PM 9:39 ロドス艦内

ふう…なんとか解決したわ。

お疲れさまです、オーキッドさん。

本当よ、いつの間にかあなた達と親しくもなってしまってしまって、その結果、あなた達のような編成外のスタッフみたいなことになってるわよ

あはは、オーキッドはこういう方面に詳しいですから、知らず識らずの内に…

ふう…まああの変な子たちを連れていくよりも、私は確かにこっちのほうが上手よ。

オーキッドさんも私達後方勤務部門に移るよう申請します?

え?

オーキッドさんのような民間時はロドスに入ってからオペレーターになる人は少なくて、ほとんどが私達のような後方勤務に参加するんですよ。

むしろ私達はあなたが何故前線を選んだのか興味があるんですよ。

何故かって、それは…。

オーキッドさんはロドスに入りたいのであれば、どんな仕事がしたいのですか?

テストの結果によてば、あなたは相当なオリジ二ウムアーツの適応性を持っているようです。

ですが、民間人ですので戦闘経験はありませんよね。後方勤務に関する部門に参加することをオススメしますが。

後方勤務って何をしているのかしら?

えっと…後方勤務と言っても細分化されていますが、全体的に言えばロドスの運営を維持するための様々な仕事ですね。

分職が多いので都市生活になれた人が向いていますね。

(つまり、事務室に座るっていうことかしら…)

(元々、気分転換がしたいからっていう理由でここから働きたいのに、ここでも事務室生活なんてしたくはないわ)

私は…前線への加入を申請するわ。

本当ですか?前線のオペレーターは大変ですよ。

ええ、試してみたいのよ。

はい、分かりました。

(今となっては事務室にいたくないからそう選んだなんてとてもじゃないけど言えないわね)

…つまるところ、うっかりオペレーターになったという感じがするわね。

あ、確かに私達のことを知らないと、そういうことは起こりますよね。

ええ、そうね…。

ですが、そういうような状況に対して私達には対処方法があるんです。条例を見てみれば…

あ、そうです。書いてありますね。

「民間出身の戦闘オペレーターが戦闘員として勤務して1年間、前線での生活に慣れない場合は後方勤務の事務員になるよう申請をした場合、無条件で後方勤務に移動出来る」

オーキッドさんは加入して間もないので無条件でこれが適用されますよ。というよりもあなた達A6の全員はサルゴン軍人出身のスポット以外はこれが適用されますね。

スポットに関しても少し審査をするだけでしょうね。私達はこの点においては非常に自由ですので。

そうなのね、そういう方面のことは考えたことも無かったわ。。

それにあなたは私達の仕事が戦闘オペレーターよりも楽では無いということは知っているでしょう。ロドスの裏を維持するということというのは。

ええ、知っているわ。考えておくわね、ありがとう。

オーキッドお姉さん、まだ?

もういいわよ。

分かった~。

ん、ポプカルちゃんじゃないですか、あなたを待っていたのですか?

道端で会ったら着いてきたのよ。

そういえば先月あなたは彼女と二人で寮に入ることを申請していましたよね・

ええ、そうよ。この子は人に心配を掛けさせない子だけど、誰がこの小さな子どもを戦場に連れて行ったのか分からないのじゃあね。

チームの中の他の人は頼りないし、彼女よりも安心出来るような人じゃないとそうするしか無いじゃない。

オーキッドお姉さん、まだ?

分かった分かった、それじゃあお先に失礼するわね。

さっきの話忘れないでくださいね、返事を楽しみにしているから。

ええ。

はあ…今考えてみてもおかしいわ。オフィスでの生活から逃れるために戦ってみているのだけど、結局はさっきみたいなことになってるのよね。

私の一生はOLって決まっているのかしらね…。

オーキッドお姉さん、OLってなあに?

OLっていうのは毎日オフィスに8時間もカビのように座って、ずっと機械労働を繰り返すの。仕事が終わっても歩けるとは限らない悲惨な職業よ。

ええっと…分かんない

そういえばポプカルはどうやってロドスに来たの?

ええっと、ケルシー先生とアンセル先生に買われたの。

え?買う?

