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【明日方舟】10章 破砕日輪 10-10「往日の影」行動後 翻訳

(戦闘音)

ヘドリー
ヘドリー

お前がそんな驚く顔を見せるとは意外だな。

ヘドリー
ヘドリー

ヒントは与えたはずだろ。

W
W

……それってあの石ころのこと?昔話をするなら時と場面を弁えてくれないかしら、こっちはちっとも笑えないんだけど。

W
W

あたしはてっきり……

ヘドリー
ヘドリー

てっきり、誰が来ると思っていたんだ?マンフレッドか?

W
W

……あんたを殺さずに取っておいて、おまけにロンディニウムで好き勝手のさばらせてるテレシスはボケ始めたんじゃないかって、思っただけよ。

W
W

もう長い間あんたたちの消息を聞いていないもんだからね、とっくに死んだかと思ってたわ。

ヘドリー
ヘドリー

……

W
W

フッ……それもそうかもね。だってほら、あんたの言う通り、あたしは確かに変わった……感傷的に。あたしたちはただの傭兵だってことを一時的に忘れてしまったぐらいには、ね。

(爆発音)

ヘドリー
ヘドリー

起爆に躊躇に出てるな、W。

W
W

そういうあんたのほうは、もう手が震えていないじゃないの。

(ヘドリーが剣を振り回す)

ヘドリー
ヘドリー

レユニオンから連れていった傭兵たちはどうした?まさか本当にお前一人で来たのか?

W
W

あいつらをここに連れてきて、あんたと同じように摂政王に買収されるサプライズなんて、あたしは受けたくないからね。

W
W

……仲間思いだな。どうりで見知った顔を見ないわけだ。

W
W

あたしは違うけどね、ロンディニウムで色んな見知った顔が見れたわ。

ヘドリー
ヘドリー

相変わらずだな、いつも俺のところから部下を掻っ攫っていく。

W
W

それじゃあシュワブはやっぱり死んだわけ?それともあんたが殺ったのかしら、ヘドリー?あいつはあたし以上のあんたの古株じゃなかった?

W
W

かつてあんたを一日中背負って、テレシスから送られてきた十数人もの殺し屋から逃がしてくれた古い馴染を殺した時、手は震えなかった?

ヘドリー
ヘドリー

一つだけ間違えているぞ、W。ロドスの護衛任務についてた頃、あいつはすでに部隊を離れていた。

W
W

そう、こういう一緒に戦ってきた人たちのことは、あたしよりもあんたのほうが憶えていたわね、確か。

W
W

それでずっと聞きたかったんだけれど、そういう死んだ連中を記憶に留めておいたほうが、安心するのかしら?

ヘドリー
ヘドリー

……

W
W

しなさそうね、だってあんたのその顔が教えてくれてるんだもの、今までよりさらに悪夢を見る回数が増えたってね。

(斬撃音)

ヘドリー
ヘドリー

W、俺とお前が知り合ってからもう随分と久しい。

ヘドリー
ヘドリー

お前があれこれと俺の感情を刺激しにきているのは、自分の心の動揺を隠したがっているからじゃないのか?

W
W

へぇ~、よくご存じで。

(斬撃音)

ヘドリー
ヘドリー

昔のお前なら、きっと躊躇なくあの足を引っ張るレジスタンスたちを撒き餌にして、こちらに寄越していたはずだ。

ヘドリー
ヘドリー

もしWが自ら進んで殿を務めた、なんてことを聞かされた際は――ちっとも笑えない冗談だと俺は言うだろうな。

ヘドリー
ヘドリー

チェルノボーグでの経験で頭が完璧におかしくなってしまったのか、W?

ヘドリー
ヘドリー

タルラによって脳みそが完全に焼き切れてしまったのか?それとも見るべきでない幻影を、誰かからすでに死んで久しい幻影を見出してしまったからなのか?

W
W

イカレたヤツがわざわざ自分は狂ってる、なんてことは言わないでしょ?どうして狂ってしまったのはあたしだって言えるのかしらね?

W
W

テレシスの信頼は値が張るものよ。シュワブの首だけじゃ全然足りないはず、ほかにいくらつぎ込んだの?

W
W

もしかしてあんた、彼女を……

ヘドリー
ヘドリー

それ以上言うな。

W
W

あら……やけに反応するわね?

ヘドリー
ヘドリー

俺たちはやれるだけのことをやった。  

ヘドリー
ヘドリー

お前は出遅れすぎだ、W。

W
W

聞き間違いかしら、あんたが自分の無能さに言い訳をするなんてね?あの時、自分はもうすでに決心できてるって言ったのはどこの誰だったかしら――

ヘドリー
ヘドリー

俺がなんのために片目を失ったと思っているんだ?

