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【アークナイツ大陸版】12章 驚霆無声 12-12「脱帽」翻訳

アーミヤ
アーミヤ

……

アーミヤ
アーミヤ

六割の感染者はここ一週間のうちに感染したことが分かりました。進行がかなりはやいです。

アーミヤ
アーミヤ

ほぼ全員が感染者として生きる術を身に付けないまま、アーツを濫用している傾向にあります。

アーミヤ
アーミヤ

もしここにシャイニングさんがいれば……いや、ごくごく一般的なロドスの医療オペレーターであれば、きっと私よりもうまく対処してくれたことでしょう。

アーミヤ
アーミヤ

私にできることは……あまりにも少なすぎます。

シージ
シージ

自分を責めることはない、アーミヤ。貴様もずっと手を動かしてくれていたではないか。

シージ
シージ

ノーポートにいる感染者の数なら、以前まではそこまで多くはなかった。確かに今はどこでも争いが頻発しているが、それでもここはロンディニウムだった場所だ。

シージ
シージ

そのうち私は幸運だった、ここを出て行ってから徐々に気付かされたよ。これまで当然と思っていたことは、すべて幸運がくれた例外だったのかもしれないとな。

シージ
シージ

人という生き物は、身を置いてる環境によって己の実力を見誤ることがある。自分の暮らしは自分自身が努力して勝ち取ったものなのだと……

シージ
シージ

そしてその暮らしが崩壊した時に、ようやく自分は所詮幸運のもとに生まれ落ちただけなのだと気付かされるんだ。

カドール
カドール

ハッ、ご立派な自覚をお持ちじゃねーか、ヴィーナ様よォ。

カドール
カドール

つまり、ここでいっちょ自分が即位する際に持ち上げてくれる崇拝者を大勢確保するために、ここへ戻ってきたってわけか?

カドール
カドール

ケッ、俺もとんだバカ野郎だったぜ。お前は義理人情に厚い“シージ”なんだって……あいつらが言っていたことをすんなりと信じ込んじまっていたからなァ。

シージ
シージ

そんなことをするつもりなら毛頭ないぞ、カドール。

シージ
シージ

私は一度だって自らを殿下と称したことはない……が、あの状況だ、モーガンはよくやってくれた。

シージ
シージ

貴様は以前から常々、“団結しなければならない”と言っていたな。確かに、今は何よりもそれが――

カドール
カドール

こいつァ光栄だ、あのヴィーナ様からお褒めの言葉を頂いちまったよ!

カドール
カドール

感動して涙が溢れちまうな。できることならここで握手を交わして、それからお前んとこの王家御用達のカメラマンにツーショットを撮ってもらいたいぜ。

シージ
シージ

……

シージ
シージ

どこで不快にさせてしまったかは分からないが、私たちは貴様らの味方であることに変わりはない。

カドール
カドール

……味方だァ?

カドール
カドール

まあたいそう清純無垢でいらっしゃって……その代わり俺たちがどれだけ汚ねえ連中かは分かってんのか?