ええっと、ポプカルは前は伐採上で働いていたの。

ある日ね、アンセル先生とケルシー先生がそこを取ってポプカルを見て、ポプカルと一緒に遊んでくれたの。

次に日になったら、どうなったのか分かんないんだけど、ポプカルはケルシー先生に買われたんだ。

伐採場?!

うん、ポプカルは小さい時にお父さんお母さんに伐採場に送られたの。伐採場のおじさんはたまにポプカルにとって怖かったんだけど、でもポプカルにご飯を食べさせてくれて…

お父さんとお母さんには会ったことがあるの?

お父さんとお母さんは遠くに行っちゃった。ポプカルは会ったこと無いけど、ポプカルは我慢するんだ。

アンセル先生もポプカルがいい子にしてたらロドスにお父さんとお母さんが探しに来てくれるって言ってたから、いつか会えるかも。

えっと、オーキッドお姉さん、どうして急にポプカルを抱きしめてたの?

…いえ、何でも無いわ。急に抱きしめたくなっただけよ。

さっきのお兄さんやお姉さんのように座って出来ることがしたい?。

うーん、アンセル先生からもそういうのを聞いたことがあるんだけどポプカル分かんなくて。

でもでも、ポプカルはちゃんと授業を受けて字を覚えたんだ。これからはオーキッドお姉さんのようにお兄さんやお姉さん達に手伝い出来るよ!

…そうね。

あ!…オーキッドお姉さん、どうしたの、悲しい顔してるよ。ポプカル何か悪いことでも言っちゃった?

大丈夫、あなたのせいじゃないわ、私のせいよ。こんなの聞くんじゃなかったわ。

オーキッドお姉さんはポプカルにこんなにも優しいんだから、何を聞いても大丈夫だよ。

ええ、ええ。

オーキッド姉さん、道のど真ん中でポプカルを抱いてどうしたのよ。

…こほんこほん、何でも無いわ。

カタパルトお姉さん、こんにちわ!

はい、こんばんは、ポプカル。

これから寮に帰るの?

ええ、あなた汗びっしょりね。また何処かでトラブルを起こして逃げてるんじゃないの。

ええっと、もういいの。オーキッド姉さんにカンフーが出来るわけもないし、ミッドナイトに解放されたばっかりだし

…?

ええっと、オーキッド姉さんは知らないの、仕事が無い時はミッドナイトは毎日この訓練場で鍛えているのよ

今日は私、用事が無くて彼に引っ張られてけど、やっと彼に見逃されたってわけ。スポットはまだそこにいるけど。

どうして?

オーキッド姉さんなら私のことを知っているでしょ、ふう、今度もこういう時もきっと彼に会った時は走るわ。

ポプカルも知ってるよ!ミッドナイトもポプカルのことを探していたんだけど、ポプカルにふっ飛ばされたら、もう二度とポプカルを探してこなくなったんだ。

…あははははは、そんなことがあったのね。どうしてあなたのことを探していないのかと彼に聞いた時、彼はすぐに話題を変えていたけど。あははははははは、これだけで3日は笑ってられるわ!

…まあいいわ、何も問題が無いのであればそれでいいのよ。

どうして結局はその話題に戻るのよ!オーキッド姉、それは偏見だよ!ポプカルだってトラブルを起こすのにどうして彼女は良いの!

あなたがトラブルを起こしても素直に謝るなら私もそうするわよ

それは出来ないね、何かを起こして謝るのであれば、私は何のためにトラブルを起こしているのか。

トラブルを起こさないで頂戴!

本当に、ロドスだけがあなたを収容出来るわね。他の所に変わると考えたら、とっくに…いいわ、もう。

えー、オーキッド姉、大丈夫だって言ってよ。他のところでは私の性格は許されないけど、変えたくないんだから。つまりロドスだけが私のような奇天烈を望んでいるのよ。

でも、ここのみんなは話が出来るし、よく働けば、お金も手に入るし、ここは大好き。

ええ、あなたが良いならそれで良いわ。

とにかく早く帰ってお風呂に入りなさい、女の子が汗まみれになって外で歩いているなんて。

あいあいさ~。

えーっと、オーキッド姉、そっちは寮の方向じゃないよ。

訓練場に行ってみるのよ。

ああ、ポプカル。今夜は私の部屋に来てね。話をしよ!

