【明日方舟】リー(老鲤 Lee)の詳細(性能やスキル、資料)

造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査においても、同じく鉱石病の兆候は認められない。以上の結果から、現時点では鉱石病未感染と判定。

造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、同じく鉱石病の兆候が認められる。以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

【源石融合率】0%
鉱石病の兆候は見られない。

【血液中源石密度】0.12u/L
源石に接触することは滅多にない。

だらしなさそうな中年男性の名目上の仕事は私探偵となっている。尾行、偽装、交渉、推理などの探偵の基本的なスキルはいずれも優れているが、老鯉が最もよく使う技術はお茶を入れたり料理をしたりすることだ。多くのオペレーターからは「一緒にいるだけでやる気が無くなる」と評価されている。

リーはロドスには常駐せず、たまにドクターと面談という仕事看板を掲げて探偵事務所の子供たちの様子を見に来て、みんなの生活が順調である事を確認し、自分の仕事を全部彼らに渡して悠然と去っていく。リーが訪れた日は祝日のような盛大っぷりだ。原因は簡単、ウンの料理を食べた後、後方勤務のオペレーター達はリーの料理がどのような境地に達しているのか、龍門路地のグルメ会では伝奇的な人物が一、ニ位を数える人物である事に興味を持っていたのだ。

僅か数回ではあるがリーはロドスの食堂で自分の技術を披露したことがあるが誇張せずに言おう。その時、食堂全体が沸き立った。

「彼が何故レストランではなく探偵事務所を開いたのか理由が分からないだけど？

真面目には見えないが、探偵の本業では、リーには彼の独特なところがある事に違いはない。

「マフィアの火の現場でお茶を飲んで芝居でも見ますか？ハハハ……野次馬って訳じゃないですよ。ほら、二人のマフィアが喧嘩をしている時、一番前に突き進んでいるのはきっと仲間に入ったばかりの新人に違い無いです。

後の位置で監督しているのは、マフィアの中では少し地位のあるリーダーでしょう。一番後ろに立って声しか出さないのは年功序列の中では古い人。

とあるマフィアの最近の商売がどうなっているのかを知るだけなら、彼らが喧嘩をしている姿からでも分かるですよ。私立探偵になろうがテクニックなんて二の次です。結局一番重要なものは”人を見る力”なんです」

そんな経験を共有することを惜しまないリーによれば、探偵事務所の処理方針は「世事を明らかにして和をもって尊しとなす」という文言しか無い。老鯉も言ったように、彼は拳法は全く苦手だ。アーツのほうはよく分からない。

「あの人自分が拳法もアーツも苦手って言ったんですか？そんなデタラメを！」

龍門のとある場所でリー探偵事務所と協力した外勤オペレーターによれば、ロドスは龍門にて地元のマフィアと衝突、30人以上の追撃に直面、リーは他のロドスオペレーターを先に撤退させ、自分で残って阻んだのだという。

そのオペレーターは2区画移動した頃、後ろから爆発音が聞こえ、その語リーが何事も無く歩いてきた。髪型も乱れていなかったという。

「ロドスの総合テストの要求をパスするのも良いですけど、一部のオペレーターが実力を大胆に隠す行為があるに、テストモデルを調整する必要があるかどうかを考えなければいけませんね」

――人事部のとある会議の記録

リー探偵事務所とロドスの縁は奇妙なものだ。

事務所とロドスの龍門駐在事務所のお互いの位置は遠くは無く、レユニオン事件の中で双方が街角で顔を合わせるという事もあった。双方とも近衛局と親しい関係ではあったものの――しかし、リーが魚丸屋が3日間屋台を出さず、心配をして行方を尋ねていた時、鼠王のところで、リーは初めてロドスという名前を聞いた。双方はそれにより知り合いとなり、その後は協力関係を結ぶ事となる。

協力の中でリー探偵事務所は驚くべき情報能力を示しており、ロドスと商業協力をしている各社の信用度や財務状況の調査、スラム街の感染者の職業構成を明らかにし、感染者の受け入れ時に引き起こされる医療矛盾を容易に沈静化させる事も可能だ。

