
入れ。

…ケルシー先生!

ーーアーミヤ…。

…○○○。

来たのか。

…。

コホン。

ウェイ長官。ロドスの他の代表2名も到着されました。

おお、ちょうどいい。

どうぞ掛けてくれ。今の状況をケルシーさんから聞いておったところだ。

では続けましょう。現在の状況についてはウェイさんもよくご存知だと思います。

龍門の情報網は毎日大量のレユニオンに関する情報を収集しているようで、このことに対しては極めて重要視していることと思います。

ですが、これだけでは龍門は依然としていくつかの肝心な情報が不足したままです。

…。

簡単な感染者の検疫だけではレユニオンに対抗できないことは龍門近衛局もご存知かと思います。

レユニオンは大人しく検査を受けてはくれないでしょうし、当局の反応を待ってから行動をするということはありません。ですのでーー

ロドスの協力が無ければ、龍門は現在の感染者対策に頼っていると、次のレユニオンの攻撃をによって大きな損失を受けることになるでしょう。

すまないが一言言わせてもらいたい。

龍門の防衛網に関しては、龍門近衛局のほうがロドスよりも詳しい。レユニオンによる侵略に対してもすでに準備は出来ている。

それに龍門には機密行動に関しての方針をロドスに伝える義務もないはずだ。

…

ケルシーさん、続けておくれ。

龍門は確かに武器を持たない感染者に対処した経験ならあるでしょうが、今のところ暴徒と化した感染者の集団に直面した経験がないため、龍門に不必要な損失をもたらす恐れがあるのです。

ロドスの経験則から言うとーー感染者には感染者だけが対抗できます。

では、ロドスはレユニオンに対して実際に効果的となる経験を積んでいるということかな?

あるだけです。専門家であると自称することは出来ないでしょう。

ほうーー?

ロドスがチェルノボーグでの事件に巻き込まれたことはお聞きかと思いますが、そこで彼らは他にもレユニオンから多くの情報を得たと聞いています。

ウェイさんがどこからこのニュースを得たのかは関係なくーー

これは現段階では龍門と交換出来る情報では無く単なる経歴です。ここに立ち、ウェイさんと話し合う資格と言えるでしょう。

貴方たちと利益交換するかを決めるのは龍門だ。この程度の情報しかロドスから提供されないのであればーー。

ふむ。

龍門はあなた達の本当の実力とやらを信用することは出来ないだろう。

ウェイさん、私の口からでは言葉が足らないと思います。

ただ強調しておきたいのはーーロドスが提供する情報は自身の実力によって手に入れたものです。

だが、そうだとしても龍門は同じ感染者の集団であるロドスを信用することは出来ない。

チェンが龍門がこの先も安泰だと思うのであれば、感染者に対して盲目的に処罰を加える事のほうが大事なことではないでしょうかーー

そうなのであれば私はすぐに現地の法令に従い、チェンに逮捕していただき、そして牢獄の中で龍門がレユニオンによって焼き尽くされていく様を眺めるとしましょう。

今は龍門に他の選択肢はありません。

ーー龍門は不遜な人だからといって善意を拒絶する都市ではないーー

しかし無駄話をするだけの慈善団体を受けるような場所でもない。

チェン警官。

ウェイ長官、外の感染者を龍門の機密任務に参加させることは妥当では無いと思います。

冷静に、チェン警官。彼らは客人だ。

ーー私の客人だ。

…

はい。

彼らが龍門の法律に反しないのであれば私は寛大です、長官。

ああ、すまない。思い出した。この言葉をーー

ーー間違いない、うむ…

私が大切にしているのは一点だけ。

実力だ。

私が知っている限りだとロドスは近隣の感染者の掃討に関わっているのだろう?

チェン警官。今のところ確かに分かる情報でロドスの軍事力はどう思う?

…私が見たロドスの行動状況を端的に説明します。

ーー詳細は以下のとおりですーー
(戦闘)

ーー以上が今回の戦闘での全てです。

お主の評価は?

彼らの実力は確かなものかと。

しかし、ウェイ長官。彼らの戦略レベルはどうであれ、彼らの身分について私は思うところがあります。

龍門近衛局は次の任務でも完全に遂行することは出来ます。

犯罪と侵略に対して近衛局は十分に対応出来るだろう。

ロドスも多くの可能性を提供してくれているのだ。だが…

ロドスが要求する”ブツ”と同じものはある。だがそれは今ロドスが差し出している条件とは到底交換出来るものではない。

仮防衛での協力だけでは全く同等とは言えない。それに比べるとロドスの「値段」は高すぎるのだ。

ケルシーさんとアーミヤさんはよく存じているだろう。

ウェイさん、防衛だけでは足りません。レユニオンに関してはあなたがまだ知らない情報はたくさんあります。

私達が交戦した状況から推測するに、積極的な措置を取らなければレユニオンは数週間で龍門を陥落させるでしょう。

….脅しているだけだ。何の証拠もないーー

チェン警官、チェルノボーグが一晩で陥落した本当の原因をご存知ですか?

