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【アークナイツ:エンドフィールド】βテスト先行プレイレポート – 海猫络合物&hyfインタビュー

参照元:https://www.gcores.com/articles/192321

(以下、個人的に気になった部分を抜粋した内容となります)

12月14日、1年以上の時を経て『アークナイツ:エンドフィールド』が「再テスト版」、つまるところ、「βテスト」を1月中旬に行う事が明らかになった。
その翌日にβテストの15分間のプレイ映像が公開、本作は前回のテスト版と比べてかなり多くの変更が加えられている。

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まずは自分たちが好きになる必要がある。そして、プレイヤー達も好きになる事を望んでいる。

現行バージョンの『エンドフィールド』と前回テスト時の『エンドフィールド』は間違いなく異なるゲームであると言っていい。大量のステージに演出、新たな遊びとマップ、情景、工業システムの最適化…この1年で『エンドフィールド』は一新された。

  • 全てのプレイアブルキャラクターと敵の動きが大幅に最適化され、戦闘中のキャラクターの操作感も良くなり、戦闘シーンの最適化も行われた
  • スキルシステムは完全に一新、スキルを使用するターゲットを手動で選択する必要が無くなった変わりに、編成全体でスキルリソースを共有するようになった。このリソースは時間と戦闘時の行動によって増加し、戦闘中に戦略を考え、このタイミングでは誰のスキルを使用するのかを適切に判断する必要がある。
  • 新たな戦闘システムである連携技が追加された。連携技の発動条件を達成すると、プレイヤーは操作キャラクターを通じて対応した連携技を繰り出す事が出来る。例えば強撃や状態異常、複数の敵の撃破など、連携技の条件はそれぞれのキャラクターで異なる。
  • キャラクターのダッシュが可能となり、敵の攻撃を躱す事が出来るようになった。
  • ヘイトライン(所謂範囲攻撃の予兆)といったMMORPGを意識したデザインは削除又は調整、ダッシュや回避によって敵の攻撃を積極的に引き付ける事が可能となった。
  • その他にも色々…

『エンドフィールド』の核となる戦闘デザインのコンセプトは「戦略重視のリアルタイム戦闘」にある。編成で組む時にプレイヤーはスキルエネルギーを割り当てながら、スキルの発動順序やキャラの戦闘スキルを考慮するなどの意思決定を行うことで各戦闘での益を最大化する事が出来る。

多くのキャラクターが同画面で動く小隊戦闘は設計において重要な点である一方で、技術的な難点でもある。
キャラクターが自主的過ぎると戦闘時の戦略性は低下し、爽快感は不足する。
一方でキャラクターが鈍感過ぎると、複数人を動かす楽しさは低下し、キャラクター同士の相互性は不足、体験に影響を与える事になる。

たとえばチームメイトはあなたが移動しそうなルートを認識し、積極的にあなたに道を譲ることが出来るだろうか?
どうすればチームメイトは同じ画面上で探索や戦闘に調和のとれた形で参加出来るだろうか?
画面の中の人々が私の視界に影響を与えすぎず、かと言って存在を感じなさ過ぎるのはどうなのだろう?

この難点は人物の設定に背かず、プレイヤーや状況と「システムを超えて」個性的に相互作用し、実在するように、あなたにとって役立つチームメイトとなるにはどうすれば良いのかという事。

二つのテストバージョンを通じてチームメイトの挙動には多くの改善されたアイデアがある事を理解してもらいたいし、この部分に関しては今後も継続的に改善される事を信じている。

『エンドフィールド』のもう一つの核となる遊び方は集成工業システムによる工業建設にある。ゲーム内の複数のシステムと特設的に接続されている遊び方であり、この部分は現在のバージョンでも改善が行われ、充実したものとなっている。

基本的な建設作業は調整され、最適化が行われた。現在のバージョンでは俯瞰視点でのクイック建設がより完成されたものとなり、直感的な視点と操作で自身の基地を計画し、作成する事が出来る。

同時に新たに戦闘施設が追加、それに合わせた拠点防衛のゲームプレイも設計され、「タワー」が大きな役割を果たす事になる。つまり、基地建設は開発とそれに対する報酬だけでなく、戦闘体験の一部にもなった。まるでタワーディフェンスが戻ってきたようだ。

さらにプレイヤーは集成工業システムを用いる事でモンスターが出現する場所に戦闘施設を自由に配置する事も出来る。但し、施設の設置には電力を消費するため、設置数には限りがあり、マップ全体を砲台で埋め尽くすといった事は出来ない。

ただ、「集成工業システム」について”二次元のマルチプラットフォームゲームには重すぎるのではないか”という疑問がある。これについては今回のインタビューを機に二人から詳細な回答を得ることが出来た。

最近、二次元のモバイルゲームゲーマーはゲームプレイに対する関心や議論が低下しているのではないかという話もあるようだが、これは長期間にわたる市場形成の結果であり、プレイヤーが新たなゲーム体験を望んでいない、或いは好きではないという意味では無いと思う。
ゲームを更新し続け、より新鮮で面白いゲームプレイを探求する事は私達本来の意図であり、『アークナイツ』ではそれを遵守してきた。
『エンドフィールド』では「集成工業システム」の拡張性は非常に高く、将来的なゲーム体験に継続的で革新的となる基盤を築き上げたものと言える。

