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【明日方舟】メインストーリー9章18話「“夜明け”」行動後

ダブリン兵
ダブリン兵

この付近で頭に角が生えた白い髪の女を見かけたと聞いたが?

委縮する青年
委縮する青年

はい、そちらが探してる人かどうかまでは分かりませんでしたが……

ダブリン兵
ダブリン兵

続けろ。

委縮する青年
委縮する青年

重傷を負っていたんでしょうか?胸と腹にこう、でっかい穴が開いてまして――

ダブリン兵
ダブリン兵

続けろ。

委縮する青年
委縮する青年

あと白髪のサンクタに抱えられ、地面一面に血を流してたんで、ひどい光景でしたよ!

ダブリン兵
ダブリン兵

サンクタ?それは確かか?

委縮する青年
委縮する青年

はい、間違いありません。モナハン町じゃ、サンクタはあんま見かけません、彼女の頭の丸っこいのがピカピカ光ってなかったら、真夜中じゃ気付けませんでしたよ。

ダブリン兵
ダブリン兵

どこへ向かった?

委縮する青年
委縮する青年

最後はあの建物の屋内で見ました、窓が割れてるあの部屋です、すげー速さで走ってったので、すぐ部屋の中で入っちまいました。

ダブリン兵
ダブリン兵

あそこか?近いな。

(無線音)

ダブリン兵
ダブリン兵

P8、P3、こちらP9――何をやってるんだ!?目標はこの区域内にいるじゃないか!

ダブリン兵
ダブリン兵

一時間前と三十分前、お前たちの班はこの街で家を一軒一軒調べ尽くしたはずだろ、なぜ報告してこなかった!?

ダブリン兵
ダブリン兵

……

ダブリン兵
ダブリン兵

どうした?なぜ反応しない!P8、P3,応答しろ!

(無線が切れる)

ダブリン兵
ダブリン兵

※ヴィクトリアスラング※!

委縮する青年
委縮する青年

あの、まだ何か聞きたいことありますか?ないならもう行きますけど、あと、教えたら包帯を少しくれるって約束は……

ダブリン兵
ダブリン兵

ああ、包帯か?

ダブリン兵
ダブリン兵

もうお前が使うことはないさ。

委縮する青年
委縮する青年

なっ……何をするんですか!?

ダブリン兵
ダブリン兵

ボスの命令でな。恨むなら、見ちゃいけないものを見た自分を恨むんだな――

(重装甲音)

委縮する青年
委縮する青年

いやあああ!

(斬撃音)

ダブリン兵
ダブリン兵

なにモンだ?

バグパイプ
バグパイプ

今は戦う前に名乗るのが流行ってるんだべ?

委縮する青年
委縮する青年

うっ……あっ……あともうちょっとで……俺の首が飛ぶところだった……

バグパイプ
バグパイプ

おめーさんははやく行って、ウチが代わりにこの悪いヤツを懲らしめてやるべ。

委縮する青年
委縮する青年

あ、ありがとうございます……

バグパイプ
バグパイプ

いいのいいの、ウチらの義務だからね。

(萎縮する青年が駆け足で立ち去る)

ダブリン兵
ダブリン兵

破城矛……ヴィクトリア兵か!

ダブリン兵
ダブリン兵

おい、はやく“バーグラー”長官に知らせろ、ここにまだヴィクトリアの部隊が残っている!

バグパイプ
バグパイプ

“バーグラー”?おめーさんらゴースト部隊って名前を決めるセンスは随分と悪いんだね。

バグパイプ
バグパイプ

さっきもずっと“プリズナー”とか言うボスの名前を叫んでた連中を倒したけど……

ダブリン兵
ダブリン兵

……P8の班にいるヤツら全員を倒しただと?お前……一人でか?

ダブリン兵
ダブリン兵

あいつらの班は30人もいたんだぞ!

バグパイプ
バグパイプ

でも相手はヴィクトリアの部隊だべ――

バグパイプ
バグパイプ

ウチ一人でも変わらないよ。

ダブリン兵
ダブリン兵

体制を整えろ!ここでこいつを包囲する、ヤツは一人だけだ!

バグパイプ
バグパイプ

もう陣形を整えた?結構訓練されてるみたいだべ!