…。

話してくれ。

アーミヤ。

あ…はい。

ロドスはチェルのベルグでの事件を経験しただけでなく…私達は天災も経験し、天災の中を生き延びてきました。

全く、本当に、立派なことだ。

命知らずの狂人を除いて天災から生き延びた人がどれほどいるか、私は実際に見たことはない。アーミヤさん、続けて。話を聞こう。

…私達はレユニオンの指導者と交戦しました。

ーー。

うむ?彼女の名前は何だったかな?

よく覚えとらん…。

タルーラ

ああ、そうそう、タルーラ

チェン警官は何かあるかな?

ーーー

私はーー知っています。

…以上がロドスのチェルノボーグでの経験です。天災に見舞われた地域はウルサスの支配からは外れたようですがーー

彼らは拡張する必要がありますが、まだ物量とは大きなギャップがあります。龍門は彼らの踏み台という訳です。

龍門は確かに一連の破壊行動を阻止することは出来るでしょうが、将来積極的に反撃出来なければレユニオンによる龍門の攻撃は続くでしょうーー。

そして…最も不明瞭なのは都市を失ったウルサス帝国のこれらのことに対する態度です。

ああ..お嬢さん。確かにあなたの言うとおりだ。

情勢が緊迫しているといえど龍門近衛局の人手は限られている。これまでの臨時協議を元に具体的なプランを考えようじゃないか。

だが先程私が言った通りーー。

…。

…ロドスの提示している価格が高すぎる、ということですか?

そうだ。

龍門の支出を補うために簡単な条件が2つだけある。

第一にロドスは近衛局に協力してレユニオンの龍門に対する脅威を取り除いてもらう。その中には龍門内の脅威の確認と都市に関する問題の処理も含まれている。

感染者の侵入状況もだ。とにかくどのような有益な情報であっても龍門に共有してもらおう。

それで、第二の要件は何ですか?

第二についてだが、最初の任務が完了するまでは待ってもらおう。

当然だが、私からの要求はロドスの能力と業務内容から超えることはない。

私には理解できません。ウェイさんにはもう少し詳しく説明頂きたいです。

では言わせていただこう。レユニオンがロドスの予想を越えた損害をもたらした場合ーー

私の希望としては近衛局に協力し、適切に対応したうえで、一部の後始末にも参加してほしい。もちろんあなた達の能力の範囲内で。これはおおかたの内容だが。

…。

この点についてはまだ詳しくは話せないがロドスには選択肢は無いことは忘れなさるな。

もし受け入れられないのであれば、先程の条件とあなた達が欲しいものは全て…。

アーミヤは?

ケルシー先生…。

ウェイさん、このことも契約書に書かせていただきたいのですが…。

”条件の解釈に当たっては、双方が共同で会議に参加する”ーーーこれも良いですか?。

ふむ、ふむ…もちろんだ。龍門は尊重するぞ。アーミヤさん。

チェン警官、あなたの意見は?

ーー私も今回の行動は賛同します。

ほう。

チェン警官も自身の目標を持っているのだな。

…。

それではーーおめでとう皆さん。龍門はあなた達を信頼する。チェン警官はあなたたちとの協力に対し全責任を負う。

しかし、感染者が自由に行動するとなれば市民たちはパニックとなるであろう。

任務を遂行する際は、龍門近衛局の指示に従うことを私は所望するぞーー。

特にチェン長官の命令にはなーー

龍門のゲートはロドスに向けて開かれた。あなた達の行動が軌道にのらんことを。

う…あー…!あのおじいさん一筋縄でいかないですね…。

話し方はとても静かなのですが、全く動じないというか…。

アーミヤ、あなたは彼らと交渉する方法を学ぶ必要があるな。

最後にあなたがしたことは悪くはなかったが。

ふふ…。

言うなればーー。

…。

…君は…。

・私はあなたを知っているのか、ケルシー?
・…こんにちはケルシー先生
・はじめまして、Dr.ケルシー

…。

ケルシー先生、ドクターを困らせないでくださいねーー。

はあーー。

…。

…ふむ

私達のこれまでの犠牲が…報われることを願っているぞ。

こんにちは、Dr.○○○。

おかえりなさい。