――
まだ追ってくるのか。
あなたは先に……逃げてください。あなたのような身分の方が、私なんかのために危険に巻き込むわけには……
ではアラデルやクロヴィシアが部隊を率いていた場合も、同じようなことを言うのか?
……あなたは違いますから。
頭を下げろ。
はい?
シージの腕の中でハンマーが半回転し、自救軍の戦士の頭を過って重く振り下ろされた。
レンガが砕ける音と共に、巨大な穴が出現する。砕かれたレンガの中には、アーツロッドを所持していたサルカズの術師の腕も埋め込まれていた。
……これでも違うのか?
……
しっかりと私について来てくれ。戦場で人を待ってやれる習慣はないのでな。
(シージ達が走り去る)
……まだ振り撒けられないのか。
しつこいサルカズ共だ。
同じ服装を着てはいるが、サディアン区にいるサルカズたちと比べれば、向こうがいかに雑兵だったか思い知らされるな。
こいつらは違う。
どうします?このまま鬼ごっこしてもラチが明きませんよ?
貴様は以前、事務職に就いていたはずだったな?
えっ?あっ、はい、以前は会計でしたけど……それが?
いつもどう通勤していた?交通機関か?
はい、そうですけど……
ならロンディニウムの一般的な路地がどのくらい狭いのか、ウェリントン通りの端から端までどのくらいの距離があるのか、ブロックごとに下水道の入口がどのくらい点在してるかは知っているか?
……それは知りませんけど。
彼女たちならそれを熟知しているさ。
彼女たちって誰なんです?
(インドラがサルカズの戦士を殴り飛ばす)
ヴィーナ、こっちだ!
ターゲットを発見した!
(斬撃音)
まだ敵がどこかに潜んでいるぞ!
……ヴィーナ、こっちこっち!
セーフハウスから爆発音が聞こえた。
自救軍の撤退がまだ間に合っていない、こちらで向こうの援護に回るぞ。
チッ、ならこっちよ!
シージ!
ダグザ、自救軍の状況は?
クロヴィシアが大部分を連れてすでに撤退した。でもアラデルが……
……くッ、私なら平気よ。
ケガを負ったのか、アラデル。
自分の厄介事ぐらい、自分で対処できるわ。
それよりも殿下、こんなところに戻ってくるべきじゃないわ。
この中に潜んでいるぞ!
ヤツらを殲滅しろ、一人残らず!
お言葉だがシージ、あたしもその……
……戻ってくるべきじゃない、と言いたいのか?
違う、いつもいつも最前線に立って敵を食い止めるのはよくないって言いてえんだ。
たまにはアタシも、傍に置いてくれ。
分かった。では私の傍にいてくれ、ダグザ。
(アラデルとダグザが近寄ってくる)
……
アラデル、貴様も少しは休んでおくべきだ。
カンバーランド公の娘たる者、マンチェスター伯の娘には負けてられないわ。
アラデルとダグザと言ってくれないか?そっちのほうが何かと馴染み深いのでな。
なら、あなたの友人であるアラデルとして、私も傍に置いてちょうだい。
貴様はどうする、戦士よ?まだ立てるか?
私も……私もまだ……
では武器をしっかりと持ってくれ、共に戦うぞ。
ロンディニウムは……この鋼鉄のジャングルは我々のものである。そろそろサルカズたちにどちらが獲物なのかを思い知らせてやろう。
(サルカズの戦士がバリケードを破り近付いてくる)
そこまでだ、アスランの。もうテメェの身分でもってしても助からねえぞ。
んなもんはもうどうでもいいからな。
サルカズの明日がようやくやって来たんだ。だからテメェらは、ここで過去に埋もれちまいな。
(殴打音)
おい待て……
気を付けろ、棚の後ろに待ち伏せがいるぞ!
鋭いな。
ほらほら~、こっちを見んさいな、こっちだよ!
