6:30P.M.

ナンバー00000-00002、権限-8を受諾。

Dr.○○○、ロドスアイランド総合バイオロジー処理室へようこそ。あなたの思考は既にバイオロジカルデータを用いて診断されています。

その際にシステム検診であなたからマイナスな感情が検出されました。

・ほっといてくれ。
・……
・プラスな感情ってどういうものだ?

・「ほっといてくれ」選択時
Dr.○○○から攻撃性を検知しました。
ご心配はありません。システムはあなたに電撃をすることはありませんし、システムはあなたの検査について気にすることはありません。

・「……」選択時
ドクターは沈黙。
無言で抗議をし、コミュニケーションを取ろうとしないのも、孤独性精神生涯の表れかと思います。
それでも当然ながら、システムは全ての人に対して平等に対応することは出来ます。

・「プラスな感情ってどういうものだ?」選択時
プラスもマイナスもそれぞれ個人の主観にすぎません。
ですが、本システムはほぼすべての精神の活動状態、および神経系が活発になる刺激基準のデータが蓄積されています。
ですので、本システムの診断結果は限りなく客観的事実に近い結果であると思って頂いて構いません。
したがって、Dr.○○○がどのような行動をとるかは、システムでの一定のシミュレーション結果から判断することが可能です。
ドクターのお好きなようにしてください。
PTRSには非攻撃性鎮静機能が備わっていますので。
ドクターが過激な行動をとった場合は、ただちに昏迷させたあと、正常な状態に回復するまで3:55作業時間後に目が覚めます。

Welcome home, Doctor。

そんな場所、を家って言えるのか?

あなたがDr.○○○ですか?

・ん?
・……?
・こんにちは?

…間違いないです。

感じるんです……ちょっと違いますが。

でも……あなたが抱えてる人の服……

あなたが抱えてる人が誰なのか、聞いてもいいですか?

- 戦士だ。
- 同胞だ。
- 友だ。

・「戦士だ」選択時
戦士ですか?
あ……ドクターにケガを負わせてる。敵がですか?
い、いえ……この傷だと致命傷にはならないですよね。

・「同胞だ」選択時
彼女も感染者ですか……?
いや、そういう意味じゃないようですね。
Dr.○○○、あなたは何かを失ったのですか?

・「友だ」選択時
お友達、なのですか?
ですが、お友達…彼女とあなたの結びつきはとても弱いです。
もしかすると…すぐに消えてしまうかもしれない…

・君は何を……感じ取れるんだ?

人々が交わした交流の痕跡、匂い、温度、かたち。

私にもよくわかりません、でも彼女は……
女の子がフロストノヴァに手を伸ばす。

・(黙って見届ける)→大分岐1へ
・(声を出して止める)→大分岐2へ

・(黙って見届ける)選択時[大分岐1開始] あ。

いや。

あなたは私にこんなことをしてほしくは無いですよね?

い、いえ。私は部外者ですよ。彼女とは関係はありません。

これは私が関わる事じゃない、ですよね?

ごめんなさい。

・君はアーミヤのように心が読めるのか?
・…
・私は君の事が理解できないんだが。

・「君はアーミヤのように心が読めるのか?」選択時
いえ、出来ません、私にはそんなこと…
アーミヤさんは特別です。あの人のアーツも知ってます……辛いことも。
[大分岐1終了]

・「…」選択時
彼女には……触れちゃだめですよね。感じ取ることも。
彼女とこの地との結びつきは、私には関係ないですから。
私には彼女に……触れる資格はないです。
[大分岐1終了]

・「私は君の事が理解できないんだが」
ほかのみなさんも、そう言います。
ロドスのみなさんはみんな個性的ですが……私はもっと変なのかもしれません。
[大分岐1終了]

・(声を出して止める)選択時[大分岐2開始]
あ…

ご、ご、ごめんなさい…。

私…。

・すまない
・…
・ごめんね、お嬢さん

・「すまない」選択時
大丈夫、大丈夫です、慣れていますので。[大分岐2終了]

・「…」選択時
お、怒らないで欲しいです…
何か喋ってもらえないと、私は…どうすれば良いのか。[大分岐2終了]

・「ごめんね、お嬢さん」選択時
大丈夫です。
怖がられるより、ちゃんと話してくれるほうが嬉しいので、大丈夫です。[大分岐2終了]

あの……この機械を使いたいんですよね?

ここが本当に感染者たちの最後の拠り所なのであれば。

……うん。

手伝いますよ。先に記録を見させて頂ければ。

はい、大丈夫です。このポッドはもう片付けられてます。ここの台に乗せましょう。そーっとですよ、はい。

そしたら、台が収納されて……扉が閉まった後に、このボタンを押せば完了です。

・操作、慣れてるんだな。

えっと、たくさんしてきたので。

どうして……

ロドスの感染者は、みんな最後はここに来ますから。

わたしの知ってる人、感じ取った人、チームメンバーはわたしが操作するんです。

これの使用説明書は複雑ですけど、システムの簡単な操作方法は全部ターミナルにインプットしてあります。少し見ただけで、身体が感覚に慣れていくんです。

感覚?

えっと……鎖みたいなものですかね。

・鎖……?

二人の間をつなぐ線でも良いかと。

自分と関わり合いがある人を見送る時は、その人に纏わり付いている線を解くんです。自分が纏っているものが向こうから相手がいなくなろうと線は垂れ下らないように。

身体からぽっかりなにか失くしたような。そこがなんだったのか分からないですが、知っている。彼らは存在してたけど、もういない、そんな感覚です。

・なぜそんな感覚に慣れているんだ?

慣れておかないと、痛みに耐えられないじゃないですよね?

・……君はいったい……?

お話の最中、申し訳ありません。

ロドス総合バイオロジー処理室にいるエリートオペレーターRosmontis、あなたの識別番号は15分後に失効されます。

更新を行いますので、その場で15秒ほどお待ちください。

そして、接舷区域で小規模な武力衝突が発生しました。条件として番号更新後、こちら側の損害を軽減するため支援に向かってください。

あ、はい。わかりました、すぐに行きます。

ターミナルに記しておきますね。

この要求は六度目です。本システムに権限を開放していただければ、直接メッセージを……

だめです。

これはわたしの……わたししか書けないものですから。

かしこまりました。それでは。

・エリートオペレーター…?

PTRSは私のことをそう指します。

・君のことはRosmontisと呼ぶべきかな?

ローズマリーって……呼んでもいいですよ。

彼女の……お名前は?

せめて……彼女のお名前だけでも。

・フロストノヴァ

フロストノヴァ……

いい名前。

こんにちは、フロストノヴァ。

……さようなら。