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【アークナイツ大陸版 × モンハン】秋葉は火を逐う CF-TR-1「襲来!空の王者」行動後 翻訳

ノイルホーン
ノイルホーン

12時の方角――いや違う、4時の方角からだ!

ノイルホーン
ノイルホーン

今度は7時の方角に!クソッ、また飛んできやがった――

ヤトウ
ヤトウ

はやく盾を構えるんだ!

(空を飛ぶ怪物が3回攻撃を放ってくる)

ノイルホーン
ノイルホーン

大丈夫か!

ヤトウ
ヤトウ

平気だ。

ノイルホーン
ノイルホーン

あいつ今……火を噴いたのか?

ヤトウ
ヤトウ

どう見てもそうだ。

ノイルホーン
ノイルホーン

石までもが丸焦げだ。あんな威力の炎、ブレイズのアーツで見たのが最後だったぜ。

ヤトウ
ヤトウ

ブレイズならきっと喜んであいつとやり合ってくれるだろうね。

ノイルホーン
ノイルホーン

そんなことよりはやく避けろ!また来やがったぞ!

ヤトウ
ヤトウ

うわッ!

ヤトウ
ヤトウ

はぁ、はぁ……これではダメだ。

ヤトウ
ヤトウ

動きのフリが大きすぎる。近づいて反撃するにしても振り撒かれるか、空に飛んでいかれるだけだ……

ヤトウ
ヤトウ

このままでは防戦一方。なんとかあいつに近づく方法を考えないと。

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウ、避けろ――

ヤトウ
ヤトウ

見えてる、私なら平気だ。

ヤトウ
ヤトウ

あいつの動きを見極めるんだ……地面に降りてる時は左右に尻尾を振り、突進して噛みついてくる……

ノイルホーン
ノイルホーン

猛突進してくることも忘れるな!飛び上がる際に火を噴くこともな!

ヤトウ
ヤトウ

尻尾を振って、噛みつき、突進してきて、火を噴き出す……ッノイルホーン!尻尾が来るぞ!

(ノイルホーンが尻尾による攻撃を防ぐ)

ノイルホーン
ノイルホーン

おっしゃ――!防いでやったぜ!

ヤトウ
ヤトウ

せめてあいつに近づかなきゃ。

ノイルホーン
ノイルホーン

ならアレを試してみるか?チャンスはそうそうないぜ?

ヤトウ
ヤトウ

私もちょうどそれを思っていた……こっちだ、ノイルホーン!

ヤトウ
ヤトウ

あいつの身体は鈍重だ……ふッ――見ろ、攻撃した後には必ず体勢を整えようとする。

ノイルホーン
ノイルホーン

ああ、ならその隙に近づくことができるな。

ヤトウ
ヤトウ

あいつの首の上にまで私を飛ばしてくれ、なるべく一撃で仕留めよう。

ヤトウ
ヤトウ

来るぞ――今だ、避けろ!

ヤトウ
ヤトウ

上がった!

ノイルホーンも私も、この場合はどうすればいいのかが分かっていた。なぜなら私たちは何度もコンビネーションを組んだことがあるからだ。
彼の盾を踏みしめたその瞬間、足元から強烈な推進力を感じ、私の身体は高く宙へと飛ばされる。
剣先は空中で鋭利な弧を描き、そして躊躇なく突き刺していく。

ヤトウ
ヤトウ

ッ!どういうことだ?

ヤトウ
ヤトウ

刀だ、弾かれた!

ノイルホーン
ノイルホーン

気を付けろ!

ノイルホーン
ノイルホーン

あいつが飛ぶぞ!

(化け物が咆哮を放つ)

ノイルホーン
ノイルホーン

うわッ――この咆哮――

ノイルホーン
ノイルホーン

頭がグラグラして――動けねぇ――

ヤトウ
ヤトウ

(あの動きは……火を噴き予備動作!両側に回避しなければ!)

(化け物がヤトウに襲いかかる)

ヤトウ
ヤトウ

がはッ――

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウッ!

ノイルホーン
ノイルホーン

怪我をしちまってる!大丈夫か!?

ヤトウ
ヤトウ

腕を掠っただけだ、問題はない。まさかいきなり急降下してくるとは、油断した。

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウ……あんた、刀を落として……

ヤトウ
ヤトウ

刀が……掴めない。

ヤトウ
ヤトウ

私の手は一体……どうしてしまったんだ?

ノイルホーン
ノイルホーン

あいつがそっぽを向いた、何かに気を取られているみたいだぜ。

ノイルホーン
ノイルホーン

今のうちに撤退するぞ、ヤトウ!

白い不思議な生物
白い不思議な生物

どいたどいた!ネコタクの到着だニャ!

白い不思議な生物
白い不思議な生物

二人を乗せてさっさと退散するんだニャ!

黄色い不思議な生物
黄色い不思議な生物

どこに行けばいいんだニャ?

白い不思議な生物
白い不思議な生物

知らないニャ!とにかく逃げるのが得策だニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

おいヤトウ、あの変なフェリーンが今にもバラバラになりそうな荷車みたいなものを押してきたぞ……

ノイルホーン
ノイルホーン

おい!あんたらなんのつもりだ!ヤトウから離れろ!

ノイルホーン
ノイルホーン

言っておくが、彼女をそんなモノに乗せるんじゃねえぞ!

白い不思議な生物
白い不思議な生物

角付きの“ハンター”、さっきからリオレウスのために爪とぎをしているつもりなのかニャ?

白い不思議な生物
白い不思議な生物

今の君たちじゃリオレウスには敵わないニャ!いいからはやく乗るんだニャ!

黄色い不思議な生物
黄色い不思議な生物

敵わないニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

警告したはずだ……こっちに来るんじゃねえ!

