僕は撃たれて落ちたのか?橋の上から?
ここは地上からどれくらいの高さがあるんだろう?敵は何処から攻撃をしたんだろう?
いや、そんなことよりも、今すべきことは――!
わっ――!
わあ!
た、助かった。これは…?なんだか、ベタついてる。
鎮魂の夜の飾りキャンドル?良かった、ここに丁度積んであって…。
あなたの角に札がくっついてるよ。
え?あ、ありがとうございます。これを抜かないと、わっ――!
キャンドルさん、動かないで。
静かに、箱の後ろに隠れて。
フロレンゾの通信が途絶えた。この近くにいるはずだ。
ペンギン急便のやつらもここにいるはずだ、目標を見つけたらすぐにリーダーに知らせろ!
出てきてもいいよ。
あ、はい…。
助けて頂いたのはありがたいのですが、あなたを巻き込むわけにはいきません。早くここを離れて下さい。
私もそう思う。せっかく龍門に帰ってきたけど、依頼もあるし…。
あの狼の姿を見てたら、ペンギン急便と付き合うのは大変ってこと分かるよ?
…大変ですね。。
あの、あなたは誰なんですか?普通の通行人ではないですよね?
そんなに緊張しなくても良いよ。簡単な話、あなたの敵では無いから。
待って、あいつらまた来た。まずはあいつらから避けないと。
フロレンゾはやはりペンギン急便に捕まってしまったみたいだ。どうすれば良い?
あのバイソンとかいうフォルテのガキが落っこちている。これはいい機会だ。
だが、ここは市内だぞ。手がかりはあるのか?
カポネさんはもう考えている。火が点かない限りは秘密にしておけよ。龍門では管理しきれない
ごみの臭いがする路地をわざわざ世話するやつなんていないだろう?
なるほどな。俺たちは人を助けに行く、お前は人を探しに行く、それで良いか?
ここには長くはいられないみたいだ。ここを離れよう。
ちょっと見せて…あそこか、挨拶にでも行こうか。
ボス、バイソンを見いひんかった?
私のメガネはサングラスだ。望遠鏡ではない。そんなこと求めてくるな!
あ…見えたぞ。手を振っているな。
じゃあ早く迎えに行こう。それからまたこいつには何を考えているつもりなのか聞かないと。
あ――ああ――
いや。
ラッキーな実習生は安全なところに転がり込んだみたいだ。彼は自分で帰ってくるだろ。
んー…12mの高さから落ちて安全なところに着いたって、どういう安全なん?
彼は敵の目標の一つでもあるんですよ。本当に彼を無視するんですか?
彼女がいるからな。
…彼女が帰ってきたの?
エクシア、気を散らすな。
あいつらがあそこにいるぞ!フロレンゾを助けに行け!
あらら、確かにちょっと手は離せないみたい。
賑やかなのは何処かに行ったみたいだね。
それで、テキサス達はまた何かトラブルでも起こしたのかい?今度は誰と喧嘩してるの?
僕はあなたを信じるべき?
ああ、自己紹介しないとね。私はペンギン急便のトランスポーター、モスティマ
とりあえずはあなたの同行者になるけど、私的には自分で行動するほうが好きなんだよね。
…モスティマ、その名前を僕は父から聞いたことがあります。
(それと漆黒の長い双角のサンクタ…この噂は本当だったのか。いや、これは聞かないほうが良さそう…。
んー…それって良いことで?それとも悪いことで?
いえ、何というか不思議な噂でして…。
それに、あなたは先程助けてくれたのですから、僕が疑うのおかしいですよね。すいません。
いいよいいよ、そんな堅苦しくなくても良いしさ。
ありがとうございます…とりあえず情報は共有するべきですよね…僕も混乱しているのですが。
簡単に言えば、ペンギン急便とシラクーザのマフィアの間には矛盾が発生しているみたいです。
ふーん、まあ大体分かったよ。
え?これで分かったんですか?
そんなに心配することじゃないよ。適当に思考を捨てて、本心を解き放ったほうがペンギン急便のリズムが合わせられるよ。
えっと、考えを捨てるのがコツということですか…。
彼らは本当に変わってるから。常識は役に立たないよ。
…モスティマさんもですか?
