(以下、個人的に気になった点を抜粋した内容となります)
Hypergryphは技術の長を迎えた。
雷锋网によればテンセントNExT Studiosの前副社長顧煜(Gu Yu)氏が近日中にHypergryphに技術幹部として加入し、CTOに近い立ち位置に就くのだという。
今回、顧氏がHypergryphに加入したのは、やはり彼の技術的背景と実力によるものだろう。現在も「アークナイツ」によって収入を支え、3D技術の挑戦をしているHypergryphにとって、顧氏は彼らが必要とする技術人材だ。
二次元ゲームの競争が激しくなる中で、確かにHypergryphにも加速が必要となってきている。
顧氏は2000年にゲーム業界に参入、20年以上の業界経験があり、「スプリンターセル」、「ゴーストリコン:ワイルドランズ」、「R6S」などの有名な製品の研究開発に参加、豊富なCSゲーム機の研究開発経験と技術経験を有している。後の「天涯明月刀(テンセントの武侠をテーマとした3Dアクションゲーム)」の成功のために強固な基礎も気付いた。
後に顧氏は「天涯明月刀」が軌道に乗った事から徐々に「天涯明月刀」関連からフェードアウト、2016年までに沈黎氏(テンセントXRビジネス責任者)は顧氏の所属チームと「モンスターハンターオンライン」、スマートデバイスなどの業務チームを統合し、「New Experience and Technology」の略称を意味する「NExT Studios」を設立した。
最初の数年間は「Death Coming」「疑案追声」「Crown Trick」などの多くの高評価独立ゲームを発売したが、商業面としての成績としては理想的なものでは無かった。
2020年、NeXTはIEG Globalの傘下に分類され、2022年末に沈黎氏がテンセントを離れた事から、NeXT Studiosは存在の必要性を経営陣に説明する事が出来なくなり、竞核によれば今年3月にNeXT Studiosはゲームの後続開発の停止を決定、必要となるサポートを提供するための必要な人材のみを残しているのみだという。そして、この時期に顧氏はテンセントを離れる事を選んだ。
今日の中国の二次元ゲームの業界の発展を見るに上海は間違いなく中国の二次元ゲームの本拠地と言えるのだが、ここ数年、miHoYoの飛躍的な台頭を除けば、他の上海の二次元会社はいずれも「落ち零れ」しているように見える。
上海の四小龍(miHoYo、Hypergryph、上海莉莉絲網絡科技、Papergames)と比べると、Hypergryphの製品ラインはあまりにも単一的で、2019年から2023年までは完全に「アークナイツ」一つで会社の収入を支えていた。にも関わらず、Hypergryphは過去数年間、miHoYoを除けば年間売上高が最も高い二次元ゲーム会社だったのだ。
しかし、この構造は今年破られる。Papergamesの「Love and Deepspace」、KURO GAMESの「鳴潮」の配信のように、コアユーザーの一部をさらに獲得し、企業の収益性とブランドの影響力を高める事になるだろう。
Hypergryphが今年2月に発売した買い切り型ゲーム「エクスアストリス」はあまり反響は無く、Hypergryphの口コミにも一定のマイナスな影響を与えてしまった。最も重要なのは「エクスアストリス」がHypergryphの3D技術の経験における欠陥を露呈してしまい、市場とプレイヤーに「アークナイツ:エンドフィールド」の未来に少し懸念を抱かせてしまった事だ。
Hypergryphに近い人物は筆者に2025年半ば頃に「アークナイツ:エンドフィールド」の配信を開始する計画があるが、計画の進捗には確かに一定の圧力があるとも話した。
これまでの「アークナイツ:エンドフィールド」の技術テストの表現を見るにゲームは既に良い完成度を誇っているが、主に人物の表情、キャラクターの動き、生地の材質などの面で更に向上する余地はある。
これらの要素は「天涯明月刀」の開発経験を持つ顧氏が得意としている分野だ。特に生地の材質の表現について、顧氏は「天涯明月刀」の開発過程を分かち合う場面にて開発の難しさと経験の蓄積を言及しており、よい生地システムはより自然的となる一方で、3Dアニメーションの作業量を下げる事が出来るとしている。
また、「アークナイツ:エンドフィールド」は生産ラインの遊び方を考慮するに、設備の数が増加していくにつれて、ゲーム後期は設備によるハードウェアへの負荷は大きくなっていく。ゲームはモバイル端末でも長期間スムーズに動作する方法は「アークナイツ:エンドフィールド」の開発過程においても技術的な課題だろう。
Hypergryphの創始者であり、「アークナイツ」の制作者である海猫氏も昨年の「COREBLAZERの式典」において「アークナイツ:エンドフィールドはHypergryphがIPを開発しようとした初めての派生作品であり、これは私達にとっても非常に大きな挑戦であり、(エクスアストリス)と並進した状態であり、経験と技術革新にとっても非常に挑戦的だ」と述べていた。
また、「アークナイツ:エンドフィールド」の制作はHypergryphが0から1まで3D運営ゲームの制作ラインを構築する過程だとも述べている。このラインを組み立ててこそ、3D長期運営型ゲームの製品をより良く開発出来るのだと。
現在のHypergryphは3D制作技術の攻略においてのボトルネック期にあり、経験があり、技術力もあるリーダーが必要だと言える。20年以上の技術経験、CSゲーム機、PCゲーム、ゲームエンジン、架空のキャラクターなど多くの分野にまたがる顧氏は間違いなく適任者だ。
そして、Hypergryphは「アークナイツ」のルートに沿ってビジネスゲームをしているだけでなく、「ポッピュコム」のような買い切りゲームの開発も進めており、傘下のゲーム創作支援プログラム「COREBLAZER」も発表され、新人開発者を支援し、彼らに人的、資金的、開発、オフライン活動など多方面の支援を行っている。
資金の観点から見れば「アークナイツ」の25億RMB(520億円程度)の年間収入は千人規模の企業を支える余裕があり、少なくとも短期的にはHypergryphは資金面の悩みを受けてはいない。「アークナイツ:エンドフィールド」が成功すればHypergryphは更にもう一段高みへと登る事が出来る。
そして、更に重要な事は2024-2025年には多くの二次元ゲームが集中しており、Hypergryphからすれば時間の猶予は無いということだ。市場ではHypergryphがUE5の3Dアクションゲームを提案し、3D技術の経験に高い要求を出しているという噂がある(黒繭と呼ばれる単語が商標登録されており、これがUE5を使用したソウルライクの3Dアクションになるのではないかとされている)。このタイミングで顧氏が参加した事はまさに「願ったり叶ったり」だろう。