
ああ…。

今日はこれで3回目の目覚めですね。おはようございます、チェン。

どれくらい私は気絶していた?

十数秒ほどですよ。

――星熊、どいてくれ。石を切り刻む。

すみません、これだけは譲れません。そんなことをするとあなたがいなくなってしまうかもしれない。大丈夫ですので。

お前の腕が。

大丈夫ですので。

…お前こそ長くは耐えられない!少なくとも2階建ての廃墟がお前の盾に伸し掛かっているんだぞ!

私が長く耐え続ける必要はありません。目が覚めたのであれば後は簡単です。しゃがんで、いますぐに脱出する準備をしてください。

――

どんなに重くても――。

――私が上げている限りは――。

――重さは関係ありません!!ああ!!

お前…。

ふう、ふう…はあ。すこし押せましたが、この腕はダメですね。

お前はまた助けてくれた。

おかしなことを、あなたを救う回数はまだ足りていませんか?改まったことを言わないでください。気味が悪いですよ。

少し休ませて下さい。全身の骨がバラバラになった気分です…たまには私が動けない状態でも許して下さいよ。

…くそ、あれでは近衛局の奴らを倒すことは出来なかったか!

だが敵は許してはくれないようだ。

仕方ないですね。無理にでも立ち上がって動かないといけないみたいです。

急いで隊列を整えましょう。やつらに足を引っ張られないで下さい。奴らの目的はそこなんですから。

先に処理しても遅くはないと思うぞ。

先に行き他に誰かが怪我をしていないか確認してきてくれませんか?

その怪我で一人でレユニオンと対面するつもりか?

チェン。あなたは何をしたと思います?

二年前に水の中に入った際、あなたは自分で盗賊を追いかけました。私は足に怪我をしていましたが、あなたは私を信頼していました。あなたは私を残して戦ったことを覚えていますか?

その時私はそいつをどれくらい追いかけていたんだ?

3時間です。私を信じてくれませんか。

今も同じだな。

きさまらレユニオン共!一緒に来い!

くそ!俺達を挑発するとは!

私はまだ戦うことは出来ます。あなたは何故ここにいるんです、チームを率いて近衛局を奪還するのでは?それが最優先ではないのですか?

今と3年前に違いはありません。あなたは依然としてあなたしか出来ないことを背負っているんですよ!

先程の木禾倉庫の時もそうです、いつからそんなおばあさんになってしまったのですか?チェン!

私は自分の同僚を暴徒から守ることに何の問題は無いと思うがな。

あなたは変わりましたね。昔のあなたはもっと強い人だったのに。

お前をここに捨てる?もちろん出来るさ。昔の私は利害だけで考えていたが、今はお前が言ったように――

アーミヤ達を廃墟都市に残してきたことは私も同じように感じている…不快だ。

お前たちは感染者の怒りを味わうが良い!

確かに私は変わったのかもしれない。時間が経つに連れて、龍門に対する不満もどんどん無くなっていった。私を信じてくれる人もますます多くなっている。

お前は最早ただの星熊督察ではなく、私の友人であり、私のパートナーである星熊だ。

お前の盾にはこんなにも長い間支えてもらった。たまにはお前の盾にならせてくれ、星熊。

ふう。そんな話をして顔が赤くならないんですか?

*龍門での悪口*

ははは。

いいでしょう、分かりました。はい、チェン、全て聞きますよ。
(戦闘)

医療チーム、旧大古広場の南側12出口、負傷者1名、身元は近衛局の高級督察だ、急いでくれ。

血は止まったか?

私のことを分かってないようですね。傷はもう治りましたが、盾を振るうのには少し問題があります。

近衛局のみなさんは大丈夫なのでしょうか?

