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【明日方舟】ニアーライトNL-8「最後のケシク」行動前

???
アナウンスの声

突然ともう一人のチャンピオンが現れ、雷霆のごとく一触即発の二人を止めました!

???
アナウンスの声

昨晩の試合は逐魘騎士のアーツがルール違反の疑いがかけられてことにより中止となりましたが、その事態の悪化を防いだのが、紛れもなく“英雄”である血騎士ご本人です!

???
アナウンスの声

逐魘騎士と耀騎士も相打ちという形で手を止めてくれました、逐魘騎士に関しましてはこれから不戦勝によって勝ち進んだ血騎士との対戦が予定されております――

グレイナティ
グレイナティ

相打ち……?逐魘は違反してたんですから、耀騎士が勝ったことにはならないのですか?

ソーナ
ソーナ

……感染者にこれ以上勝ってほしくないのよ、きっと。

ソーナ
ソーナ

シェブチックは?

ユスティナ
ユスティナ

家族へ会いに行った、しばらく一人にさせてあげて。

グレイナティ
グレイナティ

……正直、アイツのことは嫌いでした。

ソーナ
ソーナ

見りゃわかるわよ。

ユスティナ
ユスティナ

確かに、けどそんな露骨に嫌悪感を出すつもりはなかったんでしょ?

グレイナティ
グレイナティ

……

ソーナ
ソーナ

彼にも家族がいたから、でしょ?

ソーナ
ソーナ

この都市にいるせいでしょっちゅう忘れちゃうけど……アタシたちだって生きた人間なんだもんね。

ソーナ
ソーナ

アタシたちはアタシたちの選択肢を、アタシたちの生活を持つべきだわ、無尽蔵の荒波の中で……自分を見失うんじゃんくてね。

???
アナウンスの声

血騎士と逐魘騎士の世紀の一戦が、今宵開幕!

???
アナウンスの声

 ナイトオブナイツをご覧になってる皆様、今夜八時に当チャンネルで最高の試合をお送り致します!

“ジャスティスナイト号”
“ジャスティスナイト号”

(高らかなピーピーと鳴る音)

イヴォナ
イヴォナ

ハハッ……ジャスティスナイト号!お前も無事だったのか!

ソーナ
ソーナ

イヴォナ!まだ動いちゃダメだって……

グレイナティ
グレイナティ

肩を貸します。

イヴォナ
イヴォナ

へへっ……あんがとよ、カイちゃん。

ソーナ
ソーナ

カイちゃんって呼び名はアタシだけの専売特許なんだけど?

イヴォナ
イヴォナ

ハハッ、じゃあちょっと借りるぜ……

ソーナ
ソーナ

使用料金は払ってもらうからね。

ソーナ
ソーナ

……イヴォナ、あの日のあれって……

イヴォナ
イヴォナ

ああ、血騎士で間違いない、チラッと姿が見えたんだ。

ユスティナ
ユスティナ

……現場には血のアーツの痕跡が残っていた。

ユスティナ
ユスティナ

あれは……すごくヤバいアーツ。今のアーツは、ただ発動するだけでも痛みが発生するのに、あんなアーツを使うなんて想像できない、血騎士は一体どれだけの苦痛を受けているんだろう。

イヴォナ
イヴォナ

……血騎士は……強い。

ソーナ
ソーナ

それはみんな知ってるよ。

ソーナ
ソーナ

血騎士がいたからこそ、感染者騎士にも試合への参加資格が与えられたんだから。

グレイナティ
グレイナティ

……連合会のおもちゃになって……自由と尊厳は失いましたが……そのおかげで私たちは生き残れました。

イヴォナ
イヴォナ

生きてりゃなんとかなるしな。

ユスティナ
ユスティナ

……耀騎士と血騎士、みんなはどっちを応援するの?

イヴォナ
イヴォナ

……アタシは血騎士だ。感染者のために未来を切り拓いてくれたのはアイツだからな。

グレイナティ
グレイナティ

今私たちに必要なのはたゆまぬ闘争であって、現状に満足することではありません……ですので私は耀騎士を応援します。

グレイナティ
グレイナティ

あなたはどうなんです?

