
君は手を出す。

ここで僕を殺せばここのレユニオンは全て潰れるだろう。

君と僕との会話を拒否するなんて本当に不幸だよ。そんなことより僕を殺してよ、君に出来るならだけど。

チェン殿!

敵の攻撃が凄まじいです!即戦即決をしてください、これ以上は耐えられません!

両陣営の指揮官はどちらか一人しか生き残れない、分かりやすい構図だね。

僕の遺言はあまり長くはない。長官。君さえ良ければ。

お前は何を考えている?殉道者か?

お前が死んだとして誰もお前を記念することは無い。死を受け入れることと尊重することは別だ。それは死ではなくお前の行動にかかっている。

僕は価値のある敵とゲームをしたいんだ。そして価値のある死を遂げる。

君は僕の願いを叶えてはくれないようだ。君が負けるから。長官。今は僕が君の立場を指摘する番なんだよ。

お前の自信はチェルノボーグの崩壊が基にあるようだな。

だがここはチェルノボーグではないし、ウルサス人の怠惰な悪土でもない。

強靭な龍門はお前のような下っ端程度の手では陥落しない。

お話がとても上手なようで。

ファウスト。

分かっている。

【咆哮】

斬撃?あ、ありえない!これは…アーツか?!

下がろう。

え…どうして?

【痛みに呻く声】

恐れるな!

痛くはない。恐れるな

【うめき声】

…。

おい。

(ここからじゃ遠すぎる、もっと前に進みたいが、それも難しい。消耗戦は私には不利だ)

すごい技だね。

君のアーツはファウストの攻撃に触れ、更に僕の布陣を貫き、初めて護衛の首の間から僕の前に到達した。

もう少し前に進まれていたら、僕は君に真っ二つに裂かれていただろう。ファウストですら君を止めることは出来ない。

次はそんな幸運は無いぞ。

残念だけど君はどうすることも出来ない。君の秘密はもう全て明るみに出ているんだからね、長官。

下手な手品は1回だけしかやってはいけない。何故なら公演が終わった後は秘密が残らないからだ。

僕たちの距離の間は君のアーツの範囲を超えている、だよね?

屋上はこの大きさしかない。お前はそう何歩も退くことは出来ないがな。

じゃあ君は後何歩進むのかな?

ファウスト、彼女に本当のマジックっていうやつを見せてやってよ。

私はお前の位置を分かっている。露出したスナイパーが設置されている場所は…。

お前…。

すごいよ、チェン長官。どんなボウガンの弾でも切り刻むことが出来るの?さっきと同じで全然見えなかった。

――

スナイパーは同時にお前と3時の方向から狙撃したようだが、その方向に敵はいない。

お前がそのような術師であるはずもない。

気にする必要はないよ、長官。君には見当も付けないだろうから。

はっ。

次は何発のボウガンの弾を止めることが出来るかな?10発、40発?それとも100発?

でも、破片はどう?衝撃はどうかな?ボウガンの弾に込められているアーツはどうだろう?

そういうものも全部防ぐことは出来るのかな?

無駄口を。

また来るよ!

長官、僕は君が何かを知っている。僕のアーツは感染者だけに効果があるものだ。

気にすることではない。

君は彼らの駒になるだけということは知っているだろうけど、彼らに捨てられるということは?

その言葉、そっくりそのまま返してやる。

僕たちは君にチャンスをあげるけど、龍門はそうしてはくれない。

チェン長官、私達は下に移動することを余儀なくされています!敵の攻撃がとても激しいです!

(ふむ、移動しようとすると、ボウガンの弾は四方から発射されるだろう。敵のスナイパーは一体どうやっているんだ?)

(鞘から半分出すことでスナイパーの攻撃は一掃出来るが、このまま消耗していくだけであれば遅かれ早かれ息切れすることになる)

(一瞬の内に勝負を分ける必要がある…!)

お前が何を言おうが、もう聞く時間は無い。

(赤い光があの女の周囲で凝縮されていっている。これはアーツの前兆だ)

(メフィスト、計画によれば今あの女を射撃しアーツを中断させなければいけない。それか彼女を爆発させて死なせなければ)

でもこのタイミングが彼女の鋭気をくじく一番良い機会じゃない?ちょっと待ってみようよ。

それだと機会を逃すことになる。

戦略的目標は戦術よりも重要だよ、ファウスト。

…。

私と一緒に来い!ここにいてはいけない!

ここから離れたくないだと。

お前は知らないのか?大人たちがお前と私をこんな風に扱うのはあいつのせいだ!全部あいつのせいなんだ!

…。

こんな街嫌いだ。あいつは憎い。私には嫌われるな。

赤霄――

――抜刀!

全護衛、並べ!彼女を遮れ!

【甲高い声】

ぐっ…!

