(燃え盛る音)

はぁ――!
(斬撃音)

……

彼女に触れるな!

その者を守るか、ファイギ、感染者の叛徒を、我々の同胞を殺める者を?

失望した、ファイギ。失望したぞ、あまつさえ私に刃を交えるとは……

アーミヤ!?なぜこんなところに……!

気を付けろ、アーミヤ!タルラはもうすでにコシチェイのすべてを受け継いだ。彼女はもう……

あの龍門からさらわれた失踪少女ではなくなった。

チェンさん。いいえ。彼女はただの「継承者」ではありません……

……私がその偽装を破いてみせます。

なに?偽装……だと?

貴様はロドスのコータスか。

ボジョカスティはどうした?彼の鋭利な戟はもう試してみたか、それと彼が屍骨へと引き裂かれる場面を目にしたのか?

……

な……なぜそんな風に言えるのですか?

いいや、私は敬意を込めてお前に問いを投げかけた。事実を聞いているだけだ。

彼は最後の最後まで兜を外さなかった、そうだろう?

彼の兜は彼らウェンディゴの外に晒されている白灰色の頭蓋骨を隠す役割をしている。もし市民たちが彼の顔を見てしまえば、きっと石を握っている手すらも震え上がってしまうだろうな。

しかし恨みと熱狂はそれでも彼らを駆使する、人の群れに混ざりこんでいる武器が遊撃隊の防衛線を突き破っていくだろう。

ボジョカスティは衛兵たちの市民への攻撃は決して許さない……彼らは敵の回し者ではなくただの市民だからな。

それでもボジョカスティは暴民によって引き裂かれる定めにある。怒りと無知によって彼を八つ裂きにする。その日が来ると知っていながらも、ついには彼の人間性によって投降し諦めをつける。

そして今貴様がここに現れたということは、一つだけの可能性が生じた、ボジョカスティは死んだのだろう。

教えてくれ、彼はどんな死を受け入れたのだ?偉大なる戦士の死を。彼の結末が知りたい。

私が……私が彼を殺しました。

……この手で。

貴様が?

……貴様になんの力があるという?あの者は……ボジョカスティだぞ。

だが今、貴様は身一つで私の前に現れたのは確かだ、私の哀れな妹のように。

なるほど。この都市で私を殺せる最後の人も死んでしまったか。であれば、もはやこの都市を憂える必要などもうない。

貴様を褒めてあげるべきか、我が同胞たちを虐殺する感染者よ?

アーミヤ、彼女の言葉に惑わされるな!

もうさんざん私に訳の分からん言葉を投げかけてきたからな……私が言えるのは彼女の言う言葉には一つも耳を貸すな。たとえそれが……本当だったとしても。

分かっています、チェンさん。あなたは彼女を殺そうとしていることも。

私の目の前にいるタルラの心の奥底にはまだ消え去っていない記憶の脈絡が残されています、そして今のあなたは彼女が過去に置いた唯一の手掛かりです。

一体何を……何を言っているんだ?

何を見ている?

――私の何を見たいのだ?

私を止めることはできませんよ。

……

それは本当か?

でなければ彼女はなぜ……あなた一人を引き寄せて戦わせているんですか?

彼女が自らの手であなたを殺さなければ、タルラは死ぬことはできません。

何を言ってるのか分からなくなってきたぞ。

つまり、チェンさん、今あなたの目の前にいるタルラはまだ完全には死んでいないからです。あの暴君はまだ完全に彼女の心を操られてはいません。

話してみるがいい、コータス。だがそんな流行りの過ぎた戯言を信じる人などいないだろうがな。

タルラがあなたを刺し殺したあの時よりも前から、あなたは死ぬべき存在でした。この大地にあなたを受け入れる場所なんてもうありません。

心を読むウサギか……しかしまさかな。貴様がいくら心を読めるにしても、それを知れるすべはないはずだ、どこからそれを聞いた?

心を読んだなんて言ってませんよ?