ノイルホーン
ノイルホーン

おい、俺に触るな!やめっ、そこに触れるんじゃ……降ろせ!

白い不思議な生物
白い不思議な生物

とっとと乗るんだニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

やめろつってんだろ――

白い不思議な生物
白い不思議な生物

職人くん、これは本当に荷車と呼べるものなのかニャ?どうしてさっきからずっと激しく揺れているんだニャ?

白い不思議な生物
白い不思議な生物

ニャ?ほかのアイルーたちがこうして押してるところしか見たことがない、ニャ?

(ノイルホーンが起き上がる)

ノイルホーン
ノイルホーン

ここは……どこだ?

ノイルホーン
ノイルホーン

俺は一体何に乗せられて……?これは丸太を括りつけただけの荷車……なのか?なんだか今にもバラけてしまいそうなぐらいボロボロだぞ。

ノイルホーン
ノイルホーン

つッ……頭が……ここに来るまで後頭部をずっとぶつけちまっていたのか。

ノイルホーン
ノイルホーン

そうだヤトウ……ヤトウ!ヤトウは?

白い不思議な生物
白い不思議な生物

おい、角付きの“ハンター”!漢方薬はどこに置いてるんだニャ?

ノイルホーン
ノイルホーン

カンポウ……って、何を言ってるんだ?

白い不思議な生物
白い不思議な生物

ないのかニャ?じゃあ解毒薬は?

ノイルホーン
ノイルホーン

持ってねえよ……

白い不思議な生物
白い不思議な生物

ならアオキノコぐらいは持っているはずニャ?こっちはちょうどげどく草(げどくそう)を持っているニャ。

ノイルホーン
ノイルホーン

きのこ……?なんできのこなんか持ってなきゃならねえんだよ……

白い不思議な生物
白い不思議な生物

なんてことニャ、君たち新大陸の“ハンター”はどいつもこいつも君みたいにおっちょこちょいなのニャ?

黄色い不思議な生物
黄色い不思議な生物

おっちょこちょいニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

あんたらは……一体なんなんだ?この地に暮らしているフェリーンなのか?

白い不思議な生物
白い不思議な生物

本当に失敬なヤツニャ!出会いがしらボクたちに変な呼称を付けるなんて!

白い不思議な生物
白い不思議な生物

ボクは元王立古生物書士隊の生態研究員ニャ!ベルナ村から来た、正真正銘の学者ネコだニャ!新大陸の研究を志して旅路を始め、ここに辿りついたニャ!

黄色い不思議な生物
黄色い不思議な生物

ウニャニャ!ニャ!

白い不思議な生物
白い不思議な生物

そうそう、それと彼も。彼はポッケ村から来た職人くん、たまたま来る道の途中で出会ったニャ。ボクと一緒に行動したいって言うから、一緒にいさせてあげてるニャ!

黄色い不思議な生物
黄色い不思議な生物

ニャニャ!ボクは武器職人だニャ!

学者ネコ
学者ネコ

ボクたちはみんな――アイルーと言うニャ!

職人ネコ
職人ネコ

アイルーだニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

アイルー……聞いたことがねえ……

学者ネコ
学者ネコ

そんなことはいいニャ!それよりもこの女の子はリオレウスの毒を食らってしまっているニャ、解毒薬がないと倒れてしまうニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウ……ヤトウがどうなるって?毒を食らったのか?

学者ネコ
学者ネコ

今はまだ気絶してるだけニャ。ボクが少しだけ応急処置をしてやったが、それでも毒はまだ完全に解かれていないニャ。

学者ネコ
学者ネコ

だから解毒薬がないとダメなんだニャ!リオレウスの毒を舐めないでほしいニャ、こ~~んな大きなアプケロスも命を落としてしまうニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

だったら俺を……俺をこっから下ろせ!

学者ネコ
学者ネコ

この“ハンター”ちょっと頭がおかしいニャ!新大陸の“ハンター”はどれも精鋭だって聞いてるけど、こいつはまるっきりそうには見えないニャ。

学者ネコ
学者ネコ

おまけに解毒薬すら持っていないだなんて、一体どうすればいいニャ?この女の子の毒状態は軽視できないのに、この森の中にはそれらしいキノコすら見つからないなんて……

職人ネコ
職人ネコ

それなら村に向かうニャ!

学者ネコ
学者ネコ

そうニャ、手っ取り早い方法は村に行って借りればいいニャ!職人くん、この前遠くから見えたあの村のことはまだ憶えているニャ?

学者ネコ
学者ネコ

そこにいる“ハンター”たちならきっとこういった基本素材を持っているはずニャ!ボクはなんて賢いニャ!

職人ネコ
職人ネコ

ニャ?

学者ネコ
学者ネコ

おい!頭が悪い角付きの“ハンター”!アオキノコをもらって解毒薬を作りにいくニャ!

学者ネコ
学者ネコ

君たちは近くにある“ベースキャンプ”で休憩しているといいニャ、ボクたちの帰りを大人しくそこで待っているニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

“ベースキャンプ”?どこにあるんだそんなモン……っておい、あんたら……

学者ネコ
学者ネコ

……なんだっていいニャ!ともかく善は急げ!行ってくるニャ!

職人ネコ
職人ネコ

行ってくるニャ!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

あの日、くらい夜の空には炎が燃えひろがっていて、大きなモンスターが森からやってきて、炎で村を焼きつきそうとしていたんだ!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

けどその時、村にいた狩人がみんなの前に立ちふさがってこう言った!“おれは狩人だ、村はこのおれが守る”って!

ごっこ遊びをする幼子
ごっこ遊びをする幼子

“ほう、小さな狩人よ。おまえごときがこの私のほろびの炎を防ぐつもりなのか?”