(モーガンが斬りかかる)
いいや、こっちだマヌケ。
(インドラが殴り掛かる)
シージ、今だ!
(ダグザが斬りかかる)
了解した。
危ない!
(サルカズの戦士が攻撃を避け、アラデルを人質にする)
中々小賢しいマネをするが、効かん効かん!
お遊びはそこまでだ、テメェら。武器を下ろしてもらおうか、楽して死にてえのならな。
そのほうが何かとお互いのためだろ。
……ごめんなさい、油断してしまったわ。
詫びは必要ない。
サルカズはシージに目を向けていたが、シージの視線はアラデルに向けられていた。
彼女はゆっくりと両腕を上げる。ガタンと鈍い音と共に、ハンマーが地面に落とされた。
そこで彼女はアラデルに片目を瞑って合図を送り、それを受け取ったアラデルが僅かに口角を上げたのである。
待てよ……なんでこんなとこに風が?ここは室内のはずじゃ……
なっ……クソッ、アーツ攻撃だ!反撃しろ!
(周囲に風が吹く)
ヴィーナ、ハンマーよ!
(アラデルがシージにハンマーを投げる)
すまない!
(シージがサルカズの戦士をハンマーで殴る)
あがッ――!
(サルカズの戦士が倒れる)
大事ないか?
少なくとも気持ちは清々したわ。
(倉庫が崩れ始める音)
ここの倉庫が崩れるぞ、撤退だ!外で連中を包囲しろ!
おい、お前らの“セーフハウス”、やけに脆っちいぞ。
セーフハウスと難攻不落の城と一緒にしちゃダメよ。
――ついてきて、こっちよ。
(アラデル達が走り去る)
抜け道なら崩れた建物で塞がれたはずだわ、それでも急ぎましょ。
くッ……
傷の手当を急いだほうがいい、アラデル。
大丈夫、まだ平気よ……
ダグザ、貴様たちはこの戦士を自救軍のアジトまで送ってやってくれ、ここからは別行動だ。
殿……シージさん。
リーダーにしては面白い人ですね。へへ、今度はこっちの本領ってもんを見せてやりますよ。
本当にありがとうございました。
どこに行くってんだい?
これ以上アラデルの傷を放っておくわけにはいかん、だから近くに……
待て、ここはなんだか馴染みがあるぞ……
ここの道を憶えていてくれたのね、ヴィーナ。
あなたと彼らが“諸王の息吹”を持って帰ってきたあの日の午後。
……どういうことだ?
……なんでもない、行きましょ。
ここは宮殿から公爵邸に通じてる道なの、知ってる人はそう多くないわ。
とある公爵から保証を得たのよ。明日までに、カンバーランド邸が危険に陥ることはないって。
このかすり傷を処理するには十分だわ。
……ヴィーナ。
(シージが部屋に入ってくる)
私がいるのが分かっていたのか?
自分の部屋ですもの、外で何が起こってるかぐらいは知っているわ。
それといくらジーっと見つめても、私の背中にできた傷が自分で治ってくれることはないわよ、ヴィーナさん。
だから少しだけ手を貸してくれないかしら?
……分かった。
つッ……
すまない、力を入れ過ぎたか?
平気、大した傷でもないから。ただせっかく大勢の目から解放されたものだからね、つい。
あんなに血を流したはずなのに……昔からたくさんケガをしてきたのか?
心配しないで、ほとんどはもう痛みはなくなってるから。
私がもっとはやく反応しておけば……こんな余計な傷痕を付けずに済んだのに。
あのサルカズたちから逃れられただけ幸いってものよ。
むしろ感謝させてちょうだい、ここ数日ずっとそれが言いたかったわ。
自救軍を助けてくれてありがとう。それとあの古い蒸気鎧も残してくれて。
やるべきことをやったまでだ、アラデル。それに……貴様があれ以上ものを失っていくところなど見たくなかったのでな。
……
ふふ。
気にすることはないわよ、ヴィーナ。ここ数年で私もやっと分かったの、私たちがいくら願ってもその多くの願いは叶えられないんだって。
じゃなきゃ、今こんな薄暗くて小さな部屋に籠って、よれよれの包帯なんか巻いちゃいないわよ。
本当なら……
そうね……きっと庭に座って、お茶をしながら詩歌や天気の話で盛り上がってたはずかもね。
そうそう、狩りにも出てたはずよ。この季節のロンディニウム郊外にはたくさんの大角獣が出現するからね。逃げ足は速いけど、人を見つけてもついついボーっとしちゃう動物なのよ。狩りは好き?
