アークナイツストーリー翻訳

【明日方舟】緑野の幻夢 DV-ST-1「逆行」 翻訳

(電話の音)

こちら、ライン生命総括クリステン・ライトのプライベートオフィスです。
現在、本人の都合によりお電話をお繋ぎできません、提示された音が鳴った後にお名前とご用件をお話ください。

???
留守番電話

いや~しくじっちゃったよ、クリステン、しくじりだ……

???
留守番電話

あの将校さんもバカじゃなかったよ、この前納品する際に、あたしが仕掛けた“小細工”を見抜いたんだ。

???
留守番電話

彼とフェルディナントの人間にずっと監視されててさ、ここまで逃げるのに何人分もの分身を無駄にしちゃったよ。

???
留守番電話

ライン生命の方も、きっとすぐにフェルディナントが動くと思う……ほかの課の主任たちはそんな彼に従うか、あるいは知らぬ存ぜぬを貫くのかのどっちかだね。

???
留守番電話

いや~、もしかしたら今回は本当に逃げられなかったりして。

???
留守番電話

ちょっと怖くなってきちゃったかな~、まあちょっとだけなんだけどさ……それでも、珍しいじゃん、こんな怖がることなんて?

???
留守番電話

でも、あたしたちの間で交わした約束なら、ちゃんと守るつもりでいるよ。

???
留守番電話

……あたしね、クリステン、こう思わずにはいられなくなっちゃうよ……

???
留守番電話

もし彼女がまだいたら、私たちはとっくに……

???
???

ミス・ミュルジス、これ以上の抵抗はおよしなさい。

???
???

ライン生命本部からここ商業区まで一晩中逃げるものですから、こっちの時間も随分と無駄にしてくれましたね。

ミュルジス
ミュルジス

……はぁ~。

ミュルジス
ミュルジス

もう逃げても無駄、って言いたいの?

ミュルジス
ミュルジス

あたしがまだツリーマウンズにいる限り、見つけるのは簡単だもんね。

???
???

いえいえ、ツリーマウンズに限りませんよ、ほかの都市にいたって一緒です。

???
???

ここはクルビアです。法を犯したものなら、その裁きから逃れようだなんて考えないことですね。

ミュルジス
ミュルジス

……それって、あたしが軍部と締結した守秘条項を違反したから?

ミュルジス
ミュルジス

なら少しだけうちの弁護士に連絡を入れさせるぐらいの時間を頂戴よ――そんな全身武装させた傭兵をやって、死に物狂いであたしを追わせるんじゃなくてさ。

???
???

言いましたよね、ここはクルビアだって。

???
???

プロセスというのは明示されてから初めて動くというものです。それ以外の場合だと、専ら効率重視ですが。

ミュルジス
ミュルジス

……

ミュルジス
ミュルジス

そっ。じゃあもう少しだけフェルディナントと話をさせてくれないかな?もしかしたらまだ誤解が解けるかもしれないし。

???
???

無理ですね、私が受けた命令にそれを許可する項目は含まれていませんので。

ミュルジス
ミュルジス

あなた……フェルディナントの雇われじゃないの?

???
???

フェルディナント・クルーニーとあなたは同僚ですけど、私はただ一時的に手を組んだパートナーに過ぎません。

???
???

ライン生命内部でどんないざこざが起こっていようがこっちは微塵も興味はありません。生態課だろうとエネルギー課だろうと、私も私の雇い主もパートナーは誰でもいいというスタンスでいるので。

???
???

私たちが求めている事はあくまで結果です。ライン生命が提供してくれるあの産物なら、うちの雇い主がきっとそれをうまく使いこなしてくれるでしょう。

???
???

そしてあなたは、以前犯したあの小さなミスのおかげで、完全に私たちからの信頼を失ってしまいました。

ミュルジス
ミュルジス

……あれはわざとじゃないんだって言ったら、信じてくれる?

ミュルジス
ミュルジス

ちょっと流れで実験データを保存しちゃっただけなんだよ、研究員の癖というかさ。

???
???

癖?半日経ってやっと出た言い訳がそれですか?