あなたは今までずっとメンタルアーツで完璧に自分を守れることを自負してきましたね、コシチェイ公爵。

あなたはそれを誇りに思っており、それによりあなたの政敵もあなたをどうこうすることはできませんでした。

……

私が見たのはただの記憶です。今あなたが何を考えているかなんて知る由もありません、でもあなたの感情を読み取りことはできます。

あなたの記憶の中からある秘密を見つけました、ある呪いが今でもあなたの身体に纏わりついている秘密を。

あなたはタルラではありませんね。

結論を出す前にまずは自分の命の心配をするんだな。

アーミヤ!ボーっとするな、炎を避けろ!!
(アーツと燃え盛る音)

くっ!
(アーミヤのアーツが発動する音)

嘘だろ……あれを防いだだと?

くぅ……でも……そう長くは持ちません!

自分でも驚いているのだろう、違うか?フフッ、以前も一度防がれたことがあったな。

チェルノボーグにいた頃とまったく同じ黒い線だ。

さあ、あとどれくらい持つ?君の戦士はみな倒れてしまった、彼らの犠牲との引き換えがまさか火に身を投げ入れる最期か?

どうだ、防ぎながら人の思考を覗き込むことはできるか?なんてくだらない手口だ、だが……

だがなんですか?

よく考えてみてくださいね。

……

どれが君のアーツなのだ?

……ボジョカスティが君の手によって倒されただと……

ふざけるのも大概にしろ。

アーミヤ、残りの炎は私が斬る!手を引いて、右のほうに飛べ!できるだけ遠くにな!

分かりました!
(アーツと燃え盛る音と斬撃音)

はぁ、はぁ……ありがとうございます、チェンさん!

おかしい、アーミヤ、タルラがまるで……お前を見て驚いている。

チェンさん、それよりも、これから何が起こっても驚いて警戒を緩めないで下さい!

尽力しよう。お前や自分の命より重要なものや今後の龍門の運命より驚愕なことなんてないと思うが!

君は……アーミヤと呼ばれているのか?

コータスよ、もし私が永遠に魅了されてしまう幻覚を作ってほしいと君に頼めば……君は拒否するだろうか?

うっ……!

堪らずその力を使いたくなるのではないか?

あなたの質問には答えません。

君の考えとは真逆な表情と迷いをしているぞ、自ら善良と称するコータスよ。

そんな風に自分を名乗ったことなんて一度もありません!

しかし君の行いはそれを示している、虚偽なる感染者の戦士よ。

意識ではなく記憶を汲み取る、黒色のアーツか、片方だけへ流すのではなく双方へ種をまいてそれを収穫する能力……

まさかそんな……そんなバカな。コータス、一体どういうことだ?答えてくれないか?カズデルのサルカズたちは錯乱してしまったのか?

――魔族たちが――サルカズたちが――

異族を王に迎え入れただと?

前任の魔王は狂人か何かか?その名はもう憶えていはいないが、どうやらサルカズたちは確実に亡族として近づいてきているようだ。

ほう、サルカズの傭兵……Wというのか。その背後にはサルカズたちも……

なるほど。なるほど。

あの魔王がまさかコータスとは。クク……

(アーミヤ、実を言うと、驚きはしないんだが……)

(何がなんだかさっぱりだ。)

(彼女の言葉を信じるんですか、チェンさん?)

(彼女の言葉を信じたところでどうする?)

(信じるか信じないかはあなた次第ですよ、チェンさん。それに、そうですね、事実を言ったところであなたの考えを改めさせられそうにありませんしね。)

(ああ。それにあっちは時間を稼いでるように見える、こっちが我慢できなくなるまでな。)

(時間を稼いでいるのは何も彼女だけじゃありませんよ……!)

(なんだと?)

臣下はどうした?君の王の庭にいる諸侯と臣民はどうした?

それとも何だ、あの身体が何世紀も腐りきっているグールを連れてきたのか、それとも一切の光すら見えない紅眼病の老いぼれか?

君は自らボジョカスティを殺したと言っていたな、しかして、それは誰かが代わりに殺してくれたのではないかな?

