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【明日方舟】シナリオ翻訳 ストーリー7章18話 後半

ケルシー
ケルシー

Mon3tr、持ちこたえろ!

Mon3tr
Mon3tr

(甲高く叫ぶ)

ケルシー
ケルシー

狙撃オペレーター、続けて彼の躯幹部を撃て、彼の鎧はすでに破損している。術師オペレーター、その他遊撃隊員を牽制、手を出す隙を与えるな。

Mon3tr
Mon3tr

(悲鳴)

ケルシー
ケルシー

退け、Mon3tr、近接戦闘は不利だ!お前ではもう彼の前進を止めることはできない!

ローズマリー
ローズマリー

剣を出します!彼を……彼を直接掴んでも、抑えられないなんて、感じる、まるあれは雪崩のような……

ケルシー
ケルシー

エネルギーを集束するんだ……集束。もっとだ、線になるまで集束して、彼の心臓部を狙え!

Mon3tr
Mon3tr

(甲高く鳴く)

ケルシー
ケルシー

ロックオン。今だ!

(大きな銃撃音)

パトリオット
パトリオット

――

Mon3tr
Mon3tr

(うめき声)

ケルシー
ケルシー

これでも倒れないか……

プレイヤー
プレイヤー

どれだけ粘るつもりなんだ……!

ケルシー
ケルシー

「戦いは常に死闘、戦うごとに命をかける、その命は血脈に回帰する、すなわち命は他者の中で永久に生きながらう……」か。

ケルシー
ケルシー

前衛オペレーター、遅れをとるな……撤退しろ。彼の身体も「食人」の儀式を放つ、彼自身が巨大な呪術装置なんだ……

ケルシー
ケルシー

ボジョカスティ、多くのサルカズは、君みたいなウェンディゴがむざむざと犠牲になることを望んでいない。

パトリオット
パトリオット

いいや。私が、犠牲になるとでも?

パトリオット
パトリオット

私はまだ動ける。私はまだ、お前たちを殺せる。

パトリオット
パトリオット

わが肉体は、まだ、私の命令に、従える。

パトリオット
パトリオット

私はまだ苦痛と……悔しさと遺憾を、味わっていない。

パトリオット
パトリオット

それだけか?まさか、お前たちはその程度なのか?

アーミヤ
アーミヤ

ボジョカスティさん……止まってください。どうか……もうやめてください!これ以上戦っても苦しむだけです!

パトリオット
パトリオット

戦士たるもの。

パトリオット
パトリオット

戦士たるものは、いかなる死者も、背負わなければならならない。

パトリオット
パトリオット

私は、彼らの痛み、彼らの憎しみ、彼らの沈黙を、背負っているのだ。

パトリオット
パトリオット

もし、私が、足を止めれば……

パトリオット
パトリオット

彼らの死は無駄になってしまう。

パトリオット
パトリオット

苦しむ?それはお前たちの、ほうだ

パトリオット
パトリオット

お前たちでは、私には勝てない。

アーミヤ
アーミヤ

うぅ……

???

あなた……悲しまないで。

???

後入りはしないって?もうよしてください、あなた……

???

はぁ、私がうるさく言っても頷いてくれないんでしょうね。あなたは本当に石みたいに頑固ですから、あなたを説得できたことってあったかしら?

???

まだ戦争を続けるつもり、そうでしょ?

???

約束して、ボジョカスティ、約束。死なないで。

???

私はただもうこれ以上あなたが苦しんでほしくないの。私が離れても、ここにはあなたを迎えてくれる家族がまだいるのよ、ほら見て、グーロちゃん……

???

この子の寝顔、ほんとうにたまごみたいにプルプルしてて可愛いわ。

???

まだ固く生えそろえていない、赤くて小さな二本の角だって……

???

これは命。私の命の続きなの。子供は、この大地の全て人たちの未来なの。

???

あなたが私を食べないことは知っているわ。あなたはウェンディゴの伝統を毛嫌いしているものね。

???

でも本当はあなたの命のなかで一緒に生きたかった。

???

でも、命というものは……いつかは朽ちる。

???

どうしたの、元気がないわ。過度な悲しみはあなたを壊してしまうわ。この子もまだまだあなたの世話が必要なの、ここで行ったり来たりしても、あなたが壊れてしまう。

???