???
???

残念ですけど、こっちはあなたの特別な魅力にはなんの興味もないんです。

???
???

フェルディナントも確かあなたに警告していましたよね、関連する法案が議会を通るまで、ほんの少しでもあの実験内容を外に漏らしてはいけないって。

???
???

エルフの血筋はあなたの美貌を先延ばしにしてくれているけど、習慣的な健忘症にもかからないようにしてくれているはずですよね?

ミュルジス
ミュルジス

なっ――!

ミュルジス
ミュルジス

知ってたのね、あたしが……

???
???

エルフだってことをですか?

???
???

対象のプロファイル内容を把握するのも私の仕事のうちの一つですからね。

ミュルジス
ミュルジス

……

???
???

ですので、少しはこちらにも協力してください。まったく効き目もないような幻を作り出そうとしても無駄ですから、諦めてくださいな。

ミュルジス
ミュルジス

どうやらマジでもう逃げられそうにないね。

???
???

――

???
???

ほう、あなたはそれで時間を稼いできたのですね……けど、そんなので私の目を誤魔化せられるとでも?

???
???

私をただの膂力任せのバカだと、あるいはあなたのあの実験室にずっと引き籠もってる同僚たちと同じだとでもお思いで?

???
???

見つけましたよ。

(???がミュルジスにアーツを放つ)

ミュルジス
ミュルジス

がはッ……

ミュルジス
ミュルジス

この温度……水分子が……言うことを聞かない……

ミュルジス
ミュルジス

それがあなたのアーツ……それとほかの特殊な技術だとか?

ミュルジス
ミュルジス

くっ……

(???がミュルジスに近寄る)

???
???

私と学術を論じれる余裕なんてあなたにはないはずですよ、ミュルジス“主任”?

???
???

こっちはもう鬼ごっこには飽き飽きなんです、それに突発的に現れる氷水で自分の羽と髪の毛を濡らされても困ります。

ミュルジス
ミュルジス

はは……あなた……ただの傭兵じゃないね……

???
???

お褒めに与り光栄です。

???
???

では、最後のチャンスです――私の質問に答えなさい。

???
???

クリステン・ライト、ライン生命の総括は、数年立て続けに各企業から大量の純化固体物質を購入して、一体なんの実験をしているのですか?

ミュルジス
ミュルジス

はっ……ハァ……あなたもあなたの背後のいる人も、みんな総括の実験に興味津々なら、なんでまだフェルディナントに手を貸してるのよ?

???
???

質問を質問で返さないください、今私が求めているのは回答だけです。

ミュルジス
ミュルジス

くっ……

ミュルジス
ミュルジス

だったら……あなたの欲しがってる回答は……持ち合わせていないかな。

???
???

プロファイルを拝読すると、あなたは自分の血筋から与えられた能力で人をおちょくるのが好きなようですね?そんなあなたが、まさかそこまで総括に忠誠だったとは。

ミュルジス
ミュルジス

忠誠……?

ミュルジス
ミュルジス

いやいや、あたしはただ……自分のために……

???
???

う~ん……どうやらこのチャンスをものにしないおつもりのようで。

???
???

では、ミス・ミュルジス――

???
???

私たちとの協力関係もここまでですね。

(人形の機械が近寄ってくる)

ミュルジス
ミュルジス

ここまで……?

???
???

殺れ。

ミュルジス
ミュルジス

……

ミュルジス
ミュルジス

サリア……

ミュルジス
ミュルジス

クリステンのほう……間に合ってるといいなぁ……

(人形の機械がミュルジスに襲いかかる)

2:43a.m. 天気/曇り
ツリーマウンズ都市区域

サリア
サリア

……

ツリーマウンズ市
ツリーマウンズ市

あのー、待ち合わせの方はまだいらっしゃらないのですか?