(ま、まずい!赤霄が暴走している?どうしてこんな時に!)

アーツが停滞している。あの女はアーツに成功しなかった。

ファウスト、今だ。

命令、射撃。

くそ…散れ!

強い武器だねえ。

きちんと発動しなくても、矢や弾を全て弾き飛ばすことが出来て、護衛の行動能力を3つも奪ってしまった。

でも君はショックを受けているんだよね?

はあ、はあ…。

(一本、いや肋骨を二本か?まだ我慢は出来る。だが、こんな強力な火力とアーツを私は…)

リーダーの言うとおりだ。

長官、君は僕を殺したくは無いんじゃなくて、その剣の力を引き出すことが出来ないんだ。

もう一度言え。それは誰だ、何を言った?

君はその名前を知っている、チェン長官。この剣は君が言っているように、僕に対抗するためのものじゃないという君の衝動がその剣の働きを損なわせた。

完全に無防備な君を使えることが出来れば、君は粉々になる
彼女は君の弱点を完全に知っているからね。

上手いことを言うな。

僕たちは今のこの大地を破壊する。

腐敗を放置し成長が続いてしまうと大地は陥落してしまう。

これら全てを壊すだけで無数の錆びた都市は鎖を千切って生まれ変わることが出来る。

(枯れた声)

邪魔だ。

さあ、チェン長官。龍門にもがっかりしたでしょ?

…。

僕たちのリーダーが待っている。もう龍門に奉仕する立場じゃないでしょ?

私には仕事がある。

それは立場とは関係ない。君が言っているのは世俗雑務だ。彼らが僕たちの同胞にどう接しているか知ってる?

君が少しでも合図をしてくれれば、すぐにでも手を止める。さあ、僕たちに参加してもっと大きな目標のために働こうよ。

お前に渡せるのはこの口の血だけだ。

お前たちのようなレユニオンの奴らは何か高尚なことでもやっているのか?私は信じることは出来ない!

そう、君が信じないのであればもうやめよう。

せいぜいあがいて見せてよ。僕の護衛と彼のボウガンが感染者の本当の力を証明してくれるから。

君は一人、僕たちは団結していて強い、君は死を得るだけだろうね。

腐るのはお前が死んでからで良い。

それか、その剣に宿っているオリジ二ウムアーツを強制的に触媒にすることも出来るよ。恐ろしいことが起こるだろうけどね?君の運命は自分で決めてよ。

お前は英雄のように死にたいのか?

坊や、死んだら何も残らないんだ。

お前を殺すためなら、私はお前と一緒に死ぬことは出来る…。

それはつまらないことだが、することは出来る。

ふん。

僕たちの会話はこれで終わりだ。さようなら、チェン長官。ファウスト。

命令、射――

はっ。

そこまでする必要はないぞ、チェン長官!

…?

何だこれは?

ヘリコプターか?いやヘリコプターじゃない。これは…

ホムラ、飛べ!

着地姿勢に注意しろ、熱流から離れるな!

あれは何ですか?上から飛び降りた人がいるようですが?!

“恐怖心が湧き上がり、彼女は最終的に盲目となる――”

ごほ、ロドス?空から?!。

この黒い線は…どういうことだ、まさかお前が――

“――涙が乾いてもなお、彼女は声なく泣き叫ぶ。”

…あ。

あ、うう…。

う…う!う!

どうした?僕の護衛はどうしてそんな悲しい声を出すんだ?

何で、僕のアーツでとっくに彼らの感情は消したはずなのに。どうして、どうして!

お前だな!!お前だろ!!

ロドスのウサギめ!!

彼らの行動は制限しましたが、これは一度に十数秒程度しか持ちません!

十分、セーフエリアを作るには十分だ!

始めましょう、ホムラ!

大仕事の準備は出来ている!

はい!

もうすぐ着く。お尻が痛くなるぞ!

はい!お願いします!

もちろん!

命令、射撃!

見くびらないでください!

――ボウガンの弾が風でずれた?まさか――

屋根を切り、他のレユニオンを全て落としましょう!

いいだろう、でもお前は落ち着け!数ヶ月に1回しか使えないからな!

あ、ああ?

がああああ!!

近衛局の屋上に大きなヒビが入っています!

分かっている、崩壊に注意しろ!

どうしましたか?どうかしたのですか?何が起きているんですか?!

ええっと、大量のレユニオンも落ちていっています!

みんなしっかりしてください!

もし、もし。

あなた、そんなにも死に急ぐ必要はないわよ。

…。

お前、こんな肝心な時に通信チャンネルで何をしているんだ?

ええと、私の任務は完了したわ。それを教えに来たの。

ロドスにすごいものがあったのよ、頼りにしなさい、もうすぐ着くから。

もう着いてるぞ。それでお前の仕事とは?