W
W

ちょっと待って、まさかイネスはもう……

ヘドリー
ヘドリー

そうだ、彼女なら死んだ。

W
W

……またそれぇ?

W
W

そんなの信じ……

ヘドリー
ヘドリー

信用の失墜にはケジメがつく、それが傭兵だ。だからこれは、俺なりのケジメだ。

ホルン
ホルン

出て来れたわね。

ヴィクトリア兵
ロッベン

ええ、今のところは順調そのもの、幸運に見舞われたのでしょうか?

ヴィクトリア兵
ロッベン

サルカズ兵たちは全員南で起こった爆発に引き寄せられていますし、拷問室の近くにいた看守の数人もダブリンが前もって片付けてくれてましたからね。

ホルン
ホルン

……戦場の幸運を信じる人なんてロクな結末を辿らないわね。

???
???

フッ、でもそういった奇妙な幸運に巡り合ったからこそ、ここまで生き残れたんじゃないの?

ホルン
ホルン

――

捕虜になった兵士
捕虜になった兵士

えっと……誰ですかあいつ?あいつらも拷問室から逃げてきたヤツらなんでしょうか?もしかして……友軍とか?

ホルン
ホルン

……いいえ、敵よ。

ホルン
ホルン

(狙っておいて。)

ホルン
ホルン

(ただし……まだ撃ってはダメよ。)

マンドラゴラ
マンドラゴラ

あんたは私に会うなりボウガンを構える決まりでもあるわけ?私たちにずっと着いてきたから、あんたらは無事ここまで辿りつけたんでしょうが、こっちにはバレバレよ。

ホルン
ホルン

……ありがとうって言ってほしいのかしら?なら私と一緒にロンディニウムの一番深いとこにある監獄まで来てもらいたいわね。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

……

マンドラゴラ
マンドラゴラ

正直言って、あんたらにはある意味感服したわ。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

あんたはあの全身脂まみれで、下水道に流される価値しかない貴族たちとは違う。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

持っていた日常を保つためなら、あいつらはどんな人の足でも舐めるわ。サルカズもダブリンも……あいつらからしたら大差ないんでしょうね。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

でもあんたは……絶対に諦めたりしない人だわ。忌々しい虫みたいに、私がどこに行こうが、目の前を飛び回って邪魔立てしてくる……

ホルン
ホルン

邪魔立てしてるって言うのなら、お互い様でしょ。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

なっ……!

???
???

ゲホッ……ゲホゲホッ……ま、マンドラゴラ……

ホルン
ホルン

そちらのお友だち、かなり重傷ね。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

あんたの兵士たちもどっこいじゃない。

ホルン
ホルン

今は急がなきゃならなさそうね、お互い。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

……

マンドラゴラ
マンドラゴラ

そうね、今はあんたに構ってる暇はないわ、残念。

ホルン
ホルン

それは何より。

ホルン
ホルン

じゃあすまないけど、道を譲ってくれないかしら。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

……

マンドラゴラ
マンドラゴラ

……行くわよ。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

あっ、そうそう――

ホルン
ホルン

ん?

マンドラゴラ
マンドラゴラ

私が直々に岩であんたを貫いてあげるから……

マンドラゴラ
マンドラゴラ

それまでサルカズに殺されるなんてことはないようにね。

(立ち去る)

ヴィクトリア兵
ロッベン

ふぅ……ホルン、また事なきを終えましたね。

ホルン
ホルン

……こっちもサルカズのために弾薬を節約したいところだったからね、何よりだわ。

ヴィクトリア兵
ロッベン

それってつまり……

ホルン
ホルン

順調に進み過ぎている、あなたもそう思ってるでしょ?

ホルン
ホルン

ダブリンが拷問室から誰を連れ出そうが、あのサルカズたちがそのままあいつらを見逃すとは到底思えないわ――

ホルン
ホルン

――私たちも含めてね。

アーミヤ
アーミヤ

ハイディさん、全員脱出できましたか?

ハイディ
ハイディ

はい、アーミヤ、全員ここにいます。

(矢が複数飛んでくる)

アーミヤ
アーミヤ

危ない!

(アーミヤがアーツで周囲を破壊する)

アーミヤ
アーミヤ

ハイディさん、身体が弱ってる方から先に行かせてください、追ってきたサルカズ兵は私たちが対処します。

アーミヤ
アーミヤ

フェストさん、まだ戦えそうですか?