サリア
サリア

ああ、十分前には到着してるはずなんだが。

サリア
サリア

まあ、彼女が時間通りに来てくれることなら最初から期待はしていない。だが先ほどの通話からして、私よりも向こうのほうが焦って対面したいと思っているはずだ。

ツリーマウンズ市
ツリーマウンズ市

もしかして向こう側は今さら後悔してるんじゃ……

ツリーマウンズ市
ツリーマウンズ市

ほら、ライン生命生態課の主任っていつもニコニコしてるけど、絶対本心を口に出したりはしないタイプじゃないですか。

サリア
サリア

ミュルジスのことなら私も信用はしていない。

サリア
サリア

今もライン生命に残っている連中なら、誰だろうとそう簡単には信用しないさ。

サリア
サリア

信頼が協力を得るための唯一の条件というわけでもない。最初私がお前のところに来た時、お前は簡単に私を信用できたのか?

ツリーマウンズ市
ツリーマウンズ市

オホン……それは本心を言えってことですか?

ツリーマウンズ市
ツリーマウンズ市

ええ、信用はしていませんでしたよ。最初あなたが家の玄関に突っ立てるのを見て、何か身を守るものはないかと探しながらキッチンに隠れて、ついでに通報までしようかと思っていましたから。

サリア
サリア

それが普通だ。

サリア
サリア

とはいえ、ライン生命は武力を用いてまで、守秘条項にサインをした離職研究員を脅す必要はどこにもない。

サリア
サリア

……少なくとも私がまだ警備課にいた頃にはな。

(無線音)

サリア
サリア

ん、通信か?

サリア
サリア

……

ツリーマウンズ市
ツリーマウンズ市

どうしました?表情がなんだか、険しいですよ……?こっちが鳥肌立っちゃうぐらいには。

サリア
サリア

状況が変わった。

サリア
サリア

ミュルジスが来れなくなった。

ツリーマウンズ市
ツリーマウンズ市

何か……あったんでしょうか?向こうから用があって会おうと言ってたのに?

サリア
サリア

エリクソン、一つ頼み事がある。

ツリーマウンズ市
ツリーマウンズ市

な、なんでしょうか?

サリア
サリア

私のところに入ったメッセージをとある製薬会社の事務所まで届けてほしい。

サリア
サリア

オペレーターたちに、直ちにケルシー殿とドクターに知らせるように頼み込んでくれ――彼らが直近までクルビア領内にいることは分かっている。

サリア
サリア

彼らの助けが必要だ。

5:11a.m. 天気/曇り
ツリーマウンズ市外、359号実験基地

ライン生命研究員
ライン生命研究員

おはようございます、ドクター。いつも早起きですね。

ジョイス
ジョイス

・規律正しいルーティンは中枢神経データを安定する作用があります。

ライン生命研究員
ライン生命研究員

で、データ?生理データのことでしょうか?

ライン生命研究員
ライン生命研究員

あはは、いつも話し出すとユーモラスたっぷりですね。

ライン生命研究員
ライン生命研究員

はぁ~……一晩中徹夜したっていうのに、これだけのデータしか取れなかったなんて……きっとフランクス主任に怒られちゃうなぁ……

ジョイス
ジョイス

・否定、ドロシー・フランクスの一般的な性格と形容が不一致です。

ライン生命研究員
ライン生命研究員

えっと……それって慰めてくれているんですか?

ライン生命研究員
ライン生命研究員

ありがとうございます……でもフランクス主任に叱責されなくても、フェルディナント主任はどうでしょうね、会いたくないなぁ……

(???が近寄ってくる)

エレナ
???

いい加減しっかり睡眠を取ったほうがいいよ、ヘレン。

ライン生命研究員
ライン生命研究員

エレナ……いや、一週間後の査定を考えると、どうしても眠れなくなっちゃって。

ライン生命研究員
ライン生命研究員

本当にどうしてもあの案件を取りたいのよ、うちの奨学金もまだまだ返しきれていないからさ……

ライン生命研究員
ライン生命研究員

……あっ、ごめんね、また二人の前であれこれ愚痴っちゃった。

エレナ
エレナ

うーん……じゃあこうしよっか?実験が終わったら、主任にキミのことを話しておくよ。

ライン生命研究員
ライン生命研究員

ほ、ホントに?ありがとう、エレナ~……エネルギー課でフェルディナント主任に物怖じしないのは君だけだよ~、なんで怖くないの?

