お前ら!!準備は出来たか!!!
オブシディアンフェスティバルで最も盛大な合同ライブは3時間後にスタートするぜ!
うぉおおおおおおお!!!
そろそろ時間です。シュヴァルツがロドスを牽制することが出来れば、ここも上手くいくでしょう。
ロドスにシュヴァルツを対立させるのはやはり良い采配でしたね。ええ。
急げ!これらのものをさっさと運ぶんだ!動きが遅いならお前たちの給料が水増しされることになるぞ!
ん?外から何か音が?
(回想)
ドクター、安直に電波塔に飛び込んでしまうと、クロイナの待ち伏せを受けてしまうことになるでしょう。
あなたたちが私と一緒に行動してしまうと、シュヴァルツはまず武装解除させる方法を考えるでしょう。そうなると尚更彼女を牽制することが難しくなります。
乱暴に放送等の支配権を奪取しても、政府の支持がなければ市民を混乱させ、パニックに陥れてしまうだけです。
シュヴァルツがクロイナを守っているのであれば、それは皆さんの行動にとっても大きな障害になります。
重要なことはクロイナが何を隠しているかでそれには掘り起こすための準備が必要となるかもしれません。
クロイナは本当は紙のように真っ白で潔白な人なのかもしれません――。
私達が彼を脅し、彼に公告を出すように強制するのか?
そうですね。そうだとしたら私は気にせずにそうするでしょう。だって私はそう思っているんですもの。
セイロンさん、あなたにはそれをする度胸があるようだが、一方でそれは冒険とも言える。
実験データと調査報告書、それにロドスの皆さんも確認してくれました。これをしなければシエスタの皆さんは災難に遭遇することになってしまう。
あなたのことを非難する訳ではない、お嬢さん。ただロドスが参加するかどうかは私が決める訳ではないのだ。
つまり…。
ドクター。原因と結果はもうよく分かった。私達はどうすればいい?
・ここまで来たんだ、何かはするべきだろう!
・…
・罪の無い人を困らせるのはロドスの信条に反することだからな。
では誰が責任を負う?
・誰も気付かないのであれば誰も関係無い!
あなたという人は。
セイロンさん、遅くならない内に出発するとしよう。
ドクター…。
・あなたがすべきことをするんだ。
分かりました。私がシュヴァルツを牽制しましょう。
そして、私にもやらなければいけないことがあります。私は答えを知らなければ…。
(回想終了)
シュヴァルツ…。
何故私を遠ざけようとするの?
…。
お嬢様はヴィクトリアで良質な教育を受けた人間です。あなたはもっと良いところに行くべきなのです。私達と一緒にこの都市でもがいていて良いような人ではありません。
…違うわ。それは間違っているわ。
シュヴァルツ、あなたは私の心の中ではどういう人だと思う?どう思われていると思う?
私はお嬢様が考えているほどのものではありません。
それは人を殺したから?
…。
あなたがたくさんの人を殺したから?
いいえ、お嬢様。もういいでしょう。
私達は間違っているのよ、シュヴァルツ。
お嬢様、私はあなたにそういったことを知ってほしくはない!
ごめんなさい。
…お嬢様?
もう知っているの。あなたの過去のことについて…少しだけ。
シュヴァルツがそれを望まないということは知っている。ごめんなさい。でも私はそれを”知らない”とは言えない。
いいえ、お嬢様!あなたが知るはずはありません!なぜならあなたは…。
私はなにをすればいいの?こうするべき、ああするべき、本を読むべき、名門に入るべき、何なのよ!
私は温室育ちの花ではないわ。ましてや世間知らずのお嬢様でもない!私は私がするべきことくらい分かっているわ!
シエスタを守ることは、お父様の事情であり、あなたの事情であり、私の事情でもあるの!
あなたがそんなにも私を巻き込ませようとしないのは私を守るため?
いえ…私は…。
あなたもお父様と同じよ、あなた達はこうやって段取りすることを良いことだと思ってるの。でも私はそうは思わない!
私は何も危険だとは思ってないし、私はシュヴァルツの過去に何があったってどうも思わない!でもそういったことを本当にしているのであれば私は悲しいし怖い…。
だけど、ただシュヴァルツが”セイロンの助けが必要だ”と言ったのであれば私は絶対にあなたの元に向かうわ!あなたが何を言おうが私はあなたの話を全て聞く!
友人ならそうするべきでしょ。ずっと一方的に献身するなんてそれの何処が友達なの!
だから、シュヴァルツ、今は私のことを助けてくれないかしら?
もう私から聞いたでしょうけど、何故このようなことをするの?私の答えはもう出したわよ…。
だから、あなたの答えも聞かせてくれない?過去のことが全部終わったら。また子供の時のようにお友達になりましょう?