(バグパイプが複数のダブリンを突き飛ばす)

ダブリン兵
ダブリン兵

陣形を維持しろ!そのまま前進!互いへの支援も怠るな!

ダブリン兵
ダブリン兵

敵の先鋒能力は極めて高い、一対一で相手をするな!

バグパイプ
バグパイプ

へえ?数で勝るつもり?

バグパイプ
バグパイプ

ウチの矛を――舐めてもらっちゃ困るべ!

(バグパイプが複数のダブリンを突き飛ばす)

ダブリン兵
ダブリン兵

ぐわあああ!なぜだ!?

ダブリン兵
ダブリン兵

このヴィーヴル強すぎる、一振りで二人も倒しやがった!重装兵を前に出せ、ほかは守りに徹しろ、はやく長官に知らせるんだ――

バグパイプ
バグパイプ

逃げるな!

バグパイプ
バグパイプ

これでラスト!

(バグパイプがダブリン兵を突き飛ばす)

ダブリン兵
ダブリン兵

ぐああああ――クソッ、なんで重装甲も効かないんだ!?

ダブリン兵
ダブリン兵

撤退だ、じゃないと全滅しちまうぞ!

バグパイプ
バグパイプ

え、飛んだ?

バグパイプ
バグパイプ

ウチらの蒸気噴射装置を盗んだんだ?それともまたほかの国の飛行装備を改造した?

バグパイプ
バグパイプ

こいつらの戦い方も最初に出てきたヤツらとは違う。一体ゴースト部隊はどういう連中なの?

バグパイプ
バグパイプ

ここにトライアングルがいればよかったのになぁ、ウチの矛は高い位置にいる連中が苦手なんだけど――

(ダブリン兵が何かに当たって落ちる)

バグパイプ
バグパイプ

落ちてきた!クロスボウ使いでもいるんの?いや、敵を落したのはボウガンの矢じゃない、これは……石?

バグパイプ
バグパイプ

あ、やっぱりクロスボウ使いじゃなかったべ――

(Outcastの足音)

Outcastは片手で意識不明の負傷者を抱えながら、街の傍にあった空き家から現れた。

バグパイプ
バグパイプ

あなたが助けてくれたの?ありがとう!

Outcast
Outcast

どういたしまして、まあ実際、君にも助けられたからね。

バグパイプ
バグパイプ

サンクタは銃の扱いが得意って聞くけど、石投げもあんなに正確なんだね!

Outcast
Outcast

あはは、申し訳ない、私の銃はちょっと目立っちゃうからね。

バグパイプ
バグパイプ

そりゃそうか、銃声が響いちゃったら一発で見つかっちゃうもんね。

バグパイプ
バグパイプ

お友だちは怪我でも負ってるの?なんか容態がよくないようだけど。

Outcast
Outcast

お昼時にいやらしい砲弾を食らってしまったんだ。

バグパイプ
バグパイプ

えぇ!?

バグパイプ
バグパイプ

……ごめんなさい、ウチらあとちょっとであの襲撃を止められたんだ。無関係な人を巻き込んでしまったことは、本当に申し訳なく思ってるよ。

バグパイプ
バグパイプ

はぁ、こんなこと言ってももう遅いもんね、今は助けられるだけ助けてるつもりだけど。

バグパイプ
バグパイプ

さっきの敵はあなた達を探していたの?

Outcast
Outcast

多分そうだろうね。

バグパイプ
バグパイプ

あいつら行く先々で一般人を殺していたからさ、先を急いでいたとは言え、放ってはおけなかったべ。

Outcast
Outcast

彼らの悪行はいずれ報いを受けるさ。

バグパイプ
バグパイプ

そうだ!さっき敵が、二つの班との連絡を失ったって言ってたべ、ウチはたぶんそのうちの一つしか出会わなかったけど、もう一つはあなたがやったんでしょ?

バグパイプ
バグパイプ

すごいべ!

Outcast
Outcast

君も中々やるじゃないか。

バグパイプ
バグパイプ

でも、敵はあの部隊だけじゃないんだ。あいつらは軍団ぐらいの勢力なんだ、それに午後から、どんどん敵が押し寄せてきている。ウチらもモナハン町の守備はもうキツいんだ。

バグパイプ
バグパイプ

ここに住んでる人じゃないんだったら、お友だちを連れてはやくこの町から脱出したほうがいいべ。

バグパイプ
バグパイプ

今のところ外は敵だらけだから、裏口から脱出しかな――

バグパイプ
バグパイプ

うわっ、全部塞がられてる!?

