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【雾境序列】ミストインシデントリポート File #01

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ミストインシデントリポート File #01

ソフィーはこの書類をあなたに渡し、一礼をして振り返りオフィスを出た。
明らかに今回の事は彼女には何の閲覧も言及する権限もなく、安全を考えて、必要な通知さえ回避したのかもしれない……。

あなたはしばらくぼんやりしてから、今の状況に適応すべきだと気付いた。
彼女がドアに鍵をかけていることを確認してから、あなたはテーブルに戻り、霧災害の初期報告を開いた。

―――――――――――

【霧境調査局 文書番号SS0107███████】。

記録者:
フィレット帝国軍
第7師██駐在ルル州ヴィーコ市指揮部

【事件報告】

【記録時間】
████日20:30

【事件概要】
ヴィーコ市で不明な濃霧が発生してから76時間が経過。
現在、濃霧内の可視度は20メートルを以前として下回っており、市役所を含め、1/3の市街地は濃霧にのまれている。
他の地域や近隣の軍事キャンプとの通信を試みてはいるが、まだ何の返事も受けていない。
ミストエリアに入った多くの市民が行方不明になったという報告を受けた。
ミストエリアに近い住民数十名に程度の異なるせん妄症状が現れた。現在、ウィコ市中央病院にチームを派遣し、患者の収容治療を行っている。

【調査記録】
特殊事態警報が発令されてから7時間後、わが軍は市警察署の要請に応じ、5人の調査隊を3チーム、霧の中に派遣し探索を実施した。調査隊はいずれも濃霧に入って約10分後に指揮部と連絡を失った。

4月25日16:40、同市内で出発点から17キロ離れた霧壁縁で調査隊のメンバーが発見された。この人物はこれまでで唯一発見された調査チームのメンバーだった。
その隊員は目覚めてすぐに極度の恐怖に陥り、口からは論理性の無い言葉が繰り返され、コミュニケーションを取ることが出来なかった。

彼が所持していた任務記録によれば、調査隊はミストエリアに入ってから 9時間後にルル州境を越え、████領内の██町に到着。調査隊は予定の進行方向から90度ずれており,これは濃霧の測位機器への妨害によるものと推測された。

調査隊は町内を捜索したが、誰も動物を発見出来なかった。町内には大規模な動員跡があり、また、陸上交通機関はほとんど残されておらず、町民が█████方向に緊急避難したと推測される。

調査隊は町内の建物で奇妙な円形の穴を大量に発見し、サイズは様々だが、形は非常に整っており、普通の人力による工事では無いのではないかと考えられる。

調査隊は██町に近い省道に沿って█████方向に探索、道路周辺の地表は██町と同じ大きさの円形の穴が残っていた。11キロ進んだ後、道路は巨大な穴で遮断されていた。付近には少量の日用品が散らばっており、██町住民の忘れ物と推測されている。

探索隊はこの穴の上空で奇妙な形をした生物を目撃した。
テキストレコードのログはここで中断されている。

この隊員が携帯しているカメラのフィルムからぼやけた写真(添付ファイル1.3.1)を現像したが、写真中の生物の外形は現在知られているどの種とも一致しなかった。

[結論]。
今回の事件はヴィーコ駐屯軍の処理能力の範囲を超えているため、一切の捜索活動を一時停止する。
ヴィーコ市指揮部は現在すでに連絡チームを派遣し物理的にも濃い霧を突破、外部と連絡を取り、支援を求めることを試みている。

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