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【明日方舟】シナリオ翻訳 往昔の風を求めて「マドロック ~ 回顧」

ボブ、元気にしているか?
君からの手紙を受け取ったよ、君が順調にクルビアに向かっていることを嬉しく思う。
ぼくたちも無理なく過ごしているよ、少なくとも、まだ生きている。
スモーキーは君との腕相撲に一度は勝ちたいと未だに悔しそうにしていた、コックは君のバウンティーハンター仲間が彼に金貨三枚返してもらってないことを未だに憶えていたよ。
手紙がクルビアに届くまで遅くなるかもしれないけど、でも、君にはどうしてもお祝いをしてあげないと思ってね。
君たちがああいう出来事から抜け出せれたのは本当に幸運なんだ、ボブ、本当だよ。
君からの招待はまだちゃんと憶えているよ、ぼくたちみたいなサルカズを忘れずにいてくれて本当にありがとう。
でも――

サルカズ戦士
サルカズ戦士

早く行け!マドロック!

サルカズ戦士
サルカズ戦士

行くんだ、カズデルに、生きていける場所に……!

マドロック
マドロック

やめろ……やめろ、もう喋るな、お前は……

サルカズ戦士
サルカズ戦士

マドロック――!

サルカズ戦士
サルカズ戦士

絶対に振り向くな……振り返らずに行け!

マドロック
マドロック

だがお前を……

サルカズ戦士
サルカズ戦士

オレのことは……構うな、行け、早く行くんだ、カズデルに、カズデルに……さえ……辿りつけば……

マドロック
マドロック

スモーキー……!スモー……

マドロック
マドロック

……

マドロック
マドロック

行くぞ……行くんだ、早くしろ。

でも俺たちの現状はあまり良くはない。
君たちと別れた後、俺たちはリターニアに向かった。
色んなことが起こった、情けないけど、今の俺たちは「マドロック小隊」って呼ばれてるらしい。
君ならわかるだろ、俺は表に出るのが嫌なんだ、でもリターニアの感染者たちには、彼らには助けが、救いが必要なんだ。
俺は彼らを放っておけなかったんだ、ボブ。ハンターの兄弟たちを放っておけない君のように。

リターニア感染者
リターニア感染者

ど、どうして斥候の連絡がまだ来ないんだ?

サルカズ戦士
サルカズ戦士

……慌てんな。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

森の中の霧が濃い、そう簡単に俺たちを見つけられないんだろう……

リターニア感染者
リターニア感染者

だが、だがもう八日も過ぎたんだぞ!

リターニア感染者
リターニア感染者

俺たちは十二人もの仲間を失ったんだ、それでも誰が俺たちを追っているのかすら分かってねぇんだぞ!

サルカズ戦士
サルカズ戦士

……

マドロック
マドロック

彼らをあまり責め立てないでくれ……こういう敵に会えば、慌ててもおかしくない。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

マドロック?

マドロック
マドロック

……唯一確かなのは、あいつらは術師ってことだ。

マドロック
マドロック

たとえ友の目を借りても、この霧の中ではあいつらの影すら捕らえられない……

リターニア感染者
リターニア感染者

だが火の玉と、雹と突風がずっと続いてるんだぞ、あいつらはずっと俺たちの近くにいるんだ、ずっと……あっ!

リターニア感染者
リターニア感染者

この連日の濃い霧もあいつらのアーツに違いねぇ、天候がおかしすぎるんだ……!あいつらは火のように燃える目で空を飛べるんだ、そんなこと――

マドロック
マドロック

落ち着け。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

だが、俺たちが動揺してるのも、事実だ。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

誰が、何人いて、どんな手段で俺たちを監視してるのかすらも分かっていない。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

隙を見せれば、攻撃に遭う。こういう姑息な遊撃戦は、あまり見ない。

マドロック
マドロック

……これもリターニアアーツの一種なのか?聞いたことないぞ……

リターニア感染者
リターニア感染者

お、俺も知らねぇ……そんなアーツ聞いたこともねぇ……

リターニア感染者
リターニア感染者

隊長には優秀なアーツの才能がある……だから正直に言って、隊長すらどうしようもできないんだったら、俺たちは……

サルカズ戦士
サルカズ戦士

……どうする?

