偵察完了、敵の追撃部隊が味方によって全滅したことを確認した。
私達は包囲を突破することに成功したようだ。今やチェルノボーグから離れつつもある。
俺たちが排除したのは包囲していた勢力の一部に過ぎないがな…。
しかし少なくとも俺たちは今は安全の筈だ。
先程は援助してくれて助かった。二アールはこの恩を忘れはしないぞ。
そう言うな。俺は耀騎士に恩返しされるようなことはやってないぞ。
先程のスナイパーの話をしようか、二アール。
良いだろう。
あの巨大な力のボウガンを排除するには――
私は考えたんだ…やつは他の狙撃ポイントと自動射撃器具を事前に用意していたのかもしれないと。
私は十字砲火を受けていたが…狙撃手を観測することは出来た。
俺も同じ感覚だ。
1つ目の弾丸と2つ目の弾丸が爆発したタイミングは非常に近かったが実際にはかなり微妙な差がある。
あれは連射弓によるものではない。少なくとも俺が制圧した時に抵抗してきた奴は最初のスナイパーでは無いだろう。
――何か気になったものはあるか、Ace?
はっきりとは言えない。敵が高速で移動していないのであれば…多くのポイントに存在していることになる。
敵スナイパーの機動力…そのレベルに達することは不可能だろう。私にはそのような移動手段、皆目検討も付かない。
レユニオンは私の認識よりも危険な存在だ。
あの狂暴な子供がお前を狙撃するように命令したんだ。あいつは私達を包囲攻撃する時に指揮していた際は、スナイパーを使おうとはしなかった…。
あの下劣な性格は同様に危険な力によって支えられているようだ。
しかし奴はずっと手を出してこなかった。たとえ激怒していても。
戦闘においては役立たずなのか、あるいは力を見せていないだけか。
あいつが見せた指揮力に関しても…疑わしいものだが。
あいつの部隊は完全にあいつが操っているようだった…。
とにかく、私達はあいつの支配地域からは離れることが出来た。
二アール…ありがとうございました。
あなたがすぐに来てくださらなければ、私達は重大な危機にひんしていたかもしれません。
これらは全て私達が戦闘前に立てた作戦計画の方針だ。
Aceや彼らの状況に応じての計画を立てたのはあなただ。
あなたが自分自身で問題を解決したんだ。
途中、レユニオンによる暴虐を見た。彼らの実力には疑問を感じていた。
もし私があの時、立ち止まって彼らと戦っていたら?
もし私がウルサス人を助けに行きレユニオンに抵抗していたら?
私がその場を守っていたら、あなた達はただ私が撤退するのを待っていたのか?
――自分の考えだけで動いていたら、もっと悪い結果を招いていたかもしれない。
私は長い目で見ない。戦い続けることが私の目的を達成する方法なんだ。
だから、アーミヤ。あなたには自分で危機を解決する力があり、私はただ自分の職責を果たしただけだ。
これはあなたが努力して手に入れた果実だ。もっと自信を持つんだ。
二アールさん…
ふふ。
この方がドクターだな?
はい、そうです…
ーー私達は人に合う度にドクターの記憶が無いことを話しているな。流石に面倒になってきだぞ。
Dr.○○○…
私の友人も同じように記憶を失っているんだ。あなたはきっと彼女と気が合うと思う。
だがあなたにとって”今”ほど大切なものはないはずだ。
うん…うん!
行くぞ、みんな。
私達はロドスアイランドまでドクターを護送する。
すまない…逃してしまったようだ。
いや、謝らないでくれよ。僕のせいだ。ちょっと興奮しすぎた。
君は引き続きロドスアイランドのやつらを追跡してくれるかい?僕はタルーラさんに報告してくるよ。
あの人ならもうチェルノボーグの中央管制を抑えているはずだ。
――虫けら共の運命もあの人に決めてもらおう。
…分かった。
気を付けてね。自分自身を守ることを最優先するんだよ。いい?
…ああ。
…僕の任務を達成出来た。
同胞たち、そろそろ行こう。
僕たちの時代を迎えに行くとしようか!!