カドール
カドール

……ついこの間、俺たちはある老夫婦をこっから追い出したんだ。

カドール
カドール

俺が住んでいたアパートのお隣さんでよ、たまに作り過ぎた鱗フライを分けてくれるくらいにはいい人たちだった。

カドール
カドール

俺たちがサルカズにここへ連れてこられた際、人混みの中で逃げ回ってる二人の姿を見かけたんだが、何度はぐれそうになっても、必死に手を繋ごうとしてた……

カドール
カドール

で、俺はたまらず二人をこのボクシングジムに匿ってやったよ。

カドール
カドール

婆さんのほうはかなり働き者でな、色々と助けられた。爺さんのほうに関しちゃ……まあ、少なくとも話は面白かった。おかげで夜の見張りは退屈せずに済んだよ。

カドール
カドール

だがそんな二人を数日前、俺は追い出した。

カドール
カドール

ダフネは二日分の食料を渡して、サディーンデパートの地下駐車場に送ってやったんだ。

カドール
カドール

あそこはもうすでにあらかた他の連中に漁られちまってるが、運がよけりゃまだ食料が残ってるかもしれねえからな。

シージ
シージ

……避難場所としては無難だ、少なくとも安全は確保できる。

カドール
カドール

そうさ。

カドール
カドール

だが二人は感染者だった、ついこの間どっからか飛んできた源石粉塵のせいでな。かなり歳を召していたから、すぐに病気が進行しちまったよ。

カドール
カドール

なのに俺は……

カドール
カドール

……

カドール
カドール

一人分の抑制剤も残してやらなかった。ほかにまだ若くて動ける連中が必要としてるからだ。

シージ
シージ

……

シージ
シージ

貴様の選択は理解できる、が……

カドール
カドール

分かってる、あいつらは老いぼれだ。サルカズの巫術だったり建物の崩壊で死ぬかもしれねえ。なんだったら砲撃音で心臓病発作が起こることだって……だが、俺は二人にとって最後の希望を奪ったんだ。

カドール
カドール

……もしかしたらまだ生きられたかもしれねえところを、俺が殺しちまったんだよ。

カドール
カドール

だがな、俺は間違ったことをしたとは微塵も思っちゃいねえぜ。

シージ
シージ

……

カドール
カドール

……お前に分かるか?あいつらがここを出ていく前にどんな顔をしていたのかを……

シージ
シージ

わか――

カドール
カドール

いいや、お前にゃ分からねえ。

カドール
カドール

泣いたり懇願してきたり、罵ってくることさえなかったんだ。爺さんに至っては最後まで、そのデパートのガリア料理屋で働いてたコックの冗談を話してくれた。

カドール
カドール

そうして二人は、自分たちすべての希望が詰め込まれた小さな包みを抱えながら……とぼとぼと、互いを支え合えながらこっから出て行った。

カドール
カドール

もし運が悪けりゃ、出て行ってすぐ頭のイカレた野郎に身ぐるみ全部剥がされるかもしれねえってのに。

カドール
カドール

そんで昨日、そんな二人の夢を見ちまったんだ。

シージ
シージ

貴様が責任を感じることはない。貴様はただ――

カドール
カドール

鉱石病か飢えか、あるいは戦争に巻き込まれた二人が惨めに死んでいったサマを夢の中で見たとでも?

カドール
カドール

ハッ、違うな……俺は、戦争が終わってロンディニウムへ戻ったノーポートを復興させる夢を見たんだよ。

カドール
カドール

街に秩序が戻り、城壁も再建され、俺たちはまた広々としたキレイな部屋に住むことができた。だがそれに喜ぶ人混みの中に……あの爺さんの顔を見たんだよ。

カドール
カドール

爺さんはまだ生きてたんだ、あるいは婆さんでもいい。舞い落ちる花びらのその先で、俺を睨みつけていたのさ。

カドール
カドール

二人が死んだからって後ろめたい気持ちになるこたァねえよ。他人を犠牲にするようなひどいことをしたかもしれねえが、他の人を救うことになったかもしれねえからな。

カドール
カドール

だが何もかもが元通りになったあと、やられた時の恨みまでもが元通りになるわけじゃねえ。爺さんはずっと俺を見つめていた、問いかけていたのさ。

カドール
カドール

そんな俺はどう答えてやりゃいい?どうすりゃこのクソみてーな戦争から逃げ出すことができるってんだよ?

シージ
シージ

すまな――

カドール
カドール

うるせえ!テメェに謝る資格なんざねえんだよ!

カドール
カドール

女王はもとギャングで、周りにいる騎士やら臣下らももとはただのチンピラ!

カドール
カドール

神話にしか登場しない剣を掲げながらテメェはこう言うんだ!俺たちを助けに、救いに帰ってきた!俺たちはテメェの傍で団結すべきだってな!

カドール
カドール

ハッ、笑えてくるぜ。誰もがこんな惨めな目に遭ってから――

カドール
カドール

グラスゴーがみかじめ料をもらってただけのチンピラから戦争の中を生き抜くコソ泥に、強盗と殺人犯になってからテメェらは帰ってきた。

カドール
カドール

そしてテメェらは徳の高い聖人やら、女王やら騎士やらに祀り上げられる。

カドール
カドール

よくもまあのこのこと帰ってきたものだぜ、“シージ”よォ。

カドール
カドール

ここにはもうテメェのグラスゴーはねえ。今のグラスゴーにとっても、テメェは何者でもねえんだ。

シージ
シージ

だが今は協力し合わなければならない時期だろ!

