うわああああ!
(大爆発する音)
チッ、また失敗した、でも今回はいい飛行弧度が出たな。
どこに吹っ飛んじまったんだ?
さあな、どうせあとで戻ってくるだろ、実験を続けよう。
というわけで、このパイプはどこにつなげれば――
ははぁ、それっぽい挿し口があったぞ、ここだぁ!
おーい、動かせるか?
ダメだダメだ、お前本当にわかってやってんのかよ!
うるせぇな、今まで見たことないエンジンなんだから、ちょっくら色々試させてくれよ!
俺に貸せ!
俺が見るに、このパイプはたぶんここに挿しこむんだろう、そんでなんだこのボタンは?まあいっか、とりあえずポチっとな。
お前こそわかってねぇだろ!挿しこむ場所はここだろうが!
あんたらバカどもは一体何をやってるの、送油管だってまだ挿しこんでないじゃないの、アタシに貸せ!
送油管の挿し口はどこだったかな、まあいいや、この挿し口ほかより大きいわね、じゃあここだぁ!
おーい、誰か起動してみてよ!
戻ったぞ!
まったく今の若者どもは敬老という言葉を知らんのか、わしが吹っ飛ばされても誰一人探しにこないとは!
でも大祭司さま毎回こんなことになってもいつもちゃんと戻ってきてくれてるじゃないっすか、みんな慣れちまったんですよ!
ああもう、わかりましたから、早く起動してみてくださいよ!
わかったわかった。
――――!
おおビッグアグリー、わしのかわいいビッグアグリーよ、そろそろ起きる時間じゃぞ!
おお!大首長、ビッグアグリーがやっと動いたぞ!
この美しいエンジン音!こんなにも素晴らしい音は聞いたこともねえ!
ハッハー、やっぱこのアタシがやらないとね!
どうやって動かせたんだ?
あんたが見てきた通りだぜ、大首長、あんな風にやってたら動いたんだ!
このパイプをここに挿して、あのパイプをあそこに挿したんだ!
アタシらがビッグアグリーを創り出したときのように!
さすがだな。
嗚呼、かつてはただのガラクタだったビッグアグリーが、今やこんな立派になりおって、嗚呼、この情景を見ると、思わず歌いだしたくなってきたわい!
まあ、歌はとんでもなく下手だな。
なんじゃと!?そうか、わりと歌唱の才があったと思っておったんじゃが……誠に遺憾じゃ!
ああ、そうじゃ、きっと歌い方に問題があったんじゃ。
うむ、きっとそうじゃ、そうと決まれば、次はベルカントという歌唱法を試してみよう!
(アダクリス人が駆け寄ってくる足音)
大首長、何者かが侵入してきたわ!
ガヴィルか?なら私に……
違うわ!色んな武器を背負った変人よ!
なんだそれは?
(トミミが歩いてくる音)
この先にズーママの部族があるはずです。
あいつ、自分の部族をこんな風に改造してやがったのか。
なんだかすごそうね!
それにしても、どうして中はここまで賑やかなんでしょう?
ん?殴りあいでもやってるのか?
(殴り合いのする音)
おのれレユニオンめ、このケーちゃんの名前を奪い取ろうだなんて、おいらの名前ははちみつクッキーより大事なものなんだぞ、おいら絶対に許さないからな!
(殴る音)
ぐあああああ!
どっから来たんだこの変人は、強いぞ!
何をしゃべってるかは聞き取れるけど、でもレユニオンって一体なんなのよ!
あれっ、あれってケーちゃんじゃない?
そうみたいですね。
騒ぎを聞くに、ケーちゃんはたぶんもう中に入って暴れまわってるわね。
とにかく、先に彼女を抑えよう!
・ケーちゃんストップ!
・……
・ケーちゃんがんばれ!