サルカズ戦士
サルカズ戦士

元のプラン通りに進み続ければ、この森を出る前に何回襲撃に遭うか分からないぞ――

サルカズ戦士
サルカズ戦士

反撃するつもりでも、相手が誰なのかすら不明な状況だ、視界も悪い、気温だってどんどん下がっている。

マドロック
マドロック

……お前は同胞を二人連れて行動ルートの確保に向かえ、小隊から五百メートル以内の距離を保ちつつ、毎分通信を必ず一回は取れ。

マドロック
マドロック

俺が殿を務める。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

そいつらが「後ろ」にいるとは限らないぞ。

マドロック
マドロック

岩石の友人たちが主要小隊を守ってくれるさ。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

……わかった、だがアーツの使用はなるべく避けろ。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

お前だけは倒れるわけにはいかない。

マドロック
マドロック

分かっているさ……ありがとう。

マドロック
マドロック

……

サルカズ戦士
サルカズ戦士

どうした?

マドロック
マドロック

……一つ約束してくれ、コック。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

言ってくれ。

マドロック
マドロック

主要小隊との連絡が取れる限り、彼らを連れて進み続けてくれ。

マドロック
マドロック

後ろでどんなことが起こっても……絶対に振り向くな。

ボブ、クルビアはどんな場所だ?
あそこは見境ない境地の拡張により廉価な労働力需要のため、感染者が労働での生活が許されていると聞いた。
でも、君ならこういう仕事は得意だったよね?君は農村で育ったのか?秋風が麦畑を波立たせる風景は本当に映画にあるようにきれいなのか?
それと、とても口に出しづらいんだが、俺は本物のホップを見たことがないんだ。
色んな人に聞いてみたり、わざわざ植物図鑑で探してみたことがあるから……どういう形をしてるかはわかる。
もし俺にも穏やかに暮らせる場所が見つかったときは、また手紙を送るよ、その時は、ぼくに標本を送ってくれないかな?

リターニア感染者
リターニア感染者

なんだ!?何が起こってるんだ!?

リターニア感染者
リターニア感染者

俺の身体が……源石結晶が動いて、何かが俺の身体の中を――俺の――俺の――ぐわああああ――

サルカズ戦士
サルカズ戦士

あいつら……感染者をアーツの媒体として使っているのか?

サルカズ戦士
サルカズ戦士

ありえない……ありえない!術師はどこにいるんだ!?こんなアーツ……一体どうやって!?

サルカズ戦士
サルカズ戦士

マドロックは!?マドロックはいるか!?

マドロック
マドロック

大丈夫か?

サルカズ戦士
サルカズ戦士

ハァハァ……俺から……離れろ!

サルカズ戦士
サルカズ戦士

あいつらが近くにいる、感じるんだ、これは呪術に似ている……現代のアーツの範疇にあるものじゃねぇ……

サルカズ戦士
サルカズ戦士

あいつらは……感染者の――ぐあああ――体内の源石を利用してるんだ……!

マドロック
マドロック

しっかりしろ!

(マドロックがアーツを発動する音)

マドロック
マドロック

盤石よ、我が敵を探し出せ――!

サルカズ戦士
サルカズ戦士

き……気力を無駄に使うな、マドロック!

サルカズ戦士
サルカズ戦士

お前は……あの遠く及ばない肥沃な大地に帰るまで……生き延びるんだ!

マドロック
マドロック

うわ――!

マドロック
マドロック

お前手が!源石結晶が皮膚を貫いて……俺はどうすれば……

サルカズ戦士
サルカズ戦士

はは……感染者がこんな風に「使える」とは……あの長帽子を被った術師どもめ……恐れ入ったぜ。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

……マドロック。

マドロック
マドロック

傍にいる。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

残りの人を連れて、活きて……カズデルに行け、そうだ、俺たちの故郷に――

サルカズ戦士
サルカズ戦士

へっ、故郷か……

サルカズ戦士
サルカズ戦士

実は分かってたんだ……あそこには何もないってことはな、生きていけるんだったら、お前の好きなところに行けばいい。

サルカズ戦士
サルカズ戦士

ゴフッ――俺がおめおめとあいつらの武器として扱われるのはゴメンだ、ほかの連中に伝えろ、俺は戦って死んだとな!

マドロック
マドロック

待ってくれ……!

マドロック
マドロック

……

マドロック
マドロック

お前……どうして……自殺は戦士の最期には相応しないって言うのに……

マドロック
マドロック

――出てこい!