……ううん、ボジョカスティ。あなたは冷血な怪物なんかじゃない。

???

あなたの私への愛は本物よ。他人を嫌がることに長けたこんな女でも、あなたは変わらず愛してくれた。

???

驚いてるって……そんなに驚かないでよ。私もあなたを愛しているわ、あなたが大きな器で温かく私を愛してくれたように。

???

ボジョカスティ、私の愛するボジョカスティ……あなたの未来の家族も、私の家族よ。

???

あなたを愛しているわ。

パトリオット
パトリオット

ヘレン、私は君の愛に相応しくなかった。

パトリオット
パトリオット

君を守れなかった。約束も、守れなかった。

パトリオット
パトリオット

私の家族も、誰も、守れなかった。

パトリオット
パトリオット

君の愛に……相応しくなかった。

パトリオット
パトリオット

信頼されていた人が、約束を破る。

パトリオット
パトリオット

約束を破った人が、まだ生き長らえている。それでも、約束は、まだそこにある。

パトリオット
パトリオット

約束には、後悔もある。

ローズマリー
ローズマリー

……

パトリオット
パトリオット

死者、だけではないのだ。フェリーン人、お前の後悔は、どこにある?

ローズマリー
ローズマリー

私は……

パトリオット
パトリオット

お前は、背負っていかなければ、ならない。

パトリオット
パトリオット

この街の人たちを。ウルサスの感染者を。この大地で、親を亡くした子らを。この大地で、過ちを犯した親の子らを。

パトリオット
パトリオット

みな背負わなければならないのだ。

???
息子

親父、頼む!どうか、どうか帝国側につかないでくれ!

???
息子

命令だから?帝国の命令なんざただの笑い話だ!

???
息子

いや、ごめん、親父……あんたを皮肉ってるわけじゃないんだ。違うんだ。俺はそんなことしないよ。

???
息子

でも帝国の法令は、俺たち全員に仕向けた残忍な騙しなんだ!

???
息子

俺の友だちのヤクタは、鉱石病感染者って診断されて、橋の上で鞭打たれて死んだんだ!

???
息子

親父はあいつの詩が好きだったろ?夜に大声で詠って、感極まってたじゃないか?

???
息子

そのあいつが死んだんだぞ!あいつは暗い死の道に上って、永遠に俺たちから離れた、もう二度と戻ってこないんだぞ!

???
息子

詩人として、文学以外は、誰だろうとあいつを死なせる資格はない!

???
息子

帝国の感染者法令は、俺たちの心の中を蹂躙する悪徒なんだ!

???
息子

あの手の死は、見てくれ、感染者の死っていうのは、命を奪う側も奪われる側も人としての尊厳を失うんだ!

???
息子

帝国の兵士たちは、こんな尊厳もクソもないことで皇帝から恩恵を得ているんだ。あまりにばかげてる!

???
息子

カズデル出身の親父と、親父と一緒に過ごしてきた感染者のサルカズ人なら……俺たちウルサスの感染者をきっと理解してくれる!

???
息子

……なんでそんな無関心なんだよ。あんたの心は鉄で出来てるのか?それとも、あんたはサルカズだけど感染していないから、これっぽっちの同情も感じってことかよ?

???
息子

俺たちサルカズ人は……サルカズ人以上に鉱石病に罹りやすい種族がいるか?

???
息子

だったら、俺たちの中に鉱石病に罹った人が出れば、あの罪名がどれだけばかげてるか分かるだろ!

???
息子

その時なら、親父は親父が行ってる血まみれな道から、仁慈に満ち溢れた道に乗り換えることができるかもな!

???
息子

親父……もういい、もういい!あんたはあのボジョカスティだ!あんたみたいな強靭な軍人に鉱石病が罹るわけがない、俺があんたの代わりだよ!

???
息子

病が俺の遺体からあんたを見上げて嘲笑ったとき、そのときやっとあんたは自分の過ちに気づくんだ!

???
息子

後悔しても遅いからな、親父!