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

“このバケモノめ。おれがここにいるかぎり、一歩も村に近づけると思うなよ!”

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

そうして狩人は武器を取って、村をおびやかすバケモノと最終決戦をするのだった。

ごっこ遊びをする幼子
ごっこ遊びをする幼子

くらえ!超巨大火の玉だ!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

よっ!ほっ!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

(取っ組み合いの動きをする)

ごっこ遊びをする幼子
ごっこ遊びをする幼子

うわー!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

はっ!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

おれの勝ちだ!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

おれが前に言ったこと、これで信じるようになったか?狩人はぜったいに負けないんだ!

ごっこ遊びをする幼子
ごっこ遊びをする幼子

いいや――わたしはまだ負けてなどいない!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

あー!ズルいぞ!今ぼくに倒されたじゃんか!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

どんな狂暴なけものでも、すごい邪悪なバケモノと立ち向かっても、狩人はぜったいに負けないんだぞ!

ごっこ遊びをする幼子
ごっこ遊びをする幼子

それはちがうよ……

ごっこ遊びをする幼子
ごっこ遊びをする幼子

おとうが言ってた、狩人はもうとっくにいなくなったって。

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

ウソだ!村の南に住んでる柏生(かしわい)のおじいちゃんがそのすごい狩人なんだからな!

ごっこ遊びをする幼子
ごっこ遊びをする幼子

でもおとうが言ってたよ、柏生のじいちゃんは頑固ジジイだって。

ごっこ遊びをする幼子
ごっこ遊びをする幼子

村は狩人を必要としなくなったから、狩人はもういらない。だからバケモノこそ負けないんだ!

紅葉は地に落ち、露枯れる。
家屋が整然と立ち並んでいる村は静寂に包まれていた。
侘しい彫像もどこか遠くを望んでいるばかり。
傷負って道に迷う旅の者よ、君たちはきっと歓迎されることはないのかもしれない。
狩人もとっくに、歓迎されなくなったのだから。

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウ、はやく起きろ。

ノイルホーン
ノイルホーン

あの……アイルーとか言う生き物が、あんたは中毒症状になってるらしいんだが……身に覚えはあるか?毒を食らっちまったのなら、なおさら意識を保たなきゃならねえぞ。

ヤトウ
ヤトウ

分かったから揺らさないでくれ……聞こえている。

ノイルホーン
ノイルホーン

具合はどうだ?

ヤトウ
ヤトウ

頭が少し重い、腕も痛みを感じる。おそらくは毒で間違いない。

ヤトウ
ヤトウ

だが少しはよくなった、彼らの応急処置のおかげだな……

ヤトウ
ヤトウ

あの大型な飛行生物の爪には毒が含まれていたが、避けられなかった……完全に私の落ち度だ……

ノイルホーン
ノイルホーン

そんなことァねえさ。

ヤトウ
ヤトウ

あの二匹……自分たちのことをアイルーと呼称していたが、もしかすれば現地に住まうフェリーン独自の呼び方なのかもしれない。

ヤトウ
ヤトウ

彼らを逃してはダメだ。話を聞くに、どうやらあの生物に関する知識を持っている。先に色々と聞いて情報を入手しておかないと。

ノイルホーン
ノイルホーン

あいつらさっきは確か……“ゲドクヤク”を探しに行っちまったらしいな?すまねえ、俺がすぐ追いかけておくから、あんたはここで休んでいてくれ。

ヤトウ
ヤトウ

いいや、私たちもはやく村に向かわなければならない。今すぐ出発しよう。

ノイルホーン
ノイルホーン

え?でも怪我をしてるんだぞ、あいつらもここで待っていろって……

ヤトウ
ヤトウ

森の中であんな巨大な生物が現れたんだぞ、いちはやく向かわなければならないんだ。それにあいつが村を脅かす確証があるにしろないにしろ、あの痕跡は明らかにあの生物が残していったもの……

ヤトウ
ヤトウ

あのバケモノは大方鉱石病となんらかの関係があるはずだ。それにあれだけ広範囲の移動、完全に私たちが抑えつけられる範疇にない。これが今何よりも切羽詰まっている緊急事態だ。

ヤトウ
ヤトウ

村があのバケモノを認知してるかどうかはともかく、今はその情報を村人たちに伝えておかないと。なるべき人員を避難させ、さらなる源石の感染拡大を防ぐことが急務だ。

ノイルホーン
ノイルホーン

でもあんたも安静にしておかなきゃならねえだろ。

ヤトウ
ヤトウ

任務が優先だ、村の住民たちの安全を確保しなければならない。

ノイルホーン
ノイルホーン

分かった……地図は憶えてる、俺が連れてってやるよ。

(ノイルホーンが腰をかがめる)

ヤトウ
ヤトウ

ノイルホーン。

ノイルホーン
ノイルホーン

あ?

ヤトウ
ヤトウ

おんぶは必要ない……自分で歩けるから。

学者ネコ
学者ネコ

職人くん、なんだかこの村少し変だとは思わないかニャ?

職人ネコ
職人ネコ

ニャ?

学者ネコ
学者ネコ

過去に、ボクは書士隊と王国にあるほとんどの土地を共に渡ってきたことがあったニャ……

学者ネコ
学者ネコ

シュレィド城の城壁に攀じ登ったことがあるし、モガの村から広い海を見たり、ほかにも無数ものキレイな景色を見てきたニャ……

学者ネコ
学者ネコ

けどこんな村、ボクは一度も見たことがないニャ!

学者ネコ
学者ネコ

ここにいる村人たちが見えるかニャ?彼らは人間そっくりなのに、頭には獣の耳が生えていて……ボクたちと同じような尻尾までもが生えてるニャ!

