うわあああああ!ん、違うな、次は別の叫び声に変えたほうがよいな、少々飽きてしまった……
(ビッグアグリーが大爆発する音)
おい、あいつ大丈夫なのかよ。
心配はいらない、少ししたら戻ってくる。
そうか、ていうかあれって本当に普通の人なのか?あんなヤツがいたなんて聞いたことなかったぞ。
さあな、大祭司は大昔からここに住んでいるとしか言っていなかったからな。
そうなんだ、そんなことよりも……
ふぅ、ホントに大したヤツだったぜこのデカブツは。
ガヴィル、頭から血が出てるわよ、大丈夫?
大丈夫大丈夫、こんなもんかすり傷だよ、トミミ、アタシの医療キットを持ってきてくれ。
ん?トミミはどこ行ったんだ?
ほい、医療キット。トミミなんだけど、さっきもうすぐ勝てそうってときに慌ててどっかに走ってったよ。
サンキュー。まさかビビっちまったとかはねぇよな。まあいいや、先に包帯を巻いておくか。
そうだ、お前らはほかに負傷者がいないか見てきてくれないか、全員ここに連れてきてくれ、アタシが診てやるよ。
おー、まかせろお!
はは、分かったわ。
えー、めんど。
文句言わない。
ドクター……ん?
ビッグアグリー……
ズーママ、すまない、壊すことしかできなかった。
わかっているさ。
チェックしてみたんだが、エンジンは無事だった、お前たちに返そう。
そうか、それはよかった!
ガヴィル、残るつもりはないのか?
ああ、アタシもお前と同じだ、やらなきゃならないことが見つかったんだ。
それは医者か?
ああ。
医者は楽しいか?
機械造りは楽しいか?
楽しい。
そういうことだ。
だが、大首長の座にはやはりお前が必要だ。
は?
何はともあれ、ビッグアグリーを倒したのは事実だ、お前の勝ちだ、ガヴィル。
見ろ、人がまた集まってきた、みんなお前に目を向けているぞ。
チッ、ドクター、どうする?
・君が決めてくれ。
・……
・大首長ガヴィル万歳!
それ答えてないようなもんじゃねぇか!
ドクター、寝たフリをしてても無駄だぞ!アタシは医者だかんな!
チッ、この野郎、マジで一発殴ってやりたいぜ。
ガヴィルさん、大丈夫ですか!
ん?ああ大丈夫だ。どこに行ってたんだ?
えっ?あっ、そのぉ、ちょっと急にトイレに行きたくなっちゃって!
そうか……ん?
どうしたんです、ガヴィルさん、突然私をジーっと見つめて?
うーん……はは、これだ!
みんなよく聞いてくれ!
アタシはビッグアグリーに勝った、だからこれからはアタシが大首長だ。
ここでお前らに言いたいことがある、それは――
この拳が、アタシたちのすべてだ!
えっ、ガヴィルさん、ここに残って大首長になってくれるのですか?
しかーし!
アタシにはまだ大事なことがやり残している、だからまたここを出る。
だが心配すんな!アタシのいないときは、トミミがアタシの代わりに指示を出してくれる。
このトミミをアタシとして見てくれればいい!
えっ、ええええええ?
えっ、ホントにそんなんでいいの?ここの人たちってパワー至上なんじゃないの?
今はガヴィルが大首長になった、あいつはここの全員を征服したんだ、信服されて当然だ。
はは、なあズーママ、機械は確かに面白いぜ、でもアタシにとっちゃ、やっぱりこの拳を動かしたほうが好きだ。
ふんっ、忘れるな、私はお前を認めたわけじゃないからな、もっと強い機械を造って、お前に再挑戦してやる。
いいぜ、待ってるよ。
ああそうだ、その前に、アタシと一緒についてきてもらうぜ。
なぜだ?
アタシと一緒にロドスに行ってお前の鉱石病を診てもらうためだ。
拒否してもいいか、まだビッグアグリーを……
今回ばかりはダメだ、トミミが就任するまでは、アタシが大首長だ、たとえお前を縛ってでも連れて行くからな。
わかった。
……ガヴィルさん、やっぱり行っちゃうんですか?
そうだな、エンジンを取り外して飛行機に付け戻したら、ここを出る。
……
だめです。
ん?
ぜ、絶対に行かせません!