パトリオット
パトリオット

……グロワージル、お前は無関係だった。お前に罪はなかった。

パトリオット
パトリオット

感染したのは、私だ。隠してきたのも、私だ。

パトリオット
パトリオット

父さんは終始、見て見ぬふりをしてきた、真っ当な道にも、行けなかった。

パトリオット
パトリオット

私は今となって……後悔している。

パトリオット
パトリオット

本当に、後悔しているんだ。

パトリオット
パトリオット

息子よ……父さんはお前を殺してしまい、お前を、無駄死にまでしてしまった。

パトリオット
パトリオット

父さんは……お前の父親として、相応しくなかった。

パトリオット
パトリオット

私が戦いを止めることは、彼らに背くことだ。

アーミヤ
アーミヤ

増えていく……見える……こんなにもたくさんの。

アーミヤ
アーミヤ

パトリオットさん……こんなに、こんなにたくさんの後悔と恨みが……言わなかった、誰にも漏らさなかったのですか?

パトリオット
パトリオット

……

パトリオット
パトリオット

私の悔やみ恨みは、私にしか受け止められない。

ケルシー
ケルシー

Mon3tr、彼に近づくな!

パトリオット
パトリオット

なぜ、殿下のような方でも、予測できなかったのかと、いつも思う。

ケルシー
ケルシー

――

パトリオット
パトリオット

あなたは答えてくれなかった。殿下の死は、今でも、謎のままだ。

パトリオット
パトリオット

だが私は知っているぞ。あの方は逃げない。あの方は最初から最後まで、微笑んでくださるだけだった。

パトリオット
パトリオット

私が戦いを止めれば、全ての抗いに、意味を失う。戦いを止めることは、逃げることだ。

パトリオット
パトリオット

止めることはできないのだ。

???

私たちは血縁関係がないんでしょ?お父さんって呼ぶの、ちょっとおかしいかも。

???

……顔色悪いよ?

???

違う!そんなんじゃ……兄弟たちが私を怖がっているからじゃないってば!

???

ねぇねぇ、何か方法はあるの?彼らが私たちのせいで遠くまで行って隠れないようにする方法?

???

あるんだったら、お父さんって呼んであげてもいいよ!

???

え?はさむ?その単語はどういう意味なの、私まだ教わってないよ。

???

はぁ、お兄ちゃんは何でも上達するのが早いって、私みたいに手順通り習わないのと違って……じゃあそのお兄ちゃんは今どこにいるの?

???

えっ、ちょっと!?なんで急に抱きついてくんのよ!冷たいから火傷しちゃうよ!

???

……泣いてるの?私の肩に水滴が落ちたような……

???

泣いてない?みんなお父さんのこと血も涙もないって言うから、お父さんは泣かないってこと?

???

でもお父さん泣いてる……

???

……ふざけて言っただけだって、本心じゃないってば!お父さんが泣いてるのって、凍って痛いから?

???

お父さん、お父さん!もうあんな風に言わないから、それに、私が大きくなったら、大きくなったらね……大きくなったら絶対凍っても大丈夫な薬を作ってあげるから!

???

そうすればもう痛くて泣いたりしないでしょ、ね?絶対大きくなってみせるから!

???

家族?

???

あ、私の兄弟たちと、お父さんと私は家族ってこと?ここにいないお兄ちゃんも?

???

うん……じゃあ、お父さんは、みんなのお父さんだね!

???

私もお父さんと一緒に、おばあちゃんの仇を討って、私たちをイジメる人たちを殺してあげる!

???

そんなこと言っちゃダメ?

???

どうして!お父さんだって毎日悪い人たちを殺してるじゃん!

???

どうして私がお父さんみたいになってほしくないの?お父さんはいい人じゃないの?

???

どうしてお父さんも悪い人なの?わかんない、ちゃんと説明して!どうしてお父さんが悪い人なの!

???

お父さんなんてキラい。キラい!

???

……お父さんみたいじゃなかったら、街に入れるの?

???

お父さん……私たち、本当に街に入れるのかな?

???

お父さんが言ってたリングキャンディーって……本当においしいのかな?

???

お父さんみたいな人じゃない人でしか食べれないんだったら……うぅ……!

???

私分からないよ。

???

お父さん……

???

どんないい人でも、悪い人でも、私なれるよ。

???

お父さんと、兄弟たちとずっと一緒にいれれば……それでいいよ。

???

お父さんは私の家族だもん。私知ってるよ、お父さんは私の最高のお父さんだって。

???