ロドスに会うこと。

安全に着地!

ホムラ、下におろして下さい。

お…お前たち…。

チェン長官!

アーミヤ…!

すみません、チェン長官、遅れてしまって。

合意に則り、ロドスがあなた達を支援するときが来ました。
数分前
AM 04:21 天気/曇り
龍門上城区、バッドガイ号、近衛局ビル上空40m

・さあ、お前たちが活躍する時だ!
・…いこう。
・あの狼狐の姿を見て。彼女を助けに行こう、アーミヤ

お前は何を熱くなってるんだ、彼女は以前にアーミヤを廃墟都市に捨てたんだぞ、今こそ孤立無援の味を味合わせるべきなんじゃないのか?。

ホムラ、そうではありません。Dr.○○○が正しいです。私達はまずは龍門の問題を解決しなくてはいけません。

そうしなければ、ロドスの今までの貢献は無駄となってしまいます。

いいぜ。それが命令なのであれば受け入れるさ。

どうしてここにいるんだ?

私たちはここにいなければならないからです、メフィスト。

フロストノヴァは何をしている!あいつはいったい何をやっているんだ、また気でも失ったのか!

お前のようなウサギとお前たちロドスは廃墟としてで凍死しているべきだろ!

私はまだ死ぬことは出来ません。

この大地にオリパシーがもたらした災害がある限り、私達の戦いは永遠に止まることはありません。

それがあなたのような狂人であろうと感染者の境遇の不公平であろうと、私達は排除していきます!

は、はは…。

来いよ、仔ウサギ!もしお前の敵が僕なのであれば、僕を殺せよ!今すぐに!殺せ!

いいえ。あなたは私の敵ではありません。

それなら僕がお前を殺す!

あなたは名誉ある死を望んでいるのでしょうが、それは叶いません。私が消したいのはあなたの恨みと毒だけですから。

どうであろうと私には関係ありません。あの感染者を見て下さい。あなたの死では何も持ってくることは出来ません。

お前――

私はあなたのような人に感情を浪費することはありません。少なくとも、今は。

お前は徹底的にレユニオンを敵に回したいのか?感染者の本当の怒りを味わいたいのか?

感染者のというのは違います。フロストノヴァさんはあなたと似ている所なんてありません。レユニオン全てがあなたのような人ではありません。

あいつはお前に何を言ったんだ?あの女…!

お前、何か勘違いしていないか?

僕こそが都市を支配出来る人なんだ、僕が一般人共を制御することができるんだ!あの女じゃない!

ならば、もし誰かがあなたとあなたの悪行を罰する必要があるのであれば私は当然辞退は出来ません!

なあ、敵対とかそんなの、私達はとっくに敵対しているだろ?

はい!

あなたが恐怖と惨劇を作り始めた時から私達はもう敵同士です!

――。

アーミヤ。

チェン長官、もうしばらくの辛抱です。ロドスの支援チームもこちらに向かっていますので。

すまない。

え?

…戦場はとても複雑で、作戦計画を聞き取れませんでした、チェン長官。

ああ。分かった。

どうぞ、チェン長官。

炎国の古い言葉に”擒賊先擒王”というものがある。

敵を虜にしたければ、その王を捕らえるべきであるという意味だ。

気をつけろ、奴の理性の無い手下はやつの手によっていくらでも戻ってくる。

出来ればやつらをこの苦痛から解放してやってくれ。

…分かりました。

ドクター。

・分かっている。君とホムラは戦いに行け。私が指揮する。

はい!

ホムラ、私がアーツで敵の陣形を破壊します!彼らの攻撃を退けて下さい!

私達はチェン長官のテリトリーを勝ち取らなければいけません!

彼女は強いんだろうけど、そんなにも強いのか?直接二人であの子供を取るのか?危ないと思うぞ。

ドクターの指揮があれば彼女を助けることは出来ると信じています。

――。

ロドスのDr.○○○。

これから敵の指揮官に襲撃を行う。

・通路を開く、大丈夫だ!
・….
・相手の指揮官を捉えるきっかけが必要だな。

ああ。

いずれにせよ、一度お前を信じてみる。

・私も君を信じる

――。

龍門と手を組むのか?ロドス。

僕はこの目で見て、感染者に与えられた恥の重さを感じたよ。

たった4人でここまで追い詰められるお前のほうが恥ずかしいと思うぞ?

メフィスト、私達はここであなたの悪行を断ち切ります!

ファウスト、こいつら全て僕の前から消し去ってくれ!

…分かった。

この戦いはもう終わりだ。

それでこそ、次の悪戦が始まる。

命令を、Dr.○○○。

・ロドス、私の指揮を聞け。

・チェン長官に協力し、近衛局ビルを奪還しろ!