学者ネコ
学者ネコ

確信できるニャ。ドンドルマのおびただしい量の蔵書の中でも、絶対に彼らに関する記述は載っていないはずニャ。

学者ネコ
学者ネコ

それに……ボクたちの知る“ハンター”すらまったく見かけないニャ!

学者ネコ
学者ネコ

リオレウスはすぐ森の中にいるのに、村には“ハンター”がいないし、集会所もない。そんな村がどうやって森の中にいるモンスターと戦えるって言えるニャ?

学者ネコ
学者ネコ

もしここが新大陸の古龍調査団が建てた拠点じゃなければ、ここはもしかしたら新大陸そのものでもないはず……理解できないニャ、ここは一体どこなのだニャ?

職人ネコ
職人ネコ

ワクワクするニャ!

学者ネコ
学者ネコ

な、なんでワクワクなんかしていられるんだニャ?

(職人ネコが立ち去る)

学者ネコ
学者ネコ

待つニャ、職人くん!ボクたちが途中で遭遇したあのリオレウス、ほら、森の中から急に現れて、ずっとボクたちを追いかけていたあのデカブツのことだニャ。

学者ネコ
学者ネコ

その後急に――パァーって――光が輝き出して!これってもしかして……って職人くん?

学者ネコ
学者ネコ

職人くん!どこに行ったニャ?

ノイルホーン
ノイルホーン

村についたぜ、ヤトウ。具合はどうだ?

ヤトウ
ヤトウ

言っただろ……ゲホッ……平気だ。

ノイルホーン
ノイルホーン

(ヤトウのおでこ、すげー熱だ……)

ノイルホーン
ノイルホーン

もう歩かないほうがいい、ひとまずここで休んでおこうか?

ノイルホーン
ノイルホーン

俺、人を呼んでくるからよ。

ノイルホーン
ノイルホーン

おーい、誰かいねえかー!ここにケガ人がいるんだ、手を貸してくれねえか?

ノイルホーン
ノイルホーン

おーい、誰かー!

???
憤慨する村人

(遠くから)*極東スラング*、あいつを捕まえろ!あの黄色いヤツだ!

???
緊張しい村人

(遠くから)はやく!あっちに逃げたぞ!

ノイルホーン
ノイルホーン

この村に住んでる連中は一体どこに消えちまったんだ?

???
焦る村人

(遠くから)あっちだ!あっちにコソ泥が逃げたぞ!

ヤトウ
ヤトウ

ノイルホーン……

ヤトウ
ヤトウ

意識が、ぼやけてきた……村人たちを避難させたのか?

ノイルホーン
ノイルホーン

いいや、俺はなんもしてねえぜ。

ヤトウ
ヤトウ

本当に助かるよ……ゲホッ。

ノイルホーン
ノイルホーン

もう喋るな、少しは気力を残しておけって。

ヤトウ
ヤトウ

なんだか……笑えてくるな。任務はまだ始まったばかりなのに、もうおしまいといった雰囲気じゃないか。

ノイルホーン
ノイルホーン

おい、そんな縁起でもねえことを言うんじゃねえ!

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウ……おいヤトウ!なんか喋れよ!

ノイルホーン
ノイルホーン

クソッ、誰かいねえのか!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

おにいちゃん!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

そのおねえちゃん……助けが必要なの?

ノイルホーン
ノイルホーン

ああ、そうだ!怪我をしちまってる……ヒドイ怪我だ。

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

傷、見して……獣にやられたの?

ノイルホーン
ノイルホーン

そうだ!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

こういう傷を手当してくれる場所なら知ってるよ、案内するよ!

ノイルホーン
ノイルホーン

――!マジで助かるよ!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

こっち!

(職人ネコが走り回る)

職人ネコ
職人ネコ

これすごいピカピカしてるニャ!

職人ネコ
職人ネコ

これも欲しいニャ!

職人ネコ
職人ネコ

全部見たことがない素材、見たことがない道具!どれも大好きニャ!

???
憤慨する村人

*極東スラング*、どこに行きやがった?あの黄色いコソ泥が!

???
ビビリな村人

あっ!あいつ今俺の足元をくぐって逃げて行ったよ、あっちのほうだ!

???
憤慨する村人

追うぞ!

学者ネコ
学者ネコ

ニャ!職人くん!こっちに来るニャ!

学者ネコ
学者ネコ

君は一体何をしてるニャ?どうしてこんなにも追いかけれられているニャ?

職人ネコ
職人ネコ

これを見て、見たことがないものがたくさんニャ!

学者ネコ
学者ネコ

ウニャアアア!勝手に人のものを盗んじゃダメだニャ!

???
憤慨する村人

こっちにいたぞ!

???
憤慨する村人

ん?なんか一匹増えてないか?

学者ネコ
学者ネコ

もう、まったく!森のほうに逃げるニャ!

???
憤慨する村人

コソ泥があっちに逃げたぞ!

学者ネコ
学者ネコ

森に入る入口が封鎖されてしまってるニャ!遠くに見えるあれは……“ハンター”の小屋ニャ?

職人ネコ
職人ネコ

“ハンターハウス”だニャ!

学者ネコ
学者ネコ

職人くん、あちこちに行くんじゃないニャ!

学者ネコ
学者ネコ

こっちに来るニャ!この下に穴を見つけたニャ!

???
憤慨する村人

あの二匹のフェリーンめ、どこに行った?

学者ネコ
学者ネコ

シッ――

???
緊張しい村人

あれは柏生家の家だ、あのジジイの……中に入れるはずがない。

???
憤慨する村人

*極東スラング*、向こうを見て回るぞ!あいつらを逃がしちゃならん!

(村人達が走り去る)

学者ネコ
学者ネコ

行った?危なかったニャ!