バグパイプ
バグパイプ

街中に限って落石が多すぎるよ。

バグパイプ
バグパイプ

あいつらが戻ってこないうちに、ウチがこの道を塞いでる石をどかしてあげるからね――

Outcast
Outcast

君は撤退しないのかい?

バグパイプ
バグパイプ

撤退はしないよ。

バグパイプ
バグパイプ

ウチはまだ市街地を通って、隊員と合流しなきゃいけないから。

Outcast
Outcast

市街地を通るのかい?だがそこは敵でごった返している、ほとんどの寄り道も瓦礫で塞がれているぞ。

バグパイプ
バグパイプ

大丈夫、もう半分は通ったから。

Outcast
Outcast

君は一人だけで、あんな大勢の敵を相手にしているのに、少しも怖気づいていないんだね。

バグパイプ
バグパイプ

怖気づく?ウチ戦場じゃ、一度も怖がったことはないべ。

バグパイプ
バグパイプ

けど、不安には思ってる。

バグパイプ
バグパイプ

ヴィクトリアの町がこんな風になるなんて……思ってもいなかったからさ。

Outcast
Outcast

リンゴネスがヴィクトリアとその同盟によってズタズタに引き裂かれた時、あのかつて世界の都と称された巨大都市は煉獄と化した、その時の光景は今よりも百倍は惨たらしかったよ。

バグパイプ
バグパイプ

そうだね、四皇会戦の勝利は教科書じゃ美化されて書かれてるけど、ガリア人からすれば残酷極まりないもんね。

バグパイプ
バグパイプ

ヴィクトリアも確かに色々ひどいことをしてきた歴史がある……

バグパイプ
バグパイプ

戦火が自分の故郷まで広がってきた時に初めて、こんなに痛いだって、痛感するんだろうね。

バグパイプ
バグパイプ

もうそろそろだべ、あとはこの倒れた石柱をどかせば――

Outcast
Outcast

手を貸そう。

バグパイプ
バグパイプ

ありがとう!横にずらせばいいから。

バグパイプ
バグパイプ

ふぅ、片方が倒れると、もう片方にもぶつかっちゃうからね。

バグパイプ
バグパイプ

(ボソボソ)この先どうなるかもわからないし……

Outcast
Outcast

最後になるまで、ヴィクトリアが向かう先を知れる人なんていないさ。

バグパイプ
バグパイプ

ごめんなさい、最近ずっとこればっか考えちゃうんだ、それに人を抱えてるのに押すのも手伝ってもらっちゃって。

Outcast
Outcast

一緒にどかしたほうがはやい。

バグパイプ
バグパイプ

そうだね、みんなで一緒にやれば、チャンスはいくらでもあるし、いい方向にも変わるもんね?

バグパイプ
バグパイプ

あはは、こんなこと言うのも変だけどさ、結局のところ、チャンスがないから何だって言うの?どんどん悪い方向に向かったってだからって何だって言うの?

バグパイプ
バグパイプ

故郷が一変したらもう故郷じゃなくなる?そしたら自分たちの手でもう一度自分たちの土地を豊かにすればいいべ、それがそこに生きてる人間のするべきことだもんね?

バグパイプ
バグパイプ

ふぅ……これでラスト一本!

バグパイプ
バグパイプ

やっと道が開いた――

ダブリン兵
ダブリン兵

(急げ、B9がついさっき発信した路地はすぐそこだ!)

ダブリン兵
ダブリン兵

(後ろの道が落石で塞がれてる、念のために、偵察小隊を組んで回り道しろ!)

ダブリン兵
ダブリン兵

(ほかの者は出入口を死守しろ、一人も通らすんじゃないぞ、長官たちならもうすぐここに――)

バグパイプ
バグパイプ

また敵だべ!

バグパイプ
バグパイプ

あの、ウチが足止めしておくから、二人ははやく脱出するべ。

Outcast
Outcast

いや、このままじゃ脱出は不可能だろうね。

バグパイプ
バグパイプ

え?