ユスティナ
ユスティナ

……私はソーナを応援する。

イヴォナ
イヴォナ

おいおい、そんなのアリかよ!?

プラチナ
プラチナ

……お呼びでしょうか?

代弁者マルキェヴィッチ
代弁者マルキェヴィッチ

……

代弁者マギー
代弁者マギー

……理事会が……ゼロ号地の処遇を決断なされた。

代弁者マギー
代弁者マギー

現段階における感染者の措置は誤りだったとのご判断だ。

プラチナ
プラチナ

誤り、ですか……

代弁者マギー
代弁者マギー

それに加えて、ロドスの指導者もゼロ号地に深入りしている。これは無冑盟の過失とも言えることだ。

プラチナ
プラチナ

……

代弁者マギー
代弁者マギー

常務理事長の何名かは無冑盟に草の根を断つことを強くお求めになられている。ロドスの医療チームを決してカジミエーシュから出すな。

代弁者マギー
代弁者マギー

できるな?

代弁者マルキェヴィッチ
代弁者マルキェヴィッチ

……

プラチナ
プラチナ

……了解しました。しかし、理事会全体ではなく、“常務理事長の数名”というのはどういうことですか?

代弁者マギー
代弁者マギー

……お前が知る必要はない。お前の指揮権は私たちが握っていることを忘れるな。

プラチナ
プラチナ

正確に言うと、握っているのはそちらにいるマルキェヴィッチさんです。

代弁者マギー
代弁者マギー

マルキェヴィッチ……どうするかはわかっているな?

代弁者マルキェヴィッチ
代弁者マルキェヴィッチ

……

ゾフィア
ゾフィア

怪我したの?

マーガレット
マーガレット

……ああ、防いだときに貰ったんだろう。

マーガレット
マーガレット

あの時はなにも感じなかったが……骨までいってるかもしれない。

ゾフィア
ゾフィア

ちょっと動かないでね、診てみるわ……

ゾフィア
ゾフィア

医者を呼んだほうがいいわね、今後の試合にも響くかもしれないし……

マリア
マリア

お姉ちゃん、とりあえず氷とか当てたほうがいいんじゃ……

マーガレット
マーガレット

そうだな。

マリア
マリア

アーツじゃ治せないの?

ゾフィア
ゾフィア

痛みとか傷口を治すことはできるけど、骨折となると話は違ってくるわ、処理が下手だと最悪後遺症を残しかねないからね。

ゾフィア
ゾフィア

どうしよう……次の相手は風騎士でしょ……あの人も強敵だわ、もし怪我のままだったら……

マーガレット
マーガレット

……ゾフィア、心配はいらないさ。

ゾフィア
ゾフィア

心配いらないわけないでしょ!

マーガレット
マーガレット

ただの軽傷だ、とっくに慣れてる。

マリア
マリア

……これでも……軽傷って……

マリア
マリア

お姉ちゃん……一体なんのためなに、そこまで頑張って、そこまで強くなろうとしてるの?

マリア
マリア

優勝するため?

マーガレット
マーガレット

「ルールの中でそのルールの主に勝つことはできない」、叔父さんからそう言われたことは憶えているな。

マリア
マリア

……うん。

ゾフィア
ゾフィア

あれはただのムリナールの意地悪で――

マーガレット
マーガレット

いいや、私にはわかる。

マーガレット
マーガレット

叔父さんの言ったことは正しい。

マーガレット
マーガレット

だが私たちが勝とうとしているのは、ルールを定めた者ではない。

マーガレット
マーガレット

ルールそのものに打ち勝つのだ。飼い慣らされた者たちをもう一度立ち上がらせ、堕落しきった者たちにもう一度光を取り戻すために。

マーガレット
マーガレット

叔父さんは……信じてないだけなんだ、灯台の導きに従って、嵐に歯向かう人はもういるはずがない、とな。

マーガレット
マーガレット

だが私はそうは思わない。

マーガレット
マーガレット

この苦難を退ければ、人は必ず前へ進んでくれるはずだ。

老騎士
老騎士

……しばらくは医者の言う通りに、安静にしておるんじゃぞ。

老騎士
老騎士

次の相手はあの風騎士なんじゃろ?もしそれまでに回復しなかったら、痛い目を見るからな。

ハゲのマーティン
ハゲのマーティン

……私みたいになるんじゃないぞ。

ハゲのマーティン
ハゲのマーティン

もう手が動かないと知ってもなお無理をすれば、最後はこうなっちまうからな。

マーガレット
マーガレット

ああ、心配をかけたな。

(マリアが扉を開け駆け寄ってくる)

マリア
マリア

……お姉ちゃん!ほら見て!