マドロック
マドロック

出てこいって言ってるんだよ――!

岩々が一人のサルカズの怒りに呼応していた、巨像はまるで死者への墓標のように高く聳え立っていた。
林の間を風が音を立ててすり抜ける。
遥か遠方に、いくつかの人影が見えた。あるいは今でも風に揺れて折れそうな木の枝にすぎないのかもしれない。
巨像は瞬く間にそこへ駆け抜けていった。

マドロック
マドロック

……

マドロック
マドロック

…………

(アーツでは破壊する音)

ボブ、長々な文で申し訳ない。
ぼくたちはちょうどリターニアを出発した、カズデルに帰るつもりだ。
帰路は遠い、数々の危険に遭うかもしれない、しばらくは、トランスポーターにこの手紙を渡せないかもしれない。
もしぼくたちが無事カズデルに辿りついて、この感染者たちを安置できたときは――
――クルビアに行って君に会いに行くよ。

(サルカズ戦士が走る足音)

サルカズの戦士
サルカズの戦士

マドロック、無事だったか!ほかの連中は……

マドロック
マドロック

……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

あ……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

ちくしょう……

マドロック
マドロック

森を抜けるだけで、半数の人を失ってしまった……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

……マドロック。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

反撃は可能か?

マドロック
マドロック

……

マドロック
マドロック

俺たちの隊の中には……一般人が大勢いるんだ。反撃はできない……

(リターニアの感染者が歩いてくる足音)

リターニア感染者
リターニア感染者

……マドロック、ちょっといいか?

マドロック
マドロック

ん……なんだ?

リターニア感染者
リターニア感染者

あの追っ手に、たぶん……たぶんだが見覚えがある。

リターニア感染者
リターニア感染者

あいつら、あいつらのアーツは……感染者の命を弄ぶアーツだ……

リターニア感染者
リターニア感染者

ああいうものは……もう存在しないはずなんだ……だがそれに関連する研究を行っている貴族も多くいる。

リターニア感染者
リターニア感染者

あいつらは塔の侍従か、アーツの研究者の可能性が高い……あいつらは、あいつらは……

マドロック
マドロック

……「騎士」ではないのなら、最悪な状況にならずに済む。

マドロック
マドロック

怖がるな……少なくとも俺たちはしばらくの間……あいつらから逃げ出すことができたんだ。

カズデルに帰る道は、果てしなく長い。
故郷の風景を忘れてしまうほどに。
カズデルは確かに荒廃とした土地だ、でも流れ着いた者たちがかつての戦争の廃墟に繁栄とは言い難いがそこそこ栄えている町を建てたんだ。
サルカズに煌めき輝く城を持つことは許されない。でもただぼくは静かで、長い戦いから息つぎできるような足休めの地が欲しいだけだ。

マドロック
マドロック

この山を越えれば、カズデルの勢力範囲内に入るはずだ……

マドロック
マドロック

山頂から大橋が見えて、川を越えて……北に100km進めば、異民族が集まってできた村があるはずだ。

リターニア感染者
リターニア感染者

……そこが俺たちの目的地なのか?

マドロック
マドロック

ああ……

マドロック
マドロック

ぼくはかつて……あそこで暮らしていたからね。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

マドロック、ルートの確認が完了、追っ手の痕跡の発見はなし。

マドロック
マドロック

よし……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

……

マドロック
マドロック

行こう、暗くなる前に川を越えて野営地を見つけないと。

(隊が歩き出す足音)

サルカズの戦士
サルカズの戦士

……マドロック!

サルカズの戦士
サルカズの戦士

傭兵が二十数人あいつらに襲われたんだ、それなのに俺たちは敵の顔すら分かっていないんだぞ!

マドロック
マドロック

……だからこそそいつらと交戦してはだめなんだ、危険すぎる……同胞たちを全員道ずれにするつもりか?

リターニア感染者
リターニア感染者

す、すまねぇ……俺たちが足手まといで……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

違う……俺が言いたいのは……クソッ。

マドロック
マドロック

進もう、振り返らずに。

マドロック
マドロック

俺が最後尾に行く。

マドロック
マドロック

……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

マドロック?