職人ネコ
職人ネコ

ウニャアアアア!

学者ネコ
学者ネコ

急に驚いてどうし……

学者ネコ
学者ネコ

ってウニャアアアア!

学者ネコ
学者ネコ

こ、これは……ってなんだ!壁にかけられたただの毛皮じゃないかニャ!

学者ネコ
学者ネコ

にしてもこの小屋、“ハンターハウス”にそっくりだニャ。

職人ネコ
職人ネコ

上を見るニャ!あの瓶詰の中身!キノコが入ってるニャ!

学者ネコ
学者ネコ

どこにあるニャ?ボクが見てみよう……棚の上かニャ?ふむ、確かに見た目はアオキノコそっくりニャ。

学者ネコ
学者ネコ

これは試してみる価値があるニャ!もしかしたら解毒薬と同じように調合できるかもしれないニャ!

(足音が近づいてくる)

学者ネコ
学者ネコ

シッ……隠れるニャ、足音がするニャ!

学者ネコ
学者ネコ

先にここから出るニャ!

学者ネコ
学者ネコ

ニャ――穴が!木の板に挟まれてしまったニャ!

学者ネコ
学者ネコ

どうしようニャ……なんとかしなければ、どこか隠れられる場所は……

職人ネコ
職人ネコ

(金槌を振り回す)ニャ!

学者ネコ
学者ネコ

そ、それも方法ではあるけどニャ。

学者ネコ
学者ネコ

ニャ、足音がどんどん近づいてきた、もうこうするしかないニャ……

学者ネコ
学者ネコ

……職人くん、よく聞いてほしいニャ。誰かが入ってきたら、一番近くにいる人の頭に飛び移るんだニャ。

学者ネコ
学者ネコ

そしてその金槌でこんな風に――えいって――

学者ネコ
学者ネコ

それからそいつらの股下から逃げるニャ、しっかりとボクについて来るんだニャ!分かったかニャ?

職人ネコ
職人ネコ

ワクワクしてきたニャ!

学者ネコ
学者ネコ

ちゃんとボクの指示に従うニャ!

学者ネコ
学者ネコ

三!

学者ネコ
学者ネコ

二!

学者ネコ
学者ネコ

一!

学者ネコ
学者ネコ

ウニャアアアア!

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

大丈夫、もうすぐだよ……ほらあそこ、あの家がぼくたちの行くところだ、柏生のおじいちゃんの家だよ。

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

おじいちゃんはこの村の狩人、すっごく優しいおじいちゃんなんだよ。

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

あとで見たらわかるけど、おじいちゃんの家には傷をなおす薬とか道具がたくさんおかれてるんだ。けものにやられた傷をなおす知識も持ってるから、きっと助けになってくれるよ。

ノイルホーン
ノイルホーン

助かるぜ、んでボクちゃんは……

狩人の恰好をした幼子
狩人の恰好をした幼子

いいよいいよ、ぼくのことは和也(かずや)でいいから。

和也
和也

おじいちゃんはね、よく山に入って狩りをするんだけど、たくさん獲物を獲って山をおりてくるんだ。ちょーすごいんだぞ。

和也
和也

それにながい時間をかけて村の周りに柵を作ってくれたんだ、けものが村に入ってこないために。おじいちゃんはすっごく村のみんなのことを気にかけてくれてるんだよ。

ノイルホーン
ノイルホーン

そいつはすげーな!

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウ、あと少しの辛抱だ。もうすぐ着くからな。

ヤトウ
ヤトウ

うッ……

和也
和也

あっ、おじいちゃん留守みたいだけど、扉にかかってるこの棒をおろしてやれば開けられるよ。

ノイルホーン
ノイルホーン

でも、家主がいないとなりゃ……

和也
和也

大丈夫、おじいちゃんはよろこんで人助けしてくれる人だから。もし今いたらきっと部屋を借りて休ませてくれていたはずだよ、ぼくが保証する。

ノイルホーン
ノイルホーン

じゃ、じゃあいいか。

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウ、ここで待っててくれよな。俺は扉を開けてくるから。

(ノイルホーンが扉を開ける)

ノイルホーン
ノイルホーン

こいつか?扉を開けてっと……ってうわッ!

職人ネコ
職人ネコ

ウニャニャニャ!ニャ―!

(ノイルホーンが職人ネコに殴られる)

ノイルホーン
ノイルホーン

いってッ!頭がァ!

学者ネコ
学者ネコ

職人くん!ストップニャ!

学者ネコ
学者ネコ

君は……角付きの“ハンター”ニャ?

ノイルホーン
ノイルホーン

ル……ルールー?

学者ネコ
学者ネコ

アイルーだニャ!ちゃんと覚えておけニャ!

学者ネコ
学者ネコ

振って、振って……よし、これで完成ニャ。

学者ネコ
学者ネコ

おい君、こっちに来るニャ。これを女の子に飲ませてあげるニャ。

ノイルホーン
ノイルホーン

これは?

学者ネコ
学者ネコ

解毒薬に決まってるニャ……たぶん。アオキノコがなかったからこの部屋に置いてあったらそれらしいキノコを使わせてもらったけど、きっと効果は出ると思うから、とにかく飲ませてあげるニャ。

職人ネコ
職人ネコ

そうだ、思い出したニャ!

学者ネコ
学者ネコ

職人くん、何を思い出したニャ?

職人ネコ
職人ネコ

最新の調合だと……解毒薬に、アオキノコは必要ないニャ。

学者ネコ
学者ネコ

なに?それならはやく……あっいや、ボクの調合だとアオキノコは必要不可欠ニャ、君は黙ってるニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウは……これでよくなるのか?

