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【アークナイツ大陸版 × モンハン】秋葉は火を逐う CF-ST-2「昏き森と明るい炎」 翻訳

ノイルホーン
ノイルホーン

またあの岩だ。

ヤトウ
ヤトウ

これで何度目だ?

ノイルホーン
ノイルホーン

えーっと、七度目だな。

ヤトウ
ヤトウ

私たちはずっとこの場所をグルグルと回っているだけだ、どの方向に進もうが必ずこの場に戻ってきてしまう。

ヤトウ
ヤトウ

もし行動を記録することができれば、あるいは……装備の中には十分な長さの紐は入っているか?

ノイルホーン
ノイルホーン

今後はそれも申請して……あっそうだ!

ノイルホーン
ノイルホーン

職人ネコ……ってあんたなにやってんだ?

職人ネコ
職人ネコ

掘り掘り、掘り掘り、鉱脈を掘ってるニャ。

ノイルホーン
ノイルホーン

あんた……確かほかにも色んなものを隠し持っていたはずだよな、ちょっと探らせろ。

職人ネコ
職人ネコ

ニャ――ニャハハ!

ノイルホーン
ノイルホーン

よっと、ここかな……おっ!これなら使えるんじゃねえのか?

ヤトウ
ヤトウ

黒い粉末か、確かに目印には使えそうだ。君たちはここで待っていてくれ、私が使ってみよう。

(ヤトウがノイルホーンから離れるもののすぐに戻ってくる)

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウ……

ノイルホーン
ノイルホーン

あんたの姿が見えちまってるぜ。

ヤトウ
ヤトウ

言わなくても分かってる、私も地面の痕跡を見つけた。

ヤトウ
ヤトウ

また戻ってきてしまったか……

ノイルホーン
ノイルホーン

ああ。

ヤトウ
ヤトウ

最初は訳も分からず狂った獣の群れに追いかけられて、その後にはリオレウスの痕跡も見失ってしまい、挙句の果てには崖のところで囚われてしまったとは。

ヤトウ
ヤトウ

位置情報発信機もすべて使い物にならないし、マップも表示できない……この森は一体どうなってるんだ?

ヤトウ
ヤトウ

……このままではダメだ、もう一度試してみよう。こんなところで足止めを食らうわけにはいかない。

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウ……少しは落ち着け。

ノイルホーン
ノイルホーン

これはおそらく一種の特殊な自然現象なのかもしれねえ、脅威でもなんでもない。

ノイルホーン
ノイルホーン

もう少しだけ待ってみようぜ?しっかりと観察してみりゃ、もしかしたら俺たちが見逃しちまってるところが見えてくるかもしれねえ。解決する方法ならきっとあるはずだ。

ノイルホーン
ノイルホーン

それにさ……俺たちの傍からまた誰かがいなくなっちまっていねえか?

学者ネコ
学者ネコ

ヤトウ――

学者ネコ
学者ネコ

ノイルホーン――

学者ネコ
学者ネコ

職人くーん――

学者ネコ
学者ネコ

どこにいるニャー?

学者ネコ
学者ネコ

分かったからもう出ておいでニャ。イタズラなのはもう分かったからニャ。

学者ネコ
学者ネコ

ノイルホーン、そこの木の後ろに隠れているんだろニャ?

学者ネコ
学者ネコ

職人くん、そこの岩の後ろに隠れてもバレバレだニャ。

学者ネコ
学者ネコ

ヤトウ、はやく木の上から降りてくるニャ。

学者ネコ
学者ネコ

いない……誰もいないニャ……

学者ネコ
学者ネコ

参った、とてもとても参ったニャ……

学者ネコ
学者ネコ

ちょっと木に刻まれた変な紋様を観察していたら、みんないつの間にかいなくなってしまったニャ。

学者ネコ
学者ネコ

結局その紋様も、なんの価値もないただの損壊してしまった樹皮に過ぎなかったし……

学者ネコ
学者ネコ

ボクのせい……ってそんなわけないニャ!学者が真面目に観察していたら、助手たちは大人しくその場で待機しているのが鉄則ニャ!

