【明日方舟】シナリオ翻訳 ストーリー7章4話「共同制約-1」

優秀なオペレーターのみなさん、今からこの私、アーミヤからロドス全艦に重要なメッセージをお伝えします。

ロドス本艦は昨晩、正式に龍門から離脱しました。

私たちと龍門が締結した長期貿易協定は数々の原因により、失効しました。もうあの都市に留まり続ける理由はありません。

一方、ロドスは龍門から十分な物資を頂きました、これでしばらくは持ちこたえられると思います。

もうひとつ……私たちの中から間もなくチェルノボーグのセントラルシティに突入するオペレーターがいます。

さらなる過酷な戦いが私たちを待ち受けているでしょう。

……多くの皆さんが思ってるかもしれません。戦争は私たちにとって縁の遠いものであると。

戦争、それは国家と国家同士での争いのことであり、いち製薬会社には関係無いものだと。

しかし、私たちはすでに戦争に身を置いているのです。感染者に不公平で、すべての人が互いを憎しみ合う果てしない戦争に。

抗鉱石病の薬の開発を成功させるために、感染者にその薬を使う機会を作り出すために、医療オペレーターたちは理論と実験にとても多くの精力を傾けてきました。

可能な限り鉱石病患者にロドスで最先端の抑圧性治療を受けさせること、同時に鉱石病の拡散と進展を食い止めることは、常に私たちの行動原理です。

しかし、それだけでは足りません。それ以前に感染者と一般人の間で差別と矛盾が日に日に増大しているからです。

感染者を敵視している人たちは感染者が救われることを良しとしていません、彼らが感染者に犯した一つ一つの悪行が、感染者と一般人の間に亀裂を生み出しているのです。

そして別の人たちは感染者を利用し、隷属し、自分たちの利益のための犠牲として扱っています。

さらには私たちが鉱石病治癒の薬を研究開発しているという理由だけで、私たちと敵対し、あまつさえ攻撃してくる人たちもいます……このような出来事は現に経験したことでもあります。

もし……もし私たちが開発した薬が感染者たちの手に渡る機会が失えば、どのような光景が目に映ることになるのでしょうか？

私たちの敵は「鉱石病」だけではありません。私たちはもはやこの戦争から逃れられることは出来ません。

二週間前、レユニオンと私達ロドスの間で武力衝突が発生し、多くのオペレーターがチェルノボーグで犠牲になりました。

……このような出来事はもうこれ以上起きてほしくはありません。

もし犠牲となった一人一人のために復讐を行うというのであれば私隊は無数の復讐を抱えていることになり、無数の人たちが……殺されるでしょう。

敵に殺されるか、私たちに殺されるかというだけでしかありません。

私たちとレユニオンの抗争は憎しみで築き上げられるべきではありません。相手との会談の状況下においては、相手の行動に対して適切な解釈を定めて責任を持たせることが必要です。

しかしこのような状況となっても、レユニオンは依然と自分たちの狂った行為から目が覚ましていません。そして今、彼らはチェルノボーグのセントラルシティを操って龍門に向かってきています。

そして驚くことにウルサス帝国はまだセントラルシティの領土支配を諦めていません。

ウルサスはいまだにチェルノボーグのセントラルシティを自国領土と見なしています。レユニオンが実効支配していようが、ウルサスは一度たりとも……

ウルサスは一度もこの事件に対して何の反応も示していません。そしてチェルノボーグでの恐ろしい出来事に帝国は見て見ぬふりをして対策すら講じませんでした。

……自分たちの国民でもあるのに関わらず。

ですから、私は今回の衝突の背後にはウルサスの陰謀が隠れていると考えています。セントラルシティの衝突は国家間の戦争を必ず引き起こします。ウルサスと炎国が開戦をすれば――

