
私のアーツを維持するのも最早限界に達してしまっています!

彼女のアーツが…未だ機能し続けているなんて?!

それでも…例えそうだとしても私は手を引くことは出来ません!

これでは、例え私の全ての血液を使い果たしたとしても…

あんたを行かせはしない!

ここまでか…。

…ここまで来れたのに。
(戦闘終了)

砕けた…か。

じいさんがとある祈祷師からこんなものをもらってきていた…私の命を維持することが出来るものだと。

戦いにも耐えられないとは、はは、所詮偽物だったということか。

私達、父と娘と同じだな…?今のようなデタラメなレユニオンも…同じだ。

何だ!

え…。

ごほ、ごほ…ブレイズ!

冷気が…消えてしまった。

私は大丈夫だから!アーミヤ、早く、あの白ウサギを見に行って!

見事な勝利だ、ロドス。

私の兄弟姉妹達は…私は彼らを無駄死にさせてしまった。

私達は何も出来なかった。

私の命には…何の価値もない。

・彼らは君の理念のために君を助けたんだ。

…。

私の死に…誰だろうと長居する価値はない。

お前たちはまだ助かる人を助けにいけ。早くしろ。

早く行け。

雨衣を来ている奴らを止めるのも。メフィストを負うのも、行き場の無い感染者を収容するのも…。

行け。価値のあることをしに行け。

…。

ドクター…。

・私は残る。
・君たちは行ってくれ。

分かりました。

ドクター、フロストノヴァさんにこの言葉を伝えて下さい。

…お願いします。

本当に…無邪気なウサギだ。

似ているな。当時のタルラに似ている。

死ぬ前に、こんなにもしっかりと理想を実現することが出来る人を見ることが出来て…。

・約束した責任はどうした?!
・…
・ロドスに入ると約束してくれたじゃないか?

お前の頭であればこれも考慮はしていただろう?

悪人には悪人にあるべき様を。私は自分で得た結果に対して不平は言わない。

私はお前たちを傷つけた。私とレユニオンは罪のない龍門人を目標にした。一方でウルサスの感染者の暗い未来も促した。こんな人がロドスに行く資格などありはしない。

私の兄弟姉妹は…この馬鹿達は私を生きさせたいを考えたのだろう?

今回は私が死んだとしても、あの馬鹿達は生きていくことは出来るだろうと思っていた。

違った。そんなことは無かった。あいつらは死んだ。元々時間もあまり残されていない私を守るために。

悔しい。私達の命は全てある人物に利用されてしまった。

悔しい…この最後の瞬間の命は私のものじゃない。この命は彼ら全員の血で換えたものだ!

このささやかな命を…信頼できる人に任せなければいけない。

ありがとう。

…あ…生きていたとしても、何処に行けば良かったんだろうな?

私達には元々行くべき所は無い。私達がよく知っているのは雪原だけだ。

龍門でもウルサスでもない。同胞と感染者を救いたいと願い。温かくて、食料もあって、そして住むところを探したかった。

それは龍門じゃないはずだ。最初から龍門ではなかった筈だ。龍門の市民だって自身の生活を求めているのだから。

私達が帰るべきところは唯一、ウルサスだけなのだろう…私の祖国…。

雪…静かな川の水…揺れる松林..緑の苔の衣…

この大地のなんと美しいことか。

・つまり、これら全て操っているのはタルラということか。

…もし私の考えた間違っていないければ…策略は既に準備し終わっている。

仮に博卓卡斯替のじいさんがこれを代わりに牽引しているとしても、タルラがこのようなことを画策しているからには、彼に対しても対処する方法があるに違いない。

龍門に手を出す機会は無く…ウルサスも手をこまねいて見ている。

お前たちがいる限り、感染者にはまだチャンスがある。それが例えほんの小さなものでも――

――今のタルラを壊してくれ。彼女の狂気を止めて、レユニオンがもっと多くの感染者を飲み込まないようにしてくれ。レユニオンにはタルラは必要ない。どのタルラであろうと…

あるいは…

…私の細やかな私情だ。彼女を救ってくれ。いや、彼女を助けてやってくれ。無数の感染者の同胞と共に…。

あれは本当の…ぬかるみの中を歩いている…タルラは…。

・フロストノヴァ?

お前は…。

・君の父は本当に君を愛していると思う。

・君の本当の両親は君のために死んだ。

・君は父が君のためにしてくれたことをはっきりと覚えているのだろう。

…。

私がどうして分からないかだと?ただ、私の前で彼は死んだからだ。

もし彼が私を拾ってくれなければ、どれだけ良かったか。そうだったら彼は私のせいで苦しみはしなかっただろう。

彼はそれほどまでに多くの苦しみを受けてきた…。

・彼は多くの苦しみを受けたからこそ、君を大切にしたんだ。

はは…。

…ドクター。

そう呼んでも良いか?

ロドスのドクター。この大地の上では選択なんて意味が無いのかもしれない

そうだったとしても、結果が変わらなかったとしても…自分で選んでみたいんだ。だから選択をした。

自分の手で…自分の結果くらいは拭うさ。
フロストノヴァの指があなたの顔を探している。

・…君の指は、温かいのか?

おかしなことを。お前の顔が…冷たいだけだ。

私の体温が…それほど下がってない?

・そうだ。君の病気は無くなったんだ。
・…
・温かいよ、フロストノヴァ。

…死ぬ前に…私はようやく人と触れることが出来た。

・フロストノヴァ、アーミヤと私は君がロドスに加入してくれることを望んでいる。

私に本当にそんな資格はあるのか?

・普通に死んでしまっては過ちを正す時間が無いだろう。

…返事をしないのは失礼だな。

アーミヤに伝えてくれ、Dr.◯◯◯…

この大地ではたった一人では何も出来ない。

だが彼女は決して一人じゃない。

今から私はお前の側にいる。お前たちの側にいる。

私は…ロドスに入りたい。

・ありがとう

いいや。私こそ…ありがとう。

お前の目つきは..私の旧知に似ているな。

私はとある男の子に出会ったことがある。彼は彼の兄は敵の許しに応えて彼の心を変えるくらいならむしろ絞首台に行くと言っていた…。

そして彼は雪原を通り、ウルサスを遍歴した。だから彼は私達と一緒に行きはしなかった。

それは私が見た最も理想的な人だったのだろう。

だが、お前とアーミヤに私は感じるものがあった。理想は信念になるのかもしれないと。

・ロドスは共通の信念のために戦っているんだ。

元々はレユニオンも…そうだった。

似ているな。

お前の目つきはあの子と本当に似ている。

だが、彼より強くはないだろう。彼よりも…優しすぎるかもしれないな。

手を離してくれ。兄弟姉妹たちが私を待っている。

…お父さん…私は馬鹿だ。

許して下さい。
彼女はするりと落ちた。
彼女の口元は上がり、それはまるで依然として生きているように誇り高かった。