君では殺せまい、幼く、贋作なる魔王よ、君に出来る訳がない、それらと王の庭を駆使することなど出来はしまい。

なぜなら貴様は本当の魔王ではないからだ、それ以前にサルカズですらないではないか。君はただのコータスだ。

君は無力ながらも己の敵と対峙してきた、もし本当に争いを始めれば君は瞬時に滅ぼされるだろう。

あるいは、君はサルカズの統治者たちのおもちゃに過ぎない。自分がただの試験品として扱われて悲しんだことはあるか、幼稚なコータスよ?

君は彼らとは違う、だからただ大人しく己の命と主君の象徴を取られるのを待つしかないのだ。そして君の命もそれにより散ってしまう。

だが私に任せてくれたまえ。私ならなるべく君を苦しまずにこの大地から消し去ってあげよう。

不死の黒蛇……恐れているのですか?

――

なんだと?

たくさん言葉を吐き出してきましたね、コシチェイ公爵。

でも、もしあなたが本当に伝説のように長命なのであれば、もしあなたがたまに露にする委縮がただの演技でなければ……

もう理解できています。

コシチェイだと!?アーミヤ、それは本当か?

チェンさんの目の前にいるのは、タルラでもあり、コシチェイでもあります。私は自分の直感を信じます。

……

あなたは過去にサルカズと戦っていましたね、コシチェイ公爵。

だから恐れているんです。

私を恐れていますね。

おもしろいことを言うな。

だが、それももう十分だ。

これから演目の順番を整理しなければならない、驚くほどに素晴らしい演目のな。

だからこそ、その前に君を退場させてやらないといけないな、コータス。君がこれほど大きな作用を生み出すとはまったく予想外だった、見くびっていたよ。

もし私の「畏怖」を感じ取れるというのであれば、君のアーツはまだまだ幼稚だ。

――何を感じられるかなど、私次第だ。記憶を隠すことはできないかもしれないが、感情に関していえば私の得意分野でもあるのでね。

……今のは本当のようですね。ですが、尚更確信しました。今のあなたは、完全にタルラにはなりきれていません。

私の頭の中からもう一度真実か何かを掘り出す時間が必要か?だがいくら探ろうとそれが私の過去だ、その他でもなく。君が証明できるものなど何もない。

私の対思考操作能力をもってすれば私を推し量ろうと企む人をすべて無駄に終わらす事も可能だが、まさか君は私の見せてやりたいものが見えないとはな。誠実なのだな、コータス。

であれば、貴様に教えてあげよう、コータス……

君は少しも私のことを理解していない。

少しもタルラのことを理解していないのだ。

君が話したことは、すべてせいぜい君の憶測から出てきた言葉だ。君はまったく私を理解できていない。

それで私の正体を知ったと?

くっ……

……タルラ。いや、コシチェイ……もうどっちだっていい。

お前が誰だろうと、いや、違うな、お前はタルラだ。お前はコシチェイによって造られたタルラだ。

タルラ、彼女の髪の毛一本でも触れられると思うなよ。

他人のために自分の肉親と刃を交えるか、ファイギ。つくづく英勇な奴だ。

タルラ、善良な人が私の傍にいる人を利用して私を打ち倒すことは決してさせない、たとえ私の傍にいる人が誰であろうとな。

ファイギ、貴様はウルサスの北原を知らないからそんなことが言えるのだ。貴様は農場で栽培された観賞用の花のように、あまりにも惨禍を知らなすぎる。

私をこんな風にしたものを知ったかぶりで語るな。

もちろん知らないな!だから知りたいんだ……知りたくないはずなんかないだろ?

お前に起こったすべてが知りたい。それをお前の口から聞きたいんだ。

であれば……なぜ私の元に来ないんだ?今は、チェン……もう貴様とは戦いたくない、私も貴様を傷つけたくないんだ。

ハッ。

何を勘違いしている。

――この事件の再発を阻止したいがために、私は知りたいんだ。

お前の行いを判断したい、お前の動機を推測したい、お前という事例を照らし合わせたいがために、だからこそお前が知りたい。

……お前が今何をしているのかを、どうするのかを、どこまでの事をするのかをはっきりと分からせるためにもな……

私が知りたいのはお前の中にどれだけの悪が渦巻いているかだ!