学者ネコ
学者ネコ

全部彼らのせいニャ、ボクがいなかったらリオレウスなんか見つかりっこないのに!彼らがボクをまったく大事にしないからこんなことになったんだニャ。

学者ネコ
学者ネコ

今じゃボクがいなくなって、ボクの重要性に気付いて、きっと慌ててボクのことを探し回っているはずニャ。特にノイルホーンと職人くんのおバカさん二人は。

学者ネコ
学者ネコ

ヤトウは……いつもおっかないけど、それでもボクとの約束が残っているニャ。彼女がボクを放っておくはずがないニャ!

学者ネコ
学者ネコ

な、なにをビビる必要があるニャ?この場で大人しく彼らが来るのを待っていればいいだけの話ニャ。

(獣の唸り声)

学者ネコ
学者ネコ

ウニャー!助けてくれニャ!

学者ネコ
学者ネコ

森……森の中に……

学者ネコ
学者ネコ

まさかこの堂々たる元書士隊の生態学者、未来におけるテラ一の専門家……ボクの栄光に満ちたネコ生(じんせい)はここで終わってしまうのかニャ?

学者ネコ
学者ネコ

そんなのあり得ないニャ!ボクならきっと――

(獣の唸り声)

学者ネコ
学者ネコ

ニャ……もうはぐれたりしないニャ。

学者ネコ
学者ネコ

ノイルホーン、もう君のことをバカだなんて言わないニャ。職人くん、これからはたまに……いやいや、いっぱい!いっぱい褒めてあげるニャ!

学者ネコ
学者ネコ

ニャウ~……誰でもいいから助けにきてほしいニャ……

(ノイルホーンと職人ネコが近寄ってくる)

ノイルホーン
ノイルホーン

学者ネコ、あんたなにやってんだ?

職人ネコ
職人ネコ

ニャ?

学者ネコ
学者ネコ

ニャ……なぜ君が……

学者ネコ
学者ネコ

ってノイルホーン!この大バカ者!鈍感!のろまの角付き変人ニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

はぁ!?なんだよいきなり?なんであんたにそんな風に言われなきゃならねえんだよ!

学者ネコ
学者ネコ

君ってヤツはホントに……元王立古生物書士隊の優秀な学者の生態調査の邪魔をするじゃないニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

ちょっと待て……今なんつった?

ヤトウ
ヤトウ

二人とも状況を確認しろ、私たちはこの場で二時間も迷い込んでしまっているんだぞ。

ヤトウ
ヤトウ

日も直に沈んでしまう、口を動かす労力があるのならここから脱出できる方法を探してくれ。

ノイルホーン
ノイルホーン

……学者ネコ、ほらはやく言えって!今なんの調査をしたって?

学者ネコ
学者ネコ

ウニャー!君に教える筋合いはないニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

もういい自分で見る……おいヤトウ!この木に字が彫られてるぞ!

ノイルホーン
ノイルホーン

“この崖の区域で発生する異常現象の記録……”だってよ。

ノイルホーン
ノイルホーン

“ここでは電子機器は使い物にならない、風に従うんだ。未来”

ノイルホーン
ノイルホーン

たぶん前にここへ来た人が残していったものみたいだ。字面通りの意味なら、風の向きに従って進めってことか?

学者ネコ
学者ネコ

ニャ?それは君たちのところの文字なのニャ?

ノイルホーン
ノイルホーン

学者ネコ、あんたがこれを発見したのか?すげーじゃねえか!見直したぜ!

学者ネコ
学者ネコ

ボクは……ウニャー!“見直した”って、それどういう意味ニャ!

ヤトウ
ヤトウ

風か……

ノイルホーン
ノイルホーン

さっきの粉塵を使おう。高いところから撒けば風の向きが分かるはずだ。

ヤトウ
ヤトウ

いいアイデアだ、すぐに向かおう。

ノイルホーン
ノイルホーン

その前にもう少しだけ見させてくれ。この文字、彫られてからそこまで時間は経ってないはずだ……それに“未来”ってのはどういう意味だ?