……分からない。
そうね、私も記憶が曖昧になってきたわ。でもあなた、ダンスはあまり得意じゃなかったでしょ?少なくとも社交シーズンに開かれるあの長ったらしいダンスパーティは嫌いでしょ、私もよ。
あんなスカート、狩猟服と比べたら不便極まりないわ。身体を締め付けて息苦しいし、パーティ当日の食欲もなくなっちゃうし。
フフッ、想像に難くない。
それに……
なぁに?
貴様なら、きっと狩猟服は似合うだろうな。
……ねえヴィーナ。
ん?
本当なら……私たちはもっと前から出会えていたはずよね。
運命は私たちの願いを聞き入れず、過去になり得たはずの過去を奪っていったせいで。
だがしかし、私たちにはまだ未来が……
どうしたの?なんだか驚いてるみたいね。
……未来を、語ろうとしていた。この私が。
あなたからしたら至極当然のことじゃない?
あの逃げ惑っていた日々の中、この先どうなるのかなんて滅多に考えたことはなかったんだ。過去はすでに夢の中、そして未来も……目先の霧の中だったからな。何も見えやしなかった。
……それがあなたの利点よ、ヴィーナ。
世俗的な貴族は誰だって明日のことを嬉々として語ろうとするけど、そのほとんどは今日の食事のことにしか興味がないの。
暮らしが彼らの感覚を麻痺させたんじゃなく、彼らが今この時こそが何よりも尊いんだってことを知っているからよ。
今みたいにか?
そうね……
まさに今みたいに。
(アラデルの足音)
エルシー。
おはようございます、アラデルお嬢様。お荷物ならすでにまとめておきましたよ。
これ、蒸気鎧じゃない……なんでこいつを運び出したの?
これじゃデカすぎるから、持っていけそうにはないわね。
……そうですか。
ところで、アレクサンドリナ殿下はもうすでに行かれてしまわれたのですか?
ええ、任務がまだあるからって。
お嬢様、傷のお具合は……
もう平気、殿下のおかげね。
……久しぶりに微笑んでくれましたね、お嬢様。
あはは、戦争がやってくるって言うのに、ちょっと気が抜け過ぎかしら?
でもまあ、殿下たちと共に戦える……こういった感覚は久しぶりだからね。
信頼における人というのも、私からすれば随分と久しぶりだから。
アレクサンドリナ殿下はお嬢様のためにこの鎧を残してくださいました。私は一介の侍女に過ぎませんが、このご恩は生涯忘れません。
なんせこの鎧は、カンバーランドの栄光そのものなのですから。
栄光……ね……
この鎧もお嬢様の偉大なるご先祖様も……まだ憶えておりますとも、お嬢様が小さい頃よぉく語ってくださいました。
子供は妄想に耽るのは好きだからね。
でも二十六年前の誕生日にはもう分かっていたよ。今のこいつは英雄でもなんでもない、壊れてしまったただの鈍重な鉄クズに過ぎないんだってね。
私たちはみんな変わってしまったのに、この鎧だけはまるで時間が凍らせてしまったかのように変わらないまま。
エルシーは……アレクサンドリナ殿下のことを気に入ってるの?