シージ
シージ

そうしなければ私たちは戦争を阻止することが――

シージ
シージ

……いや、戦争から生き延びることはできない。

カドール
カドール

……分かってるじゃねえか。そうさ、俺たちは何も止めたいと思っちゃいねえのさ。だからテメェの崇高な理想のための犠牲になる筋合いもねえ。

カドール
カドール

テメェら貴族は、俺が一生考えようともしないようなくだらねえモンを今でもサルカズと奪い合っているが……

カドール
カドール

その間に俺たち丸腰の庶民は、少しずつ戦争の荒波にここまで追い詰められてきたんだよ。

カドール
カドール

これも生き残るためだ。今はテメェをぶっ殺す衝動を抑えといてやる。

カドール
カドール

テメェらの素晴らしい計画を推し進めて、この街や国を救おうとしてるのなら好きにやってくれや。

カドール
カドール

そして終わったら、コソコソとここへやって来たみたいに、コソコソとこっから出て行きやがれ。

カドール
カドール

反対意見ならないぜ、“ヴィーナ殿下”?そりゃそうさ、俺ごときが意見する権利はねーもんな?

シージ
シージ

……

シージ
シージ

……何を言おうと、私はグラスゴーの者、貴様らのヴィーナだ。

カドール
カドール

……そうかい。なら見物だな、グラスゴーのヴィーナ。

サルカズの老人
サルカズの老人

うぅむ……

フェリーンの女
???

だから最初に言ったじゃないの、コルバートさん。食料をカートに積んで外に出すのはいいアイデアじゃないって。

コルバート
コルバート

確かに予想とは段違いの結果になってしまったよ、パーシヴァル。

コルバート
コルバート

何人かくらいなら助けてやれたと思っていたのだが……

コルバート
コルバート

一人ずつ豆の缶詰を二つほどこっそりと持っておけば、次の配給まで持ち堪えられたものの……

コルバート
コルバート

こうなると知っていれば、事前に知らせておいたほうが――

パーシヴァル
パーシヴァル

それでも結果は同じだよ。なんだったらもっと酷いことになってたりして。

パーシヴァル
パーシヴァル

ていうかこんな状況なんだから、あんたはどっかに隠れていたほうがいいって。むかし周りがまだコルバートさんを人として扱うフリをしていた時とは違うんだよ?

パーシヴァル
パーシヴァル

命を助けられるだけの食料と薬も持っているのはいいことだけど、周りからしたら、今のコルバートさんは聖人ってより余計悪魔にしか見えないっての。

コルバート
コルバート

ふふっ、わたくしはもとから悪魔と呼ばれるような種族だが?

コルバート
コルバート

しかし、あの噂は本当なのかね?

コルバート
コルバート

アスラン王の末裔がここに戻ってきて、大公爵もその人の命令に従ってここを奪還しに来ていると聞きますが……

パーシヴァル
パーシヴァル

フンッ、英雄伝説しか頭にない街のチンピラたちとは違うでしょ、コルバートさんは。国王がどうやって死んだかはみんな分かってるでしょうに。

コルバート
コルバート

そうだが、それでもあの者たちには助けられたんだ。ならばこちらも……

(イネス達が近寄ってくる)

イネス
イネス

その人たちと話くらいはしておいたほうがいいって?

ダフネ
ダフネ

ちょっとイネスさん!もう少しワンクッション置くとかそういう……

パーシヴァル
パーシヴァル

ッ!?

パーシヴァル
パーシヴァル

あんたは、あの時の……

ダフネ
ダフネ

心配しないで、こっちに敵意はないから。

ドクター
ドクター

二人と少し交流したいと思ってね。

パーシヴァル
パーシヴァル

……そんなことを信じると思う?フードで顔を被ったヤツとサルカズの傭兵が“自分たちはアスラン王の一味だ”ってほざいてるのよ?

