敵を発見した!鉤爪をつけてるおん――
(ダグダが斬りかかる)
……まずは一人。
(サルカズの戦士が倒れる)
一撃でサルカズを倒しやがっただと?フェリーン、いい腕をしてるな。お前もヴィクトリア兵か?
黙れ!
(ダグダが斬りかかる)
あの軟弱なダブリンどもよりは骨がありそうだ。いいだろう、フェリーン、俺の剣の錆になるがいい。
――危ないッ!
(ダグダが攻撃を避けながら斬りかかる)
……誰が剣の錆になるなど、貴様が決められたことではない。
ぐああああ――
(サルカズの戦士が倒れる)
できることなら我が剣でどれだけ貴様らを処してやりたいものか……だがその剣も、今や貴様らの同族の身体の中で折れてしまった。
ダグダ、戦いに固執するんじゃないよ!
……
あんたの考えてることは分かってる、復讐したいんでしょ?だとしても今じゃない。騒ぎを起こして敵軍を惹きつけた後に撤退するって、ドクターと約束したでしょ――
ハァ……ハァ……フェリーンめ、多くのサルカズを殺してきたってことがあるな!貴様の命は……いずれ必ずサルカズがもらい受けるぞ。
私の命などどうだっていい。
あの時選択の余地さえあれば、貴様らの手から逃れることなどしていなかったさ。
(アーツ音)
あんたどうしちまったんだい?至近距離のアーツも避けないで!
……死ぬぐらいなら、できるだけ多くのサルカズを道連れにしてやると思っただけだ。
だったらあんたを連れて来るんじゃなかったよ……いいかい、ヴィーナがまだ地下であんたを待っているんだ、それを忘れるんじゃないよ!
シージ……
死ぬのは結構だけどね、ドクターとアーミヤちゃんまでをも道連れにするのは勘弁してちょうだい!さもないと、あんたはヴィーナの恥だ!
……わかった。それでモーガン、あとどれぐらい敵を惹きつけておけばいい?
(ダグダが敵に斬りかかる)
あと五分ってとこね。五分後に、ほかの人がここを引き継いでくれるってドクターが言ってたよ。
(砲撃音)
この先で戦闘が発生してるわね。
ええ、俺たちより先にサルカズたちとやり合ってるようですけど、誰なんですかね……
……ブレイク、私がどうやってダブリンから逃れたのかって話、まだ憶えてるかしら?
確か助けられたとか……
そう。顔は見えなかったけど、強かったわあの人、単独で数百回もダブリンの拠点に潜り込むほどにね。
え?じゃあそんなに強かったら、こんな大騒ぎを引き起こす必要なんてないんじゃ?
だからあっちで戦ってるのはその人じゃないのかもしれないわね、とはいえ孤軍奮闘するような人でもないわ。サディオン区には、ずっとダブリンと戦ってるもう一つの勢力がいるのよ。
だからブレイク、今までにこんなことはなかったけど、今ようやっと確信がついたわ――
私たちだけがサルカズと抗ってるわけじゃない。私たちにも……まだ仲間はいたんだ、この暗黒の夜に、火を灯してくれるような仲間が。
ではその仲間たちに加勢しましょうか?
……いいえ。今はまだ任務の目標を変更することはできないわ。
あちらの友人たちがサルカズの気を惹き付けてくれている隙に、この先から潜入しましょう。
(ロッペンが駆け寄ってくる)
ホルンさん!ダブリンの部隊が今そちらに急接近しています、気を付けてください、部隊を率いているのは……
……マンドラゴラ。
(マンドラゴラが歩いてくる)
……
ヴィクトリア兵。
……所々で爆発と光がちらついてますね。
ええ、先ほど何人から、交戦してる音が聞こえるって報告を受けています。
衛兵の状況は?
ほとんどの衛兵は持ち場に留まっています、惹きつけられてはいませんね。
やはり……向こうも備えていましたか。
俺たちも行動に移りましょうか?
私たちの行動ならすでに始まっておりますよ、外に見える爆発が教えてくれています。
皆さんにも備えておくように伝えておいてください――
チャンスは一度っきりです、忘れないように。
(爆発音)
なっ――何が起きた?テメェら、わざと工場の機械を破壊したのか?
