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【アークナイツ大陸版】ライン生命調査報告

「トリマウンツのアーク」
「あなた方記者はそう呼んでいるので?私はまだ「空の波紋」という呼称のほうが慣れているのですが。まあ、”空の波紋は通常の大気の振動に過ぎない”とかいう子供だましを政府の口実を信じる理由が無いですよ、全員そうです」
「そう、全員そう呼びながらも疑っている」
「それが私に連絡をよこした理由でしょう?ほら、随分と入手するのに苦労したんですから」

――■《ライン生命調査報告01》■――
Case No.03386
日時:12-04-1099
調査員:【匿名】

”トリマウンツアーク”事件が発生し、”空の波紋”はテラの上空だけでなく、クルビアの軍政会や科学技術会を覆う疑念の雲をかき乱した。冷遇と陰謀論の後押しを受けて、義雲は深淵のような漆黒の嵐となったのだ。しかし、嵐の目は常に穏やかで安定し、幾重もの暴風によって守られている事は知られていない。

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クリステン・ライトのプロフィール Part.1

1083年

1083年にライン生命実験室が設立。初期の実験室はクリステン・ライトとサリアが共同で設立を行った。

1085年

1085年ライン生命有限会社が設立。

クリステン、サリア、ミュルジスの3人はヤラの推薦で、マイレンダー基金や軍のバックとなる機関といった複数の機関から投資を受ける。

1090年・1092年・1095年

1090年
”課”制度が正式に成立、クリステン・ライトを統括とするコンポーネント統括課をはじめ、科学研究類と事務類の並行課が設置される。サリアは事務系科学課である防衛課を担当――残りの創始者は全て科学研究系の主任を務める。ヤラは人事調査課の主任を勤めている。

1092年
ビジネス課及び科学考察課が設立され、ライン生命九大科学課制度が成形される。ナスティはエンジニア課主任に、ジャスティンがビジネス課主任に就任し、ライン生命新パークの建設が完了する。

1092
クリステンは強引に多数意見を排し、科学考察科の設立を行った。
若い科学技術会社にとって、周期的な野外探査を展開する事は一般的な選択では無いが、クリステンは「底なしの金がある訳では無い」「賢明では無い」「会社の足手まといになる」という資本家からの言葉を無視して、断固としてこの決定を推し進める。そして、珍しい事に「古代遺跡」も重要な科学調査対象として盛り込まれている。

1095
■■事件が発生、防衛課のサリアが去った後、倫理基準の手綱は急速に緩められ、ライン生命に承認されるプロジェクトは増加の一途を辿る事になる。実験による事故や更には実験による不祥事も増加、ライン生命は民間陰謀論者の格好の標的の一つとなっていく。

1095年・1096年・1097年・1099年

1095年
サリアがライン生命が去り、防衛課の主任の座は空席となる。

1096年
ドロシーが加入、オリジニウムアーツ応用科の主任となる。

1097
クリステンが”消失”、軍の合同プロジェクトである「地平アーク」に重点が置かれるようになり、エネルギー課のフェルディナンドが権力奪取を企てる。

1099
10月に359基地事件が発生。11月に「地平アーク」計画に異変が発生し、いわゆる「トリマウンツアーク」事件が発生する。
秘密保持実験のいくつかの噂に加えて、大統領訪問を含む一連の事件で陰謀論者は憎悪を煽る最高の燃料を見つける事になり、ライン生命に惜しげも無く傾倒していく事になる。

クリステン・ライトのプロフィール Part.2

ライト夫妻の飛行機事故

ライト一家の当時の隣人はトリマウンツ周辺の村に住み、警戒心の無い思い出を持っていた。

可愛そうなクリスちゃん、彼女はまだあんなにも小さかったのに両親はもういないのよ……

当時頻繁に訪れていた親戚や友人は養子として面倒を見るふりをしながら、幼い娘の前で母親と父親の悪口を言うなど、ろくなものじゃなかったわ。

とてもきれいな女性が一人で訪れたの。その方はテレビで見たことがある人で。キレイな方だった。一度しか姿を見なかったけど今でも忘れられないわ。その方はライト夫妻の葬儀後に訪れたの。

彼女はクリスちゃんに話しかけて連絡先を教えていたわ。

その日以降、遺産を妬む親戚は一切来なくなって、毎月、隣の家のレターボックスには大きく膨らんだ封筒が入っていたのを見かけたわ。

それからというもの、私も安心して家に帰る事が出来るようになったのよ。ああ、あの女の子をずっと守ってくれている人がいるんだって。

学部に入学後にサリアと知り合う

昔の同窓会でクリステンの学生時代を知るものからすれば、傍目から見れば彼女は少し孤独だった。

A:前にもクリステンの事を知りたいって訪ねてきた記者がいたけど、あなたもそんな感じ?

