
メフィスト?

お前、さっきはどんなアーツを解放した?お前のチーム…さっきよりも苛ついているみたいだが。

あいつら…あいつらとても苦しんでいるようだ。

あ、君にも見えたんだ?僕が植えた種の花が咲いたようだね。

大丈夫だよ、ファウスト。あいつらは僕たちを攻撃はしないから。

まだあいつらの感染を媒介しているのか?

メフィスト…もう止めよう。俺たちは生きていけるから。

僕のアーツだからこそ、こんなことでもやり遂げることが出来るんだ。こうしてこそ、脱出出来るかもしれない。

君も偵察をした時よく見ただろ。今の状態を強行突破しないと、近衛局は僕たちがスラム街の秘密の通路に到着する前に僕たちを全員殺しにくるんだよ!

この武器を見たことあるか?チェルノボーグの守衛にすら効かなかった武器なんだぞ!

あいつらはこの都市のことをよく知っているのに僕たちは単なる外国人。あいつらは何処から現れて何処に消えていくんだ?!現状の人だけじゃ、奴らと正面から対抗することは出来ないんだよ!

チェルノボーグのウルサス人は弱すぎた…。龍門は僕たちを軍隊として見ているけど、僕たちは軍隊じゃない。単に生きたい者同士の集まりだ。

声を落とせ。俺たちの士気がかなり落ちてしまっている。

だけど僕の家畜はそんなことで動揺することはないんだ!

…俺達と合流をしたレユニオンのメンバーだっているんだぞ。

フロストノヴァは必ず応援に来てくれる。

フロストノヴァ?あのフロストノヴァが?

は、はは、あいつとあいつの雪怪も裏切ったんじゃないの?

メフィスト!

あいつらの実力を何で止められるっていうんだ?

僕はあいつらを責めはしないよ。例え裏切りでもそれはあいつらが生きるためなんだから。

フロストノヴァは裏切りはしない。約束はしてはいないが。自分で真実を見に行くか?

そうだね…みんな生きるために頑張っているんだ。

衝動的になるな、近衛局の策略に頭を混乱させられないようにしろ!

方法があるんだ、ファウスト。僕たち同胞がもっと良く生きていける方法がね。

…?何をするつもりだ?

軍よりもっと怖いものを近衛局に見せてやりたいんだ。あいつらは僕の同胞が花咲くところなんて絶対に想像出来ないはずだよ。

メフィスト?!

近衛局の奴らのしたことには代価を支払わせなければいけない…。あのチェンとかいうやつが君に傷を付けた代価を支払わせなければいけないんだよ!

我が同胞のみんな、我が家族のみんな、僕に応えろ!

…!

お前たちの体の中には今よりももっと旺盛な命がある…。その衝動を追いかけて、お前たちの未来への種をばら撒くんだ!

だめだ、メフィスト!

あいつらは生きている人だぞ!

(混沌とした悲鳴)。

龍門全体がお前たちにとっての土壌だ。いけ、お前たちの命を他の奴に教えてやれ!いけ、いけ、いけ!

え?え?!何が起こってる?

お、お前何をしている?俺たちとお前は同じチームじゃないぞ!

…あいつら後ろでは何も言ってなかったのに!メフィストは何も…。

隊長?隊長?!隊長!!

ぐあ!!な、なんで、俺を噛むんだよ!!どうして…あああ!

助けて!!助けてくれ!!

あああああ、あっ!!!

ああ…。

彼らは以前よりももっと強くなった。

彼らは僕の声を繰り返し聞いてきたんだ。もう彼らは僕達を攻撃はしてこない…。彼らはより強くなり、より増えたんだ。

龍門はこれで徹底的に滅ぶ。はは、僕の同胞じゃあ龍門を得ることは出来ないし、龍門人もこの都市を維持することは出来なくなるけどね!

ファウスト。行こう、僕たちは…。

ファウスト?

…。

お前、何をした?

…

(悲痛なうめき声)

ファウスト?何処に行くの!

ファウスト!

メフィストの部下が何故俺たちを攻撃してくるんだ?!

俺は見たんだ…くそ、くそ、さっき奴らに引きずられていったイワンを見たんだ…。イワンもあれになってしまった!

スカー、なんだあの化け物は…あの化け物は何なんだ!!殴っても痛がらないし、刺しても死にもしない!

あいつら、さっきよりも何倍も苛ついてやがる!もうどうにも出来ないぞ!

お前達、一緒に来い!

ファウスト?!

行くな、メフィストの罠かもしれんぞ!

…こいつは俺の命を救ってくれたことあるんだ。

メフィストは馬鹿だろうが、そいつもそうじゃないとは限らんぞ。

…。

ここから行けば早い。幻影射手が守ってくれる。

分かった。

ありがとう…ま、待ってくれ!

気をつけるんだぞ!!

――オリジ二ウム投擲物?

走れ!牧郡の目標はお前たちだ!

グレイスロート、敵の動きが奇妙です。

重装オペレーターは出来るだけ陣形を維持、私達術師は敵の数を減らしましょう。アーツ能力がある感染者はあなたと他の狙撃オペレーターに任せます。

私が感染者を射殺しても大丈夫なのか?