分かった~。
訓練室

私の剣術は俊敏さと不意打ちで出来ているのさ。

ミッドナイト、夕食で腹いっぱいになったのか、それともこの程度の力か?

続けろ、聞かせてくれ。

手に入れたぞ!

少し遅くなったが、この剣は良いな、夕飯で確かに腹はいっぱいだ

…

わあ、ミッドナイトお兄さんが本当にスポットとラリーしてる。

彼らが終わるまで待ちましょう。

うん――

はあ、ふう…水をくれないか。

ほら。

…ふうありがとう。

流石軍人家族の出身だけあって、スポットは普段はだらけているのに私よりもすごいな。

少しは誇っても良い。以前の基礎が無いお前なら、俺は漫画を探しながらお前と遊んでいたからな。

私ってそんなにも弱い?

お前を傷つけずに俺が意味することを表現する方法を考えさせてくれ。

まあいいだろう

でも少し気になるな。お前はホストをしていたんだろう

基礎もしっかりしているし、チームで一番軽そうに見えるのに実際はかなりいい。

軍人にとってはこれくらい何でも無いが、たしかに仏の人ではなかなかなものだろうな

君は私を褒めていると理解すれば良いのかな?。

俺は自分に言い聞かせているんだ、チームの中で一番軽いやつように見えるやつでも長所があるんだってな。

ははは、実はね…

ミッドナイトお兄さん、スポットお兄さん!

ん?

オーキッドも来たのか、これはもう終わりかな。

何故?

分からないが、俺の母さんが、以前に俺の気に入らない所を見た時の顔そのものだ。

はは、それは間違っているかな。次は私が女性の対処法っていうのを教えてあげる番だ。

はっ。

こんばんは、ポプカルちゃん、オーキッドさん。

ここで何をしているのかしら?

あなたが見ていたように私は毎日この時間、ここで自分を鍛えているんです。

私がわからないとでも?。

オーキッドさんはこの方面には興味がないと思いまして。それにこれは私の個人的な時間を活用する方法ですし。

…悪くはないわ。

でも、私達は一般人よ。ドーベルマン教官も危険な戦場へは私達のような民間人のチームは行くことが出来ないと言っていたのに、それは必要なの?

あ、その質問、うん、良い質問ですね、オーキッドさん。

…?

では、少し休みましょう、スポット?

ああ…あんたに任せる。俺はどうせお相手をするだけだからな。漫画でも取ってくる。

オーキッドさん、あなたは私の旅を成功させる秘訣は何だと思います?

何を言っているのかしら。

前置きですよ、答えが無くても続けます。

かっこいいだけじゃなくて、もっと話が出来ればいいのだけれども?。

いえいえいえ、私はかなりの美形だと思っていますが、他人がどう褒めたら良いのかは分かっているつもりなのですが…

はっ。

スポット、どうしたの?

何でも無い、人の可能性ってやつを再認識しただけだよ。

自信はとても大切ですが、一番大切なのはお客様を平等に見てあげることなんです。

もっと正確に言えば、私の店に来たのであれば、私の目の前であれば、あなたは誰であれ、あなたの身分は唯一、私のお客さんということになります。

…それとさっきの話題に何の関係があるの?あなたにとって、みんな同じと言いたいわけ?

いえいえいえ、私の隊長さん、あなたは頭が良い、あなたはそうは思っていない。

私にとってではなく、実際はこのようなのでは無いでしょうか。

表面上は強靭で鉄仮面の女性で強者と称する部長はただ仕事のためだけにマスクを付けているのではないか。

表面上は円満な家庭の主婦は、夫がとっくに浮気をしているにも関わらず、彼女は空き部屋を守っているのです。

せっかちで、女性に強い印象を与えるファッションデザイナーは嫌われることを恐れているだけでは、信頼を失うだけなのかもしれません。

あなたは死にたいのかしら。

はは、あなたのことを言っているのはありません。こういう人は何処にでもいますから。

あなたと私が住んでいた都市でも全ての人は自らの身分と責任を外したら同じ人です。

ロドスにいても事情がどう違うというのやら。

危険地帯に出入りするエリートオペレーター達は、戦場から降りれば機械から電源を抜くように仕事をやめますか?