ここに来ていいと誰が許可し……なるほど、テメェだな?
またお会いしましたね。
フンッ、テメェが腹に何か抱えていることなんざとっくにお見通しなんだよ、ささっとこっちに来い!
私が腹に何かを抱えていようが、あなたのような戦士からすればどうでもよいことなのでは?
蒸気騎士が声を潜み、塔の騎士が尽く敗れて以来、ロンディニウムで……いいえ、ヴィクトリア全土で、あなたに一目置かれる戦士などもはやいるはずもないではありませんか?
急に人を持ち上げやがって……俺を油断させるつもりだなフェリーン?ハッ、サルカズもナメられてもんだぜ。
テメェが言ってた通り、今晩はまだテメェを殺すことはできない。だからってテメェの首に矢を突き立ててはならない道理にはならねぇよなぁ?
んっ……
こんなヤワな首、軽く引っ掻いただけで血が流れちまうな。
ハッ、ここで見てるといいさ、テメェの仲間が一人ひとりと死んでいく様を、そんでもって明日の朝になりゃ、テメェも血が流れ切って干からび――
私の血でご満足頂けるのなら、願ってもないことです……
――これでも食らえッ!
(瓶が割れる音)
ぎゃああああ!な、なんだこれはッ!目が……あっちぃぃぃ!
(サルカズの戦士が殴られる)
がはッ――!
(サルカズの戦士が倒れる)
ハイディさん!大丈夫ですか?
軽傷です、血もすぐに止まりますよ。
それよりも見ましたか?あのサルカズ、見事にハマりましたよ!あなたが蓄えておくようにって言われたこの試薬が本当に役に立ったとは!
彼にはここで暫く眠ってもらいましょう。ふぅ……クロスボウを奪って気絶させただけでも、危うく手が……折れてしまうところでした。
サルカズは……本当に頑丈な身体をしていますね。血と恨みに目を奪われていなければ、あなた方の接近にも気付けたはずなのに。
……まあよしとしましょう。それでベニーさん、ほかの皆さんは?
みんなハイディさんから教わった方法で、工場を制圧しに行っています。ただ長くは持ちそうにありません。それにサルカズの衛兵たちがこっちに向かってきています、二度目は通用しないかと。
では急ぎましょう。
将軍、ヤツらが現れました。
どの入口でだ?
三か所の入口で同時攻撃を受けています。
……想定内だな。
ダブリンの動きは?
レジスタンスと交戦中です。
マンドラゴラの位置は?
ヤツらの首脳ならまだこちらでは確認できていません。
そうか。もしかすればここに興味を持っているのかもしれないな。
ヘドリーはどうしている?
それが……
……俺ならここだ。
南西の入口の防衛はどうした?
戦場に戻る前に、一つ報告しておきたくてな。
(ヘドリーがサルカズ傭兵を放り投げる)
ぐはッ……ハァハァ……
……重傷を負っているな。この傭兵は誰だ?
シュワブってヤツだ。昔からの付き合いだが、俺を裏切った。そのせいでこちらの計画に誤差が生じてしまった。
裏切り……ちょいと人聞きが悪すぎないか?なあヘドリー……お前自分がどういうヤツだったのか忘れちまったのかよ?
自分がどういうヤツだったかを忘れたのはお前のほうかもしれんぞ、シュワブ。
ハッ、俺たち傭兵は……傭兵だ……それ以外ありゃしねぇ。
ヘドリー、彼女が来やがったんだ……だがお前のことはまだ教えちゃいねぇよ……長い付き合いだ、それに免じてな。はは……見てみたいぜ……お前ら二人が会った時にどういう顔をするのかが……
(ヘドリーがサルカズ傭兵に刃を突き立てる)
……なにを言ってるのかさっぱりだ。
裏切者に耳を貸す筋合いはない。
マンフレッド――
お前は何も言うな、ヘドリー。
私が知りたいのは一つだけだ、お前はまだ私のために尽くしてくれるか?
……無論だ。
なら結構。ではまた新しい仕事ができた、お前に任せたい。
ロックロック、ジョニー、ガビー、みんな着地できたか?よし、なら安心した。
ふぅ……オレたちも侵入成功だぜ。ドクター、気分はどうだ?