そしてお前についてだが、タルラ……

お前はもう手を染めてしまった、タルラ、私がそう願おうがしなかろうが、お前はもう成長した、今の形に成長してしまったんだ。

貴様もだ、ファイギ。なんとも哀れに育ったものだ。

私の行いがお前を悲しませているとでも思っているのか?レユニオンは私の都市を侵害し、私の友を殺し、無数のウルサス人を殺し、多くの感染者を葬ってきた……誰が誰を悲しませているかだと?

レユニオンたちが龍門で協力し合い、同胞のためなら己の命まで捨てることを厭わず、荒野に出てもどこも受け入れてくれなかった場面を嫌というほど見てきた、悲しいのは一体どっちだ?

貴様は彼らの敵だ。貴様が我が同胞たちを阻害し、龍門を奪えなくした。

すまないが、タルラ、お前が今この瞬間のために彼らを龍門で命を落とさせたと言っても私は信じられそうにない。

私を信じたことなどないではないか、ファイギ。一度たりともな。

お前がタルラのことを知ってるかどうかと聞かれたら、答えはイエスだ。タルラを信じるかどうかと聞かれれば、私は当然信じる。

だから、それを証明するために私はお前の目の前にやってきた、自分の意志でな。

だが、私はお前の潔白を証明するために、ここに来たのではない……断じて、決して。

それはなぜだ?先ほど私を信じていると言ったではないか、ファイギ?

今は互いともすでに感染者だ、なぜそれでも共に肩を並べられない?我らの再会は喜ばしいことではないのか?

(彼女の思考が揺らいでいる……くっ……!)

話題を逸らすな、レユニオンのリーダー!

今は証拠と、判断と、実証がすべてだ。

かつての近衛局の私は、今のチェン・ファイギは……「お前は潔白だ」という事を証明するためにいる訳ではない、断じて。そんなことするわけがないだろ?

過去のタルラだって?聞き間違いじゃないだろうな?

今目の前にいるお前がいつどこで形造られたかは知らないが、それでタルラを別個として見れるわけがないだろ?

過去の私はお前を知ってるからこそ、はっきりとさせなければならない……誰がお前をそんな風にしたのかを、何がお前をそんな風にしたのかをな!

お前が身に受けた苦痛と挫折、お前の父の死の真相、お前のウェイに対する憎悪、全部想像できるさ。お前はそれらによってこの道を走らされたんだろうな……

だがなぜだ、同時になぜお前は敵はおろか同胞にも冷酷な人になってしまった?

何がお前をウルサスの侵略の先鋒にさせたんだ?お前は自分の仲間たちも騙してきたんじゃないのか、タルラ?

私を裁くか?、私と決裂するために、貴様はすべてを捨て去りここにやってきたのか?

ウェイが貴様を冷血で無情で盲目な者に育てたのか?お前が聞きたいのは、なぜ私がこんなことをしているのかではないか?

いいや。そういうのはすべて終わらせてからじっくり聞いてやる。ゴミ山の中から事件の破片を拾い上げ組み立て直すのは得意中の得意だからな。

私は私の責務を全うするために、ここに来た。

もしお前が未だ手を染めていないのであればシグナルとして天高く打ち上げ皆に知らしめよう。私を殺したいのであれば好きにするがいい、殺してもお前の罪は死に至るほどのものではないと証明できるからな。

もしお前がそれでも人を害する陰謀を策略しているのであれば、こちらもすべてを捨ててでもお前を阻止する、たとえ私たちの命を捨ててでもな。

お前がどれだけ過ちを犯したのかを見定めてやる。裁かずに命を奪うこととは何か?それは紛れもない謀殺だ。都市が感染者に犯した罪だ。

そして今、すべてはっきりと分かったさ。

私の剣は、私の想いは、私の意志は、すべてお前のために残しておいたんだとな。

過去のすべてに関しては、過去に置いておこう。過去のすべては……

戻ってくることはもうないんだからな。

人命を刈られる藁の如く扱う陰謀家、その陰謀家が誰だろうと、私は容赦しない。

お前もその例外ではない。

フフ……

私と縁を切るつもりだな、ファイギ。

ふん……

いくら私を皮肉ろうが無意味だ、私を後ろめたく感じさせたいのであれば、好きにしろ。

私ももうこんな無様な姿になってしまったからな、言ったはずだ、容赦しないと。何もかも忘れたのはお前のほうだ。

アーミヤ、準備どうこうはもう聞かないでおく。私が聞きたいのは私は何をすればいいのかだ

あ、チェンさん……少しだけ時間がほしいです。

多くてどのくらいだ?

