【明日方舟】リン(令 Ling)の詳細(性能やスキル、資料)

造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査においても、同じく鉱石病の兆候は認められない。以上の結果から、現時点では鉱石病未感染と判定。

【源石融合率】0%
源石に感染する気配が見られない

【血液中源石密度】0.00u/L
リンさんを医学検査に同意させられるなんて私達は思ってもいなかった事で、ニェンさんの時のように苦労すると思っていました。

しかし、リンさんはテストで表現した事はただ一つでした。どうでもいいという態度です。

なのでテストの結果は高くなったり低くなったりするため厳密なものではあります。

しかし……クロージャさんがもう良いと言っていたので終わりにしましょう。

「酒を飲んだからかもね」彼女はそう言っていました。
――医療オペレーターのハイビスカス

「この方達は鍛えていますよ！酒も良いものですし！」ホシグマはそう評価した。

「酒が良い」というのは無理に他人に相手させないように指示しているからだろうが、誰かが自分から座った時には笑いながらグラスを渡し、一人でいる時であっても悠然と半日は一人で飲む事も苦では無いようだ。

彼女が酒に酔って悪影響を及ぼしたという事も無い。彼女が酔っ払った後に行う唯一の特別な行動は詩を歌う事だ。詩を尻尾で壁に書く、書かれたものは生き生きとしたもので、ある種の芸術とも言える。

時々大掛かりな特撮映画を大々的に撮影している誰かや意見が合わないとオペレーターを画の中に押し込める誰かとは異なり、これは大した事でも無いという事からクロージャもあまり彼女に制限を掛ける事は無かった。

多くのオペレーターはリンの作る詩にかなり興味を示しており、彼らは詩を全部書き写して整理している。この文達は古意豊かで、声律は複雑、形式は非常に凝ったもので、整ってはいるものの、語彙は跳躍的且つ無秩序、長短も異なり、洋々としている……「詩詞賦」という炎国の古文体であり、数百年の流れを経ているため芸術性が高いと言われている。

当然ながら詩の中の見知らぬ炎国の古い地名やいくつかの驚くような記述は真偽を区別しずらく、間違いなく研究に値するものだ。

しかし、これらの詩の理解するためのコストを過小評価しているのは目にも明らかであり、短時間で、その解読の法則を把握する事は現実的ではない。

「リンさんには本艦にもう少し滞在してもらいたい」と人事部に複数の要望が寄せられている。

オペレーターたちによれば、リンがロドスを訪れてからニェンは随分と大人しくなり、マージャンや映画であまり付き纏う事が無くなり、逆に不思議な事に自分から”小さな仕事”を始め、外回りをする回数もこれまで以上に多くなったという。

シーに至ってはニェンが彼女を困らせる事が無くなったので、彼女はいっそう自分の絵の中にいられる事を喜んでいる。姉妹の付き合いに困っていたハイビスカスは、この現象を「長姉の威信」としてリンに教授してもらっていた。

「彼女達はただ単純に私を嫌っているだけだよ」
「煩わしく思っているのは必ずしもくどくど言うからじゃない。多分、私を見て彼女たちは直視いなければいけない事を……学生が先生を見て明日の試験を思い出すように想起してしまうからだろうね」
「これが威信？良いね。あの子達は実際の所、物分かりは良いのだから、私たちは我慢しなければいけないね」と話した。

【権限記録】
”私達”の兄弟順は混沌とした争いの中から生まれた。ぼんやりとした中から抜け出し、天地の間でその最初の問題を答えたのが、長男であり長女。まあ、これも後から決まった事なんだけど。

問題はどういうのかって？ふむ、現代の言葉で要約すると、これ以上簡単な問題は無いんじゃないかな。

「自分は誰なのか」

ふふ、本当に稚拙な質問だよ！

でも、私達はこの問題探し出す事に長い時間を掛けて、この問題の答えを長い時間を掛けて探しだしたんだ。海歩氷散、滄海桑田、それはまるで1つの大きな夢のようだ！

あの時、この大地はまだここまで賑やかでは無かったし、天地はまるで釜のようで、私たちはただただ苦しんでいたけど、釜の中にいるという事なんてつゆ知らず、自分が敵になる事を免れる事は出来なかった……意味のない殺し合いがもうどれくらい続いたのかなんて忘れてしまった。全員が走り、眠り、目を覚まし、ついに戚然として、困惑する。問題の答えをどう見つけるかなんてその人次第。