・まあまあかな。
・……
・さすがに慣れた。
すなねぇな、いつもは一人で上がるもんだから、このロープが二人分の体重に耐えられるかどうかが心配だったんだ……
……だからその、ちょっときつくドクターを掴んじまった、すまねぇ。
・だが無事に着地できた。
・……
・君なら頼りになると思ってたのに。
クロージャさん、中の様子は見れますか?
バッチリだよアーミヤちゃん、キミの耳に生えてる毛一本一本まではっきりと……
……ちょ、ちょっと、そんなにドローンを近づかないでください!こ、声が大きすぎます!
というか……どうしてドローンから声が出てるんですか?通信機を使えばいいのでは?
通信機は傍受されるからダメだよ!だってほら、あのサルカズの指揮官はすごく上手だって言ってたじゃん!
そこでアタシのココ1651号の出番ってわけさ、新しく書き換えたセーフティシステムを搭載してるからね、そうそう、出発する前に本艦を丸ごと更新しておいたヤツで……
……ココ1651号?
あっ……そのぉ……もしかしてネーミングが気になっちゃった?ちょ~っとキミのドローンからインスピレーションを受けてね……
……
いいよ。その名前……可愛いじゃん。
ありがと~!
それじゃあココ……えっと~、何号だったっけ……まあいいや、とにかくスキャン開始!捜索目標は――ハイディ・トムソン!
目標の居場所は……ここからかなり距離が近いね……やばッ、サルカズ兵だ!敵が接近してきてるよ!
総員臨戦態勢、作戦準備!
……おい貴様ら、ここで何をしている?
気を付けろ!
……レジスタンスか?よもやここで網にかかるとはな……ハッハッハ!
(複数の矢が飛んでくる)
アーミヤ、あいつ以外にも十数人のサルカズがついて来てるぞ!
ロック17――
ここは私に任せてください。
(アーツ音)
黒い線だ――貴様が例のコータスだな!
……戦士たちよ。
一つ聞きます、降伏する意志はありますか?
降伏だぁ?冗談言うんじゃねぇぞ、コータス!貴様がその力を弄ぶとこを見ただけで、全身に悪寒が走っちまうぜ!
俺の感情に触れることは断じて許さねぇぞ!
……同じようなアーツを見たことがあるんですか?
笑わせるな!ここにいるサルカズで見たことがないヤツなんざいねぇ!
……
この手で直々に貴様を嬲り殺してやりたいところだが……今は将軍にこのことを知らせてあげ……
(サルカズの戦士が矢を受け倒れる)
なっ、あいつ背後から攻撃を受けたぞ?見たところじゃ矢だ……どっから撃たれた?
ロック17号、狙って――!
(ハイディが近寄ってくる)
自救軍の皆さん、それと……初めてお会いするロドスの皆さん。
ご機嫌よう。
ハイディさん……ですか?
ええ、まさしく。やっと会えましたね、アーミヤさん。
けど、今はあまり説明する時間がありません。ドクターは……あなたですね?ケルシー先生が仰ってた通りのお姿ですね。
・それはお世辞として捉えてもいいんだな?
・……
・どうせロクな風に教えてもらってないだろ。
まあ……反応も私が予想したものとそっくり。ではドクター、脱出方法はもうお考えになられましたか?
こっちだ!こっちに誰かがいるぞ、はやくあつま――
(サルカズの戦士が矢を受け倒れる)
ぐはッ――
静かにしてろ、サルカズ。増援なんか呼ばせはしないぞ。
ありがとうございます、ベニーさん。ほかの皆さんは?
