アークナイツストーリー翻訳

【明日方舟】遺塵を歩む WD-5「沁礁の地」行動後

二十二年前
3:09p.m. 天気/晴れ
サルゴン中部、イバテー地区、荒野辺境

エリオット
エリオット

あの……あとどのくらい歩けばいいんですか?

ケルシー
ケルシー

疲れたのなら、休んだって構わない。

エリオット
エリオット

……

ケルシー
ケルシー

無理する必要はない。

ケルシー
ケルシー

前回の襲撃で車両は破壊されて、かれこれ7時間と14分経過している、君の年齢と体格からして、ここまで歩けただけでも大したものだ。

エリオット
エリオット

……大丈夫です。

エリオット
エリオット

……進みましょう、急いでここから脱出するために……

エリオット
エリオット

ここはどこですか……?

ケルシー
ケルシー

目的地から一番近い町だ。実際私たちはもうすでにその集落の区域に入っている、幾つものトラック設備によって形成された荒野で移動する市場の町だ。

ケルシー
ケルシー

同時にここはサルゴンの無人区域が最も重なってる地区の一つでもある、密入国者や、バウンティーハンターとトランスポーターたちに外界へ通ずる道を用意してくれている。

エリオット
エリオット

……どうしてミノスに行かなかったんです?

エリオット
エリオット

あの傭兵たちより、あなたがどれほど信用できるかがわかりません……あなたたちになんの違いがあるんですか?

ケルシー
ケルシー

違いは君がまだ生きているところにある。

エリオット
エリオット

……どうせもう決まってるんでしょ、これからどうするんですか?

ケルシー
ケルシー

信用できる人を見つける、闇市の手を借りてイバテーを脱出するつもりだ。

エリオット
エリオット

そのあとはどこに行くんです?リターニアですか?ボリバルですか?

ケルシー
ケルシー

……私が答える前に、君も知っておいてくれ、如何なる選択も逃避の一つの方法にすぎんと。

ケルシー
ケルシー

君は生きていけないし、行くあてもどこにもない、逃げることもできない。

ケルシー
ケルシー

過去の生活を打ち砕く覚悟はもうできてるか?本当そう意識できているか、突如とやってきた様々な事件で思考が麻痺しているんじゃないだろうな?

エリオット
エリオット

……毎回上から目線で言わないでください……

ケルシー
ケルシー

怒りが君の目を覚ましてくれるというのならそれでいい。

ケルシー
ケルシー

私はさらに北へ進む、とても遠く、君がクルビアとサルゴンのすべてから切り離せるほど遠くへ行く。

ケルシー
ケルシー

しかしまあ、君はすでによくやってくれた。

エリオット
エリオット

……嫌味ですか?

ケルシー
ケルシー

君がもし今ほど若くなければ、君は取った個人的な感情を含んだ様々な不成熟な行いは確かに私から嫌味を言われるほどのものだったさ。

ケルシー
ケルシー

行こう、日が暮れる前に、私たちを闇市に入れさせてくれる人を探さねばならない。

エリオット
エリオット

それって誰ですか?

ケルシー
ケルシー

……まだわからない。

エリオット
エリオット

フッ、あなたにもわからないことはあったんですね?

ケルシー
ケルシー

否定はしない、だがじきにその人たちは見つかるさ。

ケルシー
ケルシー

“沁礁之地”の意味とその由縁さえ知れば、市場と人の群れに散在する遺民を見つけることは容易い。その人たちは同郷の者を助けてくれる――私たちもその人たちの同胞だと、その人たちを信じさせられればな。

エリオット
エリオット

……あなたが持ってるそれって……サルゴンの金貨?

エリオット
エリオット

そんな数枚の金貨で何ができるんだ……

ケルシー
ケルシー

じきにわかるさ。

???
サルゴン町民

……

サルゴン町民?
サルゴン町民?

(サルゴン語)くたばりやがれ、クルビア人が……!

エリオット
エリオット

えッ、敵――!?

Mon3tr
Mon3tr

(遠吠え)

サルゴン町民?
サルゴン町民?

ぐあああッ――あ゙あ゙あ゙――このバケモノッ――どっから湧いてきやがった――!

Mon3tr
Mon3tr

(力を込める)

サルゴン町民?
サルゴン町民?

ぐはッ……チクショウ……なんで……斬れねぇんだ……

???
通りすがりのサルゴン町民

なに?何か起こった――あっ、ば、バケモノ!バケモノがひ、人を襲ってるッ!

エリオット
エリオット

周りの人が集まってきている……!ねぇ、何なんですか、この人は誰なんですか?