いいえ、彼らはバーでお酒を飲みながら話をしたり、温室で栽培をしたりもします。

彼らは仕事が難しすぎると不平を言ったり、課題の単純さに笑ったりします。泣き、笑い、悲しみ、傷つき、そして死ぬこともある。

彼らも私達と同じではないでしょうか。

…あなた、演説の才能あるわよ。

お褒め頂き光栄です。

…ええ、あなたの言っていることは無理なことではないけど、実感が沸かないのよ。

実際これであなたを責めることは出来ません。広報というものは私がいるところでは常にグレーな領域に入っていましたから。

オーキッドさんは本当に明るいところで成長をしてきました。

あなたにとっての最大の悩みは給料が安いこと、肌の調子が悪いこと、通勤の交通渋滞など様々なはずです。

あなたにとって、この暴力的で血なまぐさい世界は全く新しい世界だ。

しかし、あなたは既にここに来ている。ここに残り、過去の常識で自分を縛るのではなく、少なくともそれを知るということを試してみてはどうでしょうか?

過去の常識…。

もちろん、私は説教をしたい訳ではありません。資格があるかどうかはさておき、この点がロドスの「おしゃれマイスター」になったオーキッドさんには分かりませんか?

はあ、あなたさえも知っているのにね

多くの先輩オペレーターに話を聞きましたが、彼らかは面白いニュースをたくさん聞きましたよ。

それで彼らと仲良くはなったの?

誰であれ、私の言葉を聞き取れば仲良くすることが出来ます。これが極東の夜王の”特殊能力”です。

はいはいはい。

ですから、あなたの服をデザインしたり、ファッションのコーディネートを相談したりする彼らは私達と同じ一般人ですかということです。この点はお分かりになられましたか?

…

ところで、スポットはさっき私に聞いてきましたよね、何故私がホストなのに剣術の練習をしていたのかと?

うん?あ、あ、そうだな、忘れてた。

そう言わないで下さい。少し話が長くなるので場所を変えましょう。食堂でおごりますよ。

めんどくさいから、聞かなくてもいいか。俺もうあまり気にしてないんだけど。

はは、ダメです。

ちっ、途中で抜け出すべきだったな。

奢りだと言うと、あなた達は本当に少しも遠慮をしませんね…。

これもいるか?

もぐもぐ…これおいしい!オーキッドお姉さんは食べないの?

夕食後は私は食べ物を食べないの。

本当に現代女性の模範ですね。

…。

ごほん、はい、では本題に戻りましょう。

まず、失礼ですが、オーキッドさんはどのようにオリパシーに感染をしましたか?もちろん、話したくないのであれば話さなくても構いません。

…特に何でも無いんだけど、ある日突然自分の体に結晶が出来ていることに気付いたのよ。

医療部の人が言うには私が自覚をしていない時にオリジ二ウム製品に接触したのだろうと。

単純ね。

なるほど、それならばあなたがさっきのような疑問を持つのは当然ですね。

では私の経験をお話しましょう。

私には後輩がいました。

その方は私とは正反対で、まるで陽の光のようで、素直で、心から好かれる人でした。

当然、その業界で仕事をしている以上は本当の無邪気なんてものじゃありませんし、悪意を持って他人を推測しなくても良いのであれば、彼はもっと人を信じていたでしょう。

聞いた所俺が嫌いなタイプの人だな。

つまり、スポットは私のような性格が好きということですか?

オーキッド、ナルシストには医者はいないのか?

後で医療部に聞いてみるわ。まだ助かるかも知れない。

はは、では先程言いましたよね。すべての人を私のお客さんと考えていると。つまり。相手の身分や地位で私はやり方を変えはしません。

私は自発的にこれをしていますが、彼にとってはこれは一種の素質のようでした。

その業界のエリートとして、彼は私を超える人だとも思いました。

それでその人はミッドナイトお兄さんを超えたの?

…そんな簡単なことじゃないわ。

え?

…そうですね。そうであればよかったのですが。

今考えると、私が彼を殺しました。彼の家は良くなかった。彼はお金に対して渇望をしていました。そして私は彼にとって眩しすぎた。

もし私がいなければ、彼はこの業界で彼の能力を頼りによく働いていたのでしょうが、私の存在が彼を一つの道から外してしまいました。

もっと前に彼に自分の位置を、お金というものを、どうやって他人の見方に慣れるのか教えてあげれば。

そうしてあげれば、最後には刃を向ける結果にはならなかったのかもしれません。

彼はあなたに嫉妬しているみたいだけど、あなたはそれに気付かなかったの?

