

グラニ
やっぱり、この穴だけが出入りすることが出来るってこと?

キャロル
はい、洞窟の中には分かれ道がたくさんありますが、村の大人たちが連れてきてくれたのです。村長を後継する日も…。

キャロル
あの、私の聞き間違えかもしれませんが、森の中の叫び声が多くなっていませんか…。

グラニ
これ以上遅くなると、状況は悪くなるだけだ。

グラニ
キャロル、洞窟の道を知っているのであれば、すぐに洞窟に入って。暗い道から宝を先に手に入れるんだ。

キャロル
え?あなたは…

グラニ
私はこの穴で待つよ。

キャロル
いけません!

グラニ
え?キャロル…

キャロル
あなたはそんなにも賞金稼ぎに一人で立ち向かいたいのですか?危険です!そうなればあなたは――

グラニ
君が宝物を手に入れることが出来なければ、村にも悪いし、君を裏切ったことにもなる。

キャロル
…あなたを失いたくはありません。

キャロル
ここはあなたが英雄になるべきところでは無いんです…!

グラニ
英雄を気取って何が悪いの。

グラニ
”たとえ心臓を敵の鋭い刃で貫かれたとしても、王の騎兵は理解せず槍を手にする”。

グラニ
私はここから決して逃げない。

キャロル
グラニ…。

グラニ
それにクロア、これは私だけの戦いじゃないんだ。

グラニ
これはあなたの戦いでもある。危ない目に会うかもしれないけど、この土地を平和にするための…

グラニ
私達は必ずやりとげなければならないんだ。

グラニ
宝の方は君に任せた。

キャロル
ですが…私一人では…

キャロル
宝は…。

グラニ
私を信じて。

グラニ
何があろうとも私が面倒を見る。広場であなたを助けてから決心したんだ。もう誰もあなたから何も奪わせないって。

グラニ
例え髪の毛一本だろうとも。

キャロル
…あなたはまだ子供なのに…

グラニ
私はただ…背が高くないだけだよ!

キャロル
あはは。

キャロル
…うん。私はあなたと行動します、グラニ。

賞金稼ぎ
くそ、白面野郎、お前らまで邪魔するとはどういうことだ!

レユニオン構成員
烏合の衆が。

レユニオン構成員
お前たちが宝を争う資格など無い。

賞金稼ぎ
あ?何を言ってやがる?ここはとっくに俺達が占領したんだ。お前らは尻尾巻いて出ていきやがれ!

グラニ
(この角度からなら南の戦場を見ることが出来る。賞金稼ぎとレユニオンがごっちゃになって戦っているようだ)

グラニ
(次に、どちらかが穴に近づいてくるのであれば、私は――)

賞金稼ぎ
あいつらがあそこで団子になっているあいだに、俺達は中にはいるぞ!

賞金稼ぎ
ちょっと待て、あそこにガキが突っ立ってるぞ!

グラニ
ここは誰も通さないよ。

賞金稼ぎ
うわ――。

賞金稼ぎ
お、お前は――。

スカジ
あなた達、全員どきなさい。

スカジ
私は今機嫌が悪いの。

グラニ
おっと…!

賞金稼ぎ
こ、こいつ邪魔なガキだな!

賞金稼ぎ
そんな、ひどい目にあってまで、俺達のやることを邪魔しようってのか――!

グラニ
これくらいの怪我、日常訓練のうちにすら入らないよ!

賞金稼ぎ
くっ――。

グラニ
あと何人?

グラニ
まあいいや、よく覚えてないし。どうせ全員止めるんだから――

グラニ
な、なに、地震?

グラニ
へ?あそこの岩はどうして崩れたの?

スカジ
…。

グラニ
うそでしょ?彼女があの分厚い石の壁を破ったってこと?

賞金稼ぎ
新しい入口が開いたぞ!早く爆破してしまえ!

グラニ
しまった、あいつらきっとスカジが開けた通路から入ってきたんだ!

グラニ
早く助けに行かないと――。

スカジ
止まれ。

グラニ
スカジ――。

グラニ
…。

グラニ
山を直接壊し、強引に通り抜けるとは、やっぱりロドスでの噂は本当だったんだね。。

スカジ
女の子はどこ?

グラニ
あなたには教えられない。

スカジ
あれを狙っているのは私だけじゃないの。

スカジ
私はあなたにきちんと思い知らせる必要があるのかしら。邪魔はしないでくれる?

グラニ
あなたはいきなりキャロルを連れて行こうとした。私はあなたに彼女を簡単に引き渡す訳にはいかない!

スカジ
あなたは…ロドスの任務の邪魔をするの?

グラニ
あなたはロドスアイランドがあなたにどんな任務を割り当てたのか教えてくれないじゃないか!

グラニ
あなたが…。

グラニ
いきなり仲間を攻撃しなければ!

スカジ
誰があなたの仲間なの?

スカジ
最後に聞くわ。私をあの女の子のいるところまで連れていきなさい。

グラニ
彼女が私の依頼人である限り、私は絶対にしない。

スカジ
…。

グラニ
ぐぅ…。

グラニ
くそ、彼女の剣が私の槍に触れただけで腕が折れそうになる…。

スカジ
あなたの力だけで本当に彼女を守れると思っているの?

グラニ
出来るか出来ないかと、行くか行かないかは別問題だ!

スカジ
――――

グラニ
え?ちょっとまって!

グラニ
危ない!

乱暴な賞金稼ぎ
へっ、こんどは当たっただろう!

乱暴な賞金稼ぎ
やったか、いや、やってないぞ!あいつはまだ無事だ!

スカジ
…また来るの?

賞金稼ぎ
ひっ…!

乱暴な賞金稼ぎ
わ、災いの星!大尉を殴ったのはお前だろ!今日からそんなことはやめてくれ――。

グラニ
チャンス、今のうちに!

賞金稼ぎ
お前も過去のことは忘れてくれ!

グラニ
君たちも何とかして彼女を先に止めてよ!

賞金稼ぎ
――へ?

賞金稼ぎ
どういうことだ?!あのガキが俺達の頭の上を飛び越えていったぞ?

グラニ
スカジ、お先に失礼するよ!

スカジ
あなた…

グラニ
ごめんね!あなたの考えがはっきりした時にまた本当のことを話してよ。私はキャロルのことを考えないといけないから!

スカジ
待ちなさい、どこに行くの!

グラニ
ごめんなさい!

乱暴な賞金稼ぎ
どうしてあの女を手放したんだ!

賞金稼ぎ
足が速すぎて、俺達では追いつけない!

スカジ
…。

乱暴な賞金稼ぎ
大丈夫だ、もう一つあるだろう。

乱暴な賞金稼ぎ
お前は背も高いし、飛ぶことは出来ないだろう?

スカジ
あなたたちはもうおしまいよ。


グラニ
脇道が多いな。ここがキャロルの言っていた墓だよね。

グラニ
うわ、賞金稼ぎ――。

賞金稼ぎ
うう…助けてくれ…。

賞金稼ぎ
…。

グラニ
ひどすぎない?

グラニ
まるでロドスアイランド号のローラーに何度も行き来されたみたい…。

グラニ
スカジはまだ入ってきていないかな?

グラニ
この爆発で出来たような穴は?

グラニ
これは――。

グラニ
もう分かっているはずだよ。


???
…。

???
私はどこで演じれば良いんだ?

グラニ
やっぱり君は――――。