もちろん、二番目は……三番目は……

パトリオット
パトリオット

イェレナ……イェレナ……私の娘よ。

パトリオット
パトリオット

私の愛しい娘よ……父さんは、何も、お前のために、できなかった。

パトリオット
パトリオット

何も、してやれなかった。

パトリオット
パトリオット

お前に、何もしてやれなかった。

パトリオット
パトリオット

何も。

アーミヤ
アーミヤ

……

アーミヤ
アーミヤ

多すぎる、多すぎます……

パトリオット
パトリオット

コータスの少女よ、お前が、ロドスのリーダーだな。

パトリオット
パトリオット

お前は一体、どこから来た?

パトリオット
パトリオット

お前たちのあるメンバーが、私にお前のこと。

パトリオット
パトリオット

お前たちの戦士は、どれも優秀だと、話してくれた。だが優秀だったとしても、いずれは死ぬ。

パトリオット
パトリオット

お前はまだ、私に見せてくれる、価値があるか?

パトリオット
パトリオット

セントラルシティは、阻止したいが、私には、勝てないのか?

ローズマリー
ローズマリー

アーミヤに触るな!

(斬撃音)

ローズマリー
ローズマリー

一本、二本、三本……四本目!

(斬撃音と砕ける音)

盾が、砕けた。

矛が、折れた。

だがその大きな怪物は、足を止めなかった。

パトリオット
パトリオット

ふっ。

パトリオット
パトリオット

甲冑を、貫いてきたか。この甲冑も、もう限界だな。

ローズマリー
ローズマリー

……一歩でも近づけさせない……!

パトリオット
パトリオット

そこのフェリーン、お前は強い。私にとっては脅威だ。

アーミヤ
アーミヤ

待ってください、パトリオットさん。

パトリオット
パトリオット

お前まで、あと十歩だ。待つ必要は無い。

アーミヤ
アーミヤ

あなたはもう限界です、私にはわかります。

アーミヤ
アーミヤ

それにあなたはフロストノヴァさんみたいな、術師ではないんです……

(アーミヤのアーツの音)

アーミヤ
アーミヤ

もう十分じゃないですか。

アーミヤ
アーミヤ

このアーツは……私に全部見せてくれました。あなたが見てきた全てを。

アーミヤ
アーミヤ

……もういいじゃないですか、パトリオットさん。

もういい。

パトリオット
パトリオット

これは……一体……なんだ?

パトリオット
パトリオット

今の一撃は、的確だったぞ。

パトリオット
パトリオット

もう、足を引きずることすらできん。

ケルシー
ケルシー

……すべての損傷が、蓄積され限界に達したんだ。

ケルシー
ケルシー

ボジョカスティ……

パトリオット
パトリオット

(お前たちを、潰したあと、遊撃隊に、お前たちの名を借りて、タルラを殺す、算段だったが。)

パトリオット
パトリオット

(もう、必要なさそうだ。お前たちは勝った、正しさを証明したのだ。タルラを、殺しにいけ。)

アーミヤ
アーミヤ

(パトリオット……さん?)

パトリオット
パトリオット

(私にどうやって、感染者を、隷属する者を許せと?)

パトリオット
パトリオット

(私の命を、もらえ。勝者としての、戦利品だ。)

パトリオット
パトリオット

お前たちの、勝ちだ。

パトリオット
パトリオット

ケルシー卿、これを、持っていけ。

ケルシー
ケルシー

――これは?

パトリオット
パトリオット

チェルノボーグを停止させる鍵だ。

パトリオット
パトリオット

艦橋区に、行くのならば……これが必要だ。

アーミヤ
アーミヤ

パトリオットさん……あなたは……ただ……

アーミヤ
アーミヤ

うぅ……

パトリオット
パトリオット

いいや。

パトリオット
パトリオット

私は確かに、お前たちを殺すつもりだった。

パトリオット
パトリオット

だが今は、お前たちが勝った。必然だ。

プレイヤー
プレイヤー

・どうしてここまでしたんだ?

パトリオット
パトリオット

お前たちを信じていなかったからだ。

パトリオット
パトリオット

私は、戦争の結果しか信じない。

パトリオット
パトリオット

私の娘は、無邪気だから、活路も作るが、偽りの結末も作り出す。

パトリオット
パトリオット

私はそうはしない。私は結果を待つだけだ。

パトリオット
パトリオット

それに、最善の結果が……これだった。

パトリオット
パトリオット

私の兵士たちは、驚きのあまり、実力を発揮できなかった。彼らはこれからも生き続ける。

パトリオット
パトリオット

死ぬのは……私だけよい。死に場所をやっと得た。

???
ロドスオペレーター

……何が起こってるんだ!

