スワイヤー、お前にそのような権力はない。
あの。
私達との間での私怨のことを無視しても、お前がそのような任命がなされる能力があるとは思えない。
お前がその口で言った――。
“ウェイ・イェンウーは既にシ警司に命令を出した。直ちにシ警司は近衛局の全ての事務を引継ぎ、行動班長を罷免、免職処分せよ”
それが出来ると?この命令は本当に存在するのか?
はあ…その名前で呼ばないでくれる。
それが出来ないのであれば自分の任務を遂行すると良い。今この厄介な問題はお前の利益にはならないぞ。”シお嬢様”。
*龍門での悪口*何度も言っているけど私をシと呼ばないでくれる!いい、私のコードネームはスワイヤーよ。あるいはベアトリクス・スワイヤー警察官、良い?
お前のやり方なんて私には関係ない*龍門での悪口*。お前の名前とコードネームなんて普通の人が聞いたら誰が違いを分かると言うんだ。
ええっと。
今の私には時間もないし、そういう気持ちもない。さっさとどけ、何をするかは自分で探すから、大人しくしておけ。
チェンという名は…あなたは本当に*龍門での悪口*。
応援するよ*龍門での悪口*。
私は行くわ、星熊。あなたにはこの狂暴な竜をきちんと管理することを勧めるわ。彼女が何処で死のうが私には関係ないけど。
ああ、すみません、お嬢様。あなた達は本当に性格が折り合わないんですね。ともあれ、彼女が何と言おうが先程の援助ありがとうございました。
次は無いわよ。私は彼女の血が止まらない姿を見たいのだから。
あいつの背中どうしたんだ?新しい傷があるようだが。
彼女はあなたの側に来て隠れ場所に突っ込ませたんです。レユニオンの術師の術が彼女の背後3mの場所で炸裂したようで。
たまには彼女にも優しくしてあげて下さい。いつまでもお互いを標的にする必要は無いかと。
…分かっている。
(ドアをノックする音)
入ってもいいですか、龍門のチェン長官?
どうぞ、良いですよ。すみません、お待たせして。
大丈夫ですよ、他人行儀じゃなくても。
こんにちは、チェン長官。ええっと…今ロドスとの仕事の内容のご相談をしても良いでしょうか?
私達はいくつかの小隊を集めました。今は甲板で待機しています。いつでもあなた達と出発できますので。
分かった。すぐに行こう。
すみません、先程の金髪の警官とのお話を着いた時に聞いてしまいました。近衛局の被害が大変なことになっているのは分かっています。私達を信じてください、ロドスは助けますので。
…それは今議論するべきことでは無いだろう。
気にするな、星熊。お前もスワイヤーが何をしているのか分かっているだろう。彼女は情勢を安定させようとしているんだ。
彼女はかんかんに怒っていましたよ。あなたもですが。
私は流れに乗るように舟を押しただけ。龍門の被害は甚大だが、それは”事実”だし、彼らが知るべき”事実”でもある。
それでも良くないですよ。あなたに出来るようなことでも無いです。
龍門のためだ。
そのような話をするなんてあなたらしくない。あなたは調査官、高級警司です。政治屋ではありません。芝居をするのはあなたの天職じゃないのですから。
こういったことは確かに正規の警察官がやることでは無いが、私には選択の余地はない。
…。
あなたは疲れているんです。休暇をたっぷりと取って下さい。
そうかもしれないな。
ああ…確かに考えたことはある。
星熊、私には長い休暇が必要なのだろうと。
今回のことが終わったらそうしましょう。我慢はしないでください。
黄城、春都なんてどうです?花都でもいいですね。黄城はここから遠すぎるかも、道中で更にもう1回休めますね。
それともヴィクトリアに帰ってご学友に会うのもどうですか?
私はお前の故郷に行ってみたい。
ダメですよ。龍門ほど面白くはないですし。
ふふっ。
え?
通信だ。
…機密チャンネルだ。
お先に失礼します。
すまないな。
話せ、聞いている。
チェン殿…感染者達、レユニオンが…いたるところに。
XR02か?何処にいる?
禾木倉庫です。いくらか矢に当たってしまってもう長くは持ちません。これは罠です…。
奴らが全員何処かに行ったら私のもとに来て下さい。情報を私の手元に残しておきます。奴らには分からないようにしておくので。
コードネームXR02、そこで待っていろ。近衛局がすぐに行く。お前が持っている情報には期限がある。必ず手に入れる必要がある。
確定では無いのです。チェン殿にはあなたの仕事があります。あなたを巻き添えにはしたくない。
XR02、死ぬな。お前は生きなければならない。
…私にはあなたを説得することは出来ないのでしょうね。チェン殿、気をつけて下さい。
ちょっと待ってください、動きがありました。
【ノイズ】
XR02?XR02!
…。
星熊?
はい、ここに。
隊列の整備に行こう。そろそろ向かわなければ。
チェン長官、出発しますか?
ロドスにはどれほどの武力が残っている?
これは情報交換ではありません、チェン長官。私達は近衛局の行動を支援する命令は受けましたが、あなたからの派遣は出来ませんので。
私はまだそのような要求はしていない。
す、すみません。言葉が過ぎました。
問題ない。私はロドスの状況を聞きたいだけ、安保上の問題があるか聞きたいだけだ。近衛局の助けは必要か?
レユニオンは何度も撃退され、ロドス本艦への攻撃は諦めたようです。様々な形跡を見るに龍門の形勢はロドスよりもずっと厳しいものとなっています。
…。
すみません、このように形容するのはあまり正しくないですね…。
つまり、近衛局の助けは必要ないということだな。
はい。
しばらくの間、近衛局は小さな助けが必要だ。
はい。
レユニオンは接泊区のメインエリアを封鎖している。そこに穴を開けたい。近衛局には時間はあまりない。時間との戦いだ。
それは合意の内容です。長官。私達に拒否権はありません。
それならいい。私と一緒に着いてこい!