学者ネコ
学者ネコ

げどく草すら知らない角が生えたハンターだなんて……

学者ネコ
学者ネコ

もし君の知恵もその角みたいに長く伸びていたのなら、そんな問題を聞くこともなかったはずニャ。

ノイルホーン
ノイルホーン

テラでゲドクソウなんてものは聞いたことねえよ。それにしてもヤトウの熱が……下がってきてるな、よかったぜ。

学者ネコ
学者ネコ

さっきの話に戻るけど、ここはテラという場所で、新大陸ではないのかニャ……?

学者ネコ
学者ネコ

それに君たちもボクたちが知る“ハンター”ではないと……

ノイルホーン
ノイルホーン

角付きの変人でもねえこともな!俺たちは任務を遂行するためにここに来たんだ!

学者ネコ
学者ネコ

まさか、本当に異世界にやってきてしまったなんて……

学者ネコ
学者ネコ

これは……もう完璧におしまいだニャ!ボクの新大陸研究計画がアアアア!

学者ネコ
学者ネコ

本当なら新大陸一の学者になって、誰からも尊敬されるはずだったのに……まさか出発初日から失敗してしまったニャ!

職人ネコ
職人ネコ

失敗してしまったニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

あー……そのーなんだ、自己紹介しておこうか。

ノイルホーン
ノイルホーン

俺はノイルホーン、んで彼女は……

学者ネコ
学者ネコ

ヤトウ、ニャ。耳の毛が抜けてしまうぐらい呼んでいたから知ってるニャ。

ノイルホーン
ノイルホーン

じゃあもう一度確認するが、あんたらはフェリーンではなく……アイルーって言うのか?ここに来る前は、俺たちとよく似た違う人類と一緒に暮らしていたと。

ノイルホーン
ノイルホーン

……あんたらが言う“ハンター”とモンスターが共存してる大陸で。

学者ネコ
学者ネコ

君たちのいるこの場所とはまったく違うニャ。

ノイルホーン
ノイルホーン

あの火を噴く飛行生物もあんたらんとこからやって来たのか?

学者ネコ
学者ネコ

リオレウスのことニャ?ここにも彼の同類がいるかどうかはまだ分からないけど、あの一頭はきっとボクたちと一緒にこっちにやって来た一頭ニャ。

学者ネコ
学者ネコ

ボクたちのほうでは火山や森の中で、雌のリオレイアと一緒に暮らしているニャ。すごくおっかない飛竜種のモンスターニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

なるほど。だから森にいた時は必死こいて俺たちに呼び掛けていたのか、その飛行生物がやって来るって。リオなんとか……覚えられねえな。

学者ネコ
学者ネコ

何度も言ってるニャ!彼の名は……

学者ネコ
学者ネコ

“リオレウス”ニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

リオレウス……?確かになんだか威圧感のある名前だ。

ノイルホーン
ノイルホーン

あんな高いとこを飛んで、あんなでかい火の玉を吐いて、爪には毒があって、おまけに刀ですら斬れない甲殻に覆われて……その名に相応しいモンスターだな。

学者ネコ
学者ネコ

確かに彼は恐ろしいが、相手にする方法ならなくはないニャ……

ノイルホーン
ノイルホーン

なんだって?

学者ネコ
学者ネコ

しかし君たちは弱すぎるニャ。持ってる武器もまったく見るに堪えない、リオレウスを討伐する考えなら諦めたほうがいいニャ。

学者ネコ
学者ネコ

もしボクたちベルナ村にいるあの伝説の“ハンター”だったら、こんな感じで――よっ――そしてあんな風にしちゃえば!

学者ネコ
学者ネコ

見事リオレウスを討伐することができるニャ。

ノイルホーン
ノイルホーン

討伐してやれれば……問題解決ってことなのか?

職人ネコ
職人ネコ

討伐できるニャ?

学者ネコ
学者ネコ

職人くん、君たちの村にもリオレウスを討伐できる凄腕の“ハンター”がいるはずニャ。君はきっとまだその人に会っていないんじゃないかニャ。

学者ネコ
学者ネコ

ニャ!とにかくひとまずリオレウスのことは置いておいて、今はボクと職人くんがどうやって戻ればいいのかを模索しなければならないニャ!

ヤトウ
ヤトウ

ノイルホーン……

ノイルホーン
ノイルホーン

おう、ここにいるぜ。ちょっとは良くなったか?

ヤトウ
ヤトウ

目が覚めてしばらく経つよ。その間に君たちの会話を聞いたんだが……村人たちの避難は完了してるのか?

ノイルホーン
ノイルホーン

それは……まだ知らせてはいない。

ヤトウ
ヤトウ

……

ノイルホーン
ノイルホーン

実は今こう考えてるんだ。俺たちはまだあのリオレウスと少ししかやり合ってはいないだろ?だからあいつがなぜ源石と関係があるのかがさっぱりなんだ。

ノイルホーン
ノイルホーン

……パニックを起こしたり、あるいは大規模な避難を実行しても、不必要な混乱を生じさせちまうだけだ。それで源石粉塵を拡散してる発生源も隠れられちまったら、完璧に除去することができなくなっちまう。

ヤトウ
ヤトウ

理解はできる。だが鉱石病感染が発生するリスクが存在する限り、できるだけ対策を実行して状況にあたったほうがいい。今度からは注意しておこう。

ノイルホーン
ノイルホーン

熱はまだあるか?ここに毛布があるから、俺が拭いてやるよ。

ヤトウ
ヤトウ

必要ない。

和也
和也

あっ、おねえちゃん起きたんだね、あれ?

和也
和也

おにいちゃんとおねえちゃんってさ、もしかして……

ノイルホーン
ノイルホーン

バッ……!適当なこと言うんじゃねえよッ!

ヤトウ
ヤトウ

ん?なんの話だ?

