晴れ/視野度 14km
タラト山坑道

この坑道に入れば安全だ。前から出ればモティカ山だから、そこから先は賞金稼ぎの数は少なくなるだろう。

スカジのことは――――以前他の人が彼女のことを山崩れだなんて言っていて私は笑ったんだ。だが今日やっと意味が分かったよ。

普通の人よりは強いのだろうと思っていたが、まさかあの噂は冗談では無かったんだな。

バーで私が笑った時は彼らはみんなびっくりしていたよ。

驚くのは次は私の番ってことか。

本当だよ!ロドスアイランドにいたときも、みんなもそういう風に伝えていたんだ。

私は彼女と仕事をしたことは無いけど、彼女がすごい人だってことは知ってた。だけど今日みたいなことになるなんて…。

彼女が賞金稼ぎってことを初めて知ったよ。

賞金稼ぎのトップスターの一人だよ。

今回は彼女も宝を目当てにやってきているだろうし、本当に厄介だな。

私達2人では彼女に1割でどうだなんてとても言えない。

それでは私の村はどうなってしまうのでしょうか…。

心配はするな。彼女は賞金稼ぎを全部追い払ってしまうだろう。

ついでに村をいくらか壊すかもしれないが。

はあ…。

彼女は財宝を見に来たんじゃないと思う。そんなことはしないよ。

そういえば、君のところのロドスアイランドはどんな人であろうとも受け入れるのか?

ロドスアイランドのオペレーターは一人も個人の利益のために他人を傷つけるなんてことはしない。

ふむ、私を助けてくれたしな。そこは礼を言いたい。しかし君たち、ロドスアイランドはスカジという破壊しか知らない災いの星を雇っている。感染者としてもそれが良いとは思えないが。

そに私も鉱石病にかかった人だ。君たちロドスアイランドが何をしてくれて、私達のためになることは出来るのか?

ビッグボブさん…。

どうして言葉が出ないんだ?私は君たちロドスアイランドの一体どこを信じれば良いのか分からないんだけなんだ。

私から見れば、感染者のためにあれこれすると言っているが、結局は金から目が離せないだけだと見える。

ふん、何がロドスアイランドだ。この世の中にはこの小判よりも大切なものなどない!

ごめんなさい。

なぜ謝るんだ?君はまだ子供だ。理想と現実が分からない年齢だ。自分に一体何ポンドの価値があるのかも分からない。大丈夫、それが普通なんだ。

違う、私が言いたいことはそんなことじゃない。ただ自分の力が足りていないことは分かっているんだ。

騎察として働くのか、それともロドスのオペレーターとして働くのか。多くの感染者達と接触したことだってある。

私は彼ら全てを助けることが出来なかった。これは私の力が足りないから。

ロドスも同じ。

つまりは何の役にも立たないってことか?はっ!

感染者達が地下都市で苦しんでいた時、隔離都市の閉じ込められ、無残に殺されていた時、ロドスの人たちは一体どこにいたんだ?

私もロドスも、力をいくら最善を尽くしても、なかなか力が及ばない場所はある。

だけど、それでも、私はまだ見たこともない無辜の感染者達のことを諦めるつもりはない。

ロドスもそれは同じ。

ふん。

ごめんなさい…ビッグボブさん。

…私は言った。君はまだ子供だと。そんな君に難癖を付けても仕方がないな?

だがあのスカジは、君の同僚は今は君に剣を使ってでも、キャロルから宝を奪おうとしている。

君はこんな人だろうとも感染者を救うと信じている。こんなことしてきてもか?