エレナ
エレナ

ふっふっふ、それはね、キミも私みたいに……

ライン生命研究員
ライン生命研究員

一か月もラボに籠って、どんなことでも主任が満足いくようにこなせば大丈夫だって?そ、そんなのできるわけないじゃん……

ライン生命研究員
ライン生命研究員

あっ、そろそろフランクス主任のところに行かなきゃ、またね!

(研究員が立ち去る)

エレナ
エレナ

うん、またね。

ジョイス
ジョイス

・……

エレナ
エレナ

さっき淹れたコーヒー、あなたも如何?

ジョイス
ジョイス

・過剰なカフェイン摂取は鉱石病を悪化させる可能性があります、エレナさん。

エレナ
エレナ

そうだけど、そんな一種の可能性だけで自分の暮らしを諦めたくはないよ。

エレナ
エレナ

なんでもかんでもお医者さんの言うことを聞いちゃったら、私も姉さんと一緒にロドスに残るべきじゃん?

エレナ
エレナ

キミもでしょ、ジョイス?医療部オペレーターたちができるだけ長く本艦に残ってほしいってぼやいてたよ?

ジョイス
ジョイス

・規約に従い、定期的にライン生命に戻って帰任する必要があります。

ジョイス
ジョイス

・この基地で医療サービスを提供するのは、臨時的な一任務に過ぎません。

エレナ
エレナ

うん……あっ、そういえばあと二三日もしたら、市内に戻ってサイレンスさんと会うんだよね?

エレナ
エレナ

私もドロシーも寂しくなっちゃうな~。

(???が近寄ってくる)

ドロシー
???

ジョイスにも休憩が必要よ、基地での仕事もプレッシャーはあるんだから。

ドロシー
???

それとエレナ、フェルディナントがいつもあなたが彼の部下で一番優秀な研究員だって強調してくれなかったら、私だって心を鬼にして、あなたを市内に追っ払ってやりたいのよ?

エレナ
エレナ

ドロシー、やっと顔を見せてくれたね。

エレナ
エレナ

ヘレンがさっきそっちに行ったんだけど、見かけなかった?

ドロシー
ドロシー

あらごめんなさい、すれ違っちゃったのかしら……

エレナ
エレナ

はぁ~、もしかして最近目が回るほど忙しくしちゃったりしてるの?

エレナ
エレナ

だったら私とジョイスに言えたことじゃないじゃん、キミだって何日も寝てないんでしょ?一週間前なんか、君のラボのゴミ箱、目覚ましように試薬剤の箱でいっぱいだったんだからね。

ドロシー
ドロシー

……実験が最終フェーズに入ったから仕方なかったのよ。実験の進捗を早めるって試験者にもそう約束しちゃったものだったから……ほら、そうすると一日でも早く家族のもとに戻れるでしょ?

エレナ
エレナ

まあ、実験が早く終わらないでほしいって思う人はいないものね。

エレナ
エレナ

それに私はキミの助手だ。仰せのままに、言うことに従うしかないよ。

ドロシー
ドロシー

それじゃあ――私の可愛らしい助手にもう一仕事を手伝ってもらおうかしら?

ドロシー
ドロシー

こっちはあんまり長時間ラボを抜けられないから、この発熱モジュールを外にいる人たちに届けてほしいの。

エレナ
エレナ

発熱モジュール?私たちが荒野で一か月以上も探し回ったのに、どこでこれを買えたの?

ドロシー
ドロシー

え~っとぉ……

ジョイス
ジョイス

・警告、ライン生命の技術部品を検知。

エレナ
エレナ

ほら、私もジョイスも一目で分かっちゃったよ。これ、自分のラボにある素材で作ったヤツでしょ?

エレナ
エレナ

ビジネス課の石頭たちがへそを曲げるかもしれないよ?キミがオリジニウムアーツ応用課の主任でも、関係なくくどくど言われるんだからね。

ドロシー
ドロシー

それは分かってるわ。

ドロシー
ドロシー

でも、あなたはこんな些細なことをフェルディナントやほか主任にチクったりはしないわよね?