B:考えすぎじゃないの。たまたま私たちは同窓会で会っただけ。トリマウンツ工科大学出身の風雲児といえば、彼女の事をいつも思い出すね。科学技術界の新生にして、スポットライトの下の天才っていう感じだよ。

C:でもお生憎様だけどね。私達も彼女の事を知らないんだよね。そしてあえて言うなら誰も知らないと思うよ。彼女は天才少女だって言われていたし、私達よりも歳は若かったけれど、興味のある方向はいつもよく分からない、後から両親の死に執着しているっていう噂があって、それからは私たちは彼女に近づく事すら出来なくなったのよ。

A:サリアを忘れたの?クリステンとはいつも一緒、その後は一緒に起業したっていう。

B:そういえばそうだった。サリアと言えば彼女たちの姿って頭の中ではいつも重なるんだよね。ある意味、似た者同士なんじゃないかな。

C:そして、彼女たちは別々の道を歩んでいった。誰だったら言えるんだろうね、理解出来て分かりもするなんてさ。

サリアと共同でライン生命ラボラトリーを設立

ライト夫妻の事故現場近くの牧場主。彼が言及した「何年も前」はクリステンとサリアがライン生命実験室の創設を決めた年の事だった。

そこだよ、真っ白な墓石の所があの科学者夫妻が墜落した場所だ。あの家の女の子は前はよく来ていたよ。いや、あの子以外は誰も来ていない。俺が昼に牧場で働いていた時、ちょうどそれを見かけたんだ。

あの子はいつも一人、とても寂しそうでな、人に話し掛けた事が無いっていうのも無理は無いんだろう。

でも何年か前から急にほとんど来なくなっちまった……あ、いや、そういえばとある日に藁の山を片付けていた所でな、「おはようございます、おじいちゃん」っていう声がしたから頭を挙げてみると、彼女が歩いてきて、花を持って軽く俺に会釈したんだよ。あやうく、俺も会釈し忘れる所だったよ。なんで忘れそうになったのかって?

俺があの子が話す姿を見たのが初めてだったし、あんな笑顔を見たのも初めてだったからだよ。

……
これまでの2人の経験はトリマウンツ工科大学の同窓手帳にも記録されている。
……
優秀な卒業生であるクリステン・ライトとサリアからのメッセージ

これはほんの小さな出発点に過ぎないが、私たちは星々が輝く空へと至高の理想が続く事を疑っていない。

ミュルジスの知り合い

卒業後、元生徒からカメラをもらい、それ以来写真を撮るのが好きになったんです。 こちらもお見せしておきましょうか。最後の生徒で一番多く撮りましたね。

今にも泣きそうに頭を抱えているように見えるのはミュルジスですよ。あの時の彼女は困っていたみたいで。理想的な卒業設計はどうすれば良いのか分からないって。

彼女は写真にこんな事も書いてたんですよね。「人生というものはどうしてこんなエルフちゃんに残酷な仕打ちをするの!」とかね。ははは、この子はいつもこんな冗談を言うんですよ。

偶然にも彼女はマイランダー基金の過去の受賞者リストのクリステンとサリアの名前を見て目を輝かせていたんです。それで私に紹介をしてほしいって。彼女がどれほど喜んで卒業したのは見ての通りですよ。

クリステン・ライトのプロフィール Part.3

サリアやミュルジスと協力をして実験室の商業化転換を成し遂げる。

クルビア政府の元職員の一人は三人が会社登録をした際の予備資料を今でも持っていた。

却下された廃棄申請書類ではあるが、第一責任者の欄のミュルジスは未だ未成年だった。その後、三任は当時活躍していた大物投資家であるヤラの下で実験室から会社への商業科転換に成功する。

炎魔事件

ライン生命の中でも秘密保持レベルが最も高い機密の一つであり、現在知られている情報は下記の通り

このプロジェクトは議論もされず、承認もされていない人体実験であり、科学研究倫理の重大な違反を犯している。この出来事はライン生命警備課主任である――サリアが姿を消す理由となった。

人事調査課のヤラ主任がいくつかの候補者を推薦し、新たな事務課の主任の任命を強く推薦しても、警備課の主任職は現在に至って空席となっている。

失踪

母校での公演は1097年8月に延期された、政府科学顧問として行われた公開公演も同時期に相次いで中止となっている。ライン生命内部の複数の重点プロジェクトは統括課の指示を得ることが出来ず、停止を余儀なくされる……。

クリステンは徐々にライン生命の従業員や公衆の面前からは姿を消す事になる。彼女の「失踪」していた時間は同時期に政府が展開していた「地平アーク」計画の時期と完全に一致している。

「トリマウンツアーク事件」が発生

クリステンの行動を理解出来る人はいないし、クリステンの事が分かる人もいない。

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