マーガレット
マーガレット

新しい甲冑か?

マーガレット
マーガレット

もう出来上がったのか……驚いた、少なくとも明日にならないと調整は終わらないと思っていたぞ。

老工匠
老工匠

俺一人だけじゃ、二三日はかかっていただろうよ。

老工匠
老工匠

この前はお前の新武器に合わせてお前の籠手の調整ができていなかった、まあどう調整すればいいのかすらわからなかったが。

老工匠
老工匠

だがその教訓もあってか、今回のマリアの手はかなり速かったぞ。

マーガレット
マーガレット

……マリア、ロドスで優秀な職人たちを知ってるんだ。今度君に紹介するよ。

マリア
マリア

ホントに!?どこの職人さん?

マリア
マリア

ウルサス人、リターニア人、極東人、ラテラーノ人、どこでもだ。

マリア
マリア

……わぁ……じゃあすごいレベルの職人集団なんだね……ん?でもお姉ちゃんがいるのって製薬会社なんでしょ、なんで職人集団とかがいるの?

マーガレット
マーガレット

それについてはいつか自分の目で確かめてみるといい。

マーガレット
マーガレット

……今ので急に思い出したんだが、むかし君の誕生日の時、ムリナール叔父さんが君に小型のドローンを買ってくれたな。

マーガレット
マーガレット

けどその日の午後にバラしたのを見た時はさすがに驚いたよ。

マリア
マリア

あ、あの後ちゃんと組み直したじゃん。

老工匠
老工匠

あの時は俺も驚いたよ、まあ組み直したらもう飛ばすことはできないが、まさかあの年齢であんな素質があったとはな――

老工匠
老工匠

――けどマリアはいつか騎士になるんだろなって思っていたよ。じゃなきゃとっくに工房をマリアに譲っていたさ。

老騎士
老騎士

今のうちに譲ってやれ、コーヴァル、お前が天に召されてからじゃ遅いからな。

老工匠
老工匠

は?お前それさっさと死ねって言いたいのか?

マーガレット
マーガレット

……自分の好きなことがしたいか?マリア?

マリア
マリア

うーん……まだわかんない。

老騎士
老騎士

ハッ、マリアはまだまだ若いからな、ゆっくり悩めばいい。

マリア
マリア

でも……すごく久しぶりだよね、こうしてゆっくりお喋りできたのって……

マリア
マリア

あーッ、お姉ちゃんにあげるゲル修復液を工房に忘れてたんだった!

マリア
マリア

新しい籠手もまだ調整が必要だし……もうすぐ試合だよね?すぐ取ってくるから!

(マリアが駆け出す)

マリア
マリア

(お姉ちゃん……あんなひどい怪我してるのに……)

マリア
マリア

(なのに……)

マリア
マリア

ん?この音、なんだろ?

逐魘騎士
逐魘騎士

……

夢魘は長槍を引きずり、ガリガリと地面に火花を散らす。
怒りのあまりに沈黙していた彼は、光の匂いを辿って、ここへやってきた。

(斬撃音)

マリア
マリア

――うわぁッ!?

逐魘騎士
逐魘騎士

……ん。

逐魘騎士
逐魘騎士

お前、彼女ではないのか……お前は……そうだ、彼女の妹だったな。

逐魘騎士
逐魘騎士

……彼女はどこだ?

マリア
マリア

――!お姉ちゃんに、何の用ですか?

逐魘騎士
逐魘騎士

まだ決闘は終えていない。

マリア
マリア

いや、試合はもう終わってますよ!

逐魘騎士
逐魘騎士

試合だと……?