その時には何を言おうが意味を成さなくなるでしょう。

たとえレユニオンにどれだけの隠し事があろうと、隠れた力を持っていようと、首謀者が誰であろうと、冷酷な一つの事実が私たちに降りかかってくることになります。

――「あれは感染者が引き起こした戦争なんだ」

誰がこの戦争に勝とうと、憎悪の矛先は変わらず感染者に向けられることになるでしょう。

そうなると感染者たちには、今よりもさらに激しい迫害と苦しい生活環境が待ち受けています。そして……永遠に消えない憎悪も。

そうなれば、私たちロドスが感染者のために作り変えてきた土壌は消えてしまいます。全ての国家が私たちによる感染者の治療を許さず、彼らに正常な生活を送ることを許さない、そんな世界になってしまいます。

そうです…これは私達と鉱石病の長い戦争に中において、逃げることの出来ない部分なのです。

だからこそロドスは常に戦争に身を置いているのです。しかし、この戦争に勝ちぬくことは困難を極めるでしょう。

ですが、そうだとしても私たちは負けを認めるわけにはいきません。

私たちは知性を以て狂乱に抗い、権謀術数を以て敵意に打ち勝つ、私たちが諦めることは決してありませんし、最後に不幸な結末が待っていることを誰も望んでなどいません。

だから、私たちはレユニオンを止めます。チェルノボーグのセントラルシティと龍門の衝突を阻止しにいきます。

ロドス本艦に留まる人たちに対してお願いします。私たちが帰ってこようがこまいがロドスを最後まで支えてあげてください。

そう、いつもの日常と同じ用に。

ふぅ……

・「すごかった！」選択時

あ、はい、お褒めいただきありがとうございます、ドクター！

・「……」選択時

ん、うん？ドクター、顔に何か付いてます？もしかして……パンくずとか？

・「すごく惹きつけられるスピーチだった。」選択時
はい！
……うん？え？！
(照れ顔)

……はい、何人かのオペレーターさんたちにも以前言われたんです。こういう時はみんなを励まして、士気を上げるんだって。

でも、少しずつ気付いてきたんです。私たちはそんなことをする団体じゃないなって。私たちは闘志を燃やす必要はありません。私たちに必要なのは自分の行いへの理解ですから。