ノイルホーン
ノイルホーン

あっ!ちょっ待てよ!

ノイルホーン
ノイルホーン

やっと抜け出せたな。

学者ネコ
学者ネコ

湖ニャ!どうりで風が吹き込んでくるはずニャ!

ヤトウ
ヤトウ

まだ渡るんじゃないぞ。畔になんだかキャンプらしきものが設置されている、人がいるかどうかは確認できないが。

ヤトウ
ヤトウ

君たちは少し待っててくれ、私が調べ……

(ネコ達が走り去る)

学者ネコ
学者ネコ

キャンプ!焚火!肉焼き!はやく向かうニャ!

職人ネコ
職人ネコ

ニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

よし――ふぅ、やっと火がついた。

ノイルホーン
ノイルホーン

ここのキャンプ、遺棄されて随分時間が経つな。たぶん昔の狩人が残していったんだろう、だが物はまだ使えそうで助かったぜ。

ヤトウ
ヤトウ

……仕方ない、君からのアドバイスなんだが、今はそれに従っておこう。確かに夜での行動は昼間よりも効率が落ちるし、それによりリオレウスの追跡もままならない。

ヤトウ
ヤトウ

しばらくはここで体力を回復しても構わないが、回復したらすぐにまた出発するぞ。

ノイルホーン
ノイルホーン

分かってるって。

ノイルホーン
ノイルホーン

フッ……フフフ。

ヤトウ
ヤトウ

なにを笑っている?

ノイルホーン
ノイルホーン

いや、その……フフ、あんたは相変わらずだなって。いっつも後ろから追っ手が追いかけてきてるみたいに、急いで道を進もうとするものだから。

ノイルホーン
ノイルホーン

俺もあんたも、もうこんなに長い間ドクターの傍で働いてるってのにさ。ドクターのあの危機に対してまったく動じない落ち着き、あんたは全然ものにできていねえなって。

ヤトウ
ヤトウ

私たちになるべくはやく任務を済ませてもらいたいとも思っているはずだ。

ノイルホーン
ノイルホーン

へいへい、おっしゃる通りで。あんたには口じゃ敵わねえよ。

ノイルホーン
ノイルホーン

前にも言ったが、今は少しでも目を閉じてひと息ついておいたほうがいい。出発する際は、少しは気分がサッパリするはずだ。

ノイルホーン
ノイルホーン

俺は……そうだなぁ、キャンプに置いてあるものを漁ってみるよ。ほかにもまだ使えそうなものがあるのかどうかをな。

ヤトウ
ヤトウ

それは休め……と言ってるのか?

ノイルホーン
ノイルホーン

ここの状況から見て、少なくとも村長が言っていた狩猟についてのことはウソじゃないってのが分かった。あの柏生の爺さんを除いて、今じゃ誰も狩人はやっていないが。

ノイルホーン
ノイルホーン

その状況と、俺たちが入っていったあのでかい洞窟は切っても切れない関係にあると思うんだ。もしかしたら柏生の爺さんがカッとなった原因も……

ヤトウ
ヤトウ

リオレウスを見つければすべて分かることだ。そんな無意味なことを考えている暇があるのなら、今すぐにでも出発したほうがいいとは思うがな。

ノイルホーン
ノイルホーン

分かったよ……ふーっ、この箱、埃まみれだな。鎖も錆びちまってる、どれどれぇ。

ノイルホーン
ノイルホーン

おっ、見ろよヤトウ、中身は狩人の昔の装備だ……刀に小刀、組み立てられた罠と、縄も入ってるぞ、しかも結構頑丈そうだ。

ヤトウ
ヤトウ

使えそうなものはできるだけ持って行こう。

ノイルホーン
ノイルホーン

おっ、ここに矛が立て掛けられているな。見たところ柏生の爺さんが背負っていた矛と同じタイプみたいだ。

ヤトウ
ヤトウ

このような矛は私もここでしか見たことがない。おそらくこの地に住まう者たちが狩りを行うために作り出したものなのだろう。

ノイルホーン
ノイルホーン

俺が持ってる矛は半分しか残っちゃいねえな、箱の中にも矛先は見つからなかった。ほら、見てみろよ。

ヤトウ
ヤトウ

これは……

ノイルホーン
ノイルホーン

どうした?

