チェルノボーグ倉庫区域 12:40a.m.

倉庫と備蓄設備がたくさん……ここはどうやら倉庫区域のようですね。

この道をたどれば、中央区に辿り着けます。

アーミヤさん!見てください。倉庫の中。

これは……あ。

鋭利な刃状のアーツによる戦闘の跡のようです。レユニオン構成員を二、三人倒したあと、ここに置き去りにしたんでしょうね。

……まだ息がある。

ケルシー先生!

はい、医療オペレーターにもお願いします。彼らは私たちの欲しい情報を持っているのかもしれません。

ここにもチェンさんの痕跡が……

血痕。傷を負っている。

ここで、血痕がここで重なっている、でもここから先は血痕が続いていない。ご自身で止血したようですね。

現場から離れたのは一人だけ、チェンさんだけのようです。

……私たちが行くまで死なないでください、チェンさん……

・私たちはまたこんなことをするのか?
・……
・前にもあったような。

あはは……チェルノボーグの時も、ええ、こうでしたね。

ですが、あの時のチェンさんは一人で小規模なレユニオン小隊一つを倒すこともできたでしょう……

でも今の局面はもうまったく異なっています。

あの時のチェンさんと私たちはただの契約関係で動いてました。でも今やっと少しずつチェンさんのことが解ってきた気がするんです……

でもここはもう……

あれは……一般市民、でしょうか?

……どっから出てきたんでしょうね?俺達でも彼らの隠れ場所が見つけられないなんて……

誰だお前達は?ここはウルサス人たちの墓場だ!

!

(警戒してください……攻撃はしないように)

私たちは独立した感染者検査組織です!そこのお方、私たちは感染者救助の原則に基づきこの都市に入ってきました!

私たちも一般の感染者です、あなた方に敵意は――

感染者ぁ?けっ、あたしはウルサス人だ!

感染者の救助だと……?ハッ、笑わせるなよ……お前らが今まで感染者に何をしてきたのか、分からないとでも?

……

もしご不安に感じられるのでしたら、私たちはこれ以上近づきません。そちらから二十メートルの距離を保ちます。こちらから動いたりはしません。

いや、違うな、あたしも感染者だ。お前らをとやかく言う資格はない、そうだろ?

でも感染者を救う?!はは、ははは……感染者はみんな死ぬべきなんだよ!

あたしもだ。あたしも死ぬべきなんだ!感染者さえいなければ、あたしも感染することはなかったんだ!

人を殺したい、復讐したい……感染者はみんなそうなんだろ?!あたしもそうするべきかなあ?!

……

(アーミヤさん、彼女を落ち着かせましょう。)

(いえ、今はダメです。)

(……発散させてあげましょう。ここ一か月間の苦痛な記憶が彼女の心と頭を突き刺していますから。)

(今は彼女の……あの記憶を、針を引き抜くチャンスです。)

……

ここに何があるのか知らないのか、感染者?

お前らと同じ感染者だ、生きてるやつも死んでるやつも一緒にいる。

レユニオンのせいで息絶え絶えな感染者、レユニオンのせいで死んだ感染者……

やつらが来る前に感染していた人なんて誰もいなかった。

チェルノボーグの人たちはやつらに端から端まで追われた。隠れていても隈なく引きずり出された!最初は虐殺を始め、飽きたら次は惨めにいたぶった。最後は人をゴミのようにそこらへんに捨てていった!

どれだけの人が身ぐるみを剥がされたまま、餓死していったか……

生き延びた人たちも、オリジニウムに曝され続けて、全員感染した!今となっては、感染してない人なんていないざまだ!

お前ら感染者が……

全部お前ら感染者のせいだ!!

どうか私たちを信じてください……人の手での治療は行わないようします。医療キットが必要でしたらお渡しします。その後は、すぐここから離れますから。

……

信じるものか。

ウルサスから派遣されたんだな?それとも龍門か?

もし本当にそうだったら、俺たちはとっくのとうに死んでるよ。

――

あなたは……!

アーミヤ。彼の識別番号をスキャンしろ。

先生……!?

……

久しぶりだな、アーミヤ、ケルシー先生。

それと、ドクターも。