普通、そんなことを直接私に尋ねる?
そ、そうですね
とにかく、私達はここから離れないと。
着いてきて
おい!目標はまだ見つからねえのか!
くそ!ここは人が多すぎる。どうしろってんだ!
行くぞ、他にところにな!
あいつらは僕たちを見つけていないようです。
このまま保って、何とかテキサス達と合流をしないと。
はい。
あ。
ど、どうしましたか?
この方向、前のはもしかして…。
て、敵に見つかった!?
ここだったのか、何年も龍門に帰ってきたことが無かったから名前が変わってたのか。
ええと…何か食べたい?抹茶?それともチョコレート?
…。
(戦闘)
はああ――もうこんな時間か…早く帰って寝よう…。
ああ、ここで海鮮屋を作ったら、ここだと客の流れは本当にすごいだろうなあ。え?あれは?
…。
わ~。
いい加減に!
俺だ、俺だよ、手を離して!
なんだ、どうしてここにいるんです?
…帰るところだけど。
お前もどうしてこんなところでボーッと、いや、すぐに捕まった辺りボーッとしている訳ではないのか…。
先程立体交差橋で事故があったということは聞きました?
…宿題を復習するべきじゃないのか?
労働と休息をバランス良く。明日の答案用紙を受け取った時に頭が真っ白になって終わりますから。
へえ、そうなのか。
さっきのお客さんも行ってたけど、死傷者がでなければ良いんだが。
ええ…事務所で聞いたあたり、このことは汚らしい連中と関係があるみたいです。
先に言ってよ。俺には絶対に殺し屋とか派閥とかは関係無いけどさ。知ってるでしょ?
あなたのことはとっくに知っていますが――むしろ、あなたがいつもこのような態度なのに疑われないほうがおかしくないですか?
…まあ、そうね。
しかも二時間前には龍門沿いの郊外の高速道路ではガス爆発もあります。
高速道路でガス爆発?この理由はあまりにも乱用されすぎています。
え。お前まさか…
言ったでしょう、仕事と急速をバランス良くって。
…はあ、分かってるよ。
だがこれは過労じゃないのか?
そろそろかな。ここは都心だから、あいつらは自由には行動出来ないはず。
さっき注文したのは抹茶味かな?これは君の分。奢りだよ。
確かに怪しいやつは見ませんでしたが、あの…少し余裕を持ち過ぎてませんか?
何の話かな、これは五つ星も推薦してるんだよ。マフィアよりずっと強いよ?
テキサス達には連絡することは出来る?
いえ、突然の出来事でしたので…。
それならば、尚更焦らなくていいじゃない。
…。
アイスが溶けちゃうよ。そんなにこわばらなくても良いから。
あ、僕はただ…今のようなことになるとは誰が予想出来たのかなって。僕は冷静になるべきなんだけど。
マフィア達ははるか遠くのシラクーザから龍門に来た。まさか鎮魂の夜に参加するためだけに来た訳じゃないでしょ。
…彼らには他の目的があるはずで、その中の一つが僕なのでしょうが。ですが、より具体的な目的が分かりません。
敵明自暗、すでに追撃から抜け出すことが出来たので、単独行動の優位性を利用して事態の因果の調査をするべきでは…。
しかしその機会をどうやって入手すれば良いのか。逆追跡する機会はあるのか?いや、やはりテキサスさんとの連絡を優先すべきか…。
はは、君はテキサス達と比べると普通のトランスポーターみたいだね。
あ、すいません、いきなり独り言を始めてしまって。
いや、君の言っているとおりだ。
マフィアの目的があると分かっている以上、軽率な行動はするべきじゃない。
ただたまにはテキサス達を信じてやってほしい。彼らはいつもはあんなだけど、ペンギン急便はとても強いから。
まあ、物流会社を「強い」と表現するのはおかしい気もするけど。うん…まあ、私が文句を言える立場でもないしね。
私達は買い物でもしながら風景を見たりして、テキサスに会った時には敵は一網打尽にされているかもしれないしね?
…そ、そうですね?
あ…。
モスティマさん?
あのお菓子屋さん見た?
