Aチーム、Bチームは遠くからマーク、Cチームは後ろから包囲してください。
傭兵団のスタイルか…。
実力も幾らかあり、訓練されている者も多少のレベルはあるようだが、それでもまだ足りんな。
こ、このじいさん、強いぞ!
どうやら格が違うようですね。あなた達は付近をしっかり守っておいてください。
…。
(この女…侮れんな。)
(付近のボディーガードでは私に傷を付けることさえ出来ないだろうが、この女は私の脅威になりうる。)
愚鈍なよそ者よ…。
(彼女はかなり怒っているようだ。)
(彼女の立場からすると我々はセイロンさんを騙した存在だと思われているのかもしれん。)
(だが、なにかおかしい。こいつは一体…)
流石経験豊富な傭兵だけあって、そちらの令嬢が連れて行かれても混乱することは無いのだな。
何をほざいてやがる!お前は私達のトップがかつて…くっ…。
黙れ。
(ん?いや待て…クロスボウにフェリーン、それにあの名前。)
(私はどこかでその名前を言ったことが…。)
待て、この老人、何をしようとしているんだ?!
(ドクターのことが気にはなるが。)
(…ドクターの力に加えて、シエスタ市には他の者共」もいる。問題はさして大きくはないはずだ。)
あいつ、俺達にほうに突進してくるぞ。気でも狂ったのか!
急げ、早く奴を止めろ!!!
遅い!
(戦闘)
あのフェリーン族の女性は普通の輩ではない。
・打ち負かすのは難しいだろうな
・将軍、怪我はなかったか?
心配はいらない。彼女の部下はみな凡人ばかり。撤退することは私にとっては容易なことだった。
ただあのボディーガードの身元については少し見当がある。
・身元か。
・まさか…。
クルビア、フェリーン族、女性、銀髪、金色の瞳、黒いクロスボウ、殺し屋、傭兵。
殺し屋が各地で有名ということは恥ずべきことだが、それでも、この噂は有名だ。
クルビアのファミリーを全て破壊。強力なファミリーで重要な人物を数年間の内に次々に殺害し、徐々に衰退させ、最終的には徹底的に排除させられた。
そして、パトロール隊の一団を殺害、クルビア国境で焼き殺し、略奪、野蛮人の征服者は次々に異民族に暴行と惨劇を加えた。
その後1ヶ月の間、奴らは山の中を逃げ回り、次々と死んでいった。最後に残った者は都市に戻ったとでたらめを吹いていたが。
そしてその話をしてくれた人が遭遇したのは。
・何があった?
・言ってくれ、怖くはない。
これ以上言う必要はないだろう。その者の傷跡は左の肩から右のかかとまで伸びているのだ。
人殺しはどこにでもいる。私もそうだ。
当然のことながら、この殺し屋は失踪して久しい。
ただ、彼女がその人本人なのであれば、私達の前にあるのは当然、血なまぐさい嵐だろう。
・想像よりも深刻だな。
・セイロンには知られていない?
市長も無知ではないだろう。
むしろ、彼女が市長専属の殺し屋であっても私は何らおかしくは思わない。
(グラスの割れる音)
・セイロン?!
・一体いつから…。
セイロンさん、盗み聞きをする必要はない。
私は、あなた達にお水を…。
へラグおじいさま、その傭兵はいつから活動を始め、いつから行方不明になったのですか?
彼女のことが有名になったのは私がまだ除隊していなかった時のことだ。
彼女が姿を消したのは一年前のことだ。ファミリーの崩壊と共に姿を消した。
…6年前にはシュヴァルツはヴィクトリアで私の生活の世話をしてくれていました。
ですがある日、突然お父様が彼女は帰って仕事をする必要があると言っていました。毎年クリスマスの時だけ迎えに来てくれて家に帰っていたのです。
で、ですが彼女は態度があまり良くないだけで、他人からの命令を受けて、シュヴァルツ本人が人を殺す殺し屋をするなんてそんなことは!
それに、あなた達の話を聞くに、クロイナの背後には私の父がいるとでも言いたいのでしょうか?!
私は信じることが出来ません!
私は推測はしない。だが、最も信頼出来る人であろうと、必ずしもあなたに隠していることが無いとは限らない。
信じようが信じまいが私には関係はない。だが、彼女の体にあるウルサス製の武器が残した傷跡を私は決して見間違えることはない。その舞台は大雪の中に葬られたのだから。
現状はあなたが見たとおりだ。ドクター。
火山の情報処理に市政庁が加わっているのであれば、このことには介入すべきだろう。
セイロンさん、あなたも事実をよく見るべきだ。
私は…私は一度落ち着く必要がありそうですね。
ドクター、頼んだ。
・え?
・どうすればいい?
自然にだ。彼女には理解してくれる人が必要だ。