今のところ一番南側にある工場を制圧してます。
あなたから教わった方法のおかげですよ……一番か弱い織物作業員の女性でもサルカズの衛兵に打ち勝てちゃったんですからね。
皆さんが一番手に馴染む機械と工具を使ってくださったからですよ。
ここは私たちの工場ですからね、ベニーさん。サルカズたちはここを一切掌握できると考えておりますけど、そうはいきません。
ハイディさん……こうも戦闘に精通しているなんて思いもしませんでした。
アーミヤさん……
ケルシー先生と同じく、アーミヤでいいですよ。
分かりました、アーミヤ。
昔はケルシー先生から色々と教わって頂きました……
ご覧の通り、どうやって戦うのかも含めてね。
ただ残念なことに、私は先生の一番の学生ではなかったようです。
ずっと、限られたことでしか先生をお助けできませんでしたから。
だとしても、ロドスと共に戦うために、私は持てる力をすべて尽くしましょう、私が自救軍と共に戦ってきたようにね。
(ドローンが攻撃を放つ)
……またサルカズ兵が接近してきてるよ。
そうだね、冷やかすつもりはないんだけど……今は戦局がひっ迫してるからお話はまた後でね。……うわっ、一個部隊どころか、工場内にいるサルカズ兵全員がそっちに向かってきてるよ!
工場を取り戻しに来たんだろう。
その通りです、ドクター。皆さんが尽力してくれたとは言え、制圧できる時間はごく僅かです。
ですので、ドクターにはなるべく早く脱出方法を考えて頂かなくては……
・待ってくれ、もうすぐこちら側の仲間が到着するんだ。
・彼ならすでに東側の入口についてるはずだな。
仲間、ですか……
……彼?
向かってきてくれてる仲間とはお一人ですか?それとも一個小隊ですか?
ドクター、マンフレッドの指揮下にあるサルカズ兵はどれも厄介な相手です、彼らはどこかに潜んでいるかもしれませんから……油断は禁物ですよ。
みんな、その……なんかおかしなことが起こったよ!前方にいるサルカズが戦い始めた……いや、サルカズ同士で争いが始まった!
ちょっと待って、あれは……サルカズの傭兵?
……あの怪しかった傭兵たちでしょうか。そのうちの一人が、どうやら私たちに手を貸してくれたようなんです。
サルカズの傭兵が?
そんなの信用しちゃダメだよ!午後にビルを連れて行ったのはまさしくアイツらなんだから……ゴホッゴホッ!アタシは……
落ち着け、ロックロック。傷に障るぞ……
アタシは平気、そんなことよりビルが心配だよ!
隊長からも、みんなにはっきり言ってあげて……
……ハイディさん、そのサルカズの傭兵が手を貸してくれたってことだが、具体的にどう手を貸してくれたんだ?
私になにか合図を送っていたようでして……
定かではありませんが……
一体どういう合図だったんでしょう?
(爆発音)
……
……
ヴィクトリア兵たちです……殺しましょうか?
忌々しいダブリンめ!今日という今日は……
長官、どうされたんです?なぜ手を出さないのですか?
……
ホルンさん!俺を止めないでください!俺たちの仲間がどれだけこいついらに殺されたのか忘れたんですか!?
……
アーツを放つ前に、あのダブリンの術師は必ず手を上げる動作を行う。
あいつの手が、あのアーツロッドが、チェロを……ほかの多くのヴィクトリア兵たちの命を葬った。
ホルンは袖に仕込ませたボウガンに手を置く。
マンドラゴラの指がピクリとも動こうものなら、瞬時にトリガーを引くつもりだ。
もしかすれば……このままトリガーを引いたほうが、悪くない選択なのかもしれない。
そんなホルンは、相手の目にも同じ考えがあることを読み取った。
なに?南区で爆発?壁一面に穴が開いただと?穴なんか内側からじゃないと開くわけが……クソッ!
急げ、増援に向かうぞ――
(サルカズの戦士たちが引き返す)
……これが撤退の合図か?
ドクターから何も伝えられてないからなんとも言えないねぇ……でもサルカズ兵たちが退いてるから、吾輩たちの任務は達成できたってことでいいのかな?
お前たちは先に行け。
……誰だい?
