雑種……この雑種風情が――
使者よ!何をぼさっとしているんだ!?なぜ彼女たちを生かす?彼女たちを生かす価値などないはずだ!?
彼女たちが私たちの同胞を虐殺した時に気づくべきだった、彼女たちとお前は決して同類ではない!
お前は聖なる種だ!そして彼女たちは汚れた残りカスにすぎん!
(ペッ)
なぜそこまで適応できている、と思ってます?
私たちが火薬を用いない冷兵器であなたたちを斬殺したのは、あなたたちを技術に対して敏感にさせないため、ほかの手段では対処できないように進化させないためだった。
けどあなたたちを評価しすぎたようね。もう敏感ですらなくなった……こんなものにも適応できていないんですものね?
どうやらあなたはエーギルの科学で創り上げたこの刃には慣れていないご様子ね、。違うかしら?
――
使者よ、あれはお前への侮蔑だ!
主教、主教よ……まだ分からないのですか?ふふ、私はいつでもあなたを殺せた。最初からあなたを殺せたのよ。
(唸り声)
くっ……(咳払い)
兄弟よ、なぜ受け入れない?
彼女たちは私の姉妹だ。つまり君の姉妹でもある。
私なら君を呼び覚ますことができる、Ishar-mlaを、もちろん……Gla-diaも呼び覚ませる。
君は己の兄弟が、浅瀬へ向かっただけで、兄弟として認めなくなるというのか、そんなのはただの……最初から意に介してないだけだ。
私たちは、一族は、みな意に介しているというのに。
違う……そんなのはただの妄言だ……
まさかあなたは手に持ってる聖書の一言一句を信じているとでも言いたいのですか?お言葉ですが、あなたもイベリアのお膝元で邪説を吹聴してる一人にすぎませんよ、主教。
アレが何を言おうが知ったことはありませんが、あなたにとって、アビサル教会にとって、彼の話は一言一句本に書き写したいほど重要な言葉なのでしょうか?
殺せ……彼女たちを殺せ!使者よ!やれ!彼女たちは大罪を犯したのだ!やつらはお前を冒涜し、海を冒涜したんだ!
君がそう願えば……そう応えよう。
お前も本当は意に介していないのだろう?お前が私に言ったように、私が何を願おうとお前はそれに応えてくれる!なら彼女たちを殺せ!
そうだ。私は気にしないさ。
ならまずは……あの吟遊詩人を殺せ!あの赤い服の女を殺せ!
ゴミめ。なら私があなたの後ろにいる人を、その全身ワカメまみれな主教を殺せと言ったら、あなたはそうするのかしら?
する。
……!!!
なぜなら彼も、君も私の同胞だからだ。私を呼ぶのは彼でも、君でもあるからだ。
つくづく人間臭いわね。
エーギル人はなんて愚かで醜いのでしょうか。もう認めなさいな、主教。
私たちはみな自分の考えを畜生に当てはめようとする愚かなエーギル人です。あなたはまったくアレのことを理解できていませんのよ。
ほざけ雑種が!!
それにしても、もし私たちを守りたいと思っているのなら――なぜ拒絶しないのですか?
拒絶?
拒絶は……どうすればいいのだ?
もう結構です、確かに劣等生物ですことね。呆れましたわ。
それでも、そこのゴミクズ、よく聞きなさい、あなたにその背後にいる軟弱者を殺せとは言いません。
あなたもただの獲物にすぎません、獲物にお願いをするハンターなんていると思いますか?
彼女を殺そうとしてるのでしょう?彼の言うことに従って、スカジを、私のハンターを殺すつもりなんでしょう?もう答えは聞かなくてよろしいのですか?
彼女を殺したとしてもまだ方法は別にある。ほかに方法があるのなら、殺したってなんとも思わない。
しかし君が言った、拒絶……
早すぎますわね。ゴホッ……
(喀血)
ペッ。なにはともあれ。彼女を殺したければ――私を通してからにしなさい。
なら、Gla-dia。
君の命がまだ続けられるかどうか、君の肉体がまだ稼働していいかどうかは、君自身が決めるといい。
ならお互いに殺し合いながら決めましょ。
互いに……互いにか。そうだな。捕食し合いながら決めよう。君は私を捕食する。私は君を捕食する。