イネス
イネス

フッ、なんでも起こり得るのがテラってもんでしょ?

イネス
イネス

……しかし考えてみれば確かに意外ね。まさか私がロドスで一定の身分を得るなんて。

パーシヴァル
パーシヴァル

……で、何が目的なの?

イネス
イネス

あなたたち、サンセット大通りにあるホテルの人たちね?

イネス
イネス

なんだか特殊な補給ルートを知っているようだったから。

コルバート
コルバート

心優しいサルカズの傭兵が分けてくださったのですよ。量はあまり多くはありませんが、それでも……

イネス
イネス

そう急いで説明しないでちょうだい。話ならゆっくりできるから。

ドクター
ドクター

こちらもお二人にとって魅力的な提案があってね。

パーシヴァル
パーシヴァル

……

 

パーシヴァル
パーシヴァル

そっ。本当にここの人たちを助けたいと思っているのなら、この際誰だって構わないわ。

 

(扉を開けてダフネ達がホテルに入る)

ダフネ
ダフネ

このホテル、まだ中に入れたんだ……外から見る限りだと、てっきり中もぐちゃぐちゃだと思ってた。

パーシヴァル
パーシヴァル

五時間は愚痴をこぼしてやりたいくらい大変だったわよ、外観を廃墟そっくりにすることが。

パーシヴァル
パーシヴァル

コルバートさんは戦いに不慣れだし、面倒ごとは極力避けたかったのよ。

コルバート
コルバート

どうか悪く思わないでください……わたくしはただ、このホテルの体裁を保ちたかっただけでして……

コルバート
コルバート

ここは本当に立派なホテルでした。わたくしも生涯をここで働くことに費やしていたものでしたから、すべてが灰になってしまうところが耐えられなくて……

ダフネ
ダフネ

気持ちはすごく分かるよ、コルバートさん。私も昔のここの姿は憶えてるから。

ダフネ
ダフネ

キラキラとしたシャンデリアに、積極的にもてなしてくれるドアマンとホテルマン。そして豪華絢爛なお部屋たち。

ダフネ
ダフネ

確か入口にはキレイな旗も飾られていたはずだよね?

コルバート
コルバート

旗……ということは、あなたは当ホテル最上級の賓客としてここへお越しいただいたことがあったということですね?

ダフネ
ダフネ

……何年も前のことだよ。

ダフネ
ダフネ

まっ、こういう話はまた後にして……二人の話を聞く限りだと、とあるサルカズの傭兵が食料を分けてくれているんだってね?

コルバート
コルバート

ええ、パプリカと言う娘が。きっと向こうも危なかったはずなのに……

イネス
イネス

パプリカ?

ドクター
ドクター

知っているのか、イネス?

イネス
イネス

……この前ハイバリー区での行動をまとめたアスカロンの報告書で見たことがあるわ。

ドクター
ドクター

あっ、思い出した。キャサリンたちを逃がしてくれた子か。

イネス
イネス

その後マンフレッドに捉えられたものだから、てっきりもう死んだと思っていたのだけれど……

ダフネ
ダフネ

じゃあ、本当にその優しいサルカズがいるってこと?

イネス
イネス

いや、おそらく食料を分け与える行為もきっとあのマンフレッドの計画の一環ね。

イネス
イネス

軍事委員会からすれば、ノーポートの人たちを生かしておく必要があるってことよ。今のところは。

イネス
イネス

向こうは何かを待っているのかしら?

ダフネ
ダフネ

そうだとしても、今はサルカズの計画に関心を寄せてる場合じゃないよ。

ダフネ
ダフネ

で、話を戻すけど。このホテルには通信施設が置いてあるよね?それを少しだけ借りたいの。

パーシヴァル
パーシヴァル

……

パーシヴァル
パーシヴァル

目的は?

ダフネ
ダフネ

大公爵に私たちの存在を把握させ、ここへ向かわせること。

パーシヴァル
パーシヴァル

……なるほど、例の“殿下”の噂話は本当だったってわけ。

パーシヴァル
パーシヴァル

その殿下がここの人たちを救ってくださると言っておきながら、全部ウソだったのね。

ダフネ
ダフネ

それをいま現実にしようとしているんだよ!

