時は彼女が家から持ってきた古い人形を抱いていないと、うまく眠れないし、いつも不安を感じているので、いつも自分の私物に霊験灼然な平安符をいっぱい掛けなければ気が済まない。

彼女の印象の多くは内向的で、臆病で、いつも慎重で、柔順で弱そう――そんな印象ではある、彼女が専門分野に関わる時、マルベリーは一時的にすべての臆病さと迷いを捨てる。

この時の彼女は救助員として、救助対象の前で最も信頼できる人物にならなければならないからだ。

マルベリーが仕事をしている間に見せた確固たる自信は、初めて彼女と仕事をした全てのオペレーターを驚かせた。

両親はマルベリーには穏やかで順調な人生を望んでいたが、鉱石病に感染した今、このような期待は贅沢なものとなった。

当初家を出た時、マルベリーはまだ家が用意していた道に不満を持っており、両親の自分に対する操縦と管理にも抵抗はしていたものの、救援隊に入った後、きちんとした寝袋を巻いても、手足は依然として凍って感覚を失い、テントの外の暴風を聞きながら、一晩中眠れずに孤独を恐れていた。

風の音が一番大きい時にはホームシックでこっそり寝袋の中で泣き、風の音が自分の泣き声を覆い……これら全てを経験した後、以前はあった様々なな悔しさ、色々な恨みや逆らいはもう重要ではなくなっていた。

しかし、幸いなことに、救援隊に入隊した翌年、苦しい仕事生活にも慣れてきたマルベリーは家と正常なつながりを取り戻す事が出来た。

彼女のとある帰省の旅にてマルベリーは彼女が救援組織に参加することに激しく反対した父を目撃、彼は手に彼女が家に送った手紙を握りしめ、自宅の街角に立ち、近所の人達には自分の名前を口にしていた。

「これは人を救う職業なんだ。うちの娘は苦労を恐れない。うちの子は良い子なんだよ」

いつもとても厳しい父の顔には彼女の前には見せたことも無い誇りの顔があった。

マルベリーは自分はきっとこの事を永遠に覚えているだろうなと思っていた。

常に天災にかかわっている災害救助士になることが何を意味するのか、分からない人はいないと思っている。

マルベリーは家を出るという決定を下す前から自分が災害救助員になることを選んだというのは苦労する人生の道を選んだのと同じだと分かっていた

多くの災害……特に深刻な被害をもたらす天災は被災地の人々の生活に深刻な影響を及ぼすだけでなく、救援に向かう人々にとっても厳しい試練を経験させる。

どんなに厳重な事前防護準備をしていても万が一がある。常に天災が頻発する地域で活動、被災者を救助、時には突発的な二次災害に直面する必要もあり、鉱石病に感染することは救助員という非常に危険な職業にとっては避けられない事だ。

この職業を選ぶという事は自分の安否を度外視するという事に等しいと言える。

マルベリーも当然そうだった。