あらすじ/世界観
アークナイツの舞台は莫大なエネルギーを持つ鉱石「源石(オリジ二ウム)」によって急速に発展を遂げた世界。
オリジ二ウムは工業利用することで莫大なエネルギーを手に入れることができ、そのエネルギーを利用することで「先民」と呼ばれる生物たちはこれまでの遊牧生活を捨て、移動都市を建設、天災から逃れながらも豊かな生活を送っていた。
しかし、オリジ二ウムには接触や利用をすることで「鉱石病(オリパシー)」と呼ばれる不治の病と天災の頻度を増加させる代償が存在していた。オリパシーに感染した者は「感染者」と呼ばれ蔑まされ、身柄の拘束や劣悪な環境での強制労働、都市からの追放、処刑という冷酷な処遇を受けることになる。
そんな人としての権利すらも奪われ、差別を受けていた感染者達は「レユニオン・ムーブメント」と呼ばれる反抗組織を結成。感染者を蔑んできた世界に対して復讐するかのように破壊と混乱をもたらした。プレイヤーは表向きは一製薬会社に過ぎない企業組織「ロドスアイランド」の指揮官として、ロドスアイランドの表向きの代表者であるアーミヤや様々なオペレーターと共に様々な勢力の思惑が渦巻く世界に身を投じる事となる。
勢力/企業
ロドスアイランド
略称は「ロドス」。表向きは単なる製薬会社となっているものの、実態は感染者の雇用や救護、居住地の提供、戦地への介入といった感染者に関する様々な事案を解決する感染者に対しての専門家とも言える立場となっている。
雇用されている人たちは感染者が大半なものの、中には感染者に対して支援を行いたい者や他企業から派遣された者といった非感染者達も在籍している。種族や出身、思想も様々。
現在の代表者は「アーミヤ」となっているものの、交渉事や作戦指揮に関しては「ケルシー」、作戦指揮代行はプレイヤーである「ドクター」が受け持っていることが多いため、この2人がロドスアイランドを大きく動かしていると言える。
レユニオン・ムーブメント
他者や国家に蔑まれてきた「感染者」達が結成した組織。組織の出身はウルサス帝国の者が大半なものの、特定の種族や出身には囚われていない。
結成当初は特に大きな騒動を起こすこともなく、名前だけが知られている目的のない感染者組織だった。しかし新たな指導者である「タルラ」の登場により蜂起を開始し、ウルサス帝国の領地の一つである移動都市「チェルノボーグ」を破壊し占拠、世界に対し暴力で変革を起こそうとする。
アークナイツの物語はロドスアイランドとレユニオン・ムーブメントによる争いが中心となっている。
ペンギン・ロジスティクス
龍門に拠点を置く運送会社。運送するものは小さな荷物から得体の知れない荷物、更には要人警護という名の要人輸送と輸送であれば種類を問わない。大衆が一般的に想像をしている物流会社とはかなり異なった姿を持つ物流会社と言える。
正規の企業ではあるものの、アングラな部分も多く見られるため、マフィア等の地下勢力ともいざこざが多い。龍門のトップであるウェイ・イェンウーはペンギン急便の起こしているトラブルは把握してはいるものの、ペンギン急便の実力等からこういったいざこざには対してはほぼ黙認を貫いている。
最高経営責任者はミュージシャンとしても活躍をしている皇帝。皇帝自身が一癖も二癖もある人物のため、皇帝はアークナイツ世界では非常に人気である一方で敵も多いことから、ペンギン急便の面々はこの皇帝のボディーガード役となることも多い。
ブラックスチール・ワールドワイド
世界最大の民間警備コンサルタント会社。暴動の鎮圧や天災後の物流の確保や支援、救援といった様々な範囲を幅広くカバーしている。最近になって感染者による紛争が多発していることから、それらに対応をする特殊チーム「生体防護処置班員(BRPS)」も設立された。
一方で感染者の専門家とも言えるほどに感染者に特化している「ロドスアイランド」には対感染者という面では実力は及ばないため、ロドスアイランドとは協力関係を取っている。
ライン生命ラボラトリー