???
ロドスオペレーター

クロージャ、生体処理室13番ポッドだ、数値グラフをくれ!

???
ロドスオペレーター

ポット内の温度が急激に上昇している!エネルギーが放出されているぞ!

???
ロドスオペレーター

待て、形状が変化している!処理から十四時間経ったのに、どうしてこの段階に入れたんだ?

???
ロドスオペレーター

PTRS、誰がこのポッドを使ってたんだ?

???
ロドスオペレーター

ドクターだって?龍門攻防戦で死傷したオペレーターでもいたのか?中にいるのは誰なんだ?

???
ロドスオペレーター

なに?

???
ロドスオペレーター

待て、もう少しゆっくり話してくれ。ドクターが誰を置いたって?

パトリオット
パトリオット

ケルシー卿よ!

ケルシー
ケルシー

聞いている、ボジョカスティ。

パトリオット
パトリオット

我々ウェンディゴは、自ら流浪に身を置き、一切を失った

パトリオット
パトリオット

だがウェンディゴの伝統まで、失ってはいない。

パトリオット
パトリオット

先祖たちは、私を作り、私を育て、私を見守ってきた。だから、代わりに立ち会ってくれるか。

ケルシー
ケルシー

ボジョカスティ……

ケルシー
ケルシー

……私に務まるだろうか。

パトリオット
パトリオット

あなたが、最適なのだ。

ケルシー
ケルシー

……

ケルシー
ケルシー

……「私はここに一人のサルカズの見証人として立ち会う。ボジョカスティ、カズデルのウェンディゴよ、生涯血肉に背かず、また親族に疾しきことあらず。」

ケルシー
ケルシー

「光に照らせし御身に彼の今生を置かん……」

ケルシー
ケルシー

「彼の魂は、これよりウェンディゴの滾る血脈に戻られる。」

ケルシー
ケルシー

これはただの呪文だ。

パトリオット
パトリオット

私にとっては、違う。

パトリオット
パトリオット

ありがとう、ケルシー卿。

ケルシー
ケルシー

こういうのは嫌いだと思っていた。

パトリオット
パトリオット

私も、年老いたからな。

レユニオン兵隊長
幻影射手

そんな……

レユニオン兵隊長
幻影射手

ここはどこだ?

サルカズ戦士
サルカズ戦士

……

レユニオン兵隊長
幻影射手

はっ、なるほどそういうことか。

レユニオン兵隊長
幻影射手

タルラは本当に俺たちを裏切ったんだな。

レユニオン兵隊長
幻影射手

俺たちがただ泣き寝入りするとでも思ってんのか!?

サルカズ戦士
サルカズ戦士

お前たちじゃ相手にならないがな。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

来世があるんだったら、その時に復讐しに来い。

レユニオン兵隊長
幻影射手

死ぬってわかるから、諦めろと?

レユニオン兵隊長
幻影射手

そうやってお前たちに訳もわからず殺されてしかも――

???
???

???

メフィスト
メフィスト

彼らを殺しちゃいけないよ。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

……?

メフィスト
メフィスト

彼らを放してやるんだ。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

メフィスト……?

メフィスト
メフィスト

魔族、ぼくが君たちに痛みを知らない身体を授けるからさ。放してやってよ。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

俺たちはお前の牧群なんかより強いぞ。

メフィスト
メフィスト

ぼくの命を君たちに共有してあげる、そしたら君たちは正真正銘永遠に戦い続けられる、疲れ知らずに戦い続けれる。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

……いいだろう。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

だがこいつらが出て行くまでは、俺の仲間たちが監視する。まだタルラの命令を捨てる訳にはいかねぇからな。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

おい、射手たち。出ろ。

レユニオン兵隊長
幻影射手

メフィスト!?

レユニオン兵隊長
幻影射手

(どうして俺たちを助けたんだ……?まさかタルラがまだ何か企んでいるのか?)

サルカズ戦士
サルカズ戦士

だが、どうしてお前がわざわざここに来たんだ?