エレナ
エレナ

……

ドロシー
ドロシー

彼らはどうしてもこれが必要なの。最近は天気も寒くなってきたことだし、臨時的に建てられた小屋じゃ寒風を防げないわ。

エレナ
エレナ

……ドロシー。

エレナ
エレナ

ずっと言いたかったんだけど……ちょっと彼らの面倒を見過ぎじゃない?

エレナ
エレナ

彼ら……開拓隊の隊員たち、ライン生命の雇われ開拓隊たちをさ。

エレナ
エレナ

開拓隊は一か所にずっと留まったりはしないから、そんなことをしても向こうから仲良くなってくれることなんかないよ。

ドロシー
ドロシー

彼らだってただの若者たちなのよ。

ドロシー
ドロシー

あなたの言いたいことは分かるわ。私を心配してくれているのよね?彼らが去ってしまったら私が落ち込むんじゃないかって。

ドロシー
ドロシー

私の可愛らしい助手ちゃんはなんて優しいのかしら……

エレナ
エレナ

……そんなニコニコしながらこっちを見ないで。私はキミの門下生じゃないんだからね、フランクス主任。

ドロシー
ドロシー

エレナ……

エレナ
エレナ

はぁ~、分かったよ、でもこれで最後だからね。

エレナ
エレナ

だって……実験もそろそろフィナーレなんだし。

開拓隊隊員
開拓隊隊員

隊長、準備ができたぞ。

サニー
サニー

……

開拓隊隊員
開拓隊隊員

……隊長?

サニー
サニー

ん?

開拓隊隊員
開拓隊隊員

緊張してるのか?

サニー
サニー

緊張?いやいや、まさか。

開拓隊隊員
開拓隊隊員

……でも、もう部屋を七回もグルグル回ってるぞ。今ので八回目だ。

サニー
サニー

ちょっと……思考を整理してただけだ。これから色々と不確定なことが起こるかもしれないからな。

開拓隊隊員
開拓隊隊員

なあサニー、俺たちは本当にこんなことをしていいのかよ?

サニー
サニー

……

開拓隊隊員
開拓隊隊員

あの科学者たち、それとあの医者も、みんな俺たちをよくしてくれてるじゃないか。

サニー
サニー

……最初から言ってるだろ、一度や二度の善意をくれたところでなんの意味もない。

サニー
サニー

俺がまだロースクールで勉強してた頃、慈善活動に勤しんでいた同級生たちはな――

サニー
サニー

感染者収容区域に寄付をしたり、構内でアイツらの不公平な境遇にディベートもしていた。

サニー
サニー

だがな、俺が不幸にも病を貰っちまってから、あの連中が俺の見舞いに何回来てくれたと思う?

開拓隊隊員
開拓隊隊員

何回なんだ?

サニー
サニー

ゼロだ、一度たちとも来てくれなかったさ。

サニー
サニー

そんで一年前、大学ん時のルームメイトからちょっと金を借りようとしたことがあったんだ、あの頃のあいつはもう特区最大の法律事務所のスタッフでな。

サニー
サニー

電話を受け取ってくれたと思えば、どちら様だって聞いてきやがったんだ。

サニー
サニー

「サニーさんは治療で休学されていたため、卒業者連絡一覧に連絡先が記入されておりません」だとよ――クソッタレが!