逐魘騎士
逐魘騎士

我が悠久な天途は試合なんかのためにあるものではない。

逐魘騎士
逐魘騎士

耀騎士は私の旅路にとって不可欠の存在だ……なのにあの神聖な決闘が……部外者どもによって邪魔された!

マリア
マリア

じゃあ血騎士に勝って、それからまたお姉ちゃんと再戦すれば――

逐魘騎士
逐魘騎士

黙れェ!

マリア
マリア

うっ……!

逐魘騎士
逐魘騎士

試合……騎士の試合など……ただの見掛け倒しだ。

逐魘騎士
逐魘騎士

規則と、観客たちの、ヤツらの歓声に耳を傾けてみろ!お前にはあの冒涜が聞こえていないのか!?

マリア
マリア

――!

これが騎士競技なの?なにに勝ったの?そしてなにを得られたっていうの?
名誉、富、それとも一族の復興?いや違う、なにかが足りない……そう、なにかが足りないんだ。
考える時間はほとんどなく、マリアは結局、歓声に操られるように高らかに剣を掲げた。
腕から伝わる鮮明な痛みだけが、歓声の慰撫にかき消されなかった。

逐魘騎士
逐魘騎士

よくも私をあのピエロ紛いな弄臣どもと一緒にしてくれたな!

逐魘騎士
逐魘騎士

……私はケシクの末裔だ、必ず天途を終えなければならない。

逐魘騎士
逐魘騎士

そこをどけ、軟弱な童に興味はない、用があるのは耀騎士だけだ――

マリア
マリア

……ダメ。

マリア
マリア

あなたを行かせるわけにはいかない。

逐魘騎士
逐魘騎士

……貴様がか?

逐魘騎士
逐魘騎士

耀騎士の付添いに過ぎないお前がか。

マリア
マリア

……つ、付添い?

逐魘騎士
逐魘騎士

貴様が抱いてる夢と、お前が掲げてる信念は、他者と余所から譲り受けたものにすぎない。

逐魘騎士
逐魘騎士

貴様なら若さを言い訳にし、自分が抱えてる迷いから逃げることができるだろう……だがそんなことになんの意味がある?

逐魘騎士
逐魘騎士

世間は耀騎士の執拗さを嘲笑っているが、何人たりとも彼女の強さを否定することはできん。

逐魘騎士
逐魘騎士

だが貴様は、所詮騎士にも及ばん存在だ。

マリア
マリア

……

逐魘騎士
逐魘騎士

……そこをどけ、さもないと我が刃が貴様の喉元を掻っ切る。

マリア
マリア

イヤです。

マリア
マリア

……お姉ちゃんには、会わせません。

逐魘騎士
逐魘騎士

彼女は逃げているのか?いや、あのような輝きを放つ耀騎士がそんな人間のはずがない……

逐魘騎士
逐魘騎士

では、怪我を負ったのだな?

マリア
マリア

――

逐魘騎士
逐魘騎士

まさか私との決闘で受けた傷が完全に治癒するまで、戦いはお預けだとでも言いたいのか?

逐魘騎士
逐魘騎士

恥を知れッ!

(斬撃音)

マリア
マリア

くぅッ――!

マリア
マリア

(重いッ――タイタスさんの槍よりずっと重い!)

逐魘騎士
逐魘騎士

……

マリア
マリア

はぁ……はぁ……

マリア
マリア

私、なんで……

逐魘騎士
逐魘騎士

見よ、貴様はすでに恐怖に染まった……

逐魘騎士
逐魘騎士

私の前で冷静に武器を振ることすらできてないではないか、もしここが戦場であれば、お前はすでにただの屍になっていたぞ。

マリア
マリア

……そんなの!

マリア
マリア

そんなの……騎士であるかどうかとは関係ない。

マリア
マリア

私はただ、お姉ちゃんを、守りたいだけ――

逐魘騎士
逐魘騎士

耀騎士は貴様の守りなど必要としていない、身の程を弁えぬペガサスめ……

(複数の矢の音)

逐魘騎士
逐魘騎士

フンッ!

逐魘騎士
逐魘騎士

……今の矢、あの青い弓使いとは天と地ほどの差だな。

(老騎士の足音)

老騎士
老騎士

その子から離れろ、夢魘。

逐魘騎士
逐魘騎士

……バトバヤル。

逐魘騎士
逐魘騎士

お前も……私を止めるのか?