これらの事項は間違いなくロドスが龍門で感染者を救助する際に大きく寄与した事に間違いは無いが、ロドスは当然疑いを抱き、独自の方法で調査した事もある。

しかし、得られた全ての手がかりは普通の私探偵事務所であるという事を証明している。普段受け付けている事務は、人探し、浮気の追跡、信用調査などに限られている。

この結果はロドスを完全に安心させるというものでは無いが、近衛局の関係を考慮し、ロドスは信頼を維持しながら協力関係を維持することを選んだ。

事務の往来に伴い双方の理解はだんだんと深まってきた。リー探偵事務所の知られていない一面がリー自身の話としてロドスの眼前に現れたのだ。

リーはまた淡々と話をした。ここ数年来事務所が警察とマフィアの間でバランスを取っていたのだという。

簡単に言えば、事務所の情報能力は完全にリー個人が長年運営していた関係網が由来であり、これはリーが龍門の様々な人物と付き合って、ある程度安定した関係を維持する必要があることを意味している。

しかし、どのようにして互いに対立し、敵対する勢力の中で偏らず、身を持って正を守る事が出来るのだろうか。その難しさは想像に難くなく、少なくともリーが話しているほど簡単な事では無い。

余談だがリーは目も肥えており、依頼以外のことには積極的に関与しないのが普通だ。事務所も確かに繁華街の隅に隠れている事務所にすぎない。「龍門江湖の一方の重鎮」「龍門グレー地帯の権力の中枢を陰で掌握している」という噂は完全なデマだ。しかし、もしリーが望むなら、彼は本当にできるかもしれないと疑わずにはいられない。

私たちはアが何気なく言ったことを聞いたことがあります。リーの「リー」は名前ではなく姓であり、この極めて特殊な姓が直接関連しているのは、炎国中央のとある有名な商人の家系だ。

リーは彼の出身を隠してはいないが、彼がどのように故郷を離れ、龍門まで転々としていた経緯は知られていない。

「おっかしいなあ。普通は家系と人が噛み合ってないと思っているなら名字って変わるもんじゃねえのか。何で名前だけは残してるのに、名前を隠したがるんだ？」アはそうコメントした。

リーとの会話では過去の事も将来の事もほぼ出てくる事は無かった。リーの能力は様々な場面で証明されており、彼が多くの事務に対処するのが面倒くさいと思っているのも事実だ。

私たちは今を生きることを名目に現実を避ける人には慣れているが、リーの人生態度は「消極的な世を避ける行為」という言葉では要約出来ないように思える。

それでもリーは探偵事務所の運営を适切に維持しており、若者たちにも尽力を尽くしている。

面倒臭いといつも言葉にはしているが、彼らが最も助けが必要な時に間違いなく配慮をする。それが3人の若者もリーには文句を言っているが、無条件に信頼している理由だ。

あなたがリーの側に立ってみれば分かるだろう。彼は浮き草のように漂ってはいるものの、周りの人には盤石のような安心感を与える。

私たちは現在でもリーのこれまでの人生をよくは知らない。傍観者として見れば、リーの応対やたまに考え込む目からは、非凡な出身で意気揚々としていた少年の理想が崩れ去ったという物語の輪郭を描くことができるだろう。

しかし、この脚本とリー本人を比較すると、それは似て非なるものであり、完全に代入する事は難しい。

あなたがどのように推測しようが、リーはやはり余裕のあるリーで、苦いお茶を持って、他人を笑って急いでいる様を暇しながら笑っている。

彼が雑多な帳簿の中の些細な間違いを正確に指摘したり、炎国の歴史や人文芸術の話を聞いたりしたときだけ、リーの目に光を垣間見ることができます。

「ああ、これですか？これは私達の信頼を更に高めるっていう意味ですよね？」
「うれしいかって？そりゃ当然。信頼はとても重要です。探偵としてなら信頼が無ければ証人は口を利いてはくれず、ビジネスマンとしてなら信頼が無ければ協力は語れない。信頼を得る手段を身につけるってのも、探偵の必修科目なんですよ……え？私をそんな目で見ないで下さいよ。あなたと私の間の信頼は手段では無いですから。ドクター、信じてくれません？」

リーは勲章を受け取り、ニコニコしながら一枚の玉佩を贈った。正面には”但思善悪”裏には”無問吉凶”と刻まれている。