…彼はうまく隠していました。あるいは、自分でも自分の変化に気付いていなかったのかもしれません。

彼が初めて私を殺しそうになった時にやっと気付いたんです。私は自分の人間性に対する理解を自慢しましたが、それは一部分だけなんだと。

人間性に対する理解とは関係ないと思うな。あんたはただお人好しなだけだ。

確かにあなたは後輩を引っ張ることが出来る良い人だとは思えないわ。

でもミッドナイトお兄さんは良い人だよ、ポプカル知ってるもん!

ありがとう、ポプカル。

だが、これが初めてというと、つまり2回目は?

そうですね。

初めて彼は確かに私を殺しそうになりました。もう少し、本当に足りなかった。それが彼の二度目の殺人だったら私は死んでいたでしょうね。

しかし、私は生きていた。

俺は5龍門幣掛けていたが、お前は情に脆いんだな。

いえ、私は情に脆いのではなく、考えたことが無かっただけです。

あの時の私はオーキッドさんと同じく、世界には悪意があって、血なまぐさいこともあるとは思っていなかったんです。

私は彼を業界から退かせさせ、その時からひそかに剣術の練習を始めました。これで十分だと。これで十分なんだと思っていました。

ある日、私の体に突然問題が生じ始めたんです。

あなたのオリパシーって…。

彼は私のマネージャーを通じて、私が気付かないような手段でオリパシーに感染させたんです。

そして次に彼が私の前に現れた時は彼も感染者になっていました、彼の「お友達」も引き連れて。

私は多くの恨みというものを傍観したことがありますので私はそれを知っているつもりでした。ですが憎しみが私に向けられた時に私はようやく悟ったんです。これはここまで激しい感情だったのかと。

だがあんたは勝った。

ええ、私の剣術はあなたから見ればまだ半人前なのでしょうが、十数人の暴漢に対してならば、命がけで解決することは出来ます。

次は彼を自分の手で…

うわああああああああ!

どうしたの、ポプカル?

ミッドナイトお兄さんがかわいそう、ううう…。

泣かないで、ポプカル。

実は彼に感謝すべきなのです。彼が私に私の未熟さを分からせてくれました。

その後、私は様々なルートからロドスのようなところを知って、思い切って業界を離れて、極東の事務所に登録を行い、遠路はるばるここに来ました。

この道でたくさんのことを見て、たくさんのことを考えました。ロドスに来てから、一つのことについてもっと深く知るようになりました。

それで何を見たのかしら。

ここからは私の考えです、オーキッドさん。

私達はここで世界の残酷な真実というものを見ました。真実というものは受け入れるべきです。

私達の立場から言えば、ロドスのオペレーターたちはほとんどが経験する必要のない痛みを経験していると考えるのが普通でしょう。

私達が自分たちがいわゆる温室育ちであるということ卑屈になるべきではありません。

何処に住んでいても同じなのですから。

私達が生活しているところでは一生懸命働いてこそお金を稼ぐことが出来ます。

もちろん私達は後方勤務部に加入することは出来るでしょうし、そこで努力することも同じことです。私達はただ戦う道を選んだだけ、それだけです。

…死を恐れていないの?

みんな怖いと思いますよ。

ですが、オーキッドさんがここに来たのであれば、私達は戦いで守らなければいけない状況というものに直面するかもしれません。

その時に「オーキッドさんと守るために強くなりました」と言えれば良いポイントになるでしょう。しかし、この点だけはオーキッドさんにははっきりしてほしいのですが――。

ロドスではどんな生活をしたいのですか。

…分かったわ。

うーん、分かんない…。

分からないのが正しいんだよ。これはお前には永遠に持つことがない悩みだから、そういうのを考えるよりも、もっと注文をしない。これもやるから。

わあ、ありがとうスポットお兄さん!