ヤトウ
ヤトウ

驚いた。想像よりもかなり精巧な造りをしているぞ、この矛。

ヤトウ
ヤトウ

柄の中心に穴が開けられていて、埋め込まれているこれは……弓の弦か?どうやらある動物の毛を編んで作られたものみたいだな、とても頑丈だ。

ヤトウ
ヤトウ

なるほど、柄に取り付けられてるこのスイッチはこの弦を制御するものだな。これで矛先が付けられた矢を発射することができる。この弦の長さから察する、なかなかの威力が出るはずだ。

ヤトウ
ヤトウ

先が折れてしまった部分は滑車だな。残された構造から察するに、少なくとも一つの向きに旋回させる機能と矛先をロックする機能があったらしい。これなら多種多様な戦闘状況に対応することができるな。

ヤトウ
ヤトウ

……この武器を設計した人はプロだよ。

ノイルホーン
ノイルホーン

武器のことに関してはやっぱりあんたのほうが上だな。俺は手入れすることくらいしか能がねえよ。

ヤトウ
ヤトウ

返す、戻しておけ。私たちじゃ扱えそうにない。

ノイルホーン
ノイルホーン

えっ――いやちょっと待て、柄になんか書かれてるぞ……

ノイルホーン
ノイルホーン

柏生……柏生明?この矛の持ち主かな?

ノイルホーン
ノイルホーン

あの狩人の爺さんも柏生義岡って名前だったし、どうやらこの名前はあの爺さんとも関係がありそうだ。ほかに何かないか探してみよう。

ヤトウ
ヤトウ

ノイルホーン、もうその辺に……ん?地面にあるこれはなんだ?

ノイルホーン
ノイルホーン

どれどれ?見せてくれ。

ヤトウ
ヤトウ

一枚の写真だな、おそらく君が箱を開ける時に落ちたのだろう。

ノイルホーン
ノイルホーン

ここで撮った狩人たちの集合写真だな。右下の端を見てみろ、今から九年前のものだぜ。

ノイルホーン
ノイルホーン

右にいるのは……これ村長か?村長も当時は狩人だったのか?

ヤトウ
ヤトウ

おそらくはな。

ノイルホーン
ノイルホーン

狩人の衣装を着てると、今と比べてまったく雰囲気が違うな。村長の右手側にも小さい女の子が立ってるぜ。

ノイルホーン
ノイルホーン

あーッ!この人!

ヤトウ
ヤトウ

急に大声を出すんじゃない。

ノイルホーン
ノイルホーン

写真の真ん中にいる人、この人だけ矛を背負ってるぞ。この折れちまったやつか?

ノイルホーン
ノイルホーン

この人が……柏生明なのか?見たところすげー若いな、今から……九年前だろ、中年まではいってないはずだ。

ノイルホーン
ノイルホーン

でも、村でそんな人まったく見かけなかったぞ。なあヤトウ、あんたは見た記憶はあるか?

ヤトウ
ヤトウ

私もない。

ノイルホーン
ノイルホーン

これ狩人の集合写真なのに、柏生の爺さんが映ってないぜ。

ヤトウ
ヤトウ

おそらく単に撮影に参加していなかっただけなのだろう。写真をもとの場所に戻しておきな。

ノイルホーン
ノイルホーン

瀧居の村長も若ぇーな!

ノイルホーン
ノイルホーン

上の世代の狩人は、もうこの時からここにいる狩人たちと反りが合わなくなって同行しなくなったとか?でもこの柏生って人、村長とかなり仲が良さそうに見せるぜ。

ノイルホーン
ノイルホーン

村にも確か狩人の彫像があったよな、結構荒んじまってるけど。あと村長も、あの人も当時は狩人だったのか?おかしいな……この柏生明って人がいたからなのか?