店というより屋台のようですが。
うん、随分と経ったね。
何年か前に龍門に来たばかりの時にここに来たことがあるんだ。
その時は…龍門幣も持っていなくて、正直な所、意気消沈してたんだけど、このキャンディーにはひと目で惹かれたんだよね。
はあ…そうですか。
ただの長い旅だったんだけど、途中で小さなトラブルに遭ってしまってね。トランスポーターっていうのは全部そうなんだろうけど。
行ってみよう。
…。
わあ!色の着いたお星さまだ!
おじいさんはどうして星を取ることが出来るの?
秘密。これは勝手に教えてはいけないんだ。
これは星じゃなくて、色を付けたキャンディーなんだろ!
でも、こんなキレイなキャンディ見たこと無いよ…欲しくないの?
う、うるさい!おい!綿菓子は無いのか?
あるよ、ほら、手を伸ばして。
えっと――この綿菓子よりも、あれが欲しいな…。
フルーツキャンディは嫌いだ!甘すぎるんだ!舌が変な色にもなるし!
欲しいなら一緒に持っていきなさい。せっかくの鎮魂の夜だ。お金は受け取らないよ。
もうこんな時間だ、早く家に帰って寝ないと!
ありがとう、おじいちゃん!
お辞儀なんてするなよ!あそこのおもちゃ屋に行こうぜ!鎮魂の夜限定の騎士だ!
今の子供達は本当に元気じゃなあ
あなた達も何か買うかい?ヴィクトリアから輸入されたフルーツゼリーには鎮魂の夜のキャンドルも付いておるよ。
うーん…。
焦らないでよ、おじいさん。夜はまだ続くんだ。今夜はまだ始まったばかりだよ。
はは、そうじゃな。君たちのような若者はきっと繁華街のお祭りに参加するのじゃろう?
(モスティマさん、こちらは…。)
…おじいさんも今晩のイベントには参加するの?
まさか。わしはもう老いておる。じゃからわしのキャンディがわしの代わりに参加するんだ。
今年のイベントって特別なの?外国のお客さんもいるようだけど。
この都市はこれまでの歳月の中でひっそりと静まり返りすぎておる。人々には一つくらいまともなイベントが必要なのだろうて。
お祭りなのであれば、もっと多くのお客さんが入ってきて、色んなことがあったほうが面白いんじゃないかい?
なるほど。確かにそうだ。
鎮魂の夜は元々は霊魂を送り出すために、生きている人が楽しく暮らせるようにするのが一番良いお祭りだ。
本当に何か買わないのかい。昔、あなたをショーウィンドウの外で見たのじゃが。
覚えていたんだ。ちょっと申し訳ないな。
はは、どうすれば忘れられようか。
残念だけど、仕事の前に甘いものを食べすぎるのはあまり良くないんだ。
そうかい…あの道を行くと良いよ、お若いの。
暇があれば戻ってくるが良いぞ。
うん、そうするよ。
…。
カーニバル、ここ龍門では長年の中で最も盛大な祭りと言われているようだね。
…バイソン?
すいません、思う所があって…。
こんな時に何を考えているのかくらい分かるよ。
あなたは考えるの好きみたいだけど、たまには直感で行動しないと。
直感…モスティマさんもトランスポーターの直感を信じているのですか?
もっと正確に言えば臨機応変だけどね。例えば私達は今橋の上に立っている。下には通行している小型貨物船がいる。
え?
そして、前と後ろには三人の返送したマフィアのメンバーがいて、私達にゆっくりと近づいてくる。
――!
隠れるのはもう遅い、彼らはとっくに私達を狙っている。
さっきのキャンディーショップからだ。
ぼ、僕たち囲まれているのでしょうか?
近くの人は全員観光客だから、ここで大喧嘩は出来ないね。
残念ながら、相手にはそういう気遣いは無いみたいだけど。
…今何をすべきですか?
飛ぼう。
どういうこと?
飛び降りて、今。
橋から――?
だから考えすぎなんだよ。柵を飛び越えて、ジャンプして、このまま――!
ま、待って―――。
ぷはあ!何だか今日初めて落ちた気がしないような…。
これは…キャンディ?どうしてキャンディを船で運んでいるんだ?
だけど、僕たちはやっとあいつらを退けられましたね、モスティマ――。
――
モスティマさん?