Outcast
Outcast

敵の通話を聞くに、おそらくこれからやってくるのは敵のボスだ、一般の兵士より厄介極まりない。

バグパイプ
バグパイプ

だったら尚更はやく脱出したほうがいいよ!?

Outcast
Outcast

言い忘れていたが――

Outcast
Outcast

私の辞書にも逃げるなんて言葉はないんでね。

Outcast
Outcast

そら、若い兵士さん、少し手を貸してもらおう――

Outcastは抱えていた負傷者をバグパイプに預けた。

バグパイプ
バグパイプ

うおっ、なんだべこの重さ?この人本当にヴィーヴル?

Outcast
Outcast

おやおや、レディに対して重いとは聞き捨てならないね。

バグパイプ
バグパイプ

ふぅ……よいしょ……こりゃほかの人だったら担げないだろうね。

Outcast
Outcast

私の友人にちょうどヴィーヴルの知り合いがいるんだ、君と同じく、若くて心強い戦士だ。

バグパイプ
バグパイプ

それってつまり……

Outcast
Outcast

その負傷者を彫像の東側まで運んで、私の友人と仲間に預けてほしい。

Outcast
Outcast

それと言伝も頼む、すまない、約束は守れなかった、とね。そしたら向こうもようやく動いてくれるはずだ。

バグパイプ
バグパイプ

あなたはどうするの?

Outcast
Outcast

もう少しここに残るよ、まだ何人か会いたい人がいるんでね。

(“オラター”の足音)

"オラター"
“オラター”

ここか?

ダブリン兵
ダブリン兵

はい、長官。えっと、ほかの五名も全員いらしたのですか?

"バーグラー"
“アカウンタント”

情報によると、向こうは三人しかいない……そのうち一人は重傷かつ気絶してるらしいですね。

ダブリン兵
ダブリン兵

では、長官らのうち一人だけ出動されれば余裕で対処できるのでは?

"バーグラー"
“アカウンタント”

向こうは二人で三つの小隊を倒したんですよ、それも無傷で。

"バーグラー"
“アカウンタント”

私たちがとんだ役立たずで、それと今ある任務は再三失敗してもさして重要なものじゃないとでも言いたいのですか?

ダブリン兵
ダブリン兵

いえ、そのようなことは……

"バーグラー"
”プリズナー”

ふぅ……ふぅ……相手はそんなに強いのか?

"オラター"
“オラター”

少なくともお前の目を覚ましたぐらい強い。

"バーグラー"
“アカウンタント”

慎重に越したことはありません、正体不明のサンクタとヴィクトリア兵以外にも、彼女がいることをお忘れなく。

"バーグラー"
“アカウンタント”

極限まで追い込まれた場合、彼女がどう動くか、皆さんもご存じのはずですよね?

"バーグラー"
“プリズナー”

ふぅ……ワクワクしてきたぜ。

バグパイプ
バグパイプ

敵の数が……まだ増えてきてる!

バグパイプ
バグパイプ

隊長、応答してください隊長――

バグパイプ
バグパイプ

まだ信号が繋がらない……クソ!すぐこの子も預けないといけないのに……

(斬撃音)

"リーダー"
重症感染者

うぅ……

バグパイプ
バグパイプ

あれ……目が覚めた?

"リーダー"
重症感染者

い……いや……

バグパイプ
バグパイプ

いやまだ眠ってる……でも急に藻掻きだしてどうしたんだろう?悪い夢でも見てる?

バグパイプは何かを感じ取ったかのように、視線を上げた。
朧げな数人の人影がそう遠くないビルの屋上に立ち、下に広がる街の狼藉を見下ろしていた。
彼女はまだ気づいていない、周囲の余炎が密かに色を変えたのだ。
つい先ほど地面で死んだ若き兵士の目にも、同様の紫の炎が焚かれていた。
彼女は視線を街へ戻し、遠くから湧き出てくる大勢の敵たちを眺めていた。

(雷鳴と雨の音)

シュレッダー
シュレッダー

……そろそろ時間だ。

シュレッダー
シュレッダー

敵が向かい側で集結している、もうここに長居しちゃいけない。

ジェニー
ジェニー

もう少し待ってみましょう、シュレッダーさん、Outcastさんは必ず時間を守る人ですから。

シュレッダー
シュレッダー

ああ。

ジェニー
ジェニー

見てください、あっち!人影が二人見えませんか?