ケルシー
ケルシー

……ヴィーヴル地区の賞金稼ぎだ、獲物を追うテリトリーがまだ拡大していたか。

ケルシー
ケルシー

急げ、ついてこい。

ケルシー
ケルシー

えっ、ちょま――

エリオット
エリオット

こんな遠くまで逃げておいて、そこにいる誰もが殺し屋だったとしたら、逃げてきた意味が――

ケルシー
ケルシー

だから急いでるんだ。

エリオット
エリオット

……ぼくが言いたいのは、あなたは何も解決できていないんですよ、ケルシー顧問ッ!

ケルシー
ケルシー

……

エリオット
エリオット

……ぼくたちの恰好目立ってませんか?

???
呼び売りの声

(サルゴン語)干し野菜一つにしては高すぎない?

???
呼び売りの声

(サルゴン語)うちの手編み絨毯は有名だよ――え、質がダメで有名?そんなバカな!

???
呼び売りの声

(サルゴン語)貢物の陶磁器、本物だよ!王族から頂いた中古品の――六十?あんた、六万を六十でだって?いいだろう!

エリオット
エリオット

人が多い……ここが市場ですか?

エリオット
エリオット

……?なんで急に止まって……ん?

エリオット
エリオット

……占い?こんな迷信の類の……

???
怪しげな占い師

ほう……珍しいお客人だ……余所から来た者はこのイシンも久しぶりに見るわい……

???
怪しげな占い師

運命の片隅を覗きにきたのかい、それと砂塵に舞う一粒の砂を探しにきたのかい?

???
怪しげな占い師

さっきの騒動、お前たちが関わっていたな?

???
怪しげな占い師

このイシンには分かるぞ、そそっかしい旅人の足取り、纏いつく様々な厄介事……これ以上サルゴンに迷惑を被ってほしくないね……

???
怪しげな占い師

旅人たちはサルゴン人ではないね、ふむ、しかし君たちは複雑な使命を背負っているじゃないか……

エリオット
エリオット

何を一人でブツブツと……こんな人に構ってる暇はありませんよ、ケルシー、彼らに追いつかれてしまいます!

サルゴン町民
サルゴン町民

(サルゴン語)このペテン師、まだここに居たのね!?さっさとどっか行って!

サルゴン町民
サルゴン町民

(サルゴン語)あんたはアタシらのシマを汚してるのよ、その薄っぺらい口を閉じてちょうだい、誰もあんたの妄言なんか聞いちゃいないのよ!

怪しげな占い師
怪しげな占い師

(サルゴン語)おお、もちろん、もちろんだとも、落ち着かれよ……すぐに去るさ。

怪しげな占い師
怪しげな占い師

(サルゴン語)お前の主は元気か?彼はわしの助言を受け入れてくれたか?あの面倒な二つの取引から身を抜け出せたか?

サルゴン町民
サルゴン町民

(サルゴン語)主?ボスはあんたなんかと話しすらしたことないわよ、何をブツブツと、あんたみたいな怪しいヤツでもボスに助言できるってんなら、いっそのこと目安箱でも設置したほうがマシよ。

サルゴン町民
サルゴン町民

(サルゴン語)無駄口叩いてないで、さっさとどっか行け!

(殴打音)

怪しげな占い師
怪しげな占い師

ああッ!

エリオット
エリオット

……

ケルシー
ケルシー

……大丈夫ですか?

怪しげな占い師
怪しげな占い師

……いたた……今のは痛かった……気にするな、イシンはもう慣れておる……

怪しげな占い師
怪しげな占い師

イシンでは彼らを救えぬ、彼の目を覚まさせぬ……イシンは彼らが滅んでいくのを、ただ見ることしかできぬ……

怪しげな占い師
怪しげな占い師

すまない、見苦しいところを見せてしまったね、この通り、わしは追い出されてしまった、この哀れなイシンを受け入れてくれる場所がないというのなら、イシンがどこへ行けばいいというのだ。

ケルシー
ケルシー

(サルゴン語)少々お待ちを。

怪しげな占い師
怪しげな占い師

(サルゴン語)とんでもない、どうかお気になさらず……

サルゴン町民
サルゴン町民

(サルゴン語)なんでもいいけど、はやくそいつを追い出さないと、こっちが困るのよ、はやくそいつを追い出しちゃって!

怪しげな占い師
怪しげな占い師

(サルゴン語)彼女の言う通りだ、彼女の主はここの主人でもある、彼女の怒りを買うわけにはいかぬ。イシンを行かせておくれ、心優しき人よ、イシンを彼の冷たき家へと帰らせておくれ。

(怪しげな占い師が走り去る足音)

エリオット
エリオット

なんであの年老いたペテン師に構うんですか?