ヤトウ
ヤトウ

ノイルホーンッ!

ノイルホーン
ノイルホーン

えっ……

ヤトウ
ヤトウ

そこまでにするんだ。

ヤトウ
ヤトウ

写真に誰がいるとか、柏生家にはどんな人がいて何匹の駄獣が映っているのかなど、そんな無駄な労力を費やして無意味な個人の経歴を想像したところで、私たちの任務のなんの役に立つというんだ?

ヤトウ
ヤトウ

君は無駄なことを色々と考え過ぎだ、ノイルホーン。

ヤトウ
ヤトウ

そうやっていちいち要らぬことで集中力を切らしているから、いつも任務時間が引き延ばされてしまうんだ。

ヤトウ
ヤトウ

結局のところ、あの爺さんの家庭事情を知ったところで何になる?

ヤトウ
ヤトウ

まさか時間を費やしてまで彼にメンタルケアをしてやらなければならないのか?そのほかにも人がいたらどうするんだ?その一人ひとりに私たちの博愛精神を示してやらなければならないのか?

ヤトウ
ヤトウ

村にいる人たちのこと……あの人たちの様子なら君も見ていただろ、あの子供のことも……

ヤトウ
ヤトウ

ここにいる人たちは何も知らないまま、少しずつ深淵へと足を踏み入れてしまっているんだぞ。私たちにできることはそんな彼らを救助してやれるだけ、ほかには何もできないんだ。

ヤトウ
ヤトウ

いちはやくリオレウスと接触できれば、いちはやく関連している真相に近づくことができ、なおかつ村中で蔓延っている鉱石病の悪化を防ぐこともできる。

ヤトウ
ヤトウ

私たちは努力しなければならないんだ……もっと努力して、全力を尽くさなければ彼らの安全を確保してやれることはできない。それが私たちの責務だろ。

ヤトウ
ヤトウ

ノイルホーン……君はそれをしっかりと認識しておくべきだ。

ノイルホーン
ノイルホーン

分かってるよ、そう激になるなって。

ノイルホーン
ノイルホーン

はぁ、それはそうなんだが、俺はやっぱどうしても柏生の爺さんの様子が気になっちまうんだ。

ノイルホーン
ノイルホーン

爺さんが言っていたこと、やったこと……まるでナニかから逃げ出そうとしていたかのように、手の付けようがないくらい頑固になって、独りですべてを背負いこもうとしていた

ノイルホーン
ノイルホーン

忘れちまったのか?あの時……

ノイルホーン
ノイルホーン

いや、やめておこう。

ノイルホーン
ノイルホーン

俺は爺さんが任務とはなんの関係もないとは思えねえんだ、今はまだその証拠が見つかっていないだけなんだよ。

ヤトウ
ヤトウ

そうか、ノイルホーン。ならロドス行動隊A4の隊長として君に命令する。

ヤトウ
ヤトウ

今回の任務を遂行するにあたって、その証拠とやらが発見されるまで、一切任務以外の事象に関わることを禁止する。

ノイルホーン
ノイルホーン

俺は……ラジャー。

ヤトウ
ヤトウ

ふんっ……

ノイルホーン
ノイルホーン

……なあヤトウ。

ノイルホーン
ノイルホーン

俺は……あんたが心配なんだよ。

ヤトウ
ヤトウ

……

ヤトウ
ヤトウ

……周囲の脅威を排除しに行く、休憩が終わったらすぐに出発するぞ。

学者ネコ
学者ネコ

ノイルホーンのヤツ、自分は焚火を焚き上げるからってボクに魚釣りなんかをさせて!

職人ネコ
職人ネコ

魚じゃなくて鱗獣ニャ。

学者ネコ
学者ネコ

君に何が分かるニャ?彼らの描述とボクの豊富な知識を結合させて推察するに、鱗獣と魚は一緒だニャ。

学者ネコ
学者ネコ

♪ウキを投げて、プカプカと、ウニャニャ♪

職人ネコ
職人ネコ

♪叩いて叩いてガンガンガン、ニャ♪

学者ネコ
学者ネコ

職人くん、ボクが昼頃に言ったことはまだ憶えているかニャ?

