こんなに強いレユニオンがいただなんて、ふんっ、でもケーちゃんは負けないよ!
チッ、まったくこのおバカは。
(ガヴィルがケオべをひっぱたく音)
いい加減目を覚ませ!
うーん?ここはどこ?
あっ、ガヴィルだ!それにみんなも!
・おはよう。
・……
・(ケオベの頭をコツンっと叩く)
えへへ、ドクターおはよう。
うぅ、顔が怖いよドクター、おいら何か悪いことでもしたの?
うううぅ、痛いよ、ドクター。
なんで急においらの頭を叩くの……
少なくとも正常には戻ったな。
ケーちゃん、どうやってここに来たのか憶えてるか?
……うーん、忘れた!
だよな。
ほら、ゴロンしな、身体に傷がないか診てやるよ、それと次は勝手にいなくなるんじゃねぇぞ。
は~い、あれ、ここってどこ?
ここは……チッ、もうどっから説明してやればいいかわかんねぇよ、とにかくとりあえず寝っ転がってな!
うん――
ガヴィル、何をやってるんだ?
チッ、お前に説明すんのもめんどくせーな、とりあえず待ってろ。
……
十分後
よし、問題はなさそうだな、ドクターのそばでじっとしてろよ、勝手にいなくなるんじゃねぇぞ、そしたらもうはちみつクッキーやらねぇからな。
わかった!はちみつクッキー!
もういいか?
もういいぞ。
では、ガヴィル、何しに来た?
あー、話すとちと複雑なんだが、とにかくお前に用があって来た。
エンジンは返さないぞ。
エンジンのこともあるが、今は別のことで話がある。
別のこと?
お前手下に鉄鉱を採掘させに行かせてるのか?
ああ。
……チッ。
(殴り合う音)
ガヴィル、お前がそんな負けず嫌いなやつだったとは思わなかったぞ。
ビッグアグリーに負けてそんなに悔しいのか?
違う、あのビッグアグリーってのは確かにすごかった、完全にアタシの負けだ。
だがお前の手下が鉱石病に罹ったにも関わらず鉱石を採掘させているのであれば、アタシは医者として、絶対にお前を阻止しなきゃならねぇ。
ん?鉱石病?ああ、石の病のことか。
そんなことはさせていない。
あ?
あいつらには何度も鉱山区の奥には近づくなとくぎを刺している。
だが鉱石病に感染したお前の手下がいるんだぞ!
言うことを聞かないやつだっている、私ではどうにもできない、そうだろ、ヨギー?
ああ、兄ちゃんは大首長のために危険を冒してまで鉱山区の奥に入っていったんだ。
あ?だったらそういうのは先に言えよ!
聞いてこなかっただろ。
こんな大事なことを……!
・自分でも言っていたじゃないか、鉱石病はここでは重く見られていないって。
・……
・確かに聞いていなかったな。
チッ、わぁーったよ。
ドクター、アタシは本当に聞いてなかったのか!?
チッ、ドクター、お前までアタシに難癖つけやがって!
それに……
お、おい、なに急に服を脱ぎはじめたんだ?
ん!?お前その身体って……
私も小さい頃から鉱山区をウロチョロしていたからな、石の病をもらってもおかしくはない。
それに、鉱山区のどこに病をもたらす鉱石があることなど、私以上に理解してる人はいない。
……
そうだったのか。
わかった、アタシが誤解してた、すまなかった、ズーママ。
平気さ。
えっ、これで和解!?
普通こういう状況ってお互い意見が譲れず三回戦までバトるとこでしょう?
そないなことは期待せんでええ!
・ガヴィルはそんなやつじゃない。
・……
・確かに残念だ。
じゃあもう一つ聞きたいことがある。
アタシらのエンジンはお前が持ってるんだよな?
ああ。
返してくれないか?じゃないとアタシら帰れないんだ。
だめだ。
帰りたいのであれば、そこまで送ってやる。
それじゃあダメだ、ケルシーに殺されちまう。
どうしてもダメなのか?
どうしてもダメだ。
おっ、これはやっぱり始まっちゃうやつだね。
どうやら結局手を出さないとダメなようだな。
私は最初からそのつもりだ。
へっ、こいつとやるってのか、面白ぇ!
(ビッグアグリーが現れる音)
やあやあ、こんにちは諸君!
……大祭司、どうしてビッグアグリーを持ち出したんだ?
なんじゃ?ガヴィルとやるのではないのか?使わんのか?使わんのじゃったら戻すぞ、まだエンジンをテストせねばならんからな。
……使うさ、だが今じゃない、まだこいつと話すことがある。
おう、わかった、じゃあ話を済んだら、わしを呼ぶんじゃぞ!
ああ。
なぁ、お前らさっきエンジンがどうたらこうたらって言ってなかったか?
ああ、ビッグアグリーは今お前たちのエンジンを装着させている、取り戻したいのであれば、お前の武力をもって取り戻せ。
へっ、じゃあ遠慮なくそうさせてもらうぜ!
ついてこい、広場で決着をつけよう。