マドロック
マドロック

んあ……すまない、眠ってしまった……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

疲労が溜まってるんだ。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

敵の襲撃に遭ってから、お前はアーツの使用を止めなかったからな。

マドロック
マドロック

問題ない。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

はぁ、誰もお前を止められねぇことぐらい、分かってる。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

……なぁ、俺最近は目に見えるリターニア人と遊撃した日が懐かしく思い始めたんだ。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

憲兵隊、武装警察、民兵、それに術師団……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

俺たちは出来る限り正面衝突を避けた……あいつらだって玉石倶に焚くようなリスクを冒してまで俺たちと交戦したくなかったはずだ。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

だが先月から、状況が変わった。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

……マドロック、何笑ってるんだ、ちょっと怖いぞ。

マドロック
マドロック

……正体が分からない術師、恐ろしいアーツ、まったくそれに対抗できない俺たち、恐怖を感じても恥ずかしがることはない。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

そうだな、お前の言う通りだ、ああ。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

……もし、もしもの話だが、もしあいつらが実はまだ俺たちの後ろをついてきていたとしたら……もしあの橋の向こうにいたとしたら、どうする?

マドロック
マドロック

……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

俺たちは迎え撃つべきなのか?それとも――

マドロック
マドロック

術師のほとんどは脆弱だ、それに数の利はぼくたちにある、あいつらもそれを分かっている……あいつらのアーツは確かに恐ろしく、強大だ……

マドロック
マドロック

だがいくら強大であろうと術師が人なのは変わらない、そんなにおびえる必要はない。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

森の中で俺たちの行軍についてきて、一か月だ、あいつらの野営地も、補給の車隊も、集団行動の痕跡も見つからなかった……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

ただ次々とはぐれた小隊からの連絡が途絶えるだけだった。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

あいつらは感染者をアーツの媒体にしている……理論上は可能だろう、だが倫理上は、いや、たとえアーツの難易度から考慮してもあまりにも……

マドロック
マドロック

あっ、そうか……あいつらは実験をしてるんだ。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

あ?

マドロック
マドロック

俺たちは実験の材料なんだ、尽きることなく、使い果たすことのない材料なんだ。

マドロック
マドロック

あいつらにとって俺たちは所詮……そういうものでしかないんだ。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

……じゃああいつらは一体なんなんだ?

マドロック
マドロック

あいつらは……

マドロック
マドロック

ここを抜ければ、盆地にある村が見えてくるはずだ。

マドロック
マドロック

これが最後の段落だ……あいつらは……

マドロック
マドロック

……

マドロック
マドロック

斥候が戻ってくるのを待とう……先にあの村の状況を確認しないと。

マドロック
マドロック

今は、今後の生活を……想像してみるのもいいかもな。

リターニア感染者
リターニア感染者

今後の生活か?俺たちの、この逃亡がやっと終わるのか……?

サルカズの戦士
サルカズの戦士

……俺たちはやっとこの鎧を脱ぎ捨てることができるのか?

サルカズの戦士
サルカズの戦士

どうやって生活すればいいんだろう……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

マドロック?どこに行くんだ?

(マドロックが歩き出す足音)

マドロック
マドロック

あー……ちょっと丘の上を見てくる。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

わかった、通信はそのままにしてくれ、いつでも出発するから。

マドロック
マドロック

ああ。

リターニアを出る前、ずっと迷っていたんだ。
カズデルに帰るのは本当に正しいのか?本当に順風満帆に新しい生活を送れるのか?
リターニアでは多くのことを学んだ。
ある時、運命なんてのはただの言い訳にしかならないんだ。あらゆる変えられない暮らしの軌跡が辿った結末にすぎないんだと。
俺はただ生きていきたい……みんなと一緒に生きたいだけなんだ。

マドロック
マドロック

カズデルの村が……前よりもずっと栄えている。

マドロック
マドロック

炊事の煙、トラック、マーケットまである。

マドロック
マドロック

久しぶりに見たな――ん?

でもそうだとしても――
――それから逃げられない時もある。

マドロック
マドロック

これは……?

マドロック
マドロック

……白骨?

(通信音)

サルカズの戦士
サルカズの戦士

マドロック。

マドロック
マドロック

なんだ?