スカジが何をしたいのか現状だと分からない。だからここで結論を出すことは出来ない。

でも私はロドスアイランドが彼女を受け入れたからには信じる。彼女にも理由があるからだと信じている。

先程は言いすぎてしまった。忘れてくれ。

大丈夫だよ。

とにかく今は急務だ。早くキャロルさんが宝を手に入れられるように手助けしないと。

足を怪我し、君たちの足手まといとなってしまっている。まさか私が二人のお嬢さんの足を引っ張ってしまうとは思いもしなかった。

ビッグボブさん、たった一つの状況だけがあなたを私達の足手まといにしているんだ。

それはあなたが私達に財宝を渡したくないということ。

ふっ、ははははは。

ビッグボブさん、私はあなたを憎むつもりはありません。ただ、私はさっき…まだ少し怖いです。

私は田舎者です。感染者を見たことはありませんが、少しくらいなら分かります。あなたが苦衷の中の人だということは。

もし以前に何か失礼なことがあったのであれば許してください。

大丈夫だ。はは、お嬢さん、財宝を手に入れた後、私が必要とする報酬を払ってくれるだけでいい。

えっと…財宝は私達の村にとって非常に重要です。ですが私達の問題さえ解決すれば、ボブさんはきっと良い報酬が貰えます。

ですから私とグラニはあなたの協力が必要ですし、あなたを助けもします。

ですよね、グラニ?

当然。いずれにせよ、私達は出発するよ。

次の目的地はモティカ山だったな。あの山の名前はいつ死んだかも分からない騎士の名前なんだ。

もし私が間違ってさえいなければ騎士の財宝が何かあるはずだが、どうだろうか?

ですが、上の洞窟であれば数週間は探し続けています。

もちろん、君がいなくてはいけないからな。私達は君をあの赤い目の女には渡さない。

案内お願いしますね。

そうするとしよう。

待て。

出口で動きが――。

あ――。

誰か…助け…俺を…。

は…感染…者…。

…手を下すのがそんなにも重いか?

俺は何もしていない。あいつが勝手に倒れただけだ…

あ。

――――。

彼らは…レユニオン?

あいつら――。

ビッグボブ、どうする?

あいつらは普通じゃないよ――

多くを言わせるな。戦うぞ。

…。

急げ、奴らをさっさと全て捕まえてしまえ!
(戦闘)

くっ…。

こいつ足を怪我して引いてるぞ!先に片付けてしまえ!

グラニ!ここで消耗し続けるなら、私達はここで白状しなければならなくなるぞ!

そんなこと言われても!

行け!キャロルを連れて行くんだ!

私は怪我をしているから、君たちには遅れてしまう!

後で何とか君たちと合流する方法を見つける!行け!

――

約束だよ、あなたの取り分のためにちゃんと来てよね!

…ふっ。

さっさと行け!

女どもが逃げたぞ!

お前たちの相手は私だ!

…交戦の音が収まったようだけど。

だけどごめん、キャロル、今は休んでいる時間は無いんだ。まだ探し歩かないと。

大丈夫です…あの、ボブさんはどうなったのでしょうか…!

出来ればもう少し彼に時間をあげたいかな。

彼に時間を…?そうですか――。

きゃ!

キャロル!大丈夫?

ごめんなさい、この木の根にびっくりしてしまって..。

さあ、私の手を握って。

…ありがとうございます。

歩ける?

…大丈夫、すりむいただけです。あなたが言ったようにまだ足は止めないほうが良さそうですね…。

森を抜ければモティカ山のふもとになります。私達は山の中腹の2つ目の洞窟に入ります。

穴からいくしか無いの?。

はい、中にはたくさんの分かれ道と暗い道がありますが、どうやって行けば良いのかは割ります。宝は洞窟の一番奥にあるんです。

うん。それなら…

え?こ、この恐ろしい音は…遠くで何か爆発でもあったのでしょうか…?

よく聞くと叫びや悲鳴も混じってる。

これは戦いの音だね。まだ終わっていないみたいだ。

…キャロル。怖いの?

私――

…怖いです。

しかし、私の村を静かに、私達の土地に安寧を取り戻すためには…私にもしなければならないことがあります。

そうだね…。

君はとても強い。

へ?

何でもないよ。遅くならない内に行こう。