(年老いた狩人が部屋に入ってくる)

年老いた狩人
年老いた狩人

……

ヤトウ
ヤトウ

……

ノイルホーン
ノイルホーン

……

年老いた狩人
年老いた狩人

お前たち……一体何者だ?

年老いた狩人
年老いた狩人

言え!さもなければ、今日は床をキレイに掃除してやらなければならなくなるぞ!

ノイルホーン
ノイルホーン

ま、待った!待ってくださいって!

和也
和也

おじいちゃん、このおねえちゃんが山の中で獣にやられて、治療が必要だったからぼくがここに連れてきたんだ。

年老いた狩人
年老いた狩人

やられた……怪我をしたのか?

ヤトウ
ヤトウ

毒が入った爪に引っ掻かれてしまったんです。その際そちらが置いてあった素材をお借りして解毒薬を作らせてもらいました。感謝します。

ヤトウ
ヤトウ

とはいえ、勝手にお邪魔して大変申し訳ございません。今すぐ出ていきますので。

年老いた狩人
年老いた狩人

あの*極東スラング*のケダモノどもめ。

年老いた狩人
年老いた狩人

構わん、怪我をしたのならここで休んでいきなさい。

ヤトウ
ヤトウ

えっと……

年老いた狩人
年老いた狩人

柏生(かしわい)義岡(よしおか)。

年老いた狩人
年老いた狩人

儂の名だ、好きに呼ぶといい。

年老いた狩人
年老いた狩人

狩人として営んでいる。この近くにある森には獣がうじゃうじゃ潜んでおるからな、お前たちよそ者は下手に入っていかんほうがいい。

ヤトウ
ヤトウ

助けていただき本当に感謝しています、私たちは……

柏生義岡
柏生義岡

お前たちが何者なのかを知る必要はない。

柏生義岡
柏生義岡

それからお前、こっちに来なさい。

ノイルホーン
ノイルホーン

俺ですか?

柏生義岡
柏生義岡

娘っ子が怪我をしてるのだぞ、その子に湯を沸かしてやることも知らんのか?

柏生義岡
柏生義岡

それと、その手に持ってる雑巾を置いておきなさい。

ノイルホーン
ノイルホーン

……今すぐ沸かしてきます!

柏生義岡
柏生義岡

それと和也、この傷薬をすり潰して彼らに持って行ってあげなさい。水で薄めた後に、傷口に塗っておくんだぞ。

和也
和也

わかった。

ヤトウ
ヤトウ

学者ネコ、一つ聞きたいんだが、君たちは君たちが住んでいた大陸に戻りたがっているのか?

学者ネコ
学者ネコ

当然だニャ。

ヤトウ
ヤトウ

君たちとあのリオレウスがどうやってここに来たのかは分からないが、君が先ほど述べたことによれば、本当に戻れる確証はあるのか?

学者ネコ
学者ネコ

いい質問ニャ。ボクも職人くんもここに来たばかりの間は探し回っていたんだけど、樹木以外には何も見当たらなかったニャ。来た方法で戻ることは不可能だけど、森の中にはほかの方法もあるのかもしれないニャ。

ヤトウ
ヤトウ

ではまた森に入って探してみるとしよう、だがあまり期待はしないほうがいい。

ヤトウ
ヤトウ

そこで一つ、私たちと手を結ぶつもりはないかな?

学者ネコ
学者ネコ

ニャ?

ヤトウ
ヤトウ

君たちがどうすれば元いた場所に戻れるのか、助けになってくれるところを知っている。

学者ネコ
学者ネコ

それはどこニャ?

ヤトウ
ヤトウ

私とノイルホーンが所属している企業、ロドスだ。私たちは……よく異常事態を対処することがある。

ヤトウ
ヤトウ

一時的に帰還が困難だった場合でも、そこならしばらく身を置くのに悪くはないはずだ。私やノイルホーンがそのいい例だよ。

ヤトウ
ヤトウ

ただその見返りとしてなんだが、リオレウスと再び対峙する可能性が消えたわけではないから、君たちの知識が欲しい。

ヤトウ
ヤトウ

それと……君たちが言ったように、リオレウスも討伐しておきたいんだ。

職人ネコ
職人ネコ

リオレウスの討伐ニャ!

学者ネコ
学者ネコ

ニャ……そのまま受け入れることはできないニャ、しばらく考える時間がほしいニャ。

ヤトウ
ヤトウ

君たちがいた場所にも村はあったみたいだな?仮に君たちの村の周りに脅威が出現した場合は、そのまま放っておくつもりなのか?

ヤトウ
ヤトウ

リオレウス、あの前代未聞の生物がこの大地に降り立った後、私たちは一度そいつを交戦したんだ。あいつは放っておくわけにはいかない存在だと、あの戦いで確信したよ。

ヤトウ
ヤトウ

何より重要なのは……あいつはテラではよく知られているもう一つの危機と密接な関係にある可能性が極めて高い。

ヤトウ
ヤトウ

君には理解できないかもしれないが、今のところ集まった証拠からして、リオレウスの対処は私たちにとって眉に火がつくほどの緊急事態なんだ。

ヤトウ
ヤトウ

鉱石病の要因になり得ることもそうだが……火を噴くことができて、なおかつ爪には毒液が含まれている巨大生物。そんなヤツが村からあれほど近い森の中を自由に飛び回っていること自体、とてつもない脅威と言えるだろう。

柏生義岡
柏生義岡

今なんと言った?

柏生義岡
柏生義岡

火を噴けて……空も飛ぶことができて……なおかつ爪には毒があるだと?お前たち、あの畜生を見たのか?

ヤトウ
ヤトウ

あなたも森の中であのリオレウスを見たことがあるのですか?