三分です。

なら最低でも三分は稼ごう。

今回ばかりは正真正銘の「肩を並べての作戦」だな、アーミヤ。私と君しかいないけどな。

だが私たちは無数の命を背負っている、お互いよく理解していると思うが。

三分間、アーミヤ、この三分間、君を絶対に死なせはしない。約束する。

だから、私たちが共に戦う目標以外、最後に頼みがある。

私の姉が一体何に変わってしまったのかを、共に見届けてほしい……

それと、最後はあの硬い役者ツラとではなく、あの人の本質と面を迎え合えられるかどうかが知りたい!

たとえ結末がどうであれ、すべて受け入れよう!

はい、約束します、チェンさん。それとありがとうございます……今まで持ちこたえてくれてありがとうございます。

目で見たものこそが真実というものだ。

タルラ、お前がしてきたすべて、お前が言葉にしたすべて……すべてこの目で見届けてやる!

お願いします、チェンさん!

コータス、貴様がどんなまやかしで私の妹の思考を操ったか、貴様とサルカズとの間にどんな薄汚い交易があったかは知らん。

お前の背後でお前の影とWを操ってる者は、同じ人だな?

答える必要はない。だがまずは炎をもって貴様に教えよう……貴様はサルカズと共にいるべきはない。奴らの力を用いて私と私の妹との関係を侮辱することなどもってのほかだ。

汚らわしい行いと過去の罪は、すべて受け入れるものだ、国家はそれでも寛大な抱擁で己の一切と己の懺悔を包み込んでくれるからな。

しかし、数多のサルカズと群を成し、カズデルで結託するだと?

……貴様を育てた人も貴様も永遠に追放されるべきだ、貴様らはいずれ荒野を徘徊し、喉が渇こうが水は得られず、飢えようが食を得ず、生きていきたいと思おうが蛆虫に蝕まれ、死にたいと思おうが決して安寧が訪れることはない。

……

……お前本当にタルラなのか!?

ファイギ、もし本当に真実が知りたいのであれば、これ以上貴様の傍にいるその悪の種子を守ることをやめろ、奴は我々の関係をけしかけ、事実を歪ませ、私の記憶を利用してお前と対峙するように惑わしているのだ……

コータス!ボジョカスティは光を求めるために魔窟を出た、なのに貴様はかえって暗闇に向かって突き進んでいった……貴様に彼を殺す資格などない!

……

もしあなたが口に出した魔族が私の知ってるサルカズの人々であれば、もしあなたが口に出した人類があなたみたいな人々なのであれば。

もしあなたは光は虐殺であり、撒かれた苦痛であり、傷害と欺瞞を加えることで、暗闇が救済と、哀れみと正義のために奮闘していると言うのであれば……

私はサルカズと共に歩み続けます!

まさか感染者という身分が貴様をあやふやにしてしまったのか?サルカズが感染者を利用することによってお前は彼らの目的を誤認してしまったのか?まさかまだ分からないのか、貴様こそがそれらに利用されている駒であることに?

それでもなお我が妹を惑わし、彼女を深淵へ陥れるつもりか?

我が炎が必ず虚偽を焼き尽くし、貴様の背後に潜む真実を照らしてやる。気を付けるがいい、少々痛むぞ。私はもう迷いはないからな。

なら先に私の許可をもらわないといけないな。

こんなことはしたくはなかったんだがな、ファイギ。

以前のお前は違った。だがお前の言行不一致はもう……見飽きたよ。

あなたは自分の恨みで自分を失明させ、自分の姿をくらまし、自分の身分から抜け出せなくさせているんです……

その炎は、あなたが未だあの火事から抜け出せていない証拠です、「タルラ」!