困難であればあるほど、みなさんに最も真実に近い状況を伝えなくてはなりません。そうでなければ私たちは盲目に選択してしまうことになります。

この世界で目を遮りながら歩くこと以上に危険なことなんて無いでしょう……？

……はい。たぶん、チェンさんは一人でチェルノボーグに潜入するつもりなのでしょう。

龍門、感染者、血縁関係……チェンさんはたくさんの葛藤を抱えています。

どんなに重い負担だったとしても彼女は逃げずに諦めませんでした。そしてそれらを抱えてチェルノボーグに向かっていきました。

裏切り、故郷を離れること、死ぬこと……彼女は恐れていないのでしょう。

ドクター、チェンさんは感染者なんです。

はい。

ドクター、ロドスがセントラルシティに向かうと同時に彼女のことも可能な限り支援します。

彼女が……チェンさんが私たちの友人だからというだけでは無いですし、龍門のある方からの私的な依頼だからという訳でもありません。

チェンさんは独りではありません。私たちも一緒にレユニオンに立ち向かいます。

彼女が頑張って守ってきたもの、彼女が今まで苦しんできた沈黙……彼女を助けるのは、私たちの悲願のためでもあります。

え、ふふ、ドクターの表情……面白いですね。

前は確かにチェンさんのことは疑っていました。私たちでは変えようがない人だって思っていました。

ですが、彼女が感染者に手を差し伸べたとき、彼女の心の顔が見えたんです。

あ、え、こ、言葉のあやですよ！

私だって自分が見えているものをどうやって人に伝えたら良いのかが分からなくて……直接それを言うのも失礼かもしれませんし。

ですが移動都市で感染者を守ってきた、その信念が揺るがないのは……すごいことです。

チェンさんは決して冷血無情な人ではありません。

鉄仮面で無欲な人に見えるかもしれません。でもだからこそ、彼女の正義感が彼女をこの暗い世界との戦いへと突き動かしているんです。

彼女が口に出さなくても変わりはしません。

だから、私たちも行きます。

……ドクター、それってまさか……

あ……

……フロストノヴァさん……

……そうです。

それと、ミーシャも。

私たちにできること、それはミーシャのような悲劇の再来を止めること。フロストノヴァさんと彼女の戦士たちを慰めること、そして……

そしてより多くの人の助けになること。この世界の多くの悲しみを起こさせないことであれば私たちがやり遂げます。

……ケルシー先生。

ドクターへの先入観はもう捨てたほうがいいと思います。

ドクターもケルシー先生が前に言った言葉で……先入観を持たないで欲しいです。しばらく置いておくだけでも良いので。

ドクターは記憶を失っています。この二週間でドクターに記憶を取り戻す確かな方法はロドスには持ちあわせていませんでした。

ですから今ドクターが持っているのは、新しい理解と新しい認知なんです。

ですからケルシー先生には、今のドクターを今の目で見てあげてほしいです。

ドクターもケルシー先生が言ったことで彼女の目的を疑うのはやめてください。

彼女はドクターにとって…

……最も頼りになる人ですから。信じる信じないにしても、彼女はそういう人なんです。

お二人とも約束してください。

先生。

・「アーミヤ、私も手伝うよ」選択時

は……はい。

いえ、違うんです！嫌とかじゃないんですけど！ただ私は……少しだけ、うぅ、やっぱりまだ慣れないですね。

……私はドクターが一番肝心な時には助けてくれるっていつもそう信じてます。

昔の私はドクターに指示をしてもらっているだけでした。一番困難な時には私にできないことをやってもらっていた……

私ももっと強くなりたい、ドクターが傍にいる限りは。以前の私はそう思ってました。

あ、え……先生。大丈夫です。今の私は、もうそんなに人に頼ってもらうことはありませんから。
でもドクター、ドクターには……本当にそう思っているんです。
今、ドクターとは私達は肩を並べられます。あなたとやり直したとき、ずっと機会をうかがって言いたかったんです、ドクターに、ドクターには……
私は成長しました。もうドクターと、ケルシー先生に……えっと……雨風をしのいでもらわなくていいくらいには。

ちゃんと実績でドクターに応えますから、必ず。
えっと！肩を並べるっていうのは比喩ですから、背が小さいとか言わないでくださいね！まだ伸びますから！……そうです！もうすぐドクターと同じぐらい背が伸びますから、きっと！
……うれしいんです、ドクター。うん、すごく……うれしいんです。
[分岐終了]

……

ドクターは自分の考えを持ちたいだけなんです、何もトラブルはありません。

ドクターの考えてることを無理に言わせてほしくないですし……

わかりますよ、私たちには……みんな個人のプライドスペースを持っていますから。

ですが、ドクター、せめて少しだけも助力してほしいなと……

ケルシー先生、そんなひどいこと言わなくても……！

ドクターはただ余計なことをしゃべりたくはないだけです。ドクターはちゃんと問題の重要なところを分かっています、ですよね？
[分岐終了]

あ、はい、もちろんです……！

えっと、どの方面の作戦をお聞きになりますか？

毎回の状況は違いますが、地形や環境に応じて身を隠すのは変わらず必須ですから。

あるときは真っ白な豪雪地、あるときは草原、またあるときは湿地地帯のように……地域に応じて形を変えています。

龍門が今いる位置は砂漠と荒野で覆われています。砂塵で足跡を消すのは。一番効果的で効率的な方法でしょう。

ん？

空で飛んでるのは……なんだあれ？

飛行物体だと！？敵の新しい兵器か！？どこの国籍マークだ？ええい構うものか、撃て、早く撃て！

中に何を仕込んでいるかわからないから絶対にここに落とすなよ！