サルカズの戦士
サルカズの戦士

また霧が起こった……林の朝霧なのかどうかは分からない、だが……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

だがみんながまたパニックになってる、お前にあいつらの情緒を抑えてほしいんだ。

マドロック
マドロック

あぁ――

マドロック
マドロック

そうだな、ここからも村が見えなくなった……霧が出たんだな。

マドロック
マドロック

先遣隊を待とう、みんなをここに集めてくれ。

(通信終了音)

サルカズの戦士
サルカズの戦士

みんな揃ってる。

マドロック
マドロック

……頼みがある。

リターニア感染者
リターニア感染者

これは……?白骨?サルカズの遺体か?

サルカズの戦士
サルカズの戦士

遺骨が小さい……まだ子供だったんだろう。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

ここに、錆びた刀が折れてる、おそらくこの子は戦って死んだんだろう。

リターニア感染者
リターニア感染者

……

マドロック
マドロック

ああ……とにかく、この子を弔いたい。

リターニア感染者
リターニア感染者

でも、お前のアーツを使えば……

マドロック
マドロック

俺は……自分の手で埋めてあげたいんだ。

マドロック
マドロック

手を貸してくれ。

リターニア感染者
リターニア感染者

ああ、わかった……

マドロック
マドロック

みんな、この先にぼくたちの新たな暮らしが待っている。

マドロック
マドロック

ぼくたちは戻れてこれたんだ。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

多くを犠牲にしてしまった。

マドロック
マドロック

俺たちは逃げきれたのだろうか?

サルカズの戦士
サルカズの戦士

……分からない。

マドロック
マドロック

村の様子は?

サルカズの戦士
サルカズの戦士

繁盛している。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

カプリーニと、サーミ人も少なくない。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

マーケットもある。売りの地盤もあった。管理してるのは老いたサルカズだ。昔は傭兵だったらしい、たぶん「話が合う」。

マドロック
マドロック

そうか……よかった。

マドロック
マドロック

村からの距離も短い、この距離なら問題はなさそうだ……

マドロック
マドロック

さあ、お前たちは新たな暮らしを求めに行け。

リターニア感染者
リターニア感染者

……えっ、マドロック?じゃあお前たちはどうするんだ?

マドロック
マドロック

……ここに残るよ、けじめをつけないな

サルカズの戦士
サルカズの戦士

あ゛~……やっと傭兵らしい仕事ができる。

リターニア感染者
リターニア感染者

待ってくれ……!それってつまり……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

行け。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

振り返るなよ。

リターニア感染者
リターニア感染者

お前たちは、お前たちは俺たちを連れてやっと故郷に戻れたんだぞ、なんでこんな時になっても死にに行くんだよ……!

サルカズの戦士
サルカズの戦士

……こいつの言う通りだ、俺はただあいつらの仇を討ちたいってだけだ。お前はまだ若い、帰るなら今の内だぞ。

サルカズの戦士
若いサルカズの戦士

あ?逃げろって言うのか?俺がもし一回でも振り向いたら、俺の頭をもぎ取ってボールにしてお前にやるよ。

リターニア感染者
リターニア感染者

だが俺たちは――

マドロック
マドロック

……俺たちは振り返ってはだめなんだ、帰りたい人は、今の内に。

マドロック
マドロック

恥じることはないし、自分を責めなくてもいい……俺たちがこの橋を守るから。

マドロック
マドロック

……もしかしたら、全部幻だったのかもしれないし、あいつらも諦めたのかもしれない、それだったらあとでまた村で会おう。

マドロック
マドロック

……

マドロック
マドロック

戦士たち、列を整えよ、進め。

マドロック
マドロック

大橋を死守せよ。

俺たちは何を以て安心して何事もなくあの苦難な運命から逃れられると言うのか?
俺たちにそんな資格があるのか?俺たちにできるのか?
答えから誰も逃れられないんだ。最後は結局武器を握るよう、過去の全てに立ち向かうように迫られるんだ。

マドロック
マドロック

……何人残ったんだ?

サルカズの戦士
サルカズの戦士

自分で振り向いて見ればいいだろ?

マドロック
マドロック

俺……やっぱり少し心配だな……

サルカズの戦士
サルカズの戦士

はぁ……お前ってやつは……じゃあほかのやつに頼むか、おーい、お前ちょっと後ろの人数を教えてくれ。

サルカズの戦士
若いサルカズの戦士

からかってるのか?今振り向いたらマジで頭をもぎ取らないといけないだろ?