殿下はお優しいお方ですからね。殿下がご自分の仲間と接しているところを見かけたのですが、同じものを食べ、同じ部屋に住まわれておりましたよ。
ほかの多くの貴族と違って、彼女らを低俗な従者として扱うことは一度だってありませんでした。見捨てるなんてもってのほかです。
ヴィクトリアは幸運だったわね。
私たちの殿下は強い心をお持ちよ。流浪の身に苦しめられても、その実直さと誠実さが削がれることはなかった。
ヴィクトリアからすればそうかもしれませんが……お嬢様はどうなのです?アラデルお嬢様は、あの殿下のことをどう思われているのですか?
……
彼女には、栄光ある未来を辿ってほしいわね。
ではお嬢様は……
昨晩、また手紙が届いたわ。一日のうちに二通目よ。
彼女……とっても焦っていたわ。
しかし、つい殿下と再会したばかりではありませんか!
二十六年前のことは憶えていますか?殿下が諸王の息吹を担いでここへ現れたのは、きっと何かしらの兆しです!きっとすぐにでもそれが実現するでしょう!
もうこんなに長く待ってきたのですから、もうしばらく待っていたって……
「アラデル・カンバーランド」
「いつの日か、再びヴィーナと相まみえるだろう。」
彼は……
……
いいえエルシー、私はもう待ってられないの。
ジムがここを出てってから、もうどのくらい経った?
あの事件の二年後に、ここを辞めてペニンシュラ郡へと帰られましたよ。
……二十五年か。私たちはもう……二十五年も庭師を雇えずにいたわね。
小さい頃から、そこにあった低木が好きだったわ。よく転ばされてたけど、咲く花はどれも金色で小さく、とっても綺麗だった。
でもジムが辞めてしまった後の冬から、最初に植えられた木々は全部枯れてしまったわね。
母は新しい種を探すよう人をやっていたけど、それがまさかミノスで一番貴重な品種の種だったことがそこで初めて知ったわ。ロンディニウムの一般家庭が五年は生活費に困らないぐらいの値段だった。
灌木が一種類なくなってしまったとしても、お嬢様の庭園は美しいままですよ。
私も色々と頑張ってみたわ、エルシー。みーんな頑張ってきた。庭園を綺麗に保つよう、寒い冬でも熱い夏でも、あなたはずっとここを整えてくれていたわね。
でもああいった貴重な種もなくなれば……私たちの庭園も昔のような美しさを取り戻すことはできなくなってしまったわ。
父が亡くなってから迎えた五年目の新年に、私から母に手紙を送ったの。
その返信の中には、今のカンバーランド家では背負いきれなくなってしまった花の種も送り付けられていたわ。
……
だからエルシー、私はずっと……そういった暮らしをしてきたに過ぎないのよ。
もし公爵様がまだここにおられていれば……
……彼女なら、何かしらの手段は持っているかもね。
違うのです、お嬢様。あなたのお父上のことを言っているのですよ。
父上……父上か。
もう、声すら曖昧になってきてしまったわね。
父との記憶も、この庭園にいないと思い出せないほどになってしまったわ……私の手を優しく握って剣を教えてくれていた時の姿を。私を倒しても、また抱っこしてくれて、肩車してくれた時のことを……
……
昔、ここにあるすべてを残してやりたいと思っていたの。この庭園も、甲冑も……父の面影も。持てるすべての方法を試してみたわ、エルシー。
でも、“ほしい、なりたい”ってのが一番難しいものだってことが分かってしまったの。
小さい頃、蒸気騎士になってやるとまで言ってたのに。
……
ねえエルシー、極々たまになんだけど、こう思う時があるのよ……
]大きくなるって本当に残酷なことね。
運のいいヤツらは除いて、私たちみたいな大多数は結局……最後には疲労困憊したような、どこにでもいるような大人にしかなれない。
注意を払い、本音を隠しながら、藁にも縋る思いで社会の荒波の中を生き抜こうとする、そんな大人に。
ねえエルシー、小さい頃のあなたは何になりたがっていたの?絶対に、こんな没落して誰も面倒を見てくれないような屋敷の侍女なんかじゃないよね?
