市民広場を抜けた先にある一番高い建物が市政庁です。
会場にいるみんな元気か!!ここにきてくれてありがとう。俺がD.――D.――D.だ―――!
(天を震わすような歓声)
こんな暑い日にみんながここに集まった目的はきっと同じはず――。
ミューーージックーーー!
お前達は何を言っている?!お前達にとって最大の音量を使って、シエスタ全体に届かせろ、お前たちは何が欲しいのかを!!!
ミューーーージックーーーー!!!
それじゃあ――手を挙げろ!出発の準備だ!!
オブシディアンフェスティバル中はこれが日常ですわ。コンサートはオブシディアンフェスティバルでもみんなが一番好きなものの一つですし。
メインライブは夜のギャリソン遊園地の特大舞台で行われていますが、昼は付近の地域でも小規模なライブイベントを開始しています。
・私も血が滾ってきた!
・こういった音楽少し激しすぎるな…
ふふ、私もそう思いますわ。私はヴィクトリアに留学していた時もクラシックと優雅な音楽のほうがもっと好きでしたが。
オブシディアンフェスティバルにもそういった音楽アーティストはいますが、さっき遭遇したように、こういった音楽のほうが観光客を惹き付けることが出来るのです。
ここ数年で流行ってきたのか、私が小さい頃はまだジャズが主流でしたのですが。
私が第二メインストリートにいることが一番好きです。一番好みな本を何冊か持っていけばそこにある喫茶店に一日いられますわ。
音楽を聞きながら、一杯のグリーンティーを飲み、海風に吹かれる。
私はその時思ったのです。やはりシエスタはこの世界で最も素晴らしい都市なのだと。
・あなたもこの場所を愛しているようだね。
もちろんです!ここには大切な家族もいますし、私にとっても大切な支えですから。
お父様以外にも私にとって大事な人も市政庁で働いています。
後ほど彼女にも会えますよ。彼女の助けがあれば、他の方達にも事の重大を理解させることも簡単でしょう。
・彼女をとても信頼しているようだね?
・それは君のお母さんなのか?
私の母は私が生まれた時に亡くなりました。亡くなってからは父は仕事に没頭するようになってしまいました。
私が子供の頃からお世話になっているボディーガードなのです。彼女の名前はシュヴァルツと言います。
父が苦労している時は彼女が私のわがままを聞いてくれました。例え血の繋がりが無くてもシュヴァルツは私にとって姉のような大切な家族です。
後ほど彼女に会ったらドクターのことも紹介させて頂きますわ。
ほら、ドクター、この先です。直接通り抜けましょう。
クロイナ先生。セイロンお嬢様があなたにご用事があると。
…。
直接市政庁に来るとは何か重要なことでもあるのかな。親愛なるお嬢様?
今はフェスティバルの手配が鳴り物入りで進められています。多くの人たちには暇がありません。
クロイナ、私は先程直接火山に行ってまいりました。シエスタ火山はもうすぐ爆発するかもしれません。それは1秒後かもしれないし、何日後かもしれない。
全ての観光客と市民の安全が脅かされています。私達は彼らに案内を出し、移動や避難の準備を始めるべきでしょう。
オブシディアンフェスティバルはすぐにでも中止すべきです。
は、お嬢様は一体何をおっしゃっているのです。
他の人がそんなことを私に言ったのであれば、とっくに追い出されていますよ。
ですが、あなた様ですので説明しましょう。
火山の問題については全くと言っていいほど心配はありません。どこから聞いたのか分かりませんが、それは明らかに荒唐無稽なお話です。
…何冗談を言っているの?
この火山は既に活動を再開しており、短期間で爆発する可能性が高いとされている兆候は多く見られています。
例えば?
源石虫の凶暴化、異常な気温、おかしな臭いなど、これら全てが証拠です。
ここまでのことを言っても信じられないのであれば、私が持ってきた資料を見なさい。詳しい分析過程と結論が記載されています。
明らか?源石虫が口を開いて教えてくれでもしましたか。それに気温や臭いとか何の話です?
私には分かりませんよ。これらの根拠のない数字が火山の爆発と何の関係があるのです?
私は市長本人が手配をし、技術を提供した火山観測システムに一切の問題がないことを知っています。
今のシエスタ火山の数値は全て過去数年と何ら違いはありません。強いて言うなら、それらよりも更に安定していますよ?
何を言っているのかしら。事実ならあなたの目の前に置いてあるというのに…。
・あなたは天災特使だろう、これらのことが分からないのか?
あなたは誰です?
○○ドクターは専門機関の研究者で、彼と彼の同僚たちには専門的な火山の知識を持っています。
これらの数値は彼ら専門家達が助けてくれたものです。そして爆発に関して検証した結果です。
なるほど、なるほど。
…ああ、分かりました。
つまり、あなた達のようなおかしな観光客がお嬢様をだましているのですね。
何を言っているのかしら?
明らかなことでしょう。お嬢様はこの得体の知れない人たちに騙されているのです。
クロイナ、あなたは何を言っているの。私の話さえ信じてくれないの?!
あなたはずっと外に留学していたので知らないのでしょうが、シエスタの発展を目にしている人は多い。
毎年、市長様の町の歩みを邪魔したという人が現れるのです。脅迫、爆破、暗殺、それらは私のような無名の人にまで何度も及んでいます。
当然、火山が爆発するなんてものも初めてではありません。ですが、あなたを騙してするなんてことは初めてですよ。
今回の相手は市長様に深い知識を持っているようですね。お嬢様が留学から帰ってきてからまだ間もないですから。
しかも大胆に堂々と入ってきました。
私はたしかにそういったことは知りませんでしたが、私が今言ったことは真実です!
私は訳のわからない部外者など信用はしません!
私から見ればこのドクターというのはそういった人たちと何ら区別ありませんけど。
この都市を略奪するために手段すら選ばないとは!
・人に罪を着せるためなら、いくらでも口実はあるということか。
・流石にそのジョークは面白くないぞ。
選択肢1選択
罪を着せる?ははは、あなた達のような人はいつもそういうことを言う。
選択肢2選択
偶然ですね。あなた達の話も決して面白いものではありませんよ。
(選択肢終了)
お嬢様、世渡りが浅いとこういうことになりかねませんよ。
ですがご安心を。このような噂をばら撒く不埒者には私がしかるべき罰を与えます。
みなさん来てください。
彼を捕まえなさい。
はい。
クロイナ!私の話まで無視するつもり?
私がここに居る限り、あなたにはそのようなことはさせません!
残念ですが、シエスタ市の秩序に害させることは出来ません。
早急にオブシディアンフェスティバルを妨害しようとする者を捕らえてください。
お嬢様も捕まえなさい!彼女を傷つけずに落ち着かせるのです!
・気をつけろ、セイロン!
・走れ!ここを離れるぞ!
(戦闘)
急いで!ドクター!ビーチのほうに行きましょう!
ビーチにはたくさんの観光客が集まっています!群衆の中であれば彼らは私達に追いつけません!
止まれ!
あなただけでも!
…。
・あ、君は――。
シュヴァルツ!良かった、やっと来てくれた!
あなたがいてよかった、クロイナは一体どうしてしまったの!?
ドクター、彼女が前にあなたに言った…。
お嬢様、旦那様は市内にはいません。クロイナの言うことを聞いてください。
シュヴァルツ?何を言っているの?
早く私と共に帰り、クロイナを探し出し、この人たちを全て彼に引き渡してください。
私はお嬢様には手を出したくはありません。
…シュヴァルツ?