7:59 P.M. 天気/曇り
龍門人口河川 埠頭
次はいきなり船に飛び込むんじゃねえぞ!あぶねえだろうが!
すみません、事情があって…。
お聞きしたいんですけど、サンクタ人を見ませんでしたか?
見てねえな。本当に参ったな。このお菓子は今晩のイベントで使うものなのにもし遅れてしまったら弁償…ん?
サ、サンクタ…。
あ、モスティマさ――。
モスティマ?あなたモスティマを知ってるの?
…すみません、人違いでした。
(この人、何処かであったことがあるような?)
おほん、とにかく今回は見逃してやる。今後はこんな危険なことするんじゃねえぞ!
す、すいません。ご迷惑をお掛けしました。
うーん…若いフォルテ…何か忘れているような…なんだっけ…。
あ!
何!?何をするんですか!?
角にキャンディが付いてるよ!
あ、本当だ。返すべきかな…
それにこの対角を見て思い出したよ。あの奎驰のマークと一緒だ!
あなた奎驰急便とこのお坊ちゃんでしょ、違う?
お、お坊ちゃん…。
ソラ先輩、この道で本当にテキサスさんと合流出来るのですか?
大丈夫大丈夫。テキサスが何を考えているかなんて私にはよく分かっているんだから。
そうですか。
…この声何処かで聞いたことがあるような。どこだっけ?
「先輩」だって。ふふ。まさか私もトランスポーターとして後輩のいる日が来るとは思ってなかったなあ。みんなの印象はどんな感じだった?
印象?
とても、あーっと、エキサイティングだなって。
あはは…何が起こったのか大体予測出来るよ…。
あ、ごめんね!
歩く時くらい気をつけろ!ちっ!
あっちからぶつかってきたのに――。
あ?知らねえなあ?
このガキ!
まあまあ、好きにさせておこ。
あいつ、あなたの財布を取りましたよ
へへへ、知ってるよ。あの財布の中にはかぼちゃのキャンディしか入ってないけどね。財布はここにあるんだ~。
「トリック・オア・トリート」ってね。
あいつはいたずらだけに来たんだけど。しかもどうして….わざわざ今日そんなことを?
龍門では最近色んなことがあってね。今日はあまりそういうのが見えないけど。
鎮魂の夜のろうそく位、この都市の隅々まで明るくないと、ああいった子どもたちが可哀想でしょ。
まあでも、そういうのが結局は流行ってるんだし、良いアイデアじゃない?
それが楽しまれているのならば僕はどうすれば…。
前に出て、すぐ着くよ。
ここは…さっきの公園。またここに戻ってきた?
ほら、やっぱりあそこに。
あ――あああ、あ!
ねえ、さっさと言わないと火を付けちゃうよ?
あんさん、大人しくしないとこの花火が本当にあんたを天まで連れていくことになるで。
…そいつの口のテープを取るのを忘れてるぞ。
あ、ごめんごめん、はいよ!
――――――!!
お前ら!俺たちが何者なのか本当に知っているのか?
…シラクーザ、マフィア。
え、テ、テキサスか…お前を俺たちが恐れると思うなよ!
あんた達が怖くないことは知ってるよ。でもあんた達はボスの秘蔵品を全部爆破してしまった。お菓子箱の爆弾だっけ。子供っぽい罠だなあ。
…お前は何を言っているんだ?
え?
俺はどんなお菓子箱だったのか知らないが、笑えるな!もし本当にリーダー自らが手を下すなら、お前たちはとっくに木っ端微塵に――ああ!あああ!
そうだとしてもこいつはあまりにもきな臭いから、直接こいつを爆破してしまったほうが良いよね。
もう少しの辛抱だ、エクシア。彼に話を続けさせよう。
ぶはあ――ふう、お前たちは不思議に思わないのか。どうして竜門が見ぬ振りを続けていると思っているんだ!?
いや、普通に毎月警察署に行って公共財産に対しての被害の罰金を払ってるけど。普段はあまり気にしてないけどね?
ぐっ…。
なあ、エクシア、人が喋ってるのに遮ったらあかんで。さあ続けて。
このままでは…!
あの方は俺たちがペンギン急便に対してする全ての行動を黙認したんだ。龍門のグレーな勢力ならば、これが何を意味するかなんて分かるだろ?
私達は合法的な運営許可証を持っている物流会社だよ?しかも運営状況も悪くはないし?
だから何故毎回私達はこんなことをされなければ…はあ、まあいい。
あの方というのは誰だ?
この気取った言い方は馬鹿っぽいけどね。雑魚の匂いがするよ。
まだとぼけるのか!?マウスキングだって――。
あ!テキサス!みんな!
あ、ソラちゃん!お~い
ん?バイソンもおるで。
ふふ、途中で落ちてきたバイソンに会って、彼を連れてきたんだよ。
…何をしていたのですか?皇帝さんは?
ボスなら確認したいことがあるって言って、他のところに行ったよ。
ソラ、他の人には会わなかったのか?
へ?あ…ったよ。
え?私を見てどうしたの?
な、何でも無いよ。とにかく事の経緯はもうバイソンに聞いたけど、次は何をすれば良いのかな?
とりあえずはこいつの口から聞いたことし・だ・い・かな!
待って下さい、エクシア。それって…。
実は先程モスティマさんにお会いしたのですが、いなくなってしまったんです。
ええっと、つまり僕たちがマフィアの方位を逃れようとした時に彼女は――。
…彼女のことは心配しなくていいよ。よくあることだから。気付いたら何年も消えてたってこともあるし。
――何年も?
