みんな大丈夫?
だ、大丈夫ですが、建物が全て無くなってしまいました…あれは一体…。
あなたは?さっきまっすぐアーツの真ん中を通ってきたでしょ。無茶するよね。
はは、これでようやく分かったよ。どうして髪を短くしたのかがね?
ねえ、今笑ったでしょ!
頭が砂だらけだよ。いくら短い髪だったとしても大事にしないと。
大丈夫だってば。ありがと。
…ありがとう?私達ってもうそんなにも親しくなくなった?
こういうのを礼儀正しいって言うんだよ。
はは、言うねえ。
いつも勤務中は寝ないと思えば、聖堂の外でロックを掻き鳴らし、事故を起こして公証所の人に追われていたのに。
君がいなくなった母校では君がラテラーノを離れる日に横断幕が引かれていたよ。”エクシアが龍門に行く記念”って。
なになに?旧友の集まりって古い傷を互いに暴露する必要があるの。じゃあ、私の番!
どうぞご自由に。
いや、よく考えればあなたのブラックなところ分かんないな。
良い子は多くのことを知るべきじゃないよ。
あなたって私の姉だったっけ!?
あ、そろそろかな。
…
(彼女たちはとても仲が良いみたいだけど、ラテラーノ人だからだろうか?)
(そして意外なことにエクシアが話負けするなんて…)
ねえ…モスティマ。少し聞きたいんだけど。小さな問題があってね。
ん?
どうしてこのタイミングで帰ってきたの?
あ、んー、理由はたくさんあるけど、なんと言えば。
第一に仕事。
第ニに龍門のレクイエムフェスティバルっていつもセールしてるし、龍門に帰って賑やかに騒ぐのも良いなって。
…何年もの間、鎮魂の夜であなたの行方は分からなかったけど、どうして今年は帰ってきたの?
君が聞きたいのはそれじゃないよね?
う…分かってるなら直接教えてよ。
はは、君が悩んでいる姿を見られたのが懐かしくてね。
まあ、いくらなんでも、見学に来ている人もいるのに回りくどい話をしちゃいけないよね。
あ…大丈夫です。後ろからついていきますので、どうぞご自由に。
それは出来ないよ、追跡されている可能性はまだ排除されていないんだから。
あ!バイソンを言い訳にするのはずるいでしょ!
まずはテキサス達と合流をしよう。とても多くの怖いマフィア達が虎視眈々と狙っているからね。
私が留守の時、君はいつも迷惑を掛けてなかった?
いつもとは言えないかな?週に4,5,6,7,8日くらい?
…うん、良くないね。
あなたは?何処に行ってたの?
ボスに会ったばかりの時、ボスはあなたがもう龍門から離れたと言っていたけど。あの長距離走で終点の前で転びでもした?
多くの場所に行ったよ、数え切れないほどに。
誰もいない村に行って、次の手紙を受け取って、山の反対側に行って、移動都市を追いかけて走って。
聞く限り本当に独りだったんだね。
旅行記として書けば売れるかもしれないね?
モスティマさんは全ての国家に行ったことがあるのですか?
大部分はね。羨ましい?
…少しだけ、一般のトランスポーターにはそのような機会は無いですから。
チャンスはあるさ。ただペンギン急便に期待してはいけない。私達を常識では判断することは出来ないから。
それはよく存じています…。
この広い砂漠の中でトラックに乗り、黄砂の横切るように落ちる日をじっと見ていた。だけどそれも何百時間も続くから、暇も潰し尽くしてしまうんだよね。
黄砂の日没はあまり見たことがないけど、今日の砂塵はとても大きくなかった?
ここ数年龍門の空気は質は下がる一方だから、この際に何台か空気清浄機を加えておかないと!
空気の質か…そうかもね。
エクシア、バイソン、申し訳ないけど、先にしないといけないことがあるから――。
また来る(ます)?
あはは、私が自分が離れるタイミングを把握してると思うかい?
…マジ?
あなたにとっては数時間かもしれないけど、私にとっては――。
まあいいや、モスティマ!後で食事に行こう!必ずね!
――分かった分かった。
…全く、今晩は本当ににぎやかだなあ。
僕たちは本当にモスティマさんを一人残しても良いのですか?
誰が誰を置いていったって?どうせ彼女はそうしなくても、いつの間にか消えてるよ。
…怒ってます?
――ああ!まずはテキサスのところに行こう!残りは後にして!