学者ネコ
学者ネコ

ボクが記録したテラの生態ノートを見返してみたんだけど、やっと違和感の正体を突き止めたニャ。

学者ネコ
学者ネコ

この森の中には……モンスターがいないニャ!

学者ネコ
学者ネコ

ボクたちの大陸なら、こういった環境には少なくとも超すごいモンスターたちがうじゃうじゃいるニャ。あの学者はなんて言ってたっけニャ……

学者ネコ
学者ネコ

そう、調和、彼らには調和の作用があるニャ。

学者ネコ
学者ネコ

でもボクたちはここに来て、今まで一度もそういった生物と遭遇していないニャ。これはあまりにもおかしいニャ。

学者ネコ
学者ネコ

それにあの駆け回っていた角獣も、彼らが通り過ぎた場所を調べてみたんだけど、樹皮までもがキレイさっぱり食われていたニャ。これが何を意味してるか分かるニャ?

職人ネコ
職人ネコ

ニャニャ?

学者ネコ
学者ネコ

バカな職人くん、つまり最初はそんなことはなかったということニャ。さもなきゃ木々はまったく生えてこないはずニャ。

学者ネコ
学者ネコ

この森の生態系は……昔とあるタイミングで変わってしまったんだニャ。

学者ネコ
学者ネコ

ナニかが……消えてしまったんだニャ。

学者ネコ
学者ネコ

ニャ、でも心配することはないニャ。ボクと君のサポートさえあれば、彼らがいくら弱くたって、しっかり準備すればリオレウスともやり合えるニャ!

学者ネコ
学者ネコ

こら職人くん、ちゃんと話は聞いているニャ?

職人ネコ
職人ネコ

♪叩いて叩いてガンガンガン、ニャ♪

学者ネコ
学者ネコ

はぁ、こんなことなら君に釣りなんか任せるんじゃなかったニャ!

職人ネコ
職人ネコ

♪叩いて叩いてガンガンガン、ニャ♪

学者ネコ
学者ネコ

ああもう!まったくウキがピクリとも動かないニャ、一体いつになったら釣れるんだニャ!

(ノイルホーンが近寄ってくる)

ノイルホーン
ノイルホーン

学者ネコ、釣れてるか?

学者ネコ
学者ネコ

ノイルホーン、ちょうどいいタイミングに来たニャ。こっちに来て座ってほしいニャ。

学者ネコ
学者ネコ

これあげる、持っててニャ。

ノイルホーン
ノイルホーン

釣り竿なんか渡してなんの……

学者ネコ
学者ネコ

ジッとしてるんだニャ。

学者ネコ
学者ネコ

そのままニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

おい……何がしたいんだよ?

学者ネコ
学者ネコ

君が釣ってるところを見ておきたいニャ。

ノイルホーン
ノイルホーン

おい学者ネコ、あんたって――うおッ!

学者ネコ
学者ネコ

ウキが――ウキが沈んだニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

重い――どうすりゃいいんだこれ!?

学者ネコ
学者ネコ

思いっきり、思いっきり引っ張り上げるニャ!

彼女たちは死んだのだ……君のせいで……
もう逃げてはダメだ……ヤトウ……
君のせいであの人たちは……

ヤトウ
ヤトウ

ッハァ、ハァ……どうしてこんな……昔のことを思い出して……?

学者ネコ
学者ネコ

ノイルホーン!

学者ネコ
学者ネコ

肉焼きは四回だけ回せば十分ニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

んなわけねーだろ、俺がちゃんと見てるから。肉だって色味がまだ変わって……ってうわァ!

ノイルホーン
ノイルホーン

急に肉の色味が変わったぞ?

ノイルホーン
ノイルホーン

やべっ、焦げちまった……

学者ネコ
学者ネコ

ボクの言うことを聞かないからそうなるニャ!それは自分で食べるニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

また俺のせいにしやがって!あんたが俺にいちいち話しかけてきたからこんな風に……

学者ネコ
学者ネコ

ウニャニャニャー!

