――空が更に暗くなってきました。
スカイラインがまるで雲に包まれているようです…
空気は圧迫されているようなのに、黒い雲は静止していてまるで凝縮されているようです。
風さえも止みましたね…。
天災は確実に間もなくこの都市にやってくるだろう。
チェルノボーグはレユニオンによって完全に麻痺してしまったようだ。
しかし、移動都市を分割しようとしても数週間前から準備をしておく必要があるはず。
まさかあの時にはレユニオンは…?
現実的ではないな。
今のレユニオンを見るに秘密裏に動けるようなエリート部隊がいるとは思えない。
レユニオンの大多数の構成員は…ただ街を徘徊しチェルノボーグ人に復讐しているだけです。
用意された場所で殺戮と戦いを繰り返し、都市を戦火に陥れただけです。
天災が起これば、これほどまでに頑丈なチェルノボーグですらも粉々に砕かれてしまう――
大量の源石が転がる巨大な廃墟になるだろう。
レユニオンが欲しいのは資源でも名望でもなく、この場所を敗北の地に帰したいだけか。
彼らは本当にウルサス軍と正面から対抗出来るのでしょうか?例えウルサスの指揮システムが混乱していたとしても…。
ウルサスの軍事力を持ってしても何故反撃が行われないのでしょう?
私の経験則であれば、通常の暴動が発生した場合、しばらくしてから暴徒は完全武装した軍警に掃討される。
先程も軍警がレユニオンに囲まれている様子を目撃したが…
…。
覆面姿のレユニオン達のリーダーは少し違う存在だったが…街一つを飲み込むほどでは無いはずだ。
そうでなければ…
なければ?
以前経験した戦争の中には…
行動がレユニオンの指導者と一致する指導者たちもいた。
彼らにとって兵士は駒に過ぎない。目的を達成すれば捨てられる。
兵力を合理的かつ効率的に運用し、必要がなくなれば放任し自滅させる…。
訓練とケアにかかる費用は高いからな。
それで、そいつらはただ放任するだけなのか?
そうだ。ほとんどの場合は彼らは恨みと恐れを糧にし、彼らを育てている…
必要な時には少し背を押してあげるだけで追従者達は大きな声で叫び始めるんだ。
レユニオンが宣伝しているようにな…
ふむ…。
服を着て、シンボルを付ければ全ての感染者はレユニオンになれるということですか?
そうだ。
彼らは確実に…続々と続くだろう。
抑圧され、叫びたい感染者が多すぎるんだ。こんな時にレユニオンの道のりがどんなものであろうとも…
鉄の部屋に穴が開きさえすれば、例え外は火の海であろうとも中の人達は押し合いながら外に出ようとする。
あぅ…。
Dr.○○○。
それがお前の違うところだ。私はお前を信頼し切れてはいないが、少なくともお前の能力は信じている。
…。
お前とは違うんだ…。
このような指導者が指導者になるべきではない。
敵を踏みにじり、仲間を踏みにじり、”従者”の命ですら踏みにじるか。
従者ですら無いかもしれんがな。レユニオンの暴徒は指導者にとって単なる駒に過ぎないのだろう。
そんなやつらは単なる暴君だ。
敵がどんなやつらであろうとも俺たちは任務を遂行する。
依然、ある人は俺と俺の仲間に教えてくれたことだ。
それが駒なら倒せ、それが砦なら落とせ、それが王権ならひっくり返せ。
Ace…ちょっと待て。
Dr.○○○。前方を敵の軽装備部隊が占拠しているようだ。
私達は見つかったのでしょうか?
それはない。
しかし…
俺たちは避けられない。このコースが最短距離だからだ。迂回をすると時間が無くなってしまう。
もう何も言うことはない。奴らがチェスの駒だろうが暴徒だろうが、戦場から追い出せば良いだけだ!
(戦闘)
定められたルートによると私達は既に街の南にあるミッドタウンに近いようだ。
この公園を通り抜ければ合流地点だ。変なことが無ければ二アールとE4チームが既にそこで待っているはずだ。
しかし…。
もし二アールが…襲われていたら、どうなるのでしょうか?
彼らに通信施設にて警告をしようとしたら、通信が妨害されてしまって…
どうすれば良いでしょうか?
…
私達が確認に行きます。
…あ。
俺たちはこの目で事件を確認してから憶測を下すんだ。
疑いを掛けて自分を脅すな。
わ、分かりました…。
通信の喪失によるパニックは想像以上に早く伸び始めている…。
特に…天災が目の前に迫っているのではな。
急がなければならないな。
…この霧は…?
――まさか――
気を付けて下さい!
やつらを殺せ。
敵からの射撃だ!!
これは罠です…!
――――!!。
まずい、私達の後方にもレユニオンの追手が現れました…!
偵察オペレーター!
戦場が分割された!
ロドスアイランド…。
追いついたぞ…
――!
殺す!!
今回こそは骨もろとも粉々にしてやろう。
ドーベルマン!
狙撃オペレーター!敵の突撃を抑えろ!
重装オペレーターは防御態勢、前進する準備をしろ!
ACE、準備はーーー
待って、待ってーー
?!
東の雑踏を掃除してたら、君の報せを聞いてね。すぐに駆けつけたんだよ
ここはもう僕のテリトリーだよ。クラウンスレイヤー。
…。
何をするつもりだ?
彼らを僕に任せてもらってもいいかい?