
分かった。

ああ、連絡を取り合おう。臭いがしたらすぐにでも教えてくれ。

三番目のボタンを押せばいい。ああ。

――ん?Dr.○○○?

アーミヤは?

・アーミヤは貧民区に行った。

――彼女を一人で行かせたのか。

….まあいい。彼女には少ないながらも護衛がいるからな。

君が付いていったとしても、足手まといになりそうだしな。今回は君には非はない。

君も一人で帰ってきたのか?

ああ、ペンギン急便か。

君ももっと自分の身の安全にも注意したらどうだ。私達は毎回信頼できる現地ガイドを雇えるという訳ではないんだ。

Dr.○○○――。

アーミヤは龍門に長く滞在することは無い。後の仕事はまだあるしな。

君は再び向き合う必要がある。

――私であれば、その時にこれまで話さなかったことを話すだろうな。

あれ、ドクター?

ずっと待っていたのですか…。

ごめんなさい、お待たせしました。

え?私の表情が去ったときとは違っている?

…

色々あったんですよ。

私は思ったんです…。

チェン長官も自分の考えを持っているのかもしれません。

例え彼女の口が悪かったとしても、彼女が私にとって許しがたいことをしたとしても…。

ですが恐らく…私達との溝はそれほど大きくはありません。

彼女には彼女の責任があります。

…あ…そういえばそうでしたね。

彼女もたくさんのことを引き受けているのでしょう。

多分私も…。

・アーミヤ、君もたくさんのことを引き受けてきた
・….。

それは…。

私は…ただ他の選択肢が無いだけです。

・少なくともアーミヤは自分の選択を堅持した。
・….。

…もしそれがあの結果を招いたのであれば、やはり固執したからでしょうね。

ドクターはしなくても良いんですよ…私を慰めることなんて。

実は分かったんです。

私は知らなかった…。

私達はいつまで歩けば、この大地が変わってくるのかは分かりませんでした…。

ですが、分かったんです。

私は諦めません。

どんな結果にも責任は伴います。これは…私が自分で選んだのですから。

ドクター…

あなたは…私の側にいてくれますか?

それでも…この罪悪感はいつまでもあるでしょうが。

皆さんの後悔を掴むことは出来ませんでした。友人を助けることが出来なかったのも後悔が残ります…。

ですが私は平然とそれに直面しなければならない。

ロドスのみなさんと一緒に――。

ん?ケルシー先生からの通信です…。

ケルシー先生?どうしましたか?

アーミヤ、いくつかの偵察チームから通信が送られてきた。

事態は一刻も争うものとなっている。

分かりました。すぐに向かいます。
(戦闘)

動きが速いぞ!…。

どうして…。

(声を出すな!)

(むぐ――)

(奴らはまだそこにいるか?)

(まだよ…!)

(何かを探しているようだわ――)

(――レユニオンがこっちを向いてるわ!隠れるわよ!)

――――。

俺の錯覚か?

(あいつらを狙撃できるか?)

(私達と敵との距離が遠すぎるわ…)

(やつらが現れてからというもの、爆発音も止まっている…)

(やつらの立ち位置が3つに分散してるし、私には一度に3つも落とすことなんて出来ないわよ)

(それに、あのレユニオンの動きは普通の暴徒とは明らかに違っている)

(他のレユニオンほど重装備では無いようです)

(そうなのよ。一度でも軽率な行動をして一人でも生き延びてしまったら、もっと多くの暴徒を招き入れてしまうから危険なのよ)

(それに加えて一人は術師の格好をしている。何かテストでもしているのかしら)

もしやつらも同じような索敵タイプのアーツがあるのであれば…)

(私達の位置から弾薬を発射すれば、やつらは完全に把握することが出来るわ)

(つまりは不可能ってことか。3対3なのにまるで囲まれているようだな)

(ちょっとまずいわね。この感じ嫌いだわ)

(ハンターはより大きな獣に追い立てられ、隠れざる負えないって感じ)

(待って、やつら通信しているみたいよ――)

(ここでは埒が明かない。行かせてくれ)

(ダメよ。今移動するのは危険だわ)

(静かすぎるのよ。敵がどのような感染者なのかも分からないし…)

(聴力強化のようなものがあれば、もっとひどい目にあうわよ)

(――やつら何を持っているのかしら)

(何だか――変な感じがするわね。)

(あれは――)

(ジェシカ、あなたは…)

(私…私はその…)

(気温が再び下がってきているようです…)

(私…とても寒くて…)

(まさか奴らは…!)

(――!ジェシカ、あなたどうして自分の指を噛んで――)

(歯をガチガチする際の音を出さないようにしているのだろう)

(それが必要かはさておき、こういった素質は本当に素晴らしい子だな)

(私から見ればあなたも子供よ)

(――ふん)

(ダメだな)

(…気温が戻ってきたわ。レユニオンの3人も離れていった)

何のテストをしていたのかしら――。

――音も立てずに寒さをもたらし、温度を黙って持ち去り、ただ被害者だけを残し闇に震える。

くそ、まるでやつらが本当の伝説の雪怪のようね。

それが正しいのかもしれないな。

やつらはきっと雪怪なのだろう。

…見つけたわ。

氷結した壁よ。でも、見てみて――

黒色のオリジ二ウムが隅に埋まっている?

案の定、寒波はここから外に放出されているわね。

壁には鮮やかな模様が見えるな。

このオリジ二ウムが地域の温度を下げる中心のようだ。

――私が傭兵をしていた時、バラックにはこんな伝説があった。

ウルサスの北西部には感染者のゲリラがいて、そいつらはウルサスを相手取っている。

そいつらの中にはまるで鉄塔のような怪物がいる。

そいつを止めるものは何も無いと言われている。

盾は破られ、武器は破壊されてしまう。

その化物が去った後に残るのは平地だけで、その平地には生気が無い。

そのゲリラの中には小さなチームが存在し――。

やつらはまるで寒い冬のようだと。

そいつらが歩いたところは全て凍ってしまう。

建物は轟然と倒れ、粉々になり、四方に荒廃した戦場が散らばる。

塹壕の中には凍ってしまったウルサスの兵士が横たわっていた。

あなたはどう感じたの…。

ああ、そうだ。やつらはその伝説だと思った。

――”雪怪小隊”。

進もう。もうすぐすればレユニオンの拠点を見つけられるはずだ。

あ…。

どうしたの?

何か臭いがしませんか…

焦げたような?