そういや、うちも会社に入ってからほとんど彼女には会ったこと無いなあ。
あはは、あまりエクシアを刺激しないほうが…。
それは本当に…常識から逸脱していますね。
トランスポーターとして彼女はとても特殊なんだ。
ボスとは契約関係にはあるが、やはりそれでも彼女はラテラーノ人だ――。
…。
――エクシア、気を散らすな。マッチに注意しろ。
あ、まず。
あああ――ああ――!!
ああ、間に合わなかった。まあええか。
あああ――!!!!
(花火が上がる音)
何だ、さっきフロレンゾの悲鳴が聞こえたぞ!?
あっちの方向からだ!
本当に生きている人を連れて天に昇ることって出来るんだねえ。花火っていうのは力があるんだ。
まずは敵を対処、左右に分担しよう。
(戦闘)
おい、これは映画か何かか?
あれってペンギン急便じゃないのか?また喧嘩してるのか?
ほら!左フック!やっちまえ!かっこいいぞ!
いつもあいつら勝つからつまらねえなあ。
そうだなあ。わ、何処からともなく黒服が出てきた。お前達負けるなよ!
(発砲音)
うひぃ、実弾が使えないって面倒だねえ。
ここはどう言っても都心やからな。実銃が使えんのは当たり前や。エクシア、後ろ!
(盾で防ぐ音)
おおっと、危ない危ない~ありがとう、クロワッサン。
しつこく付きまとわられてるときりが無い!テキサスさん
ふむ…ソラと私、エクシアとクロワッサンで兵を2つに分けて私達は大地の果てに行くとしようか。
…どういうこと?
いいね…いや、分かってるよ。
この敵を引き離すってことかな?良いね、そういうのが一番得意だから!
エクシア、道中気をつけなあかんよ。また賠償リストが長くなるで…。
待って下さい、みなさん「大地の果て」ってどういうことですか?
一時間後に集合。
どういう意味ですか!?
それにしてもどうやって殺すの?
方法はあるけど…。
お、お前何を!?お前のような天使――怖くはな――
(殴打する音)
クロワッサン、来て!このバイクかっこいいでしょ!
よーし!いっけー!
車を奪う?良いアイデアだ…。
ああ、お前だけだ。
来るな、クソ狼――お前――ひぃい――あ、車あげますから顔を叩かないで!
(殴打する音)
よし、ソラ。早く来るんだ。
う、うん!
しっかり捕まっていろ。エクシア達より動くを遅くする訳にはいかないからな。
まだ少し、遅いかな――。
(バイクのエンジン音)
あの僕は――
…。
…。
…。
ペンギン急便はこの子供をほっぽりだしていったのか?
丁度良くはないけど、こいつでどうやって抵抗するのか見るか!
ちっ!こいつら何考えているんだ!?
くそ――!この近くにないのか――!
あ、自転車いる?貸しても良いよ。
じ、自転車…。
まあいいか、選んでる時間もないし。ありがとうございます!
頑張れよー!
ペンギン急便を手伝うなんて――!?
お前はどうせ車があるんだろ、なら追いつけるだろ?
お前――。
我慢しろ、民間人に手を出すな。さもなくば終わるぞ。
す、すみません。追います!追いかけます!
ほう…。
「バイソンを拉致し、ペンギン急便と奎驰物流を分断、皇帝を暗殺する」。良いアイデアだ。
俺たちの目的は取って代わることだ。馬鹿を殺す必要はない。この勘定は全部帳消しにしねえか?
テキサス、あいつがテキサスだ。あのラテラーノ人と奎驰物流の坊っちゃんもいる。彼女たちが後の道を残していたら、俺達に安定した日があると思うか?
草は根まで取り除く必要があるんだよ。
それは他者の注目を集める。何もじーっと見てただけじゃねえんだよ。
は!怖いのか?
進退には頭を働かす必要があるんだよ。馬鹿が。
卑屈にもなってマウスキングはもう限界だと言っている、臆病者だ。龍門にいるこの数年でお前も後ずさりするようになっちまったな。
お前のファミリーへの貢献を感じなければとっくに追い出しているところだ。
俺たちはそれぞれでやることがある。皮肉は後にしてもらおうか。
お前の言う通りだ。俺は自分の方法でペンギン急便と勝負するとしよう。
死人に任せて解決出来る問題であれば、生身の人間が互いに言い合う必要はない、だろう?
…勝手にしろ。最後の一つ警告しておく。ここは龍門だ。シラクーザじゃない。
シラクーザの失敗の後、俺達はいかなるチャンスも見逃すべきではない。そして手段を選ばずに敵を粉砕する。
妥協ではなく、相談だ。でなければまた罠に落ちる。
俺たちシシリアンが最も伝統的とする方法で問題を解決すべきだろう。
…
そうだな。ファミリーに臆病なやつはいらない…役立たずもいらないがな。
チームを分けて、貧民窟に向かいマウスキングを探す。取引の内容は変わった。
カポネさん、ですがもしマウスキングを納得させられなければ…。
ふん、もし俺たちが本当に龍門でしっかりと地に足を付けたいのであれば、あの鼠がずっと俺たちの頭の上でふんぞり返ってるのを我慢出来るのか?
あいつは遅かれ早かれ俺たちが牽制する対象になるだろう。
今からこのリストに従って一つ一つ洗い出していけ。マウスキングと接触をしている龍門人だ。
はい。
俺たちには時間が無い。今晩結果を出さなければならない。一刻を争うぞ、急げ。
俺が龍門で長い間何もしていないだと…?
間違っているな、ガンビーノ・リッキー。大間違いだ。