クルビアに拠点を置く科学的発展に重点を置いた企業。医科学系を中心とした研究を行ってはいるものの、活動範囲はほぼテラ全体にまで及んでおり、医科学以外にも様々な研究を行っている様子。
様々な研究や開発面ではテラの世界でもトップの実力を持った企業ではあるものの、感染者に対しての治療という面ではロドスアイランドほどの治療技術を持っているとは言えず、ライン生命自体もそれらに対しては認めているため、ロドスアイランドとは感染者の治療という点では協力関係にある。
一方でオリパシー患者の様態を悪化させてしまっていることや、ライン生命の研究員の一部がライン生命では非人道的実験が行われているとして、離反しているなど黒い噂が耐えない企業でもある。
アビサル
詳細不明。テラの世界では珍しいとされている海と関わりのある勢力の様子。
現状判明していることはアビサルに所属している勢力の種族は全て未公開、オリジ二ウムに対して異常とも言えるほどに耐性がなく、更に知識も所持していない。そして全力でなくとも常軌を逸しているとも言えるような戦闘力を持っているということのみ。
国家
龍門
高層ビルが立ち並ぶ現代中国をモチーフにしたきらびやかな国家。厳密な階級制度と厳しい選抜試験によって成り立っている国家で、権力は全て政府に集中している。
龍門の対応は情けを掛けるのこと無い非情なものとなっている一方で非常に効率的。武力として龍門近衛局を要しており、戦力としては非常に高いものの、増加する一途の感染者に対してはやや手を焼いている。感染者に対しての処置は非常に冷酷で龍門近衛局に捕まった場合は収監や流刑、更には処刑されてしまうこともあり、感染者であることが発覚した場合は即座に龍門近衛局の執行対象となり、連行される。
貧富の差が激しく中心地はきらびやかな高層ビルが立ち並ぶ一方で貧民街も存在している。そこには多数の貧困層や、難民、感染者が住み着いていおり、そういった場所では龍門近衛局による自治も及んでいないため治安は悪い。
現在、レユニオン・ムーブメントの次の襲撃目標となっているため、ロドスアイランドとは条件を挟んでの協力関係にある。
ウルサス帝国
旧ソ連をモチーフとした帝国制の国家。国家の形態としては社会主義国家に近いものにはなってはいるものの、特に学生たちの間でクルビアやヴィクトリアといった他国家の流行などにも敏感で、現在の体制に反発している国民も少なくはなく、言論統制をしようとする風潮は見られるものの、完全とは言い切れない。
感染者に対しては非常に抑圧的で、政府は一貫して感染者は排除されるべき存在というプロパガンダを流している。感染者ということが判明次第、強制連行され、劣悪な環境での強制労働を強いられて死を待つのみとなる。そういった感染者に対しての態度から、レユニオン・ムーブメントにはウルサス出身の感染者が非常に多い。
また、非常に好戦的かつ暴力的な国家であることも知られており、他勢力や国家との戦争や紛争は絶えない様子。そのため感染者でなくともウルサス帝国に対して恨みを持つ人達は少なくはない。
イェラグ
カランド山を中心とした宗教都市国家。オリジ二ウムを起因とした天災の被害などを受けることも少ないため、アークナイツの世界では珍しく移動都市の形態を用いていない国家でもある。
非常に保守的な国家でありカランド貿易と呼ばれる国営貿易企業を介して以外での外界との交流はほとんど無い。
イェラグの統治は三大貴族が行っているものの、カランド山を聖山とする巫女と呼ばれる女性を中心とした宗教がイェラグの内政にまで深く潜り込んでいるため、イェラグ内部は独自的な文化を保持している。
そのため、カランド貿易が外界からの輸入を積極的に行うまでは外界よりも技術力の質は高いとはあまり言えないものだったようだ。
現在は三大貴族の内2つの貴族が保守を、シルバーアッシュを当主とするシルバーアッシュ家が改革を叫び、更にカランドの巫女はシルバーアッシュの妹であるプラマニクスが務めているという非常に複雑な状況となっているため、内政を維持することは出来ているものの、あまり芳しくは無い。