サニー
サニー

まったく、金輪際で一番感動した笑い話だったよ。

開拓隊隊員
開拓隊隊員

とんだクソ野郎だな。そんな連中、俺たちみんなごまんと見てきたさ。

サニー
サニー

安全な場所から善意を振り撒いてやってるのは、あの連中の単なる自己満足なんだよ、それで話のネタにもできるからな。

サニー
サニー

考えてもみろ……今この時だって、あの実験基地にいる体裁ばかり気にしてやがる科学者たちは、きっと優雅にコーヒーでも飲みながら俺たちのことで話を盛り上げてるはずだ。

サニー
サニー

自分の利益に障らない限り、誰だって自分の優しい一面を見せびらかそうとしていやがるんだよ。

開拓隊隊員
開拓隊隊員

分かった分かった、もうそこら辺にしてくれ。

開拓隊隊員
開拓隊隊員

一番見てきたのも、想像してきたのもあんただ。あんたの言う通りだよ。

サニー
サニー

……だから何も後ろめたい思いをする必要はない。やるんだ。

サニー
サニー

この基地に、俺たちを思ってくれる連中はいない、俺たちを除けばな。

エレナ
エレナ

ささ、ジョイス、このコーヒーを飲み終えたら、仕事に戻りますか。

(開拓隊隊員が駆け寄ってくる)

開拓隊隊員
開拓隊隊員

先生……先生!

エレナ
エレナ

……開拓隊の隊員さん?

エレナ
エレナ

勝手に入ってきちゃダメだよ……その、消毒とかしていないんだから……

開拓隊隊員
開拓隊隊員

医者はどこにいるんだ?サムが、サムが症状を起こしたんだ!

エレナ
エレナ

症状って……鉱石病!?

開拓隊隊員
開拓隊隊員

あんた、医者か?頼む、俺たちのサムを助けてくれ、頼む!

開拓隊隊員
開拓隊隊員

昨日の夜中から、ありえないほど身体が熱くなってるんだ、それについさっきとうとう血まで吐きやがった!

ジョイス
ジョイス

・患者の位置を明確に教えてください。

開拓隊隊員
開拓隊隊員

一番近くにある小屋の中だ……あんたらが以前教えてくれた方法で、あいつに鎮痛剤を飲ませて、今寝かせている。

ジョイス
ジョイス

了解しました。すぐに緊急医療プログラムを起動します。

エレナ
エレナ

……ジョイス!

ジョイス
ジョイス

・申し訳ありません、ほかの事務の優先度を下げる必要があります。

エレナ
エレナ

……分かった。

エレナ
エレナ

止めようとしたわけじゃないんだ。ただ、今回の往診はあまり安全規範に則っていないからさ……

エレナ
エレナ

だからジョイス、私も同行させて。

ジョイス
ジョイス

・あなたは医療作業員ではありません、エレナさん。

エレナ
エレナ

そんなの気にしてる場合じゃないよ。忘れないで、私も一応基礎的な医療工程の訓練は済ませてあるんだから。切羽詰まってる状況なんだし、人手は多いに越したことはないでしょ?

エレナ
エレナ

それにドロシーからも頼み事をされているんだ、どの道行くっきゃないよ。

開拓隊隊員
開拓隊隊員

ここだ!

エレナ
エレナ

患者は?

エレナ
エレナ

キミたち、邪魔しないで!鉱石病の発症は一秒たりとも猶予が許されないんだよ!

開拓隊隊員
開拓隊隊員

……

エレナ
エレナ

な、何を……

ジョイス
ジョイス

・スキャン結果、エンプティ。

開拓隊隊員
開拓隊隊員

動くな!

エレナ
エレナ

なっ……ネイルガン?

ジョイス
ジョイス

・付近に急性鉱石病発症者を発見できません。

エレナ
エレナ

そうねジョイス、見たところみんなピンピンしてるもの。

エレナ
エレナ

じゃないと、こうして私たちに危険な工具を向けたりはしないわ。

(???が近寄ってくる)

サニー
???

両手を上げろ。

エレナ
エレナ

キミは……開拓隊の隊長ね。

サニー
サニー

覚えてくれていたとは意外だな。

エレナ
エレナ

隊長さん、私とジョイスをここに誘き寄せてどういうつもり?

サニー
サニー

すぐに分かるさ、ドクター……ウビカ。

サニー
サニー

苗字の発音はこれで合ってるか?

エレナ
エレナ

中々標準的な発音ね……

サニー
サニー

すまないがお前たちの通信機を寄越してもらおうか、ドクター。

サニー
サニー

開拓隊がお前たちの上司に少々モノ申したいことがあってな。

この記事を書いた人
おーちゃん

フロストノヴァ推し

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