そんなことはありません、お嬢様のお傍にいつまでも仕えられて光栄に思います……
本音を言ってちょうだい。
うーん、そうですねぇ……小さい頃は、色々と吟遊詩人が歌ってた物語を聞いてきましたから、おそらく私は……
ふふっ、吟遊詩人エルシーってわけね。
からかわないでくださいませ。
大きくなるっていうのは、私たちが小さい頃になんにでも手にすることができると思っていた願望を、少しずつ砕けていって、やがては灰にしていくことよ。
だから私たちは今ここにいる。
私がもう一度カンバーランド家の栄光を取り戻す?いいえエルシー、そんなこととっくにできないわ。
私はもう、今のアラデルになってしまったのだから。
……でも今のアラデルお嬢様であっても、カンバーランド家の行末を知ることはできないはずでは?
行末……
私はもう歳を取ってしまいました、お嬢様。いくら今、楽器を触れる機会があったとしても、きっと耳障りな噪音しか奏でられませんよ。
しかしお嬢様、私に約束してくれたではありませんか。
あの頃は何も考えずに言っていたのかもしれませんが……
でも私は、お嬢様ならきっとできると、今でも信じておりますよ。
チャールズ・リッチよりも偉大な蒸気騎士になることを。お嬢様のご先祖様よりもさらに偉大な蒸気騎士になることを。
きっと、その景色を私めに見せて頂けるはずですよね?
もうそこまでにして、エルシー!、そんなこと、彼女が許してくれるはずが……
では、お嬢様自身はどうされたいのですか?
あなたがどんな決断を下そうが、このエルシーはずっとあなたの味方ですから。
私は――
お嬢様ならきっと正しい決断を出してくれるはずです、私が急かすほどではありませんとも。
ですのでもう一度……この庭園の見回りに行かせてくださいませ。
過去の破片となってしまわれたとしても……ここにあるものはすべて、私の宝物のままなのですから。
(エルシーが歩き始める)
アラデルは何か言いたそうに口を開いたが、結局は何も言い出せなかった。
彼女は自分が産まれてからずっと傍に付き添ってくれたあの人が、庭園の奥へ入っていくところを見やる。どんな困難な時だって彼女らは一緒に渡ってきた、歳月で自分たちが予想だにしなかったような姿に変わってしまったとしても。
そこでふと、アラデルは気付いたのだ。あんなに笑ってくれるエルシーはもう随分と見ていない。
そこはかとなく、心の内から懐かしい静けさが湧き上がった。
もし自分にもまだチャンスがあるとすれば――
だが突如、アラデルの視線は遠くで揺らめく赤い光に惹きつけられた。
その赤い光は次第に大きさを増していき、彼女は気温が上昇していることに気が付く。
エルシー、私たちもはやく――
声を発したのも束の間、公爵邸は火の海へと化してしまった。
大君様。
静かに。
この美しい景色を楽しんでいる最中だ、邪魔はするな。
かつての輝かしい歴史が灰と化している。貴族たちの驕りから築き上げられた屋敷も燃えに燃えている。
数百年もの歳月をかけて丁寧に彫り起こされたレンガ彫刻も一つ一つ剥がれ落ちていっては、この大地の各所から集められた花々も枯れていっているのだから。
……私が受けた命令では、貴族たちには一通り審査を受けさせるものでしたが。
つまり、私の行いには不満だといういうことだな、“司令官”。
目の前に燃え盛っている炎は嫌いか?それとも血が蒸発する際の音に興味はない?
よぉく聞いて、味わってみるといい……“パチパチ”と、実に心地いい音色には思わないかね?
こちらは今、誠心誠意その血の一滴までをも調べ尽くしてる最中なのだぞ……
……
大君様の審査に協力は惜しみません。もちろん……反逆者は一匹たりとも逃しはしませんとも。
それが、私の責務ですからな。