お嬢様…申し訳有りません。過去の言動をここでお詫びします。私のしていたことはあなたに誤解を与えてしまいました。こんなことがあってはいけなかった。
うん…。
お嬢様。あなたは私にとっての友達です。これからもずっと。
…。
どういうことだ、お前たちはこんなにも長く話をして、それも馴れ馴れしく。それで結論は?どういうことなんだ?
お嬢様、ところで次のご予定は?
え?私は…ええっと…公式なルートを通じて真実の災害報告書を送りたいの。
今、ロドスはクロイナの罪状を集めているところです。すぐにでも彼を市政庁から追い出すことは出来るでしょう…。
ですが、災害報告が発表された後、オブシディアンフェスティバルは中止となるかもしれません。シエスタも迂回する必要があるでしょう。私はそれが怖くて…。
大丈夫です、お嬢様。
そ、そうなの?
お嬢様がそう思うのであれば、私はお嬢様を支援します。
…シュヴァルツ…。
お嬢様、私があなたをお守りする必要はありますか?
ええ、必要よ。
ではお嬢様は隠れていてください。すぐに終わります。
シュヴァルツ、お前は何をしている?命令を裏切るのか?
命令?クロイナを助けることですか?それは嘘だったでしょう。最初から最後まで私には二つの命令しか受けていない。
一つは、旦那様は私にクロイナの罪状を調べてもらいたいということ。これには彼がV3工業を影でコントロールし、黒曜石を無断で採掘していることも含みます。
それは今全て明確になった。何も言うことはありません。
は、早くしろ!あの二人をさっさと捕まえるんだ!
二つ目はあなた達にも聞こえたでしょう。
――お嬢様は私がお守りします。
(戦闘)
ぜ、全部倒したの?私は…あなたがここまで強いとは知りませんでした。
想像はしていましたが、しかし…。
だから私はお嬢様には知られたくなかったのです。
でもあなたは本当にすごいわ!かっこいいわ、シュヴァルツ!
はい。
どうすればそんなにも高く跳ぶことが出来るの!壁に沿って駆け上がって、それからずっと寝返りをうって下にも飛ぶなんて!
空中ではこんな風にくるくる回って、相手からの射撃も全部あなたは避けていたわ!
そして体をねじって、バンバンバンってあいつらを打ち倒す!うわあ!
お嬢様…そこまで言われると顔が熱くなってしまいます。
だけど、シュヴァルツ。私は一つ訂正させてほしいわ。さっきのはあなたへの命令では無いの。友達としてのお願いよ。
あなたも何かしたいことがあるのであれば、私に言って頂戴。
分かりました。
ん?私はさっき何と言ったかしら?
…え?
そんな言い方はしないで!友達、友達なんだから!
私は…はい。
ふふ。早く市役所に行きましょう。ドクター達は今頃何をしているのかしら…。
あの役立たず共、小娘一人すら止められないのか?!
あの小娘はサルカズなんです!それに他にも何人かいまして!
たったの数人だろうが!
く、くそったれロドスめ。どうしてここに来たんだ!
なんだ、こいつら源石虫よりも弱いんじゃないの…。
急いで全ての人員をこっちによこせ!
しかしクロイナ先生…。
私達では敵わないと思います。敵いません!
何をしている!後ろに下がってくるな!
ふぁーあ…あ、ドクター。そろそろ見つけた?私はまだライブに行くつもりなんだから。間に合わないと損するの。
・手に入れたぞ!
・….
・ああ、帳簿と債権なら見つかった。
え?見つかった?それはあいつらを殴るのに役に立ちそう?メテオリーテ姐さんも言ってたわ。時には暴力も必要だって。
く、くそが!
もういい、逃げられるのであれば手順なんてどうでもいい!
あ、ドクター、あいつ窓から逃げたわよ!
・ここの資料全部持っていくぞ!
あいよ~。
そういえば、将軍はまだ外にいるのよね。なんだかクロイナの末路が惨めなことになりそうな気がする。むしろ逃げないほうが良かったんじゃないの…。
はい、ドクター、私が持ってあげるわ!
はあ、はあ、はあ…くそ。
すぐに、すぐにでも他の人たちを呼び戻さなければ!
前はロドスのドクターとあなたの市のセイロンさんがその窓から飛び出したな。
時が巡り、今後はシエスタの天災特使であるクロイナ先生が窓から飛び出してきた。
人生とは無常なものなのかもしれんな、先生。
お前…お前!私の部下は?私の部下は?!
ここに置いておくと観光客の目に障ってしまうのでな。
ところで、この二人のお嬢様がここでお前をお待ちかねだ。
シュヴァルツ…。
お前達二人が一緒に立っているということは、つまり…。
・お前はもうおしまいってことだ!
・….
・証拠は全て私達の手の中にあります、もう逃げられませんよ、先生。
ドクター、気をつけろ。彼はまだ必至にあがくかもしれない。
お前ら…お前ら…。
あなたの計画はもう曝け出されました、クロイナ!