ケルシー
ケルシー

彼が“年老いてる”というところはわかるのだな。

エリオット
エリオット

どういう意味ですか……

ケルシー
ケルシー

だが君は彼がどれほど“老いてる”かは想像すらできないだろうな。

怪しげな占い師
怪しげな占い師

日は落ちた、旅人よ、そなたたちは焦燥に駆られている上、そこかしこから危機に遭遇している、なぜこのイシンの傍に留まるのだ?

ケルシー
ケルシー

(サルゴン語)長き時を経て、最も偉大なるパーディシャでさえも砂の海へと沈みゆく。かの偉業は崩れ落ち、民は四方へと散らばった。

怪しげな占い師
怪しげな占い師

(サルゴン語)そなたの恰好を見るにサルゴン人ではないな、それにそれはとある叙事詩の冒頭であったか?イシンはもう老いた、詩の魅力などとっくに忘れてしまったわい……

怪しげな占い師
怪しげな占い師

(サルゴン語)しかし彼の者のしもべたちは依然と責務を全うし、無人の砂漠を守っていた、高殿が再び建ち、文明が新たに生まれるその時まで。新たなパーディシャがサルゴンの意志を抱いてここへやってきたその時、かの意思により町は再建される。

怪しげな占い師
怪しげな占い師

(サルゴン語)ふむ、そのようなことはどの国でも起こっていることだ……

怪しげな占い師
怪しげな占い師

(サルゴン語)天災、疾病、戦争、偉大なる町を滅ぼす方法などいくらでもある……そして意気揚々とした統治者が入れ替わる、その繰り返しだ。

エリオット
エリオット

(この人たちは一体何を話しているんだ……サルゴン語の発音って……こんな感じだったっけ?)

ケルシー
ケルシー

(サルゴン語)150年前、イバテーの名を持たなかったこの黄砂の中で、輝かしい町が建っていたことは、憶えていますか?

怪しげな占い師
怪しげな占い師

(サルゴン語)憶えておる……もちろんこのイシン、憶えておるとも。風の中で消えて行った……町のことだな。

ケルシー
ケルシー

(サルゴン語)当時あの古きパーディシャはこの砂しかない地にサルゴンには属さない名を与えました。

怪しげな占い師
怪しげな占い師

……

怪しげな占い師
怪しげな占い師

…………沁礁か……

ケルシー
ケルシー

(サルゴン語)今はその名前しか伝え残されていません、オアシスすらも見たことがない住民たちの間で細々と語り継がれています。

ケルシー
ケルシー

(サルゴン語)そして、あなたがそこの番人ですね?

怪しげな占い師
怪しげな占い師

……

怪しげな占い師
怪しげな占い師

わしは何をすればいいのかな?

ケルシー
ケルシー

サルゴンを離れたい、音もなく。

怪しげな占い師
怪しげな占い師

ああ……分かるぞ、ではそなたはどの者たちの目をかいくぐりたいのかな?

ケルシー
ケルシー

パーディシャですら私たちの跡を見つけられないほどに。

怪しげな占い師
怪しげな占い師

そなたの名は?

ケルシー
ケルシー

ケルシーとお呼びください。

怪しげな占い師
怪しげな占い師

ケルシー……ケルシー嬢……今朝がた、わしが朝日を眺めていた時、突如よ夢へ落ちたことがあった、夢はわしにこう伝えた、わしらと古の秘密を共有してくれている貴賓がまもなく到来すると……

怪しげな占い師
怪しげな占い師

おはやいご到着だったな、価格は金貨一枚だ、尊敬すべきお嬢さんよ。

ケルシー
ケルシー

然るべき報酬です。

エリオット
エリオット

(それだけでいいのか……?)

怪しげな占い師
怪しげな占い師

いや……まだそれを受け取る時ではない、どうかまだ取っておいてくれ、お嬢さん。

怪しげな占い師
怪しげな占い師

それは――二十二年後に――支払っておくれ、どうかこの約束をお忘れなきよう、この約束はこの金貨よりもさらに価値があるからな。

ケルシー
ケルシー

(サルゴン語)ここ百年来……あなた方はみな今のサルゴンで生活し、故郷の影を顧みていたのですね。

怪しげな占い師
怪しげな占い師

(サルゴン語)そうだな、だが今日は違う、お嬢さん。

怪しげな占い師
怪しげな占い師

(さらに変わったサルゴン語)そなたは自らこの門を押し開いたのだから。

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