エクシアのやつ、こんな時に限っていないとは。
あー、うちら、もしかしてトラブルを起こしてしもうた?
奴らは私達を取り囲んだ。いきなり現れた敵は最初から貧民窟に隠れていたようだ
こいつら、マフィアの一味なんか?そうは見えんけど。
いや、よく知っている顔がいくつかいるよ。全部龍門の地元の人だ…。
――
はい、ボス、彼らに教訓を与えます
あれ、あれ?あれ…私達ってテキサスを探しているんじゃなかったっけ?
何が起こったら、私達は突然現れた連中に囲まれることになるの?
…お前たちが飛び込んできたのだろう?
見てくださいよ!エクシアが教えるって言ったばかりに!
申し訳ないが、お前たちはここから簡単に離れることは出来ない。
どうして?
あなたもフォルテならシールドを使って――。
え?
クロワッサンと私がどうしていたか、私達はどうすればいいか!あなたが道を開けて、私が殿、今回はボーナスは無いけど、行くよ!
(戦闘)
11:45 P.M. 天気/曇り
龍門市区、カフェテリア
――良い香りですね。
カフェテリア、サンドイッチ、キャンドル、人の流れ、キャンディの匂い。
もしこのお嬢さんがいなければ、私はずうっと見ていたでしょうね。もっと気楽に。
…偶然通りかかっただけだが、お前が持っているもの見る限りでは偶然とは言え無さそうだな。
説明はしましたよ。モスティマはペンギン急便の一員として彼女の依頼を完了したと。私は彼女の代わりにこの杖を保管しているだけです。
彼女の杖に向かって独り言を言うおかしな奴を見逃すと思うか?
お、おかしなって…見ていないことにしてくださいよ。
…。
彼女は大丈夫ですよ。
彼女のことは心配はしていない。
彼女はトラブルも起こさないだろう。
…上手く行けばだが。
…。
…。
…(大人しくホテルにいたほうが良いかもしれませんね)
やあ、そこにいたの。さっきのはどういうことだい?
…ふと思い立っただけだ。
気まぐれであそこまでする?ペンギン急便もあそこにいたんだよ。
それにあなたも歳を取っているんだ。いつもこんなにも頑張っちゃうと、命が短くなるよ?
わしがどれだけの力を出したと思っている?
…そうだね。
せめてもう少し殺気を抑えたらどうかな?私はあなたの顔を見て話をするのすらあれなんだけど。
何が起きたんだい?
ふん、若者の警戒心を軽く見ていたのかもしれん、龍門の若者はいつもわしを驚かせる。
大したことではない。暴走した何人かの傀儡が責任を果たしたつみれの親方を間違えて傷つけてしまっただけだ。
「それだけ」?表情をコントロールすることを学んでから、そういうことは話するべきだよ。
…いつも笑顔だと笑顔の意味を失うぞ。それにわしのほうがお前よりも楽にしておる。
これってあなたにとっても予想外じゃないの?
例えば、ペンギン急便とマフィアの衝突を防ぐために自分で自分を贖罪する言い訳を探すのとか。
――お前のような娘が、あのペンギンに付き添って一緒にふざけているのはもったいないと思うが。
そりゃどうも。
しかし儂は奴らが貧民窟を勝手に踏みつけることは許さない。許せなかった。
儂は奴らの傲慢さには我慢しようとしたが、奴らは未だにルールを破っておる。
奴らはシラクーザとは関係が無く、龍門にもおもしろいものをもたらすと思っていたが…本当に失望した。
ちょっとまって…どうしてそこまで話すの?次は私を殺すつもり?
老人だろうと愚痴くらい必要なのじゃ。
そう、ただのレクイエムフェスティバルだと思ってたけど。さっきあなたが言ったことは全部そうとは聞こえなかったよ。
マフィアが暴れれば暴れるほど、後々貰えるお金はもっと多くなるかもしれないね。
金があったらどうする?
まずは菓子屋を買うかな。
はっは、本当に夢中なのじゃな。
いいじゃろう、地下室を除いて、他のものはお前に運んでやろう。
やっぱり地下室はあるんだ…あなたは私の美しい思い出を守ってくれはしないのかい?
あれは儂の店じゃからな。
そりゃ残念。退職したら本当に雑貨屋さんになるとは思ってるけど。
もし、定年の時まで生きていたらじゃがな。
もう時間も遅い。これからカーニバルが始まる、役者たちも皆それぞれの位置に付いておる。
手をこまねいて傍観しているつもりは無いのかな?