あ、あんたはロドスの……
これからの任務は、俺が引き継ぐ。
長官、サルカズたちが撤退しています!今が絶好のチャンスですので、今のうちに私たちも中に……
……
行くわよ。
(マンドラゴラが立ち去る)
ホルンは一瞬たりともボウガンから手を離さすこともなく、マンドラゴラの去っていく背中を睨みつけていた。
一矢……この距離なら、一矢で片が付く。彼女がトリガーを引きさえすれば、チェロの胸元で開いた血の花が、同じくあの人殺しの胸元にも咲き誇る。
だがこのボウガンは彼女の手作りであるが故に、威力には限度があることを彼女は分かっていた。
だからこそ今の距離なら、肩を過るこの一瞬なら……
ホルンさん、ヤツら行ってしまいました。
……
さっきは暴走してしまいましたけど……あなたが止めてくれたおかげで助かりました、ホルンさん。今ここでダブリンたちと衝突を起こすわけにはいきませんもんね。
もし殺り合ったら、みんなサルカズに見つかってしまう。
しかしあのマンドラゴラも我慢が利いていたとはな。昔のあいつなら見つけるなり私たちを追い掛け回していたのに……何しに行ったんでしょうね?
……
ダブリンは何をしに行ったのか?
ホルンはその分析を拒んだ。彼女の指先は今も熱く、血もまだ引いてはいなかった。なぜ彼女はトリガーを引かなかったのだろうか?
マンドラゴラも……なぜ手を出さなかったのだろうか?
そういった声がホルンの胸の内を飛び交い、ぶつかり合う。そしてはっきりと湧き上がり、感じたのだ……無念を。
だが口には出せなかった。
そんなこと、彼女の兵士たちは聞きたくもないからだ。
……マンドラゴラは放っておきなさい。今はまだ、その時じゃないから。
分かりました。ではこれからどうします?ダブリンを追いますか?
……ええ。
各位、予定の作戦計画は中止する。ただしこれからの突入段階でも引き続き隠密を怠らないように。
ブレイク、引き続き先頭を任せる。もしサルカズの衛兵を見つけた場合は、即座に制圧して。ロッベン、あなたはブレイクの後ろをついて行って、必要の時は火力支援をお願い。
そのほかの全員は、私の後ろについてきて。
この先にある穴は見える?あれはダブリンたちが残してくれた入口よ。あいつらが先頭で敵を片付けてくれてる間に、利用させてもらいましょう。
ただこれだけは憶えておいて、私たちは五人でここに来た以上、五人で一緒に帰還する。いいえ……いずれはより多くの戦士たちを率いて、このサルカズの監獄から脱出するわよ。
ではハンドサインを出す、各位――
――
行動開始ッ!
ゲホゲホッ……ゲホゲホゲホッ……さっきの爆発はなんだ?おいクロージャ、お前がやったんじゃないだろうな?
エラー――エラー――システムを再起動します――
あー、違うな、あいつは自分のドローンを壊すような人じゃなかったわ。
ドクター、これがあなたの脱出計画なんですか?些か……騒ぎを大きすぎるのでは?
・私の計画じゃない。
・……
・計画、なのかな?
ドクター、これってもしかして……
見て、土煙の中から人が出てきた!……またサルカズだ!ロック17――
まーた武器を突きつけられるなんて厄でもついてるのかしら?っていうか……見ない顔ね?
ちょっとドクター、あんたこれが援軍への歓迎の仕方ってわけ?
……ロドスの人なの?
ロックロックさん、そのままドローンで狙っていてください。
あらウサギちゃん、会わないうちにえらく薄情になったじゃないの?そんなんじゃあたし……傷ついちゃうわ。
フェストさん、この近くにまだほかの源石爆弾がないか確認できますか?
時間がひっ迫してる上に、人員救助もしなきゃならないから確認はできてねぇな……
そうねぇ、お互いゆっくり挨拶を交わすほど暇じゃないものね、残念。
ってなけでハイディさん、こっちに来てくれる?
……私を探しにきたのですか?
そんな初対面で嫌な顔しないでよ、ドクターに一目ぼれしたわけじゃないんだし。
あのクソババアが……あーっと、つまりあんたの一番大好きなあの人、あいつにあんたを探してこいって言われてなきゃ、あたしだってこんなとこ来たくなんかないわよ。
あたしのギャラは高いからね、ここにいるサルカズなら全員知ってるわ。
ケルシー先生に言われて来た?
それに爆弾の扱いを得意とするサルカズの傭兵って……
あなたが……Wなんですか?
あら、あいつから聞かされてたのかしら?ならこっちもちょっとは感極まったほうがいい?だってこんなにも見慣れた顔ぶれの中で、少なくともあたしのことを思ってくれてた人がいたってことだものねぇ。