ビルから落ちたのは私達2人だけだ。不幸中の幸いだな。

今度は私を連れていかないと決心でもしましたか?近衛局に潜むのはレユニオンのリーダーであり、悪戦苦闘するに違いありませんよ。

私は構わないが、だがお前の状態を見るにそのほうが良い。お前もそう思うだろう。

それは少し心が傷つきますがそうですね。心の中ではよく分かっていますよ。

気をつけて下さい。

分かっているさ。

レユニオンはどの方面からみても私達の予想よりも弱い。ですが彼らはどんなに弱くてもあのチェルノボーグを食ったのですから。

それにあなたには弱点があります。くれぐれも必要のない考えの中に浸らないでください。良いですか。

何かに執着するために、わがままを言ってはいけません。あなたには今を除いて、全てのをものはあなたに似合わないのですから。

アドバイスとして受け取っておこう。

さっさと治療を受けるんだぞ、仕事が終われば、私はお前の帰りを待つとするさ。

医療チームの安全は私は守ります。早く行って下さい。

ああ。

…。

レユニオンが銅鐘を抜けました。

下環ではレユニオンが集まり隊列を整えています。以上AU7からのタスクレポートです。

AO3チームは規定の計画通り前湾にいるレユニオンを一掃、残存勢力を近衛局まで後退させました。コンプリート。

太羯宫のレユニオンは全滅させました。チャールズ通りから退去し、規定の場所に合流します。AL1チーム報告完了。

…。

以上、レユニオンと各チームの報告となります。

通信終了。

分かった。

行動は継続、目標、全レユニオンが指定した全ての区域に駆けつけろ。

他地域に小規模のレユニオンが巣食っているのでいるのであれば、直接叩き殲滅しろ。

可能であればやつらを誘い出してから出撃しろ。死傷率は最小限に抑えることに注意。私達は戦力を保つ必要がある。

Yes Sir。

おい…

ん?また通信か?

もし、もし?チェンちゃん?まだそこにいる?

今私のことを何と呼んだ?!

チェンちゃん。もう終わりでしょ!大古広場のことなかなかやるわね、私にもはっきりと聞こえたわ。あなたが彼らに手を出したんでしょ!

まさか、それが言いたかった訳じゃないだろ。

私は言ったよね、あなたがロドスの援助を拒否したのは、心から悪いと思っていたからじゃないかって?

私の心を推測するな。

まあいいわ、私が埋め合わせしてあげるわよ。

お前が何を補うんだ?

ふふ、それはまだ秘密よ。

でも大古広場のことはこれで本当に終わったわ!

そうだ、上環には茶餐廳があることは覚えているか?

え?どれのこと?どの店も今は閉店してるだろうけど!

――あなたそれで話をそらすつもり?!

サンドイッチの中のステーキがとても柔らかいあの店だ。

え?んー…あ!思い出したわ!あの茶餐廳ね、肉まんが手のひら2つ分の大きさもあるところ!

そうだ。

依然パトロールしていた時は私もあの店によく行ったわ…って寝ないでよ!誰が始めたっていうのよ!

あ!!

何て言ったっけ、”おしゃれな茶餐廳?”

そうだ。

ええっと、分かった。あなた私とお茶を飲みに行こうって言うわけね?でもなぜ高級店じゃないのかしら?

お前の高級と私の高級ではグレードが違うからな。

まあ、私があなたを招待してやってもいいわよ。

シお嬢様が私のような人を?

あなた、まだその名前で私を呼ぶつもり?

気にするな、口が滑りやすいんだ。

あなたのは明らかに故意でしょ!

スワイヤー、私はもし今回うまく行かなければ、近所の人たちに申し訳が絶たない。

私達のやっていることは龍門に頼っている。龍門も私達を頼っている。

感情的にはなるのはほどほどにしなさい、あなたはさっさとレユニオンを退治して、早くお茶を飲みに行きましょう。

お前のところの戦いも激しいようだが?

ああ、大丈夫よ。これくらい持つわよ。

急げ!奴らが逃げたぞ!

うるさいわね!こら、あなた達も早く動きなさい!時間が無いのよ!

チェンちゃん!私にはトマトエッグバーガーをちょうだい!

モーマンタイ。

このまえうっかり金庫の中に閉じ込めてしまったことは謝るよ。

それもうっかりなの?!まあいいわ、きっとわざとやったのでしょうけど!私も朝にあなたに水をかけてから気分が晴れやかだし良いわよ。

もしもし、チェンちゃん。

ん?

命は一番大事なの。眼の前のことのだけに命はかけないで頂戴。あなたを頼りにする人はまだたくさんいるんだから。

ああ、そうだな。忠告ありがとう。

あなたがその茶餐廳の前にいるってことは、これから近衛局のビルに行くってことなんでしょ?

そうだ。

頑張ってね。
PM 07:40 天気/曇り
龍門上城区、商業街、近衛局ビルから東に670m

チェン殿、第四チームからの報告です。

ご苦労。

諸君、ここには精鋭チームが集まっている。多くの同僚は未だ見えないところで戦っているが、私達にも自分たちの任務がある。

私達の目の前のビル、かつて龍門の安全のシンボルであり、法律が実体となったもの、龍門近衛局だ。

だが今はレユニオンに奪われてしまい、陰謀の戦火の中にある。

諸君らにとっては単なる仕事かもしれない、もしかするとこのことが諸君らの感情に触れているのかもしれない。そして、これらによって諸君らは義憤に満ちているのかもしれない。

いずれにせよ、私達は近衛局だ。暴徒でもないし犯罪者でもない。

私達は近衛局を奪還する。正義や尊厳のために。

私達は龍門近衛局だ。私達は自分たちのものを取り戻す、それだけで十分だ。

龍門に心配を掛けさせるな。覚えておけ!服従し職責を果たし不動であれ!

そろそろ時間だ、近衛局の手でレユニオンを全て破壊するぞ!

Yes sir!

出発だ