…ここはいい景色だ。
鎮魂の夜は亡者を送るお祭りで、龍門はあくまでも私達の都市じゃ。
生者が大騒ぎすることで、亡者は未練なく立ち去ることが出来る。
しかし、半分棺桶に足を突っ込んだ老いた鼠は筋肉を動かさなければ、別の下心を持つ何者かに死んだ亡霊と間違えられるかもしれんのでな。
どうして盛り上がってるの?
こんなにも賑やかだからじゃ。
――ああ、なるほどね。
この鎮魂の花はちょっと大きいね。んー、ちょっともったいないくらい。
お主は頭が良いな。
そうだよ。じゃないとウェイ長官はがとっくにあなたにご迷惑をお掛けしに来てるよ。
怖いこと言うんじゃない。近衛局とはもう付き合いとうない。面倒過ぎる。
それにこの素晴らしい芝居の真髄は全ての出費を役者が負担することにあるんじゃから。
はあ、はあ、あ、あいつらもマフィアのメンバーなんですか?後どれくらい走れば?
明らかに違うでしょ。ただ前に渡しとやりあったチンピラかも。数が多すぎて覚えきれないんだけど。とにかく走れば良いよ。撒いてしまおう。
さっき、杖を使って突進してきたやつがいたんだけど…。。
喧嘩なんていつもこんなもんだよ、あなた滅多に貧民窟に来ないの?
あまり注意せずに怒りを我慢してると顔が爆発して、お客さんからも猛烈なマイナス評価を受けて、他人を歯で噛むことに――。
そんなに声色豊かに言う必要はないですよ。
…モスティマさんとエクシアは旧知の仲なんですか?
あなただんだん呼び捨てになってきたね。
モスティマさんによると、彼女は僕の試験官だとか…。
何?私は聞いたこと無いよ?
…僕もそうだろうなと思いました。
モスティマだけ尊称が付けられて区別されているのがあからさまになってきたな。
僕の理想のトランスポーターだから――僕がこの職業を決めた理由は目的だから。彼女はそれを全部やりとげているようで。
…少しうらやましいです。
彼女が何を考えているのか分かりませんけど。
それが普通だよ。彼女がを追いかけてラテラーノから龍門に来てボスと会ったけど、今日に至るまであいつの考えはよく分かってないから。
最近になって諦めたよ。あいつを待つという思い切ったルールの後ろ側にいたほうが楽だし。
そんなこと…ちょっと待って下さい。ラテラーノから龍門まで追いかけてきた?
ええ、そこ気にする~?こう見えて私だってモスティマには負けていないんだから。少し劣っているかもしれないけど――。
いえ、そこまで気にしていないんですけど。とにかく僕たちは早くテキサスさんと合流すべきです。
ちぇ。
(殴る音)
あ。
やりすぎちゃうか?
正当防衛だから、大丈夫!
あ!テキサス~
無事だったか、モスティマは?
その質問いるかな、見れば分かるでしょ。
そうだったな、すまない。
…どうして謝るの。そして何故私を見るの?
あはは…モスティマは帰ってきた以上、いつかは会えるよ。
それよりも、私達は新しい敵に集中して対処しないと…。
それで、これは一体どういうことなんや?
前にうちらが大迷惑を掛けた報復なんか?
そうかもね。
そうかもね!?貧民窟ってそんなにも短気な場所なのですか?
殴らないと分からない。拳と拳っていうのは一番古く効果的なコミュニケーション手段なんや。
連絡、ボスからだ。
お~い?
楽しんでる?腕や足が足りないとかは無い?
ある?じゃあ、聞け。
…皇帝さんは保健を大量に買っているのだろうか?
今夜は軸轅街でレクイエムカーニバルがある。ブランドのねえ所のマーケティングばかりだけどな。
だけど、突然そのイベントに参加することになった。偉大なミュージシャンとしてな。
龍門にスタイリッシュなノイズをもたらし、あいつらは感激し涙を流し、きちんと跪くだろうよ。
お前たちの任務は私の後ろにただついてきて、ペンギン急便を解決するとかいう馬鹿どものを一網打尽にすることだ。
分かったか?分かっただろ?はい!それだけ!
…だそうだ。
うち、これ前にもあったことある気がするんやけど。
…ようするに私達もそのパーティに行くってことだよね。
よし、行こう!