ジェニー
ジェニー

Outcastさん、こっちでーす!

ジェニー
ジェニー

Out――違う、彼女じゃない、こっちに向かって来てる人って……

ジェニー
ジェニー

バグパイプさん!?

(バグパイプが駆け寄ってくる)

バグパイプ
バグパイプ

あれ?あのかっこいいサンクタの女性はおめーさんらの知り合いだったんだべか?

バグパイプ
バグパイプ

ならちょうどよかった、ほら、この重傷を負った女の子もおめーさんらの仲間なんでしょ?サンクタさんがウチに預けておめーさんらに――

ジェニー
ジェニー

Outcastさんは……

ジェニー
ジェニー

彼女はどこ!?なにかあったんですか?

バグパイプ
バグパイプ

あの人ならまだ別れた時ピンピンしてたけど……

バグパイプ
バグパイプ

そういえばなんか謝ってたよ、約束を守れなくてごめんとかなんとか、あとこれを教えたらおめーさんらが動いてくれるとかも言ってたけど。

ジェニー
ジェニー

――!

ジェニー
ジェニー

それって……

ジェニー
ジェニー

自分で言ってたくせに、人を救う前に、まずは自分の安全を確保しろって!

ジェニー
ジェニー

そうしなければ、より多くの人を救うことはできないって、より……多くの……

ジェニー
ジェニー

……

ジェニー
ジェニー

そんなのイヤ――!

シュレッダー
シュレッダー

ジェニー!待て!

シュレッダー
シュレッダー

彼女から言われたはずだ、これから俺たちが何をすべきかって。

ジェニー
ジェニー

でも……

バグパイプ
バグパイプ

このお兄さんの言うとおりだべ。

バグパイプ
バグパイプ

おめーさんは彼女を信じてるんでしょ?ウチは一回しか会ってないけど、ウチなら彼女を信じる。

バグパイプ
バグパイプ

それにこの子を運んできた時、途中で二十数人の敵を倒してきた、後ろに追っ手が来てるかどうかも分からない状況だべ。

バグパイプ
バグパイプ

一般兵なら大したことないけど、あのボスみたいな術師と遭遇しちゃったら……ウチを信じて、彼女の実力なら大丈夫だよ。

バグパイプ
バグパイプ

だから、まずはこのお友だちを預けて、さっさと脱出しよう。

(凄まじい閃光)

シュレッダー
シュレッダー

……なんだ、この光は!?

バグパイプ
バグパイプ

爆発?

バグパイプ
バグパイプ

いや、違う、一瞬でこんな眩しい光を放てる爆弾は存在しない、それに今ウチらは吹っ飛ばされることなくここに立っていられて呼吸もできてる!

バグパイプ
バグパイプ

まさかあれはアーツ!?

バグパイプ
バグパイプ

でも、短時間であんな極限のアーツを放ったら、技を出した人も無事じゃ……

ジェニー
ジェニー

……

ジェニー
ジェニー

光が……雲を貫いていく……

ジェニー
ジェニー

雨が……止んだ?

バグパイプ
バグパイプ

――

バグパイプ
バグパイプ

光は西からだべ……さっき通った路地から?

バグパイプ
バグパイプ

方角が違っていなかったら、てっきり日が昇ってきたかと思ったよ……

ジェニー
ジェニー

……そうね……

ジェニー
ジェニー

夜が……明けてきたわ。

それから誰も声を発さなかった。
あの天幕を貫いた炎は未だに轟々と燃え盛っている――
まるで頭上を今も覆い被さる暗闇に死を告知する憤怒の炎のように、地上で助け合う人々に語り掛けている生の輝きのように。

バグパイプ
バグパイプ

こんな眩しい夜明けは……人生で初めて見たよ。

バグパイプ
バグパイプ

そりゃ目立つわけだ。あはは……

バグパイプ
バグパイプ

はぁ……

ジェニー
ジェニー

……

シュレッダー
シュレッダー

ジェニー……

ジェニー
ジェニー

うぅ……ッ、大丈夫です。

ジェニー
ジェニー

シュレッダーさん、時間のほうは?

シュレッダー
シュレッダー

……時間だ。

ジェニー
ジェニー

ではオリバーさんに伝えてください、人は……預かりましたって。

ジェニー
ジェニー

――例の重症感染者を。

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