ノイルホーン
ノイルホーン

おい、何するんだ!?俺の角を引っ掻くんじゃねえ!

ノイルホーン
ノイルホーン

ぜぇ……ぜぇ……

学者ネコ
学者ネコ

ニャ……

ノイルホーン
ノイルホーン

こんなことをしてる気力があるのなら、それをリオレウス討伐に使ってもらったほうがありがたいってモンだぜ。遭遇したらすぐに一人だけとんずらこくんじゃねえぞ。

学者ネコ
学者ネコ

前にも君たちに言ったニャ、リオレウスをやっつける方法ならあるって。彼の弱点は全部ボクのノートに書き記しているニャ。

学者ネコ
学者ネコ

君たちの武器が弱すぎるからダメなんだニャ。けどボクに先見の明があってよかったニャ、もっと強いヤツを職人くんに作るよう頼んでおいたニャ。

ノイルホーン
ノイルホーン

リオレウスか……あいつの肉ってどんな味がするんだろ……

学者ネコ
学者ネコ

フンッ、教えてやるニャ、リオレウスのキモこそが一番おいしい部位ニャ!

ヤトウ
ヤトウ

はぁ……

(何者かの足音)

ヤトウ
ヤトウ

――!誰だ!

(ヤトウが足音を追いかける)

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウ!どこに行くんだ!

ヤトウ
ヤトウ

先ほど一瞬だけ過った影はこっちに向かっていった。

ヤトウ
ヤトウ

誰なんだ!はやく姿を見せろ!

ヤトウ
ヤトウ

そこにいるのは分かっている!

ヤトウ
ヤトウ

(どこに消えたんだ?)

???
???

ウニャ……

ヤトウ
ヤトウ

(向こうのほうか!)

ヤトウ
ヤトウ

チャンスをやる、はやく自分から姿を見せるんだ。

ヤトウ
ヤトウ

(ゆっくり近づいていく)

ヤトウ
ヤトウ

君は……

ヤトウ
ヤトウ

出てこいッ!

職人ネコ
職人ネコ

ニャ!ヤトウ!

ヤトウ
ヤトウ

職人ネコ?君だったのか?

職人ネコ
職人ネコ

ニャ?

ヤトウ
ヤトウ

いや、そんなはずがない。さっきあの影は……

ヤトウ
ヤトウ

いなくなった?

(ノイルホーンが駆け寄ってくる)

ノイルホーン
ノイルホーン

ヤトウー!

ノイルホーン
ノイルホーン

あんた、消えるのはやすぎだって。死ぬほど追いかけたぞ。

ノイルホーン
ノイルホーン

なにか見つかったのか?

ヤトウ
ヤトウ

ああ、だが逃してしまった。

ノイルホーン
ノイルホーン

ていうか職人ネコ、あんたこんなとこで何やってるんだ?

職人ネコ
職人ネコ

ニャ、素材を加工していたニャ。

ノイルホーン
ノイルホーン

これは……武器と防具?俺たちがリオレウスと戦う用にか?

職人ネコ
職人ネコ

勝手に触っちゃダメニャ!

職人ネコ
職人ネコ

ニャ、石がないニャ。だったらこれで代用するニャ!

ノイルホーン
ノイルホーン

そんな勝手に素材を代用していいのかよ?

職人ネコ
職人ネコ

甲殻を……がっしりとはめ込んでニャ。

職人ネコ
職人ネコ

完成ニャ!二人の装備ニャ!

ヤトウ
ヤトウ

それは着替えろという意味か?

職人ネコ
職人ネコ

着替えるニャ!これならもっとリオレウスの相手がしやすくなるニャ!

ヤトウ
ヤトウ

分かった。

ノイルホーン
ノイルホーン

俺もすぐに着替えるよ、なんだか待ちきれねえぜ!

ヤトウ
ヤトウ

……君はあっちで着替えてくれ、ノイルホーン。

ヤトウ
ヤトウ

これは……どうやって着るんだ?

ヤトウ
ヤトウ

腕をここに通すのか?

