リリース当初、日本国内ではこういう新しいOSが出るという事以外にはほぼ一切と言ってもいい位には話のタネにもなっていなかったChromeOS。
ですが、ここ最近は家電量販店でも扱い始めたり、CMも打ち出したりと徐々にその名前が認知された始めている感じがしたのと、初期から比べるとかなり利便性が上がっており、Androidタブレットがあまりにも出ないのでChromebookを購入しました。
そもそもChromebookとは
Chromebookとは名前の通りChromeOSと呼ばれるGoogleが設計をしたOSを搭載したノートパソコンです。ChromeOSはリリース当初は本当の意味でGoogle Chromeしか使えないようなものであらゆるものをGoogleのサービスを用いてネット上で代替するというようなものでした。
しかし、その後Google Playが使えるようになったり、Linuxアプリが動くようになったりと現在はAndroidとLinuxが使えるOSというような立ち位置となっています。
Chromebookを購入した経緯
ノートパソコン自体は所持しているのですがOSはWindows7でWindows10が動くかすらも怪しいポンコツPCなので、そろそろ買い換えないといけないなと考えていた時期でした。
とは言っても正直ノートパソコンを購入してもやることはブラウジングとSNS、少しの動作検証位。ですので高価なものは必要は無いのですが、だからといってWindows PCはケチるとストレスフルなノートパソコンが手元に来るだけというのが実情です。
それならば、常用しているブラウザはGoogle Chromeだし、Google Chromeに特化したChromebookで良いのではという感じでChromebookの購入を決めたという感じです。
もう一つの理由としてはやはりAndroidタブレットが日本市場では死に体となっているということ。中国であればMediaPad、韓国やアメリカであればGalaxy S Tabletがあるのですが残念ながら日本では正式な取り扱いはされていません。
現状の日本で10インチAndroidタブレットとなると3年前のCPUを積んだHuawei Mediapad T5というエントリークラスのタブレットしか無いので、流石に今更エントリークラスのタブレットを買うのもなあというのも一つの理由です。
ただ、AndroidタブレットとChromebookはそもそもコンセプトが違うのでAndroidタブレットの代替としてためだけにChromebookを買うのはナンセンスかなとは思います。
今回購入した機種
今回購入をしたChromebookの機種は「HP Chromebook x360 14」のCore i3モデル。流石にChromebookにCore i5はいらないのではという気持ちと、だからと言って下位機種であるPentium Silver N5000を買うのもという気持ちがあり、性能としては丁度中間のものを選びました。
価格と性能を考えるとこの機種は日本国内で展開されているChromebookだと最もコスパが優れている機種かと思います。
ただ、問題はHPの直販サイトであるHP DirectPlusの評価がすこぶる悪いということ。下手をすると納品まで数ヶ月待たされるというコメントもチラホラ見られます。
今は世界中がコロナでズタボロにされているので私も下手すると2~3ヶ月は待たないといけないかもしれないと思いながら、Amazonにて販売元はHPですがセールを行っていため、Amazonを介せば最悪の場合はキャンセルもしやすいだろうという経緯で購入をしました。
実際はそんな心配も無く2週間ほどで届きましたが。
HP Chromebook x360 14の性能
Androidでは定番のAntutuがまともに動かないのでGeekbench 5で性能を計測しました。
性能としてはスマホのSoCと比べるとシングルコアスコアが高く(Snapdragon 855 Plusとほぼ同等)、マルチコアスコアが低い(Snapdragon 835とほぼ同等)という感じ。
Core i3-8130Uはコア数が2しか無いので、4+4コアが主流になりつつあるスマホと比べるとマルチコアスコアが低いのは当然と言えば当然です。
そもそも現状のスマホのハイエンドSoCの性能は過剰とも言えるレベルなので、そこまでの性能のものを一般人がゲームをする程度で必要なのかと言われると微妙なところでもありますし。
ちなみにCore i5モデルだとシングルコアスコアは900超え、マルチコアスコアは3000近くになるので「Snapdragon 855 Plus」クラスの性能になるみたいです。
Androidアプリの動作
「HP Chromebook x360 14」に現在搭載されているAndroidは9。現状Android 9以上のものを要求するアプリというものは無いのでOS面で見れば全てのアプリが動作するということになります。
しかし、そもそもChromeOSのAndroid OSはChromeOSが内包しているだけというものなので、そんなことは無く、実際には正常に動作しなかったり、アプリがクラッシュしてしまうもの、そもそもGoogle Playからインストール出来ないというものまで存在します。
世間で言われているChromebookをAndroidタブレットの代替として期待するものでは無いというのがこれに由来しています。
各タイトルの動作
アークナイツ/明日方舟