はは、間違いない。ポプカルはこんなことを考えて無くても大丈夫だ。

私のお喋りを許して下さい、オーキッドさん。あなたが私に質問をしたことは、ロドスに来てから私もよく自分に問いかけているんです。ですので少し考えるところが多くて。

…ええ。ありがとう。

えっと、おかしなことが起きましたね。私の神様であられるオーキッドさんが私に感謝をしてくださるとは。スポットの弟、ポプカルの妹、あなた達は私にとって本当の福の神ですよ!

自ら死を求めるなんて。ポプカル、私達は帰って寝るわよ。明日も早いんだから。

え、お話聞かないの?

別にいい話でも無いでしょう。

うん…スポットお兄さん、ミッドナイトお兄さん、おやすみなさい。

おやすみ。

いい夢を。お美しいお二方。

こんなにもたくさんの話をして、あんたは俺たちがあんたの二番目の後輩になることが怖くないのか。

少し自慢なのですが、今の私の人を見る目は昔よりも自信があるんですよ。

はは。

それに私達はチームですし、お互いを知るのも良いでしょう。

良いね、でも俺は思ってもいなかったよ、あんたのそんなことがあったなんてな、

よく考えると、そこまで考えなくても良いこと、でしょう?

あんたと観点が同じになるなんて珍しいな。ところでさっきは女性への対処方法っていうのを見せてくれたのか?

ありましたよ、一番大切な手です――本当の事を言えばですが。

これの何が難しいんだ?

簡単だからこそ、重要なんですよ。

オーキッドお姉さん、帰ったらカタパルトお姉さんにお話を聞いても良い?

ミッドナイトのせいで遅れてしまったから、今晩はだめよ。

えっと…。

大丈夫だよ、オーキッドお姉さんが喜んでくれて、ポプカルも嬉しいから。

え?私さっきまでずっと不機嫌に見えてた?

えっと、ポプカルどう言えば分からないけど、オーキッドお姉さん、後方勤務部から出てきた時からなんだか気分が悪そうだったけど、今はそうじゃない。

そう…そうね。

ありがとう、ポプカル。

ポプカル何もしてないよ?

ふふ、あなたは知らないだけよ。。

えっと、オーキッドさんですか?

ん?あなたは…

私はペンギン急便のソラと言います。あの、ファッションや裁縫は得意だとお聞きしたのですが、少しだけお時間良いでしょうか?
PM 6:23 ロドス艦内

やはり戦闘オペレーターとして働くことにしますか?オーキッドさんの選択である以上、私達はあなたの選択を尊重しますよ。

ええ、確かに私には似合ってはいないけれども、せっかくの経験ですもの。もう一度試してみたいわ。

そうですね。一日中オフィスに座っているのはつまらないですから。いっそのこと纏足申請を出してみようかなあ。

俺はいいや、ドーベルマン教官の新兵訓練に耐えられないからな。

あ、そうですね。あれはとても難しいと言われていますし、オーキッドさんが頑張ったおかげですし。

慣れば大丈夫よ…じゃあ今日はここまで。

こんなにも早くですか?

ええ、ちょっと用事があるの。

分かりました、ではまた明日。

また明日。

いたた…本当に今ようやく自分の体がどれだけ鍛錬不足なのか身にしみて分かったわ。

彼らの文章はおろか、もう手も上がりはしないわね。

ああ、本当に藪蛇だわ。

オーキッド姉!!!ようやく見つけた、あなたを探していたところなのよ!

…どうしたの?ポプカルがまた何かを壊したの?

そうじゃないよ、ミッドナイトがポプカルのトレーニングがしたいって、良いショーがあるから見に来てよ!

…はいはい、今日はあまり力が無いんだけど。

オーキッド姉、最近どうして急に体力コースの申請をしたの?

気持ちの切り替えをしただけよ。

そうなの?じゃ私が背中を叩いて肩を揉んであげるよ。

用が無いのにお世辞を言いに来るなんて、またこっそり事故でも起こしたんじゃないの?

え!まだしてないよ!

今回だけは信じてあげるわ。

…。

どうかしたの?

何だか最近オーキッド姉少し変わったなあって。

そう?

うん…何というか。私も何とも言えないんだけど感覚的にね…。。

もういいわ、ミッドナイトの所に行って晩ごはんを食べに行くんじゃないの?

そう、そうだった!早く行こう!

本当に。

自業自得ね。