メフィスト
メフィスト

……ここに入りたいからさ。ここにどんな秘密が眠ってるのか知りたくてね。ロドスがどうしてここからあの人を連れ出したのか知りたいんだ。

メフィスト
メフィスト

録画でここからあの人が出てきたのを見たからね。

レユニオン兵隊長
幻影射手

メフィスト……?なぜ?

メフィスト
メフィスト

君たち、歌は聞きたいかい?

レユニオン兵隊長
幻影射手

だが、ファウスト隊長が、言っていた……

メフィスト
メフィスト

ああ、そうだね。ぼくはもう歌えない。

メフィスト
メフィスト

うん、でも試してみてもいいんじゃないかな。

メフィスト
メフィスト

子守歌だったかな?誰から教わった曲かは忘れた……もう憶えてないなぁ。

メフィスト
メフィスト

でも誰かがぼくの夢の中で、ずっと鼻ずさんでいるんだ。

眠れ、眠れ♪
ハリネズミのお人形と小熊たち……

パトリオット
パトリオット

ウルサスの、感染者は、どこに向かうのか?

パトリオット
パトリオット

暗晦な夜は、幾つの星を……遮るのか?

遊撃隊戦士
盾衛兵

……大尉、大尉!

パトリオット
パトリオット

最後の命令だ。

遊撃隊戦士
盾衛兵

大尉……

パトリオット
パトリオット

戦い続けろ。生き続けろ。

パトリオット
パトリオット

お前たちの道は、お前たちで……進むんだ。

パトリオット
パトリオット

人が行かねば、道はできない。

パトリオット
パトリオット

私はいずれ死ぬ定めだ。ただ今なのかは、知らない。

パトリオット
パトリオット

我々の死は、一体何を、変えられるのか?

パトリオット
パトリオット

この答えは、お前たちが、見つけ出せ。

静かな黒に沈め……
兄も、姉も、妹も、弟も、夢の世界よ夢の世界、彼らの身体を覆い隠せ……♪

星熊
星熊

“ミス”?どうしてここで泣いておられるのですか……

スワイヤー
スワイヤー

泣いてなんかないわよ!

星熊
星熊

はいはい、わかりました。しかし、ここは近衛局ビルの入口ですよ?

星熊
星熊

他の人に泣いているところを見られても、よろしいのですか?

スワイヤー
スワイヤー

どうせ……どうせほかの人なんていないわよ!

星熊
星熊

ではこうしましょう、小官がスワイヤーさんの座っている階段の一つ前に座ります。小官は体が大きいので、あなたを隠せば、誰にも見られません。

スワイヤー
スワイヤー

あんた何やってのよ……

星熊
星熊

あー。失敗したから、気分がよろしくないんですね?

星熊
星熊

Missy、小官らは失敗したってことですよ。

スワイヤー
スワイヤー

あんなやつなんか……もう知らない!

星熊
星熊

ええ、そうですね。わかりますよ。

スワイヤー
スワイヤー

……

星熊
星熊

ちょっ、叩かないでくださいよ。小官がどう答えてもどのみち叩かれなきゃいけないんですか。

パトリオット
パトリオット

ようやく……

パトリオット
パトリオット

私の……人生に……終わりが来た。

パトリオット
パトリオット

ヘレン……グロワージル……イェレナ……

パトリオット
パトリオット

お前たち……

パトリオット
パトリオット

やっと……家に戻れるのだな……

いや。
――違う。

 

パトリオット
パトリオット

――

パトリオット
パトリオット

違う。

パトリオット
パトリオット

幻覚だ。

パトリオット
パトリオット

なぜ……私は、幻覚など、慰めなどいらん!

パトリオット
パトリオット

誰だ……

パトリオット
パトリオット

誰が私に……幻覚を見せている!

アーミヤ
アーミヤ

え……どうして……どうしてパトリオットさんは……抜け出せた?

パトリオット
パトリオット

なる、ほど。

パトリオット
パトリオット

――お前か。コータス。お前なのだな。

パトリオット
パトリオット

お前、こそが……継承者。

パトリオット
パトリオット

テレジスは、嘘をついていた。殿下には……継承者がいたのだ。

パトリオット
パトリオット

お前が魔王だな。

ケルシー
ケルシー

あ……!

パトリオット
パトリオット

私は魔王の手によって……死ぬ。

パトリオット
パトリオット

私が……なぜ?

