トミミ、お前大丈夫か?
絶対にガヴィルさんを行かせませんから!
あ?どうしてだ?
だって、だってもう離ればなれは嫌なんです!
は?
本来は私が大首長の座を奪ってからガヴィルさんに残ってもらうつもりでした……
まさか、今回の祭典はお前が開いたのか?
その通りです、もしズーママが突然現れなかったら、私が大首長になれるはずだったんです!
……そういうことか。
あ?お前らなんの話をしてるんだ?
・祭典を開催できるのがおかしかったんだ。
頭が冴えているな、異郷人。
少し考えてみればわかることだ、ガヴィル。
お前があの時出て行ってかあら、大部族は様々な小部族に分裂した、みんな統一したリーダーを失ったからだ、一緒に集まることもめっきり減った。
つまり、祭典は突如こんな風に開催できるはずがないんだ、みんなを組織してまとめ上げる誰かが必要だからだ。
ん?祭典はお前が開いたんじゃねぇのか?
私ではない、ビッグアグリーはずっとエンジンだけが欠けていた、まだ完成とはいえない状態だったんだ、本来少なくともあと一年後にほかの部族たちに連絡を入れて新たに祭典を開くつもりでいたが、結果は突如として開催された。
私にとっても突然だった、だが開催された以上は、仕方がなかった、未完成であっても、今のビッグアグリーならみんなを驚かせれると私は信じていたから参加した。
お前が帰ってくるのは計算外だったけどな。
つまり、私を呼び戻したのもトミミだろ。
まさか、全部お前の計画の内だったのか?
……はい。
大首長になるために、私はこの数年間本で習った知識でほかの部族を説得させて、最後は私が大首長になるために色々してきました。
でも今ならまだ間に合う……私の指示に従ってくれる部族たちは完全に外を包囲しました、ビッグアグリーも倒された以上、私のガヴィルさんを留めさせる計画を阻止できる人はもう誰もいません!
どうして何がなんでもアタシを行かせたくないんだ?
だって、だって……
ここ、ここどこ……
うううぅ、お家に帰りたいよぉ……
イヤー!
おーい、大丈夫か、トミミ。
ガヴィル……
ったく、お前ってヤツは、気付かないうちにこんなところまで入っていきやがって、すげー探したぞ。
ガヴィル、血が出てる!
あ?平気平気、こんな傷大したもんじゃねぇよ。
さっ、ウチに帰ろう。
ガヴィルさんは私の命の恩人なんです、私はガヴィルさんが大好きなんです!
それに、それにガヴィルさんは最強なんです、ガヴィルさんが大首長になれば、きっとみんなを導いてくれるんです!
はぁ、数年経って成長したと思えば、お前は昔とほとんど変わんねぇな……
アタシには大事なことがまだやり残ってるんだ、お前には止められねぇよ、トミミ。
……本にはこう書いてました、「彼の心が奪えないのであれば、その人自身を奪い取ろう」って、それに、「私のそばに彼が居てくれれば、たとえ嫌われても関係ない」って書いていました。
だから、だからたとえガヴィルさんに嫌われたとしても、絶対にここに残ってもらいますから。
えっと、彼女まさかチープな三流恋愛小説に毒されたんじゃ……
今は、ビッグアグリーが倒され、あなたたちもだいぶ消耗しています、私には絶対勝てません!
大人しく投降してくれれば、あ、あなたたちに危害は加えませんから!
お前にはアタシを止められねぇよ、トミミ。
……じゃ、じゃあ容赦しませんからね!
部族のみなさん、まとめてやっちゃってください!