フェスト
フェスト

もちろんだ。

フェスト
フェスト

ビル、振り落とされないようにしっかり掴まっておくんだぞ?

クロージャ
クロージャ

みんな、前にも敵がいるよ!きっと別の入口から出てきたんだ!

サルカズの戦士
サルカズの戦士

目標を発見した!

サルカズの戦士
サルカズの戦士

はやくこっちに来い!あいつらを片付けるんだ!

モーガン
モーガン

フッ、吾輩から逃げるなんていい度胸してるじゃない。後ろを見ないで走ってると、転んじゃうよ~。

(モーガンがサルカズの戦士達を殴り倒す)

ダグダ
ダグダ

何人か取り逃がしてるぞ。

モーガン
モーガン

あんたはまだやり足りてないんでしょ?

モーガン
モーガン

ならとっちめてやりな、まずはあの術師から片付けるんだよ。万が一吾輩たちの負傷者にアーツでも投げ込まれたら一大事だ。

アーミヤ
アーミヤ

よかったぁ、モーガンさん、ダグダさん、来てくれたんですね――

モーガン
モーガン

アーミヤ、ドクター、間に合ったかい?

ドクター
ドクター

・ジャストタイミングだ。
・これでひと安心できたよ。

モーガン
モーガン

ふぅ……というかあんた、吾輩たちの引継ぎが一人だけだなんて聞いていないぞ。

ドクター
ドクター

・一人で十分だ。
・実は一人だけじゃないんだ。

一人で十分だ実は一人だけじゃないんだ。
モーガン
モーガン

ロドスを理解すればするほど、ロドスが不思議に思えて仕方なくなるよ、ドクター……

モーガン
モーガン

となってもまあ、いくら不思議なオペレーターを見たところで、一番不思議なのはやっぱりあんただね。

モーガン
モーガン

やっぱりね……まだなんか策を講じていたんでしょ?

モーガン
モーガン

その点に関しちゃ、吾輩たちは同じ類の人間だね。

モーガン
モーガン

そうだ、今はサルカズ兵たちがここに引き寄せられていように見えるが、実際吾輩たちが駆けつけてきた時はあまりサルカズ兵の数を見かけなかった。

モーガン
モーガン

だから吾輩たちの代わりに敵を惹きつけてくれてるあのお友だちは……特段実力を持っていなければ、極めて危険な状況に陥ってしまうよ。

アーミヤ
アーミヤ

私も、Wさんが心配です……

モーガン
モーガン

W?WってあのWかい?あのチェルノボーグに行ったオペレーターの多くが忘れられないっていう……

アーミヤ
アーミヤ

はい、そのWです。

モーガン
モーガン

……ホント人材が多種多様だね、ロドスは。

アーミヤ
アーミヤ

今はまだ……仲間でいてくれていますよ。

アーミヤ
アーミヤ

ドクター、Wさんがハイディさんに用があるって言ってた時、彼女の目つきがその……少しおかしかったんです。

ドクター
ドクター

・何か感じたのか、アーミヤ?
・いつもあんな様子じゃないのか?

アーミヤ
アーミヤ

彼女の感情は……ほかの人たちと比べて少々特殊でして。いつもは偽ったりしているんですけど、そうしていない時は目つきで分かるんです。

アーミヤ
アーミヤ

前にあのような目つきをしたのは、中枢区画を止めるキーを私にせがむ時でした。

アーミヤ
アーミヤ

もしかしてWさんは……まだほかに何か伝えたかったことがあったんじゃないかって思うんです。

ドクター
ドクター

・彼女が戻ってきたら、聞いてみるといいよ。
・彼女はWだ、きっと戻ってくるよ。

アーミヤ
アーミヤ

そうですね……今回も、彼女を信じましょう。

W
W

ハァ……ハァ……

ヘドリー
ヘドリー

血を流し過ぎたな。

W
W

あんただって全身穴ぼこじゃないの。

ヘドリー
ヘドリー

昔みたいに、爆弾を隠し持っていたほうがよかったかもな。そうすれば、少なくとも俺を道連れにできてたはずだ。

W
W

ゲホッ……ねえヘドリー。

W
W

あたしの首っていくらするのかしら?あんたがロンディニウムで一戸建てを買えるぐらい?