「重すぎるのではないか?」という声もあるが、同様のゲームジャンルの潜在的なプレイヤーは多いと思っている。
「Factorio」や「Dyson sphere program」、「Minecraft」の工業MODのような素晴らしい前例が存在し、市場でもそれが証明されている。

重要なのは十分な工夫が見られるかどうか、学習曲線が合理的なものか、プレイヤーの体験を上手くスムーズに出来るかにある。最終的にはこのシステムも最適化を行って敷居を下げていく事になり、私達が面白いと思っているものをより簡単に手にしてほしい。

結局の所、まずは自分たちが好きになる必要がある。そして、プレイヤー達も好きになる事を望んでいる。

「アークナイツのIPの説得力をあらゆる側面から提供し、継続させる」

アークナイツという2D作品でプレイヤーがキャラクターやストーリーを絶えず考証したいと考えるのには提供されるあらゆる面に一貫性があり、それが没入感と説得力を生み出しているからだ。2Dから3Dに移行する時、このレベルの整合性を維持し、説得力ある世界を作り出すのであれば、レンダリング、モデリング、設定、シーンアート、キャラの動作パターンなどあらゆる面から努力しなければならない。

アートデザインの面は間違いなく『エンドフィールド』もHypergryphが常に維持してきたスタイルとレベルを受け継いでいる。Hypergryphの3Dアートレンダリングの経験は豊富では無いが、昨年の技術テストの段階で、既にプレイヤーの予想を上回る回答を提出し、多くのプレイヤーがキャラクターの繊細さや3D表現、スタイルを絶賛している。一方で、当然ながらまだアップグレードの余地があると考えているプレイヤーも存在する。

既に発表された「βテスト」の実機展示を見るに現在の3Dアート表現は肉眼で見ても向上している。では開発チームはどのような努力をしたのか。

ステレオな「二次元ゲーム」は絵の持つ質感と写実的な質感に差が無く表現するというのは必然的で重要な過大である。二次元題材の3Dゲームの画面表現に関する大部分の検討ではPBR(物理的ベースレンダリング)とNPR(非写実的レンダリング)の実現方法と使用割合に関する検討が重要だからだ。

創始者達は一つの例を挙げてくれた。
ゲームの中で一つの写実的なコンクリートの壁、その上の粒子感、色の斑点、色の制御は本物のコンクリートとは完全に同じではなく、すべて二次加工と情報に基づいて処理され、確認されている。
プレイヤーが違和感なくゲームの世界に入り込むには物理的なレベルで説得力があり、かつプレイヤーの想像力を刺激する余地を残すことを期待して、このような細かい作業がアート面から数多く行っている。

エンドフィールドのアート性はリアリズムとファンタジーが融合して現れる表現の可能性をさらに追求することにある。3D技術を継続的に磨くことで、この目標を達成しやすくなる。

アークナイツの芸術性は誰もが認める所なので、良い部分は確実に継続する事で、このIPの説得力はあらゆる面で維持していく事になる。エンドフィールドのアートデザインはテクスチャに重点を置いた「2Dの写実的なスタイル」を強調しており、これはアークナイツの独特なトーンを受け継いでいる。

しかし、リアリズムを追求するには代償が伴う。特に3D化する場合はなおさらで、考慮すべき要素はさらに多くなる。2Dのイラストで表現されたキャラクター性を3Dでどう表現し続けるか。我々は「アークナイツ」らしさを保ちつつ、3Dで実装しやすいように、この点に多くの労力を費やした。

「エンドフィールド」のキャラクター作りでは異なる派閥や社会的な地位の違いをさらに表現し、服装や武器にもより現実的な職業属性を持たせる。

例えばペリカの武器は技術テスト時の通常の長い杖から、現在の羽根のついた短い杖に変更されている。
これは術師という職業の武器自体の調整という理由もあるが、一方で彼女はプレイヤーのアシスタントであるため、それを考慮して外見的にもそれを引き立たせたという理由がある。
現在のデザインの短い杖は書類を修正するためのサインペンとして使えるだけでなく、仮想画面から引き抜いてタブレットに変えることさえできる。このような細かい部分は他にもたくさんある。

 

衣装デザインに関してはPVから実際のゲーム画面に至るまでリアルな衣服の仕立てに特に重点が置かれていることがわかる。 衣服の客観性を確保しながら、従来の衣服のディテールをSF的なテクスチャ要素で置き換えることで、非常にユニークな視覚効果を生み出している。

例えば、ペリカが着用している豪華なドレススタイルの衣装には多数のワンタッチバックルやハイテク素材のテクスチャ、その他のモダンでSF的なディテールが施されている。また、チェン・センユーは中国の伝統文化の要素を取り入れた衣装を身に纏いながら、金属やプラスチックのディテールが多く施されている。