アークナイツと明日方舟の両方とも動作に関しては全く問題はありませんでした。アークナイツであればGoogle Playからダウンロードすることも出来るので一般的なAndroidスマートフォンと全く同じ方法でプレイ出来ます。
動作面もミドルハイ以上のAndroidスマートフォンで「アークナイツ」「明日方舟」を動作させているのと全く変わらないというレベル。正直普通に動作してしまうので書くことすら無いです。
解像度も1920×1080で動作してくれるのでボヤケているといったこともありません。
少し問題があるとすればお知らせの欄のレイアウトが崩れてしまうということ。ただ、こちらに関してはそもそも凝視すること自体少ないので問題は無いと思います。
なお、明日方舟は当然Google Playには無く、野良アプリという扱いになるのでChromebookを開発者モードで動作させなければインストールすることは出来ません。
ドルフロ/少女前線
アークナイツをしている方にはドルフロや少女前線をしている方が多いのでこちらも紹介しておきます。低体温症で燃え尽きてしまった以来なので実に1年半ぶりのドルフロ。
ドールズフロントラインは残念ながらCPUがx86系のChromebookだとGoogle Playからインストールすることが出来ない(ARM系Chromebookは未所持なので不明)ので、開発者モードにしてAPK+OBBでのインストールをする必要があります(APKのみだと最初のロード画面で止まります)。
かなり久しぶりの起動だったので何をすれば良いのか忘れてしまいましたが、一通りの動作を試してみた所、どの場面においても軽快に動作しました。ただ、他の方によればイベント画面が上手く描画されず真っ白になってしまうという不具合も見られるとか。
アズールレーン
アズールレーンに関してもアークナイツと同じくGoogle Playからインストールすることが出来ます。
大きな問題も無く起動しましたし、戦闘もスムーズに動作しました。ただ初回起動時はホーム画面のアイコンなりボタンなりが白抜けしていたので、調子が悪い時もあるのかなという雰囲気。再起動をすれば直るので困るということはありませんでしたが。
正直なところ、アズールレーンも普通に動作してしまうので書くことが無いなという感じでした。
その他いろいろ
アプリの同時起動
Androidタブレットとの違いはやはり上記の画像のようにウィンドウを複数表示することが出来るということでしょう。やろうと思えばGoogle Chromeで攻略情報を見ながらゲームをプレイするということも出来ます。
ただ、問題はアプリはバックグラウンド状態にしてしまうと動作が一時停止してしまうということ。
動作としてはタブレットやスマートフォンと全く同じでアプリを裏で動作させて周回させながらブラウザを操作するということは現状では出来ないということです。
一方でGoogle Chromeのほうはバックグラウンド状態でも動作をするので周回をしながらYoutube等の動画を見るというのは可能です。つまり、アプリをバックグラウンド状態にしなければ両立は出来るということ。
- Google Chromeでブラウジングをしながら周回作業をする→アプリが裏扱いになるので出来ない
- Google ChromeでYoutubeを流しながらアプリを操作する→アプリが表扱いになるので出来る
という感じ。画面に表示させていようがアプリはバックグラウンド状態になれば止まってしまいます。
この点に関してはiPadは画面表示が特殊なものにはなってしまいますが、両方を同時に動作させることが出来るので勝っています。もっとも、これも好き嫌いが分かれる表示方法なので何ともというところですが。
操作性など
とにかく14インチは大きいですのでゲームの操作となるとマウスのほうが楽ですし、2-in-1タイプはキーボードの分の重さが追加されるので重いです。「HP Chromebook x360 14」の欠点は重さと言われる位には重い。タブレットのような取り回しの良さは無いと考えたほうが良いとは思います。
タブレット形式での運用を考えていたり、Androidアプリを中心に動作させたいのであればARM系CPUかつ12インチまでかCT100PAのようなタブレット型、最近北米で発売されたChromebook Duetを待ったほうが良さげです。
まとめ
Chromebookの利点は安さに対してのその動作性にあります。
「HP Chromebook x360 14」はChromebookの中だとハイエンド寄りになるので価格も6万円前後となっていますが、Chromebookは3万円前後からあり、その3万円前後の機種ですら同価格帯のWindows PCの比にはならない程度にはサクサク動作します。
一方でWindows PCと比べるとMicroSDを用いて容量を拡張出来る機種は多いですが、クラウドを併せた使用を前提としているため元の容量は小さいですし、Androidアプリが使えるとは言えWindows PCほどの拡張性はありませんしEXE形式も使えません。
なので「本格的な開発環境やゲームがしたい」というような方には間違いなく向いていない代物です。
一方でPCを持っていてもブラウジングや動画視聴、SNS位しかしないという方には丁度良い機種とも言えます。この辺りは自分がどういった用途でPCを使っているかで決めるべきかなと。
先述しているようにAndroidタブレットの代替としてのためだけにChromebookを購入するのはオススメしませんが、Androidタブレットが死に体の現状だと一つの候補として考えておくのは良いかもしれません。