グレイスロート…。

出来れば感染者の誰であろうと傷つけることは許可したくはありません。

ですが、私が他者にこのようなことを許可し、他の感染者が他者を傷つけることを許可するのかは…。

何の意味も無いことです。こういった学説は戦場で意味をなしません。

可能なのであれば、誰も他者を傷つけるべきではないでしょう。それは感染者であろうと一般人であろうと同じです。

…。

そのとおりだ。

ガヴィルさんは私達に医療支援をしてくれていますが…自身の状況に注意をして怪我をしないようにしてくださいね。

…おかしいですね?あれは…メフィストの牧郡では…?

ですが…どうして少しの感情も感じられなくなってしまったのでしょうか?

違う、違います!

グレイスロート、戻って!何かがおかしいです!

あいつら…体のオリジ二ウムを引き抜いている?

グレイスロート!

ドクター!大丈夫?

・大丈夫だ!君も気をつけろ!

どこからこんなにも多くの牧郡が出てきた?動きが完全に変わっている!

とにかく、こっちのほうが安全だから!そこでじっとしていて!

まずはこれらを全部解決してからだね!
(戦闘)
どれくらいの人がお前の前で死んだんだ?

…。

(ウルサス語)

そうしよう。俺が持って帰る。

…(ウルサス語)…?

ああ、俺はチェルノボーグには行かない。

安心しろ。

…。

ここは安全だ。

寝よう。
俺の前で何人が死んだ?

武器を離せ!

…あんただけ?

…。

振り向くな。少しでも動けば撃つ!

クロスボウは先に撃ってから話すものだ。

何?体が…消えた?

いや…情報資料にあったはず。あんたはあいつらの指揮官の一人、ファウスト。あんたの術では私から隠れることは出来ないよ!

知ってるから。あんたの術は視覚にだけ作用するってことを。私が撃つ限り、あんたは矢に刺さることになるよ。

出来ないだろうがな。

――!
(ボウガンの発射音)

俺の動きを予測出来るっていうのか?

…。

俺たちは二人共はぐれの射手だ。同時に引き金を押せば俺達は死ぬことになる

お前の名前は?

コードネーム、グレイスロート。いつ私の後ろにジャンプした?

お前が3回目のまばたきをした時。

…お前清々しいな。

あんたはあんたのチームからはぐれている。戦意の無い人を殺傷したくはないんだけど。

俺たちは敵同士だ。

ロドスは感染者を救おうとしている。あんたも感染者を救っていたもの私は見たんだ。

…それは俺の戦友だ。お前は俺の敵だ。

ロドスにはどうしてこんな幼稚な人がいるんだ。

そうね、私は幼稚よ。命令通りのことしか出来ないもの。自分で決めても何も出来ない。

気をつけろ。

指を離せ!

あんたのクロスボウには連射機能は無い。あんたの最初のショットを避けさえすればあんたは死ぬ。引き金を押すな。

命令に従うだけ、他人の考えに頼って行動をしていると、最後は恐ろしい目にあうぞ。

どうして?

多くの人は盲目的に従い、尻込みをし、震えているだけ。彼らは本当は誰かに頼っているのではなく、ただ考えることを始めていないだけだからだ。

…自分の方向が無い人はただ願いだけを求めて達成感と存在感を得るだけの機械に過ぎない。

動いて、絶えず動いて、願いを込めて、願いを叶えて、周りのもの全てを喰らい、願いを込める人をも喰らう。

私には出来ない。

まだ経験が足りないな。

さっき感染者との最後の会話を見たわ。あんたは正しいことをしている。

お前の善悪は関係ない。

ファウスト、あんたはずっと近衛局を避けている。はぐれた龍門近衛局だろうとも彼らを撃ちはしなかった。全部見てたわよ。

…俺の我慢を弱点として見てもらいたくはないな。待ち伏せしているやつが俺だったら、お前はもう死んでいる。

あんたはいなかったわ。

あんたは疲れている、クロスボウを使う人ならあんたの疲れは見える。弦を張っているみたいだけど、そのままだときっと切れるわよ。

…射手としてお前は話が多すぎる。

あんたも変わった感染者に会ったでしょ。私達でなんとかする方法を考えましょ。

お前の話は正しいのかもしれない。

待ってよ!

だが仕方がないんだ。

(動き始めた瞬間に消えた?…あいつの位置を判断することが出来ない!)

…。

…え?

どうして私を殺さない?

お前は撃ってこなかった。だから俺も撃ちはしない。

次はない。もしお前が俺を撃ち殺さないのであれば俺がお前を撃ち殺す。

私に悪意なんてものはない!

それが最も哀れなことだ。

…お前はお前の問題に答える必要があるかもしれない。答えなければお前は分かりはしないだろう。

気にするな。人を殺したり、殺されたりすることは毎日のようにある。お前達ロドスも避けられないことだ。

…どうしてあいつらを一緒に助けられないの?

――お前の要求には答えたいが、出来ないということは分かっている。

もう俺を追いかけるなよ。

お前はあいつらとの接触が少なすぎるし、お前の頭の中は錯覚と誤解だらけだからな。

…もう、どうしようもないんだ。
何人が俺のために何かをして死んでいったのか、そして何人が俺のためになにもしないで死んでいった?