星熊?
はい?
顔色が良くないぞ。
大丈夫です。考えごとをしていただけなので。
…あいつが巻き込まれるとは思いもしなかった。
大丈夫です。あなたは私のことを分かっている。過去のことは全て過ぎました。龍門の言葉で言えばこれも運命なのでしょう。
東の国の人たちもそういうのは信じるのか?
こんなにもたくさんのことを体験すれば、信じられなくても理解しますよ。
レポートには問題はありませんか?
問題ない。ここがレポートに記載されていた位置だ。
私達の目標はあのこそこそしているレユニオンでしょうか?
彼らは私達を見つけてはいないようですね。近衛局が彼らを包囲しているということに気付いていないようです。
街の周りに何かを建てているようですね。
意外な話では無いだろう、ここはレユニオンの拠点とを繋ぐ中心なのだからな。
ここの通信施設を破壊することで、エリア全体の敵を徹底的に叩きのめすことが出来る。
これによって最終的に近衛局ビルでの勝率を上げることが出来るだろう。
あなたの言うとおりにしましょう。
それに情報にあった手がかりの詳細も気になる。
レユニオンがここで活動しているのは、単に強固な拠点を築きたいだけではないということです?
そのとおりだ。
”敵は密かに高い価値を持つ目標を探しています。敵の行動を確認することを優先してください”
彼らは富裕区で何をしているのでしょう?何か高い価値のある目標があるのでしょうか?
私も何かあると思っている。以前の計画通りであれば、この通りの建物には誰もいないはずだ。
もしレユニオンが誰かを誘拐するつもりなのであれば、その幸運な市民を捕まえるチャンスを無いがな。
いつから始めます?レユニオンは偵察小隊を嫌がるでしょうし、私達はいつでも彼らに攻撃を仕掛けることが出来ます。
常に狩る側だったから、狩られる側を演じたことが無かったな。
獲物になればすぐに命を落とすことになるでしょうけどね。
まずはよく観察しましょう。我々は敵の目標を確認はしますが、好きにさせる訳ではありません。
目標を撃破するのは容易いが、敵の目標を理解するには忍耐力が必要となる。
そうですね。
見て下さい!チェン、彼らが家のドアを破壊しているようですよ?
目標の家が分かったのか?急げ、整列しろ!
市民への被害は減らしますよね?
当たり前だ!スナイパー、待機しろ!
了解。
…!
レユニオンの軍隊だ!撤退しろ!
連絡――。
スナイパー!無線機を背負っている奴を撃て!やつに連絡をさせるな!
拠点を守るべきのはずなのに、最初の反応が撤退とは?間違いなく何かあるぞ!
逃げたいなら逃げればいい、逃げられるならな!
(戦闘)
全てのレユニオンを捕まえました。具体的な命令は誰も知らないようです。彼らによれば――
…。
チェン?何を見ているんです?そんなにも夢中に。
ここって以前は大学道じゃなかったか?
え?そうですね。後に名前を変えたみたいです。
…これは私の家のようだ。
あなたの家はタイポーにありませんでしたっけ?
これは私の生みの親の父の家だ。どうやら改装されたようだな。時間がこんなにも経っているなんて認識もしていなかった。
勉学のためにヴィクトリアに行く前はここに住んでいたんです?
以前にあなたはウェイさんと同じ炎国の貴族出身だと聞いたのですが、この屋敷は確かに大きいですね。
貴族?彼らはそうだが私は違うぞ。
ですがあなたの屋敷はここに…何と呼べば良いんです?
ふむ、チェンフ…。
入ろう。
え?
ええっと、この家はあなたの家ではないので?どうして切ったんです?
私は鍵を持っていない。レユニオンは横の壁に穴を開けたばかり。たまたま壊しただけなのかもしれないが。
あなたは――まあいいでしょう、そうですよね。
靴は脱がなくても良いぞ。
本当に良いんです?チェン、ちゃんと答えて下さいね、お父様が嫌いなのでは無いですか?
あいつは私の父に値しないやつだからな。
そうですか。
覚え間違いでなければ、ヴィクトリア卒業後、龍門に帰った後はすぐに近衛局に入ったんですよね。
その時は寮に住んでいた。
つまりここには一度も帰ってきたことは無かったんですね。
私はここに未練など無い。
一般的にそれを言う人は、心の中に未練があるんですけどね。
ここに何か価値のある目標についての手がかりはあるのでしょうか?
チェン?
…。
また自分の小さな世界に入っちゃってますね。
チェン、入り口で待ってます。行くときは呼んでくださいね。
おもちゃはきちんと整理しておくべきだ。
家からは出るな。
他人と話す際には許可を取れ。
同意が得られる前に大人の目を見るな。
…。
ずっと掃除をしていたな。
ふん、この部屋を空けておく辺り寛容だな。それとも私は災いの源だったか?
待て、写真、っと、写真か…。
お前は私の愛を得ることは出来ない。少し足りともだ。
すまない、すまない、でもお前にはもう耐えられない。お前を見ただけで私は自分の腕を掻きむしりたいほどに嫌なんだ。
お前たちに私は我慢できない。私は利己的だ。もうこれ以上続けることは出来ない。
お前にも分かるだろう。いつかは。恨むなら恨むがいい。私はお前を恨む、お前は私を恨む、それが一番良いだろう。
これは。
なくしたと思っていたが、こうも早くこの写真を…。
もしかして…奴らはこれを探しているのか?
どういうことだ、レユニオンは一体何をするつもりなんだ?頭の中で何を問題にしている?
私は必ずお前を助ける、だがお前は一体何を考えている?どうして今、何故ここにいるんだ?
ああ…そうだな。お前は答えてはくれないだろうが。
あ、ようやく出てきましたね。
行くぞ。
目星は付きましたか?それともまだ毛糸玉のままなんです?
お前がまだ冗談を言う心を持っていたとはな。
あなたの気持ちが少しでも良くならないかと思いましてね。
お前が言ったように心当たりがあるかもしれない。
そういえば報告によると、周囲のレユニオンは確かに散り散りなっていました。配置されている警察が彼らを追い払っているようです。
それは良い。私達の道のりがより円滑に目標に近づいているということだ。
近衛局各位、列を整えて出発しろ!龍門を奪還するぞ!