ヤトウ
ヤトウ

ん?これは一体どういう……

ヤトウ
ヤトウ

こんな装い……一度も着たことがないぞ。

ヤトウ
ヤトウ

本当にこんなものでいいのか?確証が得られないんだが……

ノイルホーン
ノイルホーン

重い……すごく兜が窮屈だ、こうやって被るのか?

ノイルホーン
ノイルホーン

いってッ!すげーチクチクする、なんでこんなとこにもトゲがあるんだ?俺の角よりもでけーぞ。

ノイルホーン
ノイルホーン

これ……本当に人が着る装備なのか?

ノイルホーン
ノイルホーン

(だが材質は非常に軽いうえに、驚くほどの強靭度も兼ね備えている。)

ノイルホーン
ノイルホーン

(職人ネコが言うには、この防具は彼が持ってきたリオレウスの素材で作ったものらしい。さすがはヤトウですら斬れなかった素材だな……)

ノイルホーン
ノイルホーン

(それよりも……この箇所の材質、触った感じなんか馴染があるな。)

ノイルホーン
ノイルホーン

(どこで触れたことがあったんだっけ?思い出せねえ、一体どこだったんだ?)

ノイルホーン
ノイルホーン

おーいヤトウ!こっちは着替え終わったぞ、どこにいるんだー?

ノイルホーン
ノイルホーン

そっちに向かうからな!おっとっと……

コケて頭をぶつけちまった、いっつッ~……これじゃなんも見えねえ。

ノイルホーン
ノイルホーン

こうやって装着するのか?おっ、どうやら合ってるみたいだ。

ノイルホーン
ノイルホーン

(ヤトウのいる方に振り向く)

ノイルホーン
ノイルホーン

わぁ……

「軽やかで、素早く、加えて強靭。」
あれからこの奇妙な新装備を語ることがあった時、私はいつもこのように感心していた。
「そこじゃねえ!」
それにも関わらず、ほかのオペレーターたちはいつもこのように返事をする。
彼らが一体何を伝えたいのか、私は未だに理解できないでいた。

ヤトウ
ヤトウ

この装備……少し肌の露出が多すぎないか?本当にこんなもので防御効果が生まれるのだろうか?

ヤトウ
ヤトウ

だが……不思議と皮膚にビリビリとしたような感覚がする。光に照らされる不快感もなくなっているな。

職人ネコ
職人ネコ

キリン派生武具、効果テキメンニャ!

ヤトウ
ヤトウ

キリン派生武具?それはこの装備の名前か?

職人ネコ
職人ネコ

そうニャ。

ヤトウ
ヤトウ

……帰ったら一度レイズに聞いてみるか。

職人ネコ
職人ネコ

テラの素材!悪くないニャ!よく替えが効くニャ!

職人ネコ
職人ネコ

……(ボソッ)オリジムシに感謝ニャ。

ヤトウ
ヤトウ

新しい武器で戦闘経験を積まなければならないな……って、ノイルホーン?

ヤトウ
ヤトウ

なんでそんなところで倒れてるんだ?

ノイルホーン
ノイルホーン

ゲホッ……いや、まだこの新装備に慣れてなくて、コケちまった。

ノイルホーン
ノイルホーン

あっ、それよりあんたマスクは……

ヤトウ
ヤトウ

外したよ、どうやらマスクはもう必要ないらしい。身軽になったほうが動きやすいしな。

ヤトウ
ヤトウ

それより君……なにをジロジロ見ているんだ?

ノイルホーン
ノイルホーン

な、なんでもない!

ヤトウ
ヤトウ

……それならはやく起きてくれ。危機的状況はいつだって発生する可能性がある、さっさとこの装備に慣れておかなくては。

ノイルホーン
ノイルホーン

お、おう!そうだな!

(学者ネコが駆け寄ってくる)

学者ネコ
学者ネコ

ヤトウ!ノイルホーン!

学者ネコ
学者ネコ

あのおかしな爺さんが……来たニャ!

学者ネコ
学者ネコ

君たちの装備を取ってしまったニャ!

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