キャラクターの3Dモデリング以外にも、衝撃の強いシーンアートがある。特に現在のバージョンで新たに追加された二つの景色、エンドフィールド工業の基地である帝江号とタロIIにある新たなマップの宏山は私たちにこの上なく深い印象を残した。

帝江号は近軌道宇宙ステーションであり、エンドフィールド工業の基地として、戦闘訓練、材料の作成などの遊びを搭載している。また、プレイヤーはここでオペレーター達とやり取りをしたり、一般従業員の会話に耳を傾けたり、自由に行動する事も出来る。

宏山は中国風の風景ではあるが、ステレオな中国風の風景では無く、強調されているのは「中国風景風SF工業風景」だ。アークナイツ5年間使用してきた「SF+魔法+武侠」というコンセプトデザインが組み合わさり、独特且つ魅力的な雰囲気を醸し出している。

宏山に進入した時の最初の印象は「懷黍離」の大荒がついに3Dで実現したというものだった。

私達は説得力ある形式を作り出したいと考えている。

アートの方向性はより現実的、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「ボーダーライン」ような、静けさの裏に危険を孕んでいるような雰囲気だ。背景の視覚的な雰囲気は例えば「グリーン・ディスティニー」や「LOVERS」のような素晴らしい中国武侠映画の雰囲気を参考にしている。

このシーンのデザイン言語は自然環境と人工物との違いを際立たせたもの。
自然環境は光、道路の規模、植生の高さなど、可能な限り現実の地理に近づけた。
一方で基地や敵が集まる人工物は実用性を重視したミニマルなデザインと象徴的な表現で構築し、未来館を演出した。
この現実的な基盤の上に「アークナイツ」はファンタジー要素を乗せている。

宏山の中国風の景色は古代のセットを完全にコピーしたものでは無く、古典的な中国建築の特徴を抽出したもの。しかし、建物自体は現代風に作られる。古代の建物とその建築論理が現代にて発展した後、どのようなものになるかを想像した。エンドフィールドの世界観には原始的過ぎるものでは無く、現代的な表現も必要だからだ。

漢字は中国文化のエッセンスだと思っている。ビジュアルがどんどん変わろうが、表現の核はいつだろうが変わりはしない。中国人ならば一目で分かるはず。漢字をビジュアルの強いシンボルとして使うのも、私達からすれば現代的なアイデアだ。これもアークナイツ制作当時から既に使われていたもので、私達の考え方の継承と発展だ。

細部に「真実」を感じさせる。

前回の技術テストから今回のバージョンまでの体験を見るに『エンドフィールド』の技術面での進展も予想を大幅に上回っており、Hypergryph初の大規模3Dプロジェクトとして視聴体験はすでに潤沢且つ安定したものであると言えることが分かった。
これも私たちの好奇心から来るものではあるが、一体どんなゲームエンジンを使ったのだろう。そしてどうやって難題を克服したのだろうか。

hyf:Unityに大幅な変更を加えたものだ。ゲームに多くのコンテンツを搭載できるようにするため、レンダリングの基盤となるフレームワークと上部のレンダリングパイプラインをすべて自社開発した。

つまり、Unityのアーキテクチャ、エディタ、ツールのみを残し、内部のコアコンポーネントとコンテンツを完全に作り直した。特にグラフィックレンダリングは完全に刷新している。ゲームコンポーネントの処理をより効率的に行うため、エンジンの底辺部分にEntity Component System(ECS)を採用した。さらに、ゲームのパフォーマンス要件を満たすために、グラフィックAPIを完全に作り直し、これにより、パフォーマンス要件を完全に満たした。

もう一つの重要な最適化はシームレスマップである。昨年の技術テストでは四号渓谷の異なるマップの切り替えにはロードが必要だったが、第二回テストの開発プロセスにおいてシームレスロードに変更した。これには基礎となる技術フレームワーク、ツールチェーン、およびシーンパイプライン全体の開発プロセスの再構築が必要だった。 私たちは独自開発した広大な地形処理ソリューション、仮想テクスチャマッピング技術、シームレスローディング技術により、ローディング効率とシーンのスムーズさを効果的に改善した。これにより、「は四号渓谷」全体がシームレスな「超大型箱庭」マップとなり、ローディングによる中断なしに、プレイヤーがより自由に探索できるようになっている。

また、マルチプラットフォームの照明と影の技術も開発した。一部のゲームでは遠方の影の動作が無くなる事もあるが、エンドフィールドでは前景や背景を含め、シーン全体が完全に動的だ。例えば工場建設部分では、一連の独自開発の技術ソリューションも開発し、ECSデータレンダリング技術を使用して多くの最適化と改善を行った。工場の照明と影も完全に動的にある。

またサウンドエフェクトでは特にFoley(擬音)チームを結成した。革の摩擦、金属の衝突、さらには布が風に吹かれる音など、ゲーム中に正確に再現されたものを実物で収録している。これらのサウンドは単純に重ね合わせたものでは無く、キャラクターの動作、感情、環境とダイナミックに合わさり、細部に説得力を感じさせると考えている。

 

 

 

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