(戦闘)
彼らと正面衝突する前は、私はレユニオンがこんなにも弱いとは思いませんでした。
彼らは都市や他のチームに大きな迷惑を掛けていたのだから、きっと強大な軍事力があるのだと。
今見れば、タスクレポートの資料は問題は無く、レユニオンの実力は表記通りなんだと。レユニオンに対する理解が足りないので任務の難点ですね。
油断するな。レユニオンの最大の長所は元々は全ての人達にとって予想外の存在だったということだ。
侵入、強襲、特殊な力を使ってのハードターゲットの攻略はやつらの常套手段だ。奴らが一体何を隠しているのかはよく分かっていない。
分かっています。強大な力を持つ龍門や巨大なチェルノボーグを既にレユニオンに襲われているのですから。彼らの数は本当に想像を絶するものなのでしょう。
しかし、チェン長官、これまでの任務の中ではアーミヤは近衛局と一緒に行動していましたよね。貴方達は一緒に廃墟都市を捜索したのでは?どうしてアーミヤ達はまだ帰ってきていないのです?
…すまない。
(チェン…)
私達はアーミヤのチームとはぐれてしまった。彼らと合流できなかったんだ。緊急を要していたので先に出発するしか無かった。
それはつまり、あなた達近衛局はアーミヤとDr.○○○をそのまま廃墟都市に置いてきたいということですか?
ああ。
つまり彼らは生きてるのか死んでるのかすら分からないと?
いけません、チェン長官…。
いけません。例えあなた達が龍門近衛局だったとしても、そんなことしてはいけません。例え龍門近衛局だったとしてもパートナーを見捨てるべきでは無かった。
これは私の失態だ。私の任務は龍門の安全を優先して守ること。この判断を下したのは私だ。
責任者がそれが何を意味するのか知っていて…もういいです。龍門の警官、このことについてはもう何も言いません。
ええ、そうですか。感染者に対してのあなた達の態度がよく分かりましたよ。
そういう意味では――。
どれくらいのオペレーターが必要ですか?出来るだけ協力しますよ、私は遠慮しますが。
私達にも任務というものがあります。龍門を助けレユニオンに勝つのが私達の任務です。
ただ、私はロドスのチームでやらせて頂きます。私達の識別番号を覚えておいてくださいね、長官。彼らが感染したとしてもパートナーを傷つけないでくださいよ。
…分かっている。
近衛局と一緒に行動したい者がいれば、私に連絡してくれ。
――無理にとは言わない。
あなたとスワイヤーの先程のはロドスとの連携を強化するためのものでは無いのですか?
どうしてロドスのほうに来たのです?あなたはまた戦術を変えて、約束を守らないつもりですか?
間違っているぞ、星熊。そんなつもりはない。
そうかもしれませんね。少なくともあなたの話を聞かせて下さい。あなたの表情はさっきよりもずっと穏やかですし。
ですが、私が彼の席にいたとしたら怒りますよ。ロドスの戦士が話しが出来るのでまだ良かったものの。
それと、時間が迫っているのは分かりますが、どうして――アーミヤ達をああもあっさりと廃墟都市に残したのかも分かりません。
不確定要素が多すぎるからだ。
廃墟都市の地勢は近衛局が戦うには適していない。廃墟都市のレユニオンの戦力を推測するのも難しい。私達のチームはこのリスクを負担することは出来ない。
それだけでは私は納得できません。
…星熊、私達の行動は計画されたものだ。
命令は命令ですので従います。ですが私に直接言って下さい。スワイヤーから教えてもらうまで待つということはしません。
このことが実現するまでは、命令の具体的な内容は機密だ。
つまり、ウェイさん自ら下した命令ということですね。
自由に推測してもらって構わない。
今でもあなた達の具体的な目標は分かりません。龍門ではこのようなことが出来るのはあなたたち以外あまりいない。
そうなのかもしれませんね。
確かにウェイさんには感服します。ですが彼を尊敬することは出来ません、今日起こっている全ての要因のせいで。
それら全てが必要だ。
あなたはそれで自分を納得させようとしています。
えっと、チェン、あなたは考え事が多すぎませんか。自分でも納得できていないのではありませんか。
そうかもな。
スワイヤーに連絡しろ。
了解しました。
はい?
スワイヤー、私達はロドスから離れた。始めてもいいぞ。
さっき私をののしったお陰で気分が良いでしょうね、ん?
私達は仲は悪いがそこまでじゃないだろう。ちょっとからかっただけだ。
私は違うわよ、私は悪口で爽やかになったわ。
こいつ…。
はい、そうね。おかしいなことよ。自分の仕事しか知らないし相手のことなんて全然分かりもしない。
そういえば聞いておきたいんだけど、どうしてロドスに介入されたくないのかしら?ある種の贖罪?
私はロドスの力を信じているからだ。アーミヤとDr.○○○を信じている。
だから私は彼らに今の状況に介入はさせたくはない。彼らは不確定要素だからな。
あのケルシーもだ。彼女は決して私達の計画通りには動いてはくれない。
そいつには会ったことがないわね。
会わなくていい。お前の祖父に似ているぞ。常時呼吸器は付けてはいないがな。
へえ。
各自作業を始めよう。まずは人を探す。
お好きにどうぞ。時間は覚えておいてよ。
星熊、行くぞ。
何処に?
禾木倉庫だ。