ダフネ
ダフネ

通信さえ送れば、大公爵たちだって黙ってはいられなくなるはずだよ!私が約束するから!

パーシヴァル
パーシヴァル

そんなにあの貴族たちの良心を信頼してるわけ?

ダフネ
ダフネ

……野心を信頼してるだけだよ。

パーシヴァル
パーシヴァル

で、通信したあとは?ここのチャンネルは暗号化できないから、サルカズにも筒抜けだけど?

ダフネ
ダフネ

ヴィーナさんが言ってたけど、今彼女はグラスゴーギャングたちとバリケードの突破を計画してる。もし成功すれば、外にある区画外へ通じる裏道に行けるはずなんだ。

ダフネ
ダフネ

彼女たちも昔は一度使った道だから心配はいらないって。

ダフネ
ダフネ

それまでの間、私たちは大公爵が到着するまで“辛抱”すればいい。

パーシヴァル
パーシヴァル

“辛抱”するって言うけど、どのくらい?

ダフネ
ダフネ

多くて四時間。

パーシヴァル
パーシヴァル

ふーん、確信めいているのね?

ダフネ
ダフネ

……

パーシヴァル
パーシヴァル

で、区画を抜け出したあとは?もう戦争は始まっているけど?

ダフネ
ダフネ

……その時また決めるよ。最初から最後まで計画を通すことはできないから。

ダフネ
ダフネ

けどここさえ抜け出せれば、その後はきっと……

イネス
イネス

話の腰を折って申し訳ないのだけれど、このホテル、ほかに住んでいる人は?

コルバート
コルバート

え?いえ、いませんが……

コルバート
コルバート

これまでずっと、わたくしとパーシヴァルしか利用しておりませんよ。

イネス
イネス

まずいわね……!

(ダフネ達の影が大きくなる)

ダフネ
ダフネ

影が……大きくなってる?

イネス
イネス

隠れておいて。私についてらっしゃい。

ダフネ
ダフネ

え?でも――

ダフネ
ダフネ

ちょっ!引っ張らないでよ、イネスさん!

イネス
イネス

死にたくないのならさっさとついて来てきなさい!ダフネ・ウィンダミア!

ダフネ
ダフネ

ッ!?

ダフネ
ダフネ

な、なんでそれを……

ドクター
ドクター

お二人もここから離れたほうがいい。

コルバート
コルバート

え?一体どうしたんです?

パーシヴァル
パーシヴァル

……

パーシヴァル
パーシヴァル

こいつらの言う通りにしましょう、コルバートさん。

(コルバートとパーシヴァルがその場から離れる)

イネス
イネス

ドクター、あなた……

ドクター
ドクター

・ここは任せてくれ
・……
・まだ協力関係は継続中だ、心配はいらない。

ドクター
ドクター

君はダフネとしっかりと話し合ってくれ。

ドクター
ドクター

この先におけるロドスの立場に関わることだからな。

イネス
イネス

……分かったわ。

(イネスとダフネが影に覆われ、その場から姿を消す)

ドクター
ドクター

さて、君もかけてくれ。

(”グレイハット”が近寄ってくる)

“グレイハット”
“グレイハット”

いえ結構、立っているほうが好きなのでね。

“グレイハット”
“グレイハット”

しかしとんでもないことをしてくれましたね、ドクター。殿下のご身分は、今のヴィクトリアではとてもセンシティブなものなのです。あなたもそれはご存じのはず。

“グレイハット”
“グレイハット”

てっきり、そちらもこのことについては理解してくださっていると思っていたのですが……

“グレイハット”
“グレイハット”

しかしまあ、この話は一旦置いておきましょう。

“グレイハット”
“グレイハット”

先ほどそそくさとここから離れていった青い髪をしたお嬢さん、彼女をご紹介していただけませんか?一つ、面識を深めたいと思いましてね。

“グレイハット”
“グレイハット”

それから一曲、お供できれば幸いなのですが。

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