ヘドリー
ヘドリー

申し訳ないが、摂政王はお前のような傭兵の名を憶えてくれはしない、だから値も張らないだろうな。

W
W

ハッ……それイネスにも同じことを言ってやったわけ?あんたたち二人のしょうもない夢で首を落とす前に。

ヘドリー
ヘドリー

こんな状況になっても、相変わらず素直じゃないな。

W
W

そりゃそうよ。じゃあ何?あんたたちのバカさ加減に手を叩きながら爆笑してあげたほうがよかった?あたしにほんの僅かでも悲しんでほしいと企んでたのならお生憎様ねヘドリー、そんなのあたしらしくないわ。

ヘドリー
ヘドリー

……バカなのはどっちだ。現に倒れているのはお前であって、俺ではないじゃないか。

W
W

だから言ったでしょうが、あたしはただちょっと……驚かされただけだって。

ヘドリー
ヘドリー

俺の手足を三四回吹っ飛ばせたはずのチャンスを見逃してしまうほどにか?

ヘドリー
ヘドリー

それこそお前らしくないぞ、W。一体お前は何に取り乱しているんだ?

W
W

死んだと思ってた古いお友だちが実は生きてて、その上まさかあたしを殺そうとしていた、これでも足りない?

ヘドリー
ヘドリー

それだけは本心のように聞こえるな。

ヘドリー
ヘドリー

W、その古いお友だちは……誰のことを指しているんだ?

W
W

……そういうところが嫌いなのよ。あんたもあいつみたいに、いっつもあたしを見透かせると思ってる。

ヘドリー
ヘドリー

残念だが、今回ばかりは見透かしてもらったよ。

ヘドリー
ヘドリー

お前はロンディニウムに潜り込んでしばらく経つようだが、そこまで心情を乱すような人や出来事にはそれほど遭っていないはずだ。一体市内で何を見たんだ、W?

W
W

……フッ、あんたテレシスに着き従ってるくせに、あいつが何を企んでいるのかまだ分からないわけ?もう何回かあのニセの王座に跪いたらどう?そしたらはっきりと見えてくるかもよ?

ヘドリー
ヘドリー

そういうお前は知っているんだな。

W
W

その“あんたは知ってる知らない”とかいう謎かけゲームはもうやめてちょうだい。いい加減傭兵らしさを見せなさいな、ヘドリー。

ヘドリー
ヘドリー

W、もうお前をここから生きて返すわけにはいかなくなった。

ヘドリー
ヘドリー

俺は多くの顔見知りを殺してきたが、その中でもお前ならきっと……俺の選択を一番理解してくれるはずだ。

W
W

……一体どっちが躊躇するようになったのやら。

W
W

なら見届けてあげようじゃないの、あんたが本当にあたしの心臓に剣を突き刺せられるのかどうかをね。

ヘドリー
ヘドリー

……いいだろう。

ヘドリー
ヘドリー

さらばだ、W。

(ヘドリーの剣が弾かれる)

ヘドリー
ヘドリー

……なに?

ヘドリー
ヘドリー

剣が……防がれた?これは……短刀?どこから飛んできたんだ?

???
???

……動くな。

ヘドリー
ヘドリー

……

ヘドリー
ヘドリー

…………

ヘドリー
ヘドリー

久しぶりだな、アスカロン。

W
W

……

W
W

あんた……

???
アスカロン

お前も動くな。

W
W

ゲホッゲホッ、動いたらどうなるっての?

W
W

……ちょっと待って、あんたは私を助けに来たってことでいいのよね?

???
アスカロン

……

W
W

ウソでしょ、まさかこいつを助けるつもり?テレシスが彼女に何をしたのかを知らないあんたじゃ――

(アスカロンがWに物を投げる)

W
W

……

W
W

投げるならしっかり狙いを定めてくれない?こっちは重傷を負ってるのよ、しっかりキメてちょうだい。

???
アスカロン

……それは惜しいことをしたな。

W
W

……

ヘドリー
ヘドリー

……

W
W

結局あんたはあたしを殺せなかったわね?

W
W

あんたもあたしもお互いのボスになったことがあったけど、今じゃそんなあたしら二人のボスになった人がお出ましになった。それに、相当不機嫌そうね。

ヘドリー
ヘドリー

……そうだな、もしかすれば二人仲良く同時に首を落すことになるかもしれないな。

ヘドリー
ヘドリー

だから俺は……もうこれ以上話すことはない。

???
アスカロン

……W。

???
アスカロン

お前は口数が多い、血をこれ以上流したくないのなら黙っているんだ。

W
W

はいはい分かってるわよ、ご心配どーも。

W
W

どうやらここで一緒に死にたくなければ……この凡ミスを受け入れなきゃならなくなったわね、ヘドリー“隊長”。

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