カランド貿易は現在、ロドスアイランドと協定関係にある。シルバーアッシュ曰くカランド貿易側からすれば不利な協定だが結ぶ価値はあるとのことだが…。
シエスタ
アークナイツの世界では珍しい移動都市では無い都市。国家のような複数の移動都市が同盟を組んだものではなく、シエスタはシエスタ単体で独立している都市のため、非常に珍しい形態を取った都市といえる。
元々は寂れた漁村だったものの、現在の市長になってからは観光都市として発展をし、夏にはオブシディアンフェスティバルと呼ばれるトップクラスのミュージシャン達が参加する都市全てが舞台となる大きなミュージックフェスが行われているほどに熱気のある都市となっている。
一方で近場には火山が存在しており、その火山が噴火した際には壊滅的な被害を受けることも危惧されている非常に危うい都市でもある。
ラテラーノ
サンクタ族と呼ばれる天使のような光の輪と羽を付けた種族が中心の国家。非常に信心深い国家として知られており、詳細は不明なものの、ラテラーノ公民にはラテラーノ十三公民権益と呼ばれる権利が適用され、それらを執行する期間である公証所の存在が確認されている。
サンクタ族はアークナイツの世界では非常に特殊な武器となっている銃器を扱うことでき、拳銃はともかく、サブマシンガンやアサルトライフル以上のレベルの複雑な銃器となると基本的にはサンクタ族しか扱うことは出来ない。
また、サンクタ族の存在すら知らない他の種族も存在しているようで現状では謎が多い国家でもある。
ヴィクトリア
詳細不明。王室が存在しており、学問を学びに留学をしている人が多いこと、多くのオペレーターの使用している武器や装備がヴィクトリア産であることから最先端の知識や技術が集結していると思われる国家。
感染者に対しての対応は他の国家と同じく厳しいもので基本的には隔離地区に連行される。
レム・ビリトン
レムビリトンは国家ないしは国家主体の国営採掘企業とされているが、どちらにせよ国家規模の勢力と思われる。種族としてはカーターズが中心となってはいるものの、一部別種族も存在はしている様子。
アーミヤの出身地でもあり、アーミヤによれば「とても寒くて、街の空気からも錆臭い臭いが漂う場所」だったとのこと。他オペレーターからの説明からも労働者に対して重労働を強いており、体を壊してしまう労働者も少なくはない様子。
また、オリパシー感染を伴う何らかの実験を行っている可能性も示唆されており、黒い噂も耐えない。
カジミエーシュ
騎士を中心とした規律で内政が回っている国家。
騎士は非常に大きな権益を所持しており、重要視されている一方で現在では騎士道精神といったものは腐敗し、単なる利益のための手段にしかなっていない様子。
無冑盟と呼ばれる騎士暗殺に特化した組織も存在していることから、騎士という制度で内政が回っていながらも騎士という制度があるために、既得権益の奪い合いによって泥沼化してしまっている部分もある。
また、中心都市でのカジミエーシュ政府の影響力は高いものとなっている一方で、辺境地での影響力は少ない。そのため基本的には辺境では穏やかな生活を送れるものの、一度何かがあれば政府の力を借りずに自力で解決しなければならない。
用語
テラ
現実であれば「地球」にあたるアークナイツの世界の名称。
源石(オリジ二ウム)
原因不明の天災の後に天災に見舞われた大地に突如として出現した鉱石。見た目は黒い半透明の結晶で、鉱石の中には莫大なエネルギーが秘められている。
先民と呼ばれるアークナイツの世界に住む住民たちはオリジ二ウムを工業利用する方法となる「オリジ二ウムエンジン」を開発することで文明レベルを一気に昇華されることに成功し、豊かな生活を送ることが可能となった。
また「アーツ」と呼ばれる物質の形を変える魔法のような技術にもオリジ二ウムは使用されており、一般的にはオリジ二ウムを利用して作成した道具がなければ術師はアーツを使用することは出来ない。