絵を描いたり、碁を打ったり、種を植えたり、剣を鋳造したり、詩を作ったり、互いに邪魔をせず、自分で楽しみを得た。答えはそれぞれの楽しみの中にあったんだ。

今は…歳、それが私たちが共有していた名前。もうすぐ目が覚めるだろうね。

それが見たその夢は私達よりもずっと長いだろう！

ニェンちゃんもシーちゃんも全て感じているんだけど、ニェンちゃんはせっかちだし、夕の嫌いな事が多すぎるんだけど、一人一人それぞれの方法があって、それぞれの考えがあるけど、最終的には集まる事は免れる事は出来ないだろうね…。

釜に戻るのも良いんじゃないかな。私達は元々そういう兄弟姉妹なのだから。

ふふ、こんな付き合い方、ハイビスカスちゃんにはどうやって言えば良いんだろうね、ドクター？

「逍遥」。
姉は私とニェンのような能力を見せてはいないけど、理解は出来る。でも、彼女の事はここ数年、彼女と接触した長兄と二番目の兄を除いて、他の人もあまり知らないでしょうね。私たちの中でもリンは最も神出鬼没の一人だから。

ええ、そうよ。逍遥。彼女はこの言葉が好きなの。私はこの言葉でどんなに素晴らしい意思を与えられるか……少し本当の事では無いけども彼女は本当にやったのよ。

いったい何が彼女を止めることが出来るのでしょうね。彼女の意志をねじ曲げて、彼女の前進を妨げるなんてどうやって?

私の絵は彼女が来たいと思うなら来る事が出来て、行きたいと思うなら行く事が出来る。ニェンに鋳造されたものは牢獄？それとも束縛？

彼女は尾を振って、酒を1本取りに行くだけで何も見えないように出来る。

きっと歳月さえも彼女を止められないと思うわ。彼女の夢は一躍千年、誰も彼女が夢の中で何をしたのか分からない――彼女はまた夢の中で誰となったのか。

もちろん、夢は偽りよ。そんなにパニックになる必要も無い。でも、もし本当にある日、彼女が夢は偽物だと信じないで、この世のどんなルールにも信じないという事に意味があると思うなら、彼女が何になるか私も分からない。

尚蜀で再会する前、その身を外に置いて、俗事には関与しないというのが私の彼女の印象だった。でも、兄のお陰で軍に参加していた月日は彼女を随分と変えたみたい……。

とにかくあなた達も気を付けなさい。何しろあの碁狂いは今は悪意を抱いているようだし、何か大きな陰謀を企てているみたいだから。

彼に対処出来る人は少ない……もしかすると、あいつの次の手次第ではロドスは抜け出す事は出来なくなるかもしれない。

私に聞かないでよね。本当におかしいですね。あの変なニェンと、ロドスに滞在する事を許可したケルシーのせいなんだから。行った行った、もう出てって、ここ数日はイライラして、画を描く気にすらなっていないんだから。

【権限記録】
詩を通じて私の過去の行跡を分析しようとする必要は無いよ。何が知りたいのか、貴君なら聞いても構わないよ。もちろん、私もロドスについてはいくつかの疑問があるけどね。

……

そう、色んな所に行った事がある。

最初は江南だったかな。そこは酒が甘くて、様々な珍しいものがあり、草花や虫の鳴き声、流觴曲水、風情も人情もとても面白い所だった。

年を重ねて、人が何代か変わり、物は言いようだけども、美しいものは美しい。だけど、小さい橋や水の流れ、逝く人々は私をいつも悲しい気持ちにさせる。

ある時、たまたま兄が私に剣の使い方を教えてくれた。その時、私は心の中の憧れを話したら、兄はその時、私に玉門に行くようにと忠告したんだ。

……

玉門、私は時々あの都市に帰る夢を見ていた。山は遠くて、春風が届かず、それは砂漠の前に跨る孤独な巨人のようだ……。

炎国の精兵は遠くの草地の下で町伏せていたけども、城郭が夜に灯火を点けると、騒ぎが始まり、都市全体が囮となった。

あの夜、具体的に何人が死傷したのか、あのような惨烈な戦いが何回あったのか、私はもう覚えていない。

砂漠から煙が立ち、孤立した都市は征鼓を聞き、将兵達の彼らの劣悪な顔、彼らの様々な郷の音、彼らは死戦の前夜、笛の音がした時の郷を眺める目はすでに飲み込まれていた。

誰が将軍が死にたがっていると言ったのだろう、古代要塞は新しい柳の木が毎年成長して……その時に私は江南を離れたんだ。すでに炎国を百年も游歴し、世情を見抜き、風流や人を全て目にした事はあるけど、それでも以前として私が見たことが無い景色があり、体験した事が無い出来事もある。

分かるかな？

その日私は玉門の城楼に立ち、天地がこんなに大きいことを知ったんだ。

……

尚蜀での事については貴君達はもう全て知っているだろう……お酒をもう二つ持ってきてくれるかな。