どけ!
(斬撃音)
キリがないな。
(銃撃音)
あいつら一体どれだけこの連中を創り上げたんだ!
(爆発音)
リスカム!後ろじゃ!
ガァ……
!!
危ないッ!
(フランカがリスカムを突き飛ばす音)
フランカ!
何をやってるの!
領主さん、ちょっと手を貸してください!
わ、わかった!
(リスカムが駆け寄ってくる足音)
はやく……逃げて。
いいから喋らないで!
私の足が……リ……リスカム、もう私のことはいいから。
縁起でもないことを言わないで!
私が背負うから、はやく乗っかって。
ヤツらがまた突っ込んでくるぞ!
(銃撃音)
今のウチだ、逃げろ!
こっちだ!
オックフェンさん!なんでこっちに来たんですか!
下でただ待つだけなんてできねぇ、俺だってロドスのオペレーターだからな!
よかった!すごく助かりました!
爆薬を起爆する……
3、2、1……
(爆発音)
(タチャンカが駆け寄ってくる足音)
どうだ?
一時的に退散しただけじゃ、しばらくしたらまた集ってくる。
あいつら……なんか変わった?
「ウェルカムマット」を使い切った、こっちももう弾がない。
アレキサンドル、これからどうする?
避難所に行け。
どうして?
避難所まで撤退するんだ!ロドスのオペレーターと一緒に、避難所まで行くんだ!
あなたはどうするの?
お前たちを援護する。
援護だって?じゃあ誰があなたを援護してくれるのよ?
援護は必要ない。
頭を冷やして、アレキサンドル!
冷え切っているさ。
もう隠れることも退くことも十分だ。
撤退しては戦争の勝利は得られない、歴史が何度もそれを証明してくれたじゃないか。
でも私たちは今戦争してるわけじゃないのよ。
]俺にとって、これは戦争だ。
連中が感染者に武器を向けた時、俺の知人友人を傷つけようとした時、その時からすでに戦争は始まっているんだ!
俺は今まで多すぎるほど戦争を経験してきた。
俺がここで一匹でも多くのバケモノを倒せば、町の人たちが生き残れる確率も上がる。
ここは俺が死守する、弾も食料も尽きるまで、太陽が沈むまでな。
戦争に終わりはないんだ、なぜ俺が退かなきゃならんのだ?
英雄になるなと言ったのはあなたじゃないの!
俺はこれが「英雄になる」行為とは思っちゃいないさ、ティナ。
俺はただ正しいことをしているだけだ。
何はともあれ、今日ですべてを終わらせる。
アレキサンドル!
わしも残ろう。
レンジャーさん、あなたまで……
こうなるとは予想できていたよ、おぬしらがここに残って支援すると決めた時から、みんな予想はできておった。
わしは残ろう、この戦士と共にここを死守する、もし状況がまずくなれば、わしが彼の撤退の援護に回ろう。
レンジャーさん……
アレキサンドル、これあげる。
なんだこれは?
私が自分で作った源石爆薬、もうこの二つしか残ってないけど。
……ありがとう。
絶対に生きて!
(フロストが走り去っていく足音)
……約束はできないな。
彼女に本当の話は話さなかっただろ、お前も撤退するつもりはないな。
ははは……わしみたいな老いぼれの企てを暴くのはよしておくれ。
おぬしもこのバケモノたちを防ぐ助けが必要じゃったろ。
歴戦の游侠が一本の長い刀を抜き出した。
それは……
前領主が身に着けていた刀とされている、拝借してきた。
いい刀じゃ、前領主は中々いいセンスをしておったようじゃな。
美しい刃紋に、職人技でターコイズをはめ込まれた柄、現代工業で生産された武器に勝るとも劣らない。
最前線で邁進するより、弓をもって後方で控えたほうが格段に安全じゃ。
しかしわしはもう年老いた、動きも大分なまってしまったわい。
だがその刀は、まだまだ切れ味抜群じゃないか。
まだおぬしの名を聞いておらんかったな、戦士よ。
アレキサンドル・セナフィエフだ。
アレキサンドルと呼んでくれ。
わしもおぬしにわしの本名を教えるべきなんじゃが。
しかし鮮血が山谷を染め上げたあの日以降、わしの名は過去のすべてと共に黄砂の下に埋もれてしまったのでな。
気にするな。
お前はここに残ると決めた、そっちのほうが重要だ。
「レンジャー」。
「当時あいつらは俺はもう死んだと言った、だがあいつは間違っていた、俺は生まれ変わったんだ。」
たとえバケモノ連中がどれだけいようと。
かかってくるがいいさ。