パトリオット
パトリオット

運命には、終始逃れられないということか。

パトリオット
パトリオット

いや。違う……

パトリオット
パトリオット

違う。

ケルシー
ケルシー

アーミヤ!?ダメだ……!?

アーミヤ
アーミヤ

ご、ごめんなさい!で、でもケルシー先生……

パトリオット
パトリオット

伝承で聞いたことがある、過去に、サルカズの君主は、その者が願う光景と慰めを、褒美として与えていた。

パトリオット
パトリオット

功を建てた臣下たちは、高く聳え立つ城と、亡き愛する人を夢見ていたと――

パトリオット
パトリオット

無数の戦士たちが、その幻を求め、戦い続けたと。

アーミヤ
アーミヤ

私、私はただ……パトリオットさん、私そんなんじゃ、そんなつもりじゃ……

アーミヤ
アーミヤ

……あなたの命の最期は……こんなに悲惨じゃダメなんです!

アーミヤ
アーミヤ

私……見えたんです、あなたが二百年間も……

アーミヤ
アーミヤ

ずっと……ずっと戦い続けてきた、失った、全部……全部失っていくところを……

アーミヤ
アーミヤ

私……あなたの結末がこんな風で……終わってほしくないんです!

パトリオット
パトリオット

私の、結末だと?

パトリオット
パトリオット

……違う。

アーミヤ
アーミヤ

本当はあなたに……もっといい……

パトリオット
パトリオット

やめろ!

パトリオット
パトリオット

私の結末が、他者から与えられて、良いものか!

パトリオット
パトリオット

幻覚だと?違う!そんなものは結末などではない!

パトリオット
パトリオット

悲惨なら、悲惨でいい。愚かなら、愚かなままでいい!

パトリオット
パトリオット

これは、私の結末だ。私が得るべき……結末だ。

パトリオット
パトリオット

私が生きてきたもの、抗ってきたもの、失敗してきたものだ。

パトリオット
パトリオット

もう、充分だ。

アーミヤ
アーミヤ

どうして、どうして……それで充分と思えるのですか?

アーミヤ
アーミヤ

誰もがこうやって全てを失うのはおかしいです!

パトリオット
パトリオット

……お前はまだ、子供だからだ。

アーミヤ
アーミヤ

私はもう子供ではありません!戦いだってたくさんしてきました!。

パトリオット
パトリオット

……良い結末は、望んで得るものではない。子は、子守歌に夢中になるといい。

パトリオット
パトリオット

お前も私の娘も、まだ、子守歌に夢中になるような子供だ。

パトリオット
パトリオット

フロストノヴァのあれは、彼女には荷が重すぎる……重すぎたのだ。

パトリオット
パトリオット

彼女の観点は、賛同できない。彼女はまだ……子供だ。まだ、幼い子供なのだ。

パトリオット
パトリオット

鉱石病、奴隷の主、この大地は……子ひとりすら逃さない。

パトリオット
パトリオット

タルラは彼女を、死に追いやった。

アーミヤ
アーミヤ

ではなぜ私たちは共にタルラに対抗できないのですか――

パトリオット
パトリオット

お前は私に、何をもたらしてくれる?

パトリオット
パトリオット

タルラが私に与えてくれたものは、お前には、まだできん。

パトリオット
パトリオット

その後で、お前はまた、どう変わる?

パトリオット
パトリオット

これが運命というものだ、私はもう充分に、味わった。

パトリオット
パトリオット

私は決して運命なんぞに、屈しない。

パトリオット
パトリオット

たとえ運命が、私に同じ結末を、与え続けてきたとしても……

パトリオット
パトリオット

私は、やつと戦い続ける、太陽が、再び昇ったとしても。

パトリオット
パトリオット

だが……お前なら変えられるかもしれない。

パトリオット
パトリオット

私は運命と幾度と、抗ってきたが……やはり、勝てなかった。

パトリオット
パトリオット

だがお前なら……お前なら、違うのかもしれない……

パトリオット
パトリオット

お前は本当に、あの殿下を受け継ぐ資格があるのか?

アーミヤ
アーミヤ

あ……

パトリオット
パトリオット

お前は本当に、ここから離れられる力を持っているのか?

アーミヤ
アーミヤ

……

パトリオット
パトリオット

お前は本当に、果てしない荒野に踏み入れる度胸があるのか?