一方でオリジ二ウムには使用することによる代償も存在し、オリジ二ウムは天災の主な発生原因とされ、更にはオリパシーと呼ばれる感染症を引き起こす要因となっている。
オリジ二ウムアーツ
オリジ二ウムを用いた魔法のような技術。向き不向きがあり誰でも使えるという訳では無く、どのようなオリジ二ウムアーツが発現するかも個人差がある。中には本人ですら何故そのような挙動をするのか説明しようが無いオリジ二ウムアーツも存在しており、謎が多い。
一般的には感染者で感染度合いが高ければ高いほど、威力の高いオリジ二ウムアーツを使用することが出来る一方で、オリジ二ウムアーツを使用すればするほど感染の度合いが悪化する。
感染者でなくてもオリジ二ウムアーツを使用することは出来るが、オリジ二ウムアーツを使用し続けることで感染者となってしまう可能性があるのかは不明。
鉱石病(オリパシー)
「鉱石病(オリパシー)」はオリジ二ウムに長い間侵されることで発症する病。患者の体質によって発症するまでの期間は異なるものの必ず発症する。
症状は身体の表面や体内のあらゆる場所に結晶が生成されてしまうというもので、ステージはI~IIIまで分かれている。末期となると体液が結晶化してしまい、それが致命傷となり死亡する。現段階では症状の進行を遅らせる薬はあるものの完治させることは出来ない。
感染者
オリパシーに感染した者達の総称。見分けとしては身体に鉱石が発生しているかが主な判別内容となる。
感染者達は生存している間は他者にオリパシーを感染させることは無いものの、死亡した場合はオリパシーを拡散させてしまうため、各国において忌み嫌われる存在となってしまっている。各国による感染者への対応は様々で身柄拘束や都市からの追放、処遇が厳しい国では処刑されることもある。
そのため、感染者達には居場所が存在せず、路頭に迷った結果「レユニオン・ムーブメント」を結成させてしまうこととなる。
プレイヤーが所属する企業「ロドスアイランド」はこの感染者達の救済とも呼べるような活動を行っており、表向きは単なる製薬会社となっているものの、実態は感染者の救護、居住地、仕事の提供、紛争の解決等を行っている。
天災
世界中で頻繁に発生している自然災害の総称。災害の内容は暴風雨、吹雪、大雨、洪水などだけではなく隕石の落下等も含まれている。オリジ二ウムを利用し始めてから天災の頻度は年々増加している。
自然災害の発生頻度などの規則性は無く、発生する場所や大まかな時期については予測出来るものの、完璧な予測は出来ていないため、天災の発生が予測よりも早まることも多くある。
天災が発生した場所に一般人がいた場合はオリパシーを発症してしまう可能性があり、感染者であろうとも無傷でやり過ごすことは非常に難しい。
天災の後、天災に見舞われた場所にはしばしばオリジ二ウムが形成されており、研究ではオリジ二ウムこそが天災の主な原因なのではないかと指摘されている。
移動都市
頻繁に発生し、大規模な被害をもたらす天災から逃れるために開発された都市システム。
オリジ二ウムエンジンが開発されて以降、現在では多くの国家がこの移動都市を用いている。都市はそれぞれのエリアにて切り離すことが可能となっており、万が一の場合にはエリアの一部を隔離してしまうことも可能。
トランスポーター
アークナイツの世界においての郵便屋。運ぶものは基本的には荷物や情報といったものだが、トランスポーターの中でも特殊な部類に入るペンギン急便は要人警護なども行う。
トランスポーターには荷物等を運ぶ通常のトランスポーターとは別に天災に特化した天災特使と呼ばれる業種も存在する。天災特使はデータを元に天災が発生する可能性がある時間や地域を観測から割り出し、天災が発生する可能性があるのであれば、天災の被害を受けることが予想される場所にいる人や都市に警告を発するという職種となる。
天災を間近で観測する必要もあるため、命知らずな天災特使も多く、死傷率も非常に高い。また天災特使に限らずトランスポーターは都市が移動してしまうという性質上、何も無いような場所を長距離移動するサバイバル技術を持っている必要がある。