老騎士
老騎士

マリア!ほら、はやく立て、こっちに来るんじゃ!

マリア
マリア

う、うん!

老騎士
老騎士

お前、頭おかしくなったのか?

逐魘騎士
逐魘騎士

……それを聞いてきたのは二度目だ。

逐魘騎士
逐魘騎士

失望したぞバトバヤル、お前なら……

老騎士
老騎士

もうお前は住処を失っとるんじゃ、若造。

老騎士
老騎士

教えてくれ、お前のカガンは一体どこにおる?

老騎士
老騎士

ケシクの族長は?大軍の帳はどこにおると言うのじゃ?

老騎士
老騎士

もう数千年の時が経っておる……なのにまだ過去に生きておるのか?なぜそこまで伝統に拘る?

老騎士
老騎士

その伝統はお前になにを与えてくれるのじゃ?若造よ?

逐魘騎士
逐魘騎士

……

(回想)

トォーラ。
あなたの名前は、“草原”を意味する。
己の血統に誇りを持つのよ。
いついかなる時、いかなる場所でも、己に誇りを持ちなさい。

トォーラ。
これからは普通のクランタとして生きるのよ、難しい話じゃないわ。
勉強して、大きくなったら職に手をついて、綺麗な奥さんを貰えばいいの。

(回想終了)

逐魘騎士
逐魘騎士

……

逐魘騎士
逐魘騎士

バトバヤル、母が獣の牙に殺された時から、私は決心したのだ……

逐魘騎士
逐魘騎士

あれは私が見た魘される夢だったのだと。

老騎士
老騎士

なにを言っておるんじゃ――

逐魘騎士
逐魘騎士

長年藻掻き続けてきた、この……騎士の国で。

逐魘騎士
逐魘騎士

だが結局、私はこの道へ誘われた。私の最後の理想を叶えるために。

老騎士
老騎士

……待て、待つんじゃ。

老騎士
老騎士

まさか、お前のこの旅路の目的は――

逐魘騎士
逐魘騎士

……口に出す必要はない。

逐魘騎士
逐魘騎士

お前は老いた、だが戦場を体験したことに変わりはない、もしまだ私の邪魔をするのであれば……

逐魘騎士
逐魘騎士

お前も踏み越えていく、自らの手で数少ない我が血族を打ち倒そう。

逐魘騎士
逐魘騎士

来るがいい。我が歩みは止められんのだ。

(斬撃音)

老騎士
老騎士

なっ――

(マリアが攻撃を防ぐ)

マリア
マリア

フォーゲル師匠――避けてッ!

老騎士
老騎士

マリア、大丈夫か!?

マリア
マリア

だ、大丈夫。

マリア
マリア

この頭おかしい人をお姉ちゃんのところに行かせたらダメ……じゃないと……!

逐魘騎士
逐魘騎士

……止めるということは、私を殺すつもりでいるのだな?

逐魘騎士
逐魘騎士

カジミエーシュに生きる騎士は、まだ殺し合いがなんたるかを理解しているのか?

逐魘騎士
逐魘騎士

いや、お前たちにできるはずもない。バトバヤル、お前は老いたのだ、そして世間知らずのペガサス、貴様はこの大地の残酷さをまったくもって理解していない。

逐魘騎士
逐魘騎士

私と彼女の決闘を邪魔することは、即ち我ら双方の名誉を汚したことになる。

マリア
マリア

違う!

マリア
マリア

名誉なんて……そんなのどうだっていいの!

逐魘騎士
逐魘騎士

――なら貴様の姉はなぜ戦っているのだッ!?

逐魘騎士
逐魘騎士

よくも侮蔑を吐きつけてきたな!ではなぜ耀騎士はメジャー戦の優勝に拘っているのだ、栄光を再び手中に収めるためではないのか!?

マリア
マリア

それは……

逐魘騎士
逐魘騎士

冒涜者め、武器を取れッ!その言葉を吐いた報いを受けてもらうッ!

マリア
マリア

……それでも……行かせない!

マリア
マリア

絶対に!

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