アーミヤ
アーミヤ

私一人ならできないのかもしれません。

アーミヤ
アーミヤ

でも私は独りではありません。

パトリオット
パトリオット

もし……

パトリオット
パトリオット

この全てが……お前たちのものならば。お前たちが……成し遂げろ。

パトリオット
パトリオット

あの……レユニオンの、暴君の、運命は……お前たちで……翻せ。

待て。
違う。
ケルシーは重い灰色の空を見上げた。
私はどこかで見たことがある?
まさか……

ケルシー
ケルシー

アーミヤ……アーミヤ……?

ケルシー
ケルシー

サルカズの預言は種族全体の意識記憶が融合してできたもの。オリジニウム多発地域で起こったオリジニウムのエネルギー爆発……天災に運悪く遭遇したセントラルシティ。

ケルシー
ケルシー

祭壇……アーミヤ……ウェンディゴ……魔王!?

ケルシー
ケルシー

待て、もしこれが直接影響を及ぼすのなら……ありえない!古のウェンディゴの最期の血筋がサルカズの一族を繋ぎ合わせたとでも言うのか!?

ケルシー
ケルシー

この予言は……この予言は!?

ケルシー
ケルシー

雪?「食人」のボジョカスティと全祭壇が共鳴した!?私がさっき施した……ウェンディゴの回魂の儀も……!

ケルシー
ケルシー

全オペレーターに告ぐ!!

ケルシー
ケルシー

彼が何を言おうと……ボジョカスティがこれから何を言おうと!

ケルシー
ケルシー

【一文字たりとも信じるな!】

そのウェンディゴは忽然と口を開け、喉から出た掠れた声は全中央区に響き渡るようだった。

我、満身創痍の諸城を見たり。
我、大地に蔓延る源石を見たり。
汝、黒き冠を頂き、千万の生霊、記憶にせん。
魔王、将に全ての族を、尽く隷属せんを見たり。

遊撃隊戦士
遊撃隊戦士

あ……!?

パトリオット
パトリオット

……なん……だと?

パトリオット
パトリオット

ばかな……ありえない……

ケルシー
ケルシー

パトリオット!予言はデタラメだ!あれはオリジニウムアーツによる生理的残留物にすぎない!

パトリオット
パトリオット

だ……だが私は……予言が全て……実現されることを……知ってしまった。

パトリオット
パトリオット

私も魔王の手によって、死にゆく。

パトリオット
パトリオット

……卿。違うんだ。ケルシー卿。

ケルシー
ケルシー

ボジョカスティ!!お前は生涯をかけて運命に抗ってきたのではないのか!

パトリオット
パトリオット

幼き、魔王よ……

パトリオット
パトリオット

……お前は、お前は……

この大地で最も恐ろしい災いなのかもしれん。

彼女は死なねばならない!
さもなくば、この大地が死にゆく!

パトリオット
パトリオット

お前を生かしては、おけん。

恨むなら私を恨め。


甲冑がぶつかる音が君の耳に入ってきた。
満身創痍のバケモノは、突然とアーミヤに手を伸ばした。

ケルシー
ケルシー

――アーミヤ!

ローズマリー
ローズマリー

ア、アーミヤ!

アーミヤ
アーミヤ

……

コータスの女の子は避けなかった。死の影は彼女の硝煙に塗れた顔に襲い掛かったが、彼女は後ずさず、叫びもせず、ただパトリオットの双眼を直視していた。
彼の魂を覗き込むかのように。

それと同時に、鈍い黒色をした剣と光を放つエネルギーの束が、巨人の不死の躯へ突き刺さっていった、しかしそれでも彼は揺れ動くことはなかった。
パトリオットが黒衣を纏った少女の小さな頭を握りつぶせるところまで手を伸ばしたその時……

そのウェンディゴの動きは、音を立てて忽然と止まった。
彼の兜からは何かが滴り落ちたようだった。
……
一分が経過した。
この悠久な一分の中で、君が聞こえてくるのは、移動都市が放つ殷々たる音以外、何もない。


君は、目の前の怪物がすでに死んでいることに察する。
一歩も退かず。一秒たりとも諦めなかった。だがそれでも、死は彼の今生の進軍を止めたのだった。

ストーリータイトル「パトリオットの死」

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