サルカズの戦士
サルカズの戦士

……ま、動きの音を聞けばわかるんだけどな、数人離脱しただけだ。

マドロック
マドロック

……ありがとう。

マドロック
マドロック

本当に……ありがとう。

ロドスオペレーター
ロドスオペレーター

霧がどんどん濃くなってきたな……隊長、まだ見張っておきます?

ロドスオペレーター
ロドスオペレーター

あの長帽子を被った術師は本当に気持ちが悪いぜ……あいつらの連れてる感染者の奴隷が……あいつらのアーツロッドだなんて。

ロドスオペレーター
ロドスオペレーター

……あっちのレユニオンも最後に賭けに出るようだし、どうすればいいんだ?

???
隊長

・双子の女皇が践祚し、巫王は十も崩御されたとは――

・リターニアに痴人あり、巫王の遺毒を未だに研鑽していたとは。

ロドスオペレーター
ロドスオペレーター

あー……隊長、普段から何言ってんのかさっぱりわかんねぇんだ、もう少し簡単に話してくれませんかね?

ロドスオペレーター
ロドスオペレーター

ちょっと待って下さいよ、隊長、どこに行くんです

???
隊長

人助け。

ロドスオペレーター
ロドスオペレーター

うわぁ、急にすげー簡単になったな……でも、レユニオンを助けるんです?

???
隊長

・命からがら感染者を守るサルカズたちしか目に入ってない。

・腐敗した貴族の麾下と、生命を冒涜してる術師たちもな。

ロドスオペレーター
ロドスオペレーター

あなたが言ってるのはどれもとても強い連中じゃないですか!?せめて隊員たちと合流してからでも――

???
隊長

奴らは技芸に眷顧されし騎士などではない、巫術を弄ぶ道化にすぎん。

???
隊長

ロドスは感染者の命の冒涜を決して許してはならない。

マドロック
マドロック

――誰か来る。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

戦闘準備!

マドロック
マドロック

――待て!

(マドロックが石像を召喚する音)

マドロック
マドロック

えっ?

(マドロックの石像がアーツで破壊される音)

サルカズの戦士
サルカズの戦士

お、おい、あいつ……何をしたんだ?

サルカズの戦士
サルカズの戦士

あいつ手を置いただけで……マドロックの巨像が……?

マドロック
マドロック

……手を出すな、後退しろ!

マドロック
マドロック

あいつは、あいつはサルカズだ……!それも……!

???
隊長

我に敵意は無い。

マドロック
マドロック

霧が……晴れた……

マドロック
マドロック

――お前リターニア人じゃないな、すごく奇妙な感覚だ……しかもあまりにも若い……

マドロック
マドロック

一体何者だ?

???
隊長

Logosと呼んでくれ。

ボブ、元気にしているか?
この手紙は、俺の新しい雇い主に頼んで君に送ったんだ。返事をもらう前に手紙を連続で二通も送ってしまって、混乱させてしまっただろうか?

実を言うと、前の手紙で話した人は、たぶんもう君と再会できてると思う。
でも悲しむ必要はない、彼らは無辜な感染者を守るために戦ったんだ、サルカズ傭兵として、これほど誇らしい死に方をしたなんてきっと彼らは思ってもいないだろうな。

死を美醜で定義するのは間違っていると思う、でも生き残った人にはそれを定める権利があるんだ、彼らの死はとても光栄に満ちていた。
今俺たちはカズデルにはいない。ちょっとした理由で、俺たちはゴールを目前にして引き返すことを選んだんだ。

俺の優柔不断で多くの同胞を死なせてしまったのかもしれない、あるいは彼らの死が俺に運命とはこれほど姿形を持たず、逃げ場などどこにないことを教えてくれたのかもしれない。
だから俺は抗うことにした、この大地のすべての不公平のために抗うのかもしれないし、友人たちがこの先も生きていけるよう抗うのかもしれない。

まだはっきりと分かっていないが、俺たちは前に進み続けなければ、俺は自分が犯した罪を背負えないし、多くの人を死なせずに生きていけるようには出来ないから。

そうだ。グラニという女の子を通じて、君のことを少し聞いたよ。
俺は君みたいに、仲間のために身を寄せれる地を探してあげることはできなかった、君には遠く及ばない、とても情けなく思うよ。

良い暮らしを願っているよ、ボブ。もしかしたらいつか……とても遠い未来になるかもしれないけど、クルビアにいる君と君の仲間たちに会いにいくよ。

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