ヤトウ
ヤトウ

私たちも森の中であの生物と出くわしたんです。今の段階では、あいつはこの地域に生息してる生物ではなく、かつ非常に危険な存在だと判断しています。後程さらに一歩踏み込んで接触を試み、状況次第でヤツを討伐するつもりではいますが。

柏生義岡
柏生義岡

あれは儂の獲物だ。

ヤトウ
ヤトウ

それは何よりです。あなたはこの村における狩人、きっと森のことも熟知していることでしょう。それに狩猟経験も豊富、大きな助けになります。

ヤトウ
ヤトウ

同じ目標を持っているとなれば、今後は一緒に行動したほうがベストでしょう。これからは私たちがあなたの安全を確保いたします。

柏生義岡
柏生義岡

お前……儂の言ってることが分からなかったのか?あれは儂の獲物だと言ったのだ。

ヤトウ
ヤトウ

申し訳ございません、理解が及ばなかったところがあったのかもしれません。もしかして、私たちの戦闘能力について不安を覚えているのでしょうか?

ヤトウ
ヤトウ

ロドスのオペレーターはみな専門的な訓練を受けており、豊富な危機管理能力を有しております。特殊な生物の対処も、私たちの業務における一環です。

ヤトウ
ヤトウ

今回失敗してしまったのは単にこちらの準備不足によるものでした。ここでしっかりと準備を整えておけば、今度こそスムーズに対処することができるはずですので。

柏生義岡
柏生義岡

ばか者!儂の獲物であれば、そいつを狩っていいのはこの儂だけだ!儂自らの手で……討伐することがな。

柏生義岡
柏生義岡

そんな儂の獲物を横取りするつもりとは、よくもそんなことができるものだな?

ヤトウ
ヤトウ

リオレウスは未知の生物です、厳粛に対処しなければなりません。そう簡単にあなたの所有物として認めるわけにはいきませんよ。

柏生義岡
柏生義岡

貴様ら……そんな満身創痍にやられて戻ってきたくせして……どのツラ下げて戦闘能力うんぬんを語れると思っているのだ?

柏生義岡
柏生義岡

軟弱で、無能なケムシ風情が……貴様らなどオリジムシにも及ばぬわ……

柏生義岡
柏生義岡

おい貴様!どうせまだ何か企んでいるのだろう……ふんッ、そうはさせるものか!

ヤトウ
ヤトウ

気分を害してしまって申し訳ありませんが、それでもあなたには私たちのリオレウス調査を阻害する権利はないはずです。こちらも責務というものがありますので。

柏生義岡
柏生義岡

言っておくが、貴様らがどういう輩なのかは知ったこっちゃない、だがこれからは二度と森の中で貴様らのツラを見せるでないぞ!

柏生義岡
柏生義岡

儂の獲物に……近づくことは断じて許さんからな。

ヤトウ
ヤトウ

であれば、そうしないほうが賢明かと。もし私たちの任務執行を妨害してくるのであれば、こちらもあなたを障碍と見なさなければならなりません。

ヤトウ
ヤトウ

こちらとしても、そういうことは不本意ですので。

柏生義岡
柏生義岡

そうかそうか!

柏生義岡
柏生義岡

……ならさっさとここから出ていけッ!

柏生義岡
柏生義岡

この*極東スラング*どもが、さっさと出ていけ!儂の家から!今すぐに!

柏生義岡
柏生義岡

出て行かんかッ!

ノイルホーン
ノイルホーン

お湯を持ってきたぜ!ってあれ……二人ともどうしちまったんだよ?

和也
和也

おじいちゃん、なんで……

ヤトウ
ヤトウ

ノイルホーン、行こう。

(ヤトウが立ち去る)

ノイルホーン
ノイルホーン

ちょっ待って!やめてくださいってば、柏生さん!

(ノイルホーンに対して物が飛んでくる)

ノイルホーン
ノイルホーン

も、ものを投げないでくださいよ!そっちもお身体を大事に……って分かった、出て行きます、今すぐ出て行きますから!

学者ネコ
学者ネコ

ニャ!

(和也が駆け寄ってくる)

和也
和也

おにいちゃん、おねえちゃん!待って!

和也
和也

本当にごめんなさい……なんでおじいちゃんが急にあんな怒りだしたのか、ぼくにもよくわからなくて……

和也
和也

本当はすごくいい人なんだよ?いつもだったら絶対あんなこと……

ヤトウ
ヤトウ

ありがとう、おかげで助かったよ。

ヤトウ
ヤトウ

さあ、私たちなら平気だから、君は早く帰って年配の方に付き合ってあげなさい。

和也
和也

うん……

(和也が立ち去る)

ノイルホーン
ノイルホーン

分からねえな、なんであの狩人さんはあんな急に怒り出しちまったんだ?俺たちもリオレウスが目当てだからか?

ノイルホーン
ノイルホーン

一人で村から離れたところに住んで、傍には家族もいないし、家に置いてあるものもボロボロだし。

ノイルホーン
ノイルホーン

村の中にあるあの狩人の彫像は見ただろ?本当なら、狩人はここの人たちから尊敬される存在のはずだってのに。

ヤトウ
ヤトウ

あまり気にする必要はないよ、ノイルホーン。私たちの任務にはなんの影響もないさ。

ヤトウ
ヤトウ

この村についてもある程度は理解が及んだはずだ、これからは源石感染と関連がある手掛かりを捜索してみよう。

和也
和也

おじいちゃん……ごめんなさい。ぼく、ただあの二人を助けてあげたかっただけで……

柏生義岡
柏生義岡

あいつらはもう行ったか?

和也
和也

うん……

柏生義岡
柏生義岡

娘っ